異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜 作:raixip
「今なら間に合う!」
マクダフが胸を張った。
「正式に封鎖される前です!」
「旦那ぁ、急ぎましょう!」
僕はおっさんを見る。
「おっさん!」
「嫌な予感しかしねぇ。」
「でも魔鉱石ですよ?」
「その言葉を聞くたびに財布が軽くなる気がする。」
「今回は本当です!」
マクダフが割って入る。
「俺が保証します!」
「お前の保証ほど信用できねぇもんはない。」
「ひどい!」
森へ入る。
昨日まで巨大ゴブリンがいた辺りだ。
少し歩くと。
「グル。」
巨大ゴブリンが現れた。
僕は思わず身構える。
でも。
巨大ゴブリンは頭を下げた。
「……。」
僕も頭を下げた。
「こんにちは。」
「グル。」
お互い会釈しただけだった。
そのまま巨大ゴブリンは道を空ける。
「旦那ぁ。」
マクダフが小声で言う。
「ほら。」
「本当だった。」
「だから言ったじゃないですか。」
おっさんは頭をかく。
「笑えねぇな。」
「なんでです?」
「魔物に歓迎される奴なんざ普通いねぇ。」
「そうなんですか?」
「普通じゃねぇ。」
さらに奥へ進む。
森が急に開けた。
「おぉ……。」
思わず声が漏れる。
岩肌がむき出しになった崖。
そこら中に黒い鉱石が光っている。
「旦那ぁ!」
マクダフが叫ぶ。
「これ全部ですよ!」
僕は近寄る。
一つ拾う。
重い。
昨日見た魔鉱石と同じだった。
「すごい……。」
山全部が宝物だ。
「これなら。」
思わず笑ってしまう。
「僕、お金持ちです。」
「まだ一文にもなってねぇ。」
おっさんが即座に返す。
「でも見てください!」
「見るだけならタダだからな。」
僕は周りを見回す。
そして。
あることに気付いた。
「おっさん。」
「なんだ。」
「掘る必要あります?」
「……あ?」
「落ちてますよ。」
足元。
魔鉱石がごろごろ転がっている。
「拾うだけじゃないですか。」
「……。」
「採掘道具もいりません。」
「……。」
「これ。」
僕は両手いっぱいに拾った。
「一日で何十個も。」
「ジョン。」
おっさんが真顔になる。
「夢見るのは自由だ。」
「はい。」
「でも現実見ろ。」
「え?」
「持って帰る方法あるか?」
「……。」
僕は固まった。
重い。
とんでもなく重い。
十個も持ったら歩けない。
「荷車?」
「森の中だ。」
「あ。」
「馬車?」
「道がねぇ。」
「……。」
マクダフも黙った。
三人で考える。
しばらく沈黙。
その時。
「きゅ。」
キュ太郎が僕の肩から飛び降りた。
ころころ。
魔鉱石へ近付く。
「食べるなよ。」
そう言った瞬間。
ぱくっ。
「あっ!」
食べた。
魔鉱石を。
「きゅ。」
もぐもぐ。
「おい!」
僕は慌てる。
「高いんだぞ!」
キュ太郎のお腹が少し膨らむ。
そして。
ぽと。
何かを吐き出した。
地面へ転がる。
「……金貨?」
僕は拾い上げた。
本物だ。
「え?」
マクダフも固まる。
おっさんも固まる。
「……。」
三人同時にキュ太郎を見る。
キュ太郎はもう一個。
魔鉱石を食べた。
ぽと。
また金貨。
「……。」
沈黙。
そして。
僕はゆっくり立ち上がった。
「おっさん。」
「……。」
「これ。」
「言うな。」
「永久機関じゃないですか?」
「言うなって。」
マクダフが震え始める。
「ご、ご主人様……。」
急に呼び方が変わった。
「俺ぁ、とんでもねぇもん見ちまいましたぜ……。」
その頃。
森の入口では。
王都特別調査局の馬車が、ゆっくりとこちらへ向かっていた。
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
171g(銀行預け金:250g(銅貨2枚、半銅貨5枚))
財布の中身を見るたびにため息が出る。
【所持アイテム】
・???のスクロール 6枚
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群
立場:保護対象
詳細:不明
・キュ太郎
(魔鉱石を金貨に変えた。説明書が欲しい。)
【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中
想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
詳細:非公開/高リスク
状態:運用中
銀行
「順調です。」
ジョン
「何が?」
【装備品】
・骨護札の首かざり
・水トカゲの手袋(呪)
【本日の収支】
魔鉱石
ジョンの一言
「これなら……儲かるよね?」