神に恋した芦の花   作:レガシィ

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第三話 渾沌と日常

 昨晩の彼女の手料理が忘れられない。

 

 満腹感も味覚による幸福も無かったというのに、満足感だけは桁違いだった。

 

 私は人間が確かに好きだが、一緒に住んでいるというだけであそこまで変わるものなのか?

 

 ……いや、存外私はゲテモノ好きなのか?

 

 今度そういうコンセプトの店にも行ってみようか。

 

「っと、彼女の朝ごはんを作らないと」

 

 数時間、私にとっての未知と向き合い続けていたらいつの間にか夜が明けていた。

 

 朝は軽めのもので済ませよう、彼女は確か学校のはずだからね。

 

 もう何度目かの食卓。彼女の純粋な笑顔を見られる数少ない瞬間で、やはり落ち着く。

 

 入学式の後はアルバイトの面接があるらしいが、まぁ、特筆してぼんやりしているわけでもないし、心配は無い。いざとなれば助けに行けばいいしね。

 

 そんな事を思っていたら、魔術の追跡禁止を言葉にされてしまった。外は危険だというのに、全く。

 

 数十分後、彼女を見送ってすぐに機材が届き、取り敢えず1時間後に配信枠を取る。

 

 軽くおまじないがわりに、"暇な人間、悩みを持つ人間、潜在的に非日常を求めている人間"が引き寄せられるようにサブリミナルを作っておいた。とはいっても、軽いものだし大して効力も強くないから、やはり集まるとすれば本当に興味のある人間だけだろう。

 

 〈おいおいおい、普通に魔術使ってんじゃん〉

 

 〈ちょっとしたサブリミナルだ。魔術じゃないよ〉

 

 〈地球に無い技術なら同じだかんね?〉

 

 退屈しのぎのつもりだったが、これが存外面白い。

 

 一歩も動かずに数多の人間の内情を知れる。ネット上の第三者、自制心が緩むのだろう。

 

 〈夜に集まらん?〉

 

 平日の昼よりも夜の方が人が集まるらしい。私としては夜まで配信を続けても構わないが、皆はそうでもないらしい。

 

 しかし……芦花がいないのであれば、あまり目立つことも出来ない。暇だし、外を散歩でもしよう。

 

 魔術【 】

 

 折角なので電車を使って知らない土地を歩いてみる。

 

 たった数km移動しただけで人相も街並みもガラリと変わる。

 

 少し過ぎたが、もう昼だ。何処かで食事をしなければ。

 

「苺フェア……カフェか」

 

 そうだった、甘い物が好きなんだった。行っておこう。

 

 芦花と共に入った時以来だ。吹き抜けで落ち着く空間。

 

 先程ピークタイムが終わったのか、複数の店員達が皿を下げている。

 

 ……いや、危ないな彼女。

 

 アイデア【成功】 

 

「……ふむ」

 

 CON×5【失敗】

 

「うわぁぁ!?」

 

 DEX×5【成功】

 

 物理学【成功】

 

 このくらいなら魔術もいらない。

 

 平謝りする彼女を宥め、少しして運ばれた食事をとる。

 

 落ち込んだ彼女がお礼と謝罪をしに来たが、正直どうでもいい。話半分に聞き流そうとも思ったが、慰める練習をしておこう。彼女(芦花)の為にもなる。

 

 だというのに、何故泣く?失敗したか?

 

「……難しいな、人間というのは……」

 

 彼女との会話は、要領を得ないことはなくシンプルなも問答だ。やはり別に彼女の能力に問題はないのだろう。賢くすらある。

 

 魔術を使ったものよりも、こういうことでお金を得たほうが芦花は喜ぶかもしれない。

 

 彼女からの勧誘と会話の流れで、この店のアルバイトをすることになった。

 

 〈あぁ、こういう経緯だったんだ〉

 

 〈みおさんは今やあのカフェの社員だしね。私も感慨深いものがある。私の正体も薄っすら知ってるし〉

 

 〈〈〈!?〉〉〉

 

 そうやって家に帰ってバイトが決まったことを芦花に報告すると、彼女も進んで肯定してくれた。

 

 夜の方が集まるというリスナーの言葉通り、昼の2倍程度の同接。皆が勝手に解釈してくれるから、緩んで本音を喋ってしまう。少し気をつけなければいけないか?

 

 明け方、コメントが急速に減ったから配信を切り、眠るのを忘れていたので座ったまま眠り、朝を迎える。

 

 朝食を取りつつ、今日の日程を確認。彼女の体調を確認するのがだんだんルーティン化していった。

 

 もう一つバイトをすると言っていたが、そんなことをしなくても……いや、彼女の意見だ尊重を……いや心配だな。

 

 初日から変なのに絡まれていた彼女の事だ。流されて盗られるかもしれない。何か対策を考えよう。

 

 カフェのバイト、私にとっては覚えるのも動くのも児戯にも等しい。

 

「お兄さん新人なんですか!?」

 

「えー、すっごいイケメン。日本語上手ですね〜」

 

「ハッハハ、ありがとう。君達も綺麗だよ」

 

「「きゃ~!」」

 

 〈あれ良いの?芦花〉

 

 〈だってあの笑い方する時嘘だもん〉

 

 〈あ~……最初からこのクセあったのか私〉

 

 〈ナイア君でも気づけないことあるんだ〉

 

 〈私自身に大して興味ないからねぇ〉

 

 一日に何度も女性客から声をかけられた。

 

 最初は丁寧に接していたが、面倒だし仕事が滞るから途中から適当にあしらう。

 

 何度も似たような言葉を投げているうちに、自分でも言葉が安くなってしまったと反省する。

 

 午後の休憩、私と同じほどの仕事が出来るというもう一人のスタッフ、酒寄彩葉と出逢った。

 

 一目見て、彼女の異質さが際立つ。

 

 明らかに異常な量の魔力。私の指先にすら及ばずとも、間違いなく人間の中では最高峰。

 

 魔術師ではない、ならば私以外の神格か?

 

 魔術【コガナマの瞳】

 

 魔力量、素質。対象の"罪科"を見抜く魔術。

 

 もし、人間に何か害を加えるのならここで……。

 

 とは思ったものの、全くの善人だ。

 

 野良の才能持ち。だが気にかけておくとしよう。

 

「あぁ、そういう……すまない、忘れてくれ」

 

「……?あれ、何か話しました?」 

 

 〈待って!?私記憶飛ばされてたの!?〉

 

 〈あぁ、すまないね〉

 

 〈ねぇ、魔術使うの禁止って言った〜!〉

 

 〈正体がバレない為なら使ってもいいとも言っていたよ〉

 

 〈……そうだった〉

 

 初日でも少しだけ早く上がる。

 

 しまった。移動手段はともかくとして、芦花が帰ってきているかもしれない。彼女はご飯を食べたのか?

 

 そんなことを考えて魔術で人気のいないところまで飛び、家に戻る。

 

 オートロックの鍵を魔術で解錠し、戻ったのを知らせながら入ると、タイミングよく彼女が目の前にいた。

 

「ストップ。忘れてる」

 

 様子からして夕飯は食べていないようだが、入ろうとすると右手で静止をかけられる。

 

 何故だ?手洗いは中でしか出来ないし……あぁ、プレゼント?出かけて戻るときは何か用意しなければいけないのか?いやでも彼女に物欲は……。

 

「帰ったら、ただいまでしょ。ほんと、色々知ってるくせになんで当たり前のことは知らないかなぁ」

 

 唖然としてしまった。

 

 ただいま?それは……

 

「おや、私が言っても良いのかい?」

 

 思わず、いつものように、意地悪く言葉に出してしまった。この言葉の意味は分かるはずだ。相手は無貌の生物だぞ、君達から見た怪物だぞ。そう遠回しに伝えたつもりだったが、当たり前だと一蹴されてしまった。それどころか、ここを私の家でもあると付け加えられた。

 

「…………ただいま……」

 

「はい、お帰りなさい。それでさ、もう遅いし、出前頼んじゃおうよ。ナイアが遅いのが悪いんだよ?」

 

 そう言った彼女の背後から、僅かに燻る焦げたであろう食事の匂い。

 

 なんだ、誤魔化したいだけか。少しだけ、そう、ほんの少しだけ残念だが、這い寄る渾沌を少しでも欺けたその頭脳に賞賛を贈ろう。

 

 そして、取り消させない。

 

 相変わらず美味しくないが気持ちのこもった心地の良い食事をしながら、私は彼女に言葉を贈る。

 

「ありがとう、ご馳走様」

 

 その後、彼女のアバターを確認する為に適当な理由をつけてツクヨミに向かう。膨大な魔力を持つ人間、電子生命体、重なるイベント。短時間でこれだけ異常な事があった。不安だ、もし誰かの仕業ならこれだけこの私が後手に回っている。彼女だけは護らなくては。

 

 鹿の角を持つアバター。あまり現実と差異がないし、瞳も変わっている。なのに、変わらず私の彼女に対する感想は、美しい。

 

 それを伝えたらうるさいと怒られてしまった。

 

 少々ショックを受けながら、彼女のアバターのプロテクトを確認する。

 

 私がツクヨミに侵入した時よりも遥かに強い厳重な防護。

 

 月見ヤチヨか?酒寄彩葉か?私の知らない電子の神格か?とにかく、先であれ後であれ、彼女は(這い寄る渾沌)協力者(パートナー)。それに手垢をつけたんだ、気に入らない。

 

「……良い度胸だ」

 

 宣戦布告代わりにプロテクトを握り潰す。次は隠蔽などしない、私が壊したんだと知らせてやる。

 

 次に彼女を狙ってみろ、魂ごと貪り喰らってやる。

 

 〈なんてね、ここカットするべきだったかな〉

 

 〈顔こっっわ……〉

 

 〈変なところで邪神の片鱗見せないでくれないかな……〉

 

 〈ヤチヨよく無事だったね〉

 

 〈正直、結構奇跡かもって思ってる……〉

 

 〈……芦花も怖いと思うかい?〉

 

 〈え、いや別に。寧ろこの時から大事にされてるの知れて嬉しいかな〉

 

 〈流石だわ、邪神の嫁やってるだけある〉

 

 〈芦花ぁ〜、ちょっと盲目になってない?〉

 

 〈こらかぐや、余計なこと言わないの〉

 

 〈なってないから大丈夫……たぶん?〉

 

 〈芦花!?〉

 

 芦花に振りかかる厄を、改めて払いのけようと決意した。

 

 学校に行っている間、バイトか配信をしていた私の生活サイクル。常識もまともな感覚も身につけ、都心へ足を運ぶことを芦花に許可された。

 

 しかし、何処へ行っても大抵は女性から話しかけられる。食事に行こうだとか少し話そうだとか、量産されたモブのような言葉は聞き飽きた。もっと普通に観光させてくれ。

 

 目星【成功】

 

 そう辟易としていると、見覚えのある姿を見つけた。

 

 芦花だ。

 

 何故?そう思うと同時に、そう言えば今日は午前授業だと言っていたと納得する。

 

「ろ……っと、友人か」

 

 危うく声をかけてしまうところだった。学校の友人だろうか、4人程の男女のグループでいた。

 

 聞き耳【成功】

 

「今日の授業、楽で良かったね〜」

 

「あの先生だるいよなぁ」

 

「どう芦花ちゃん、楽しんでる?」

 

「うん、楽しいよ」

 

 聞こえてきた会話。芦花の隣にいる金髪の彼が言っていることに返す芦花。

 

 本当か?真っ先にそう疑問を覚えてしまった。

 

 彼女が笑う時はそんなに強張らないし、手にしている飴だって別に好きなものでもないだろうに。

 

 見ればもう一人の男は肩に手を回そうとしている。

 

 静かに手を下ろす彼女だが、懲りずに彼は近づいて話している。

 

 〈うわ、何アイツ!下心丸出しじゃん!〉

 

 〈やれナイア!許す!〉

 

「……いや、まぁ、彼女には彼女の交友関係があるしな……私……手を出すのは……」

 

 〈チキんな!!〉

 

 〈いや画面の私と会話しないでくれ……〉

 

 私は無貌の生物だ。本来彼女の日常にはない非日常。

 

 人間に交わること自体異質で仕方ない存在。

 

 振り返り、その場を後にしようとした。

 

 聞き耳【決定的成功/クリティカル】

 

 無意識に耳を傾けていた彼女達の会話。芦花の声色に"恐れ"が混じった。

 

 瞬間、身体が動いた。

 

 私は至って冷静だった。正気を蝕むのは簡単だが、芦花なら気づいてしまう。

 

 ……まぁいいか。

 

 音を、気配を殺して彼女達に這い寄った。

 

 わざと、軽く肩をぶつけて芦花に伸びた手を遮った。

 

 他人のフリをしながら、彼等を牽制しようと脳を直接揺らしてしまおうとした時。

 

「あっ、ナイア」

 

「えっ、君が言うのか?」

 

 思わず心の声が漏れた。知り合いには知られたくないとか言って無かったか?私の記憶違いか?

 

 芦花は自然に私の名前を呼び、彼等から離れてこちらへ来る。何故だと疑問を浮かべたままに、彼等は私に問いかける。

 

「背ぇ高っ。お兄さん芦花ちゃんの知り合い?」 

 

「あ、あぁ。私は芦花の……友人?だよ」

 

「なんで疑問系?ってかめっちゃイケメンじゃん。芦花さん、私に紹介してよ〜」

 

「あぁ、いや。紹介はちょっと……」

 

 当然だろう。誰彼構わず好き好んで邪神を友人に紹介し始めたら流石に正気を疑う。

 

 芦花の当然の反応に頷いていると、彼女は言葉を続ける。

 

「は?なんで。別にいいじゃん。図々しくね?」

 

「いや、そんなつもりはなくて……」

 

「ね〜、ナイア君。今からあたしと遊びにいかない?」

 

 さっきまでとは違う、やけに高い声で私の右側にすり寄る彼女。正直、香りの強い香水が鼻や服に付くし、やめてほしいが、そんなことを言っては失礼だろうから我慢する。

 

「いや、私はこれから帰るつもりで……」

 

「いいじゃん、別に。芦花とそういう仲なわけ?」

 

「そういうとはどういう……?」

 

「そんな陰気な子よりあたしにしときなって。めっちゃファン増えるよ?」

 

 そう言って見せてきたスマホには、彼女の持つチャンネルやSNSの称賛のコメントが並んでいた。

 

「ほら凄いっしょ。あたしパリコレ目指しててさ、自慢じゃないけどミスコンも最終まで残ってんだよね〜」

 

 割と本気で興味がない。世の中にはこんな人間もいるものなんだな。等と考えていたら、しまった。かなり淡白な反応をしてしまった。

 

「へぇ」

 

「えっと、ナイアってそういうの興味ないんだっけ?」

 

「まぁ、無いね。そもそも彼女より芦花の方が綺麗だ」

 

「「「はぁ!?」」」

 

「!?」

 

 〈うおっ、言ったぞこの邪神!〉

 

 〈こん時めっちゃ恥ずかった〉

 

「は?お兄さん見る目無いわ〜。ウチのこの商品レビューの動画見なよ、才能違うっしょ?」

 

「そうかい?その商品の投稿レビュー。どれも芦花が紹介した近日だ、テロップも似てるし。確かにファンも多いみたいだが、どれも過激な投稿によって増えたものにしか私には見えないなぁ」

 

 魔術【侵入】

 

 PC【成功】

 

「えっ、あっ!?」

 

 結構本気でうっとおしくなってきたし、少し雑に彼女の裏を暴くとしよう。やけにファンが多いと思えば、不特定多数の男性にお金や身体のやりとりで増やしているし、化粧品のレビューや写真も切った貼ったの合成やパクリだらけ。よくもまぁここまで堂々と嘘をつけるものだ。

 

「なっ、なんで!?戻らっ、ちょっ、本垢が……!?」

 

「おい、どうしたんだよ」

 

「なんかスマホおかしくなって……!」

 

「おい、何したんだよおっさん……!」

 

「別に何も?言いがかりはやめたまえよ。それより、君達はもっと自分に気を使ったほうが良い」

 

「「あぁ?」」

 

「えー、なになに。"同クラに顔の良い女がいるのラッキー。近づければワンチャンあるかも"」

 

「……!それ裏アカ……!?」

 

「次、"女とかマジちょれぇ。甘い物食わして身体さわりゃ勝手に発情する"……言ってて恥ずかしくなるなこれ」

 

「ちょっあ、俺のも!?」

 

 組み付き【成功】

 

 組み付き【成功】

 

 回避【成功】

 

 回避【成功】

 

「うわ、"受験もオヤジの金で勉強せずに済む""化粧品とか興味ねぇ、女がゴロゴロいて楽だから選んだだけ"……清々しいね、ここまでくると」

 

「黙れ!」

 

 パンチ【成功】 

 

 パンチ【成功】

 

 回避【成功】

 

 回避【成功】

 

 楽しくて暴きすぎたが、まぁ芦花に手を出そうとしたんだ、少しお灸を据えてやったと思えばいい。

 

 少々目立ってしまった。

 

「ふむ、どうする芦花」

 

「え、どうするって……?」

 

「別に、彼等とまだ一緒に遊びたいというのなら止めない。ただ、私はこれから軽食をとろうと思っていてね。電車で二駅程のところに、今話題のパンケーキを出す店があるらしい。一緒に来るかい?」

 

「……奢り?」

 

「もちろん」

 

「ふっ……じゃあ、ついて行っちゃおうかな」

 

 良かった、やりすぎてしまって怒られると思ったが、どうやら杞憂のようだ。だが、それはそれとして芦花の友人達には悪いことをしてしまった、少し反省しなければ。

 

「すまないね、君達。お姫様は拐わせもらうよ」

 

「このっ……!」

 

「あぁそれと、無駄なことはしないほうが身のためだ」

 

「何……!?」

 

 魔術【無貌】

 

 ほんの少しだけ、一瞬だけ。

 

 後ろから私達の後を追おうとする彼らに、邪神の顔を見せてあげた。狂うことはないが、これで手を出すのはやめることだろう。

 

「……芦花」

 

「ん?」

 

「私は過保護なのかもしれない」

 

「今更すぎない?でも……ありがと。今回は助かったよ」

 

「友人が減ったのにかい?」

 

「友達じゃないよ、クラスメイト」

 

「???」

 

「気にしなくていいよ。ほら、道案内して〜」

 

「あっ、あぁ」

 

 結局、彼女の交友関係がよく分からないまま、この日は終えてしまった。

 

 未知があるのは正直納得いかないが、彼女が気にしなくていいというのだからそういうことにしておこう。

 

 〈……やるじゃん〉

 

 〈褒めてつかわす〉

 

 〈もっとコテンパンにしろよ〜!〉

 

 〈ヤッチョならネットにばら撒いちゃう☆〉

 

 〈いや、当時は本気で芦花の友達だと思っていたし……〉

 

 〈あの三人どうなったの?〉

 

 〈このあとすぐに学校辞めたよ。報復とかはないけど、気まずくなったんじゃない?〉

 

 〈これで半分くらいかな?〉

 

 〈じゃ、再生するね〜〉

 

 そう言って彼女たちは残り半分の動画を再生し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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