KASSEN編が長くなるのはなんでだろうか…。
継続して今まで読んでくださっている方は100〜200人も!嬉しい限りです。私のネタが明確に尽きるまでお付き合いくださいませ!
やはり人間ということを考慮せず、即座に処理しておけば良かった。まさか私をこのツクヨミに喚ぶとは。
しかも喚ぶだけじゃない、この術式は私をこの空間に無理矢理"適応させる"もの。
奴の攻撃で飛ばされた右腕が再生できないのが何よりの証拠。
科学と魔術の合わせ技か。中々面白いが、そういうのは私だけに向けろ。芦花に余計な不安を煽りたくない。
しかもこれは
「この星の技術じゃない…魔術師か、貴様」
魔術師の予想はしていた。しかし、この技は明らかに人類が生み出せるものの域を超えている。
銀の錠前…名前と服飾の
その程度の規模で私に喧嘩を売るとは良い度胸だ。
この形態の私を相手にしたいなら、一国の軍隊でも連れてこい。それでようやく相手になる。
Don'ttouch。
手を出すな。君では彼ら全てを手に負えない。
そして羽虫共、光栄に思え。今この瞬間から君達は、この
まずは芦花を逃がすことを最優先、奴がどの魔術を使えるか不明瞭で私の肉体の奪取に5分はかかるだろう。
酒寄さんと芦花が合流して天守閣を落とす時間もほぼ同様。
つまり制限時間は5分。
いいハンデだ、遊んでやろう。
「芦花、天守閣へ向かっている酒寄さんを援護してくれ。大将落としを打ち込めば終わりだ。コイツは私が引き受けよう」
「そんな…チート使ってるんだから中止なんじゃないの?それにその腕……強がってるけど、ここにいるってことは、ナイアは痛いんでしょ?無理しないでよ…」
「君の前なんだ、格好付けさせてくれ。それに、彼等には聞きたいことがある」
「…なら、約束して。無理だけはしないで。何かあったら迷わず逃げて」
確かに、右腕を取られた痛みというのは今すぐにでも大声をあげて転がり回りたいほどの痛みだ。
が、まさか逃げてとは。
芦花、君への愛は変わらないしこの想いは不変だ。
だが、その判断だけは君でも見当違いで愚かと言わざるをえない。
私が負けるとでも?
君が愛した私は、このような下奴に尻尾を巻いて逃げ出す情けない男ではない。
『お集まりの皆々様方、なんてことはない。姫を賭けた決闘の2ラウンド目さ。ヤチヨ、帝君。止めてくれるな。ここから先、待ったは無しだ』
「ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"ア"アア!!!違う違う違う違う違う!!!私の神はそんなことをしなぁぁいいい!!」
「私の神だと?ククッ、フハハハ!!!誰が貴様の神なものか。私は芦花だけの神だ。思い上がるな、三下の半端な下郎風情が」
魔術【 】
魔術【無貌】
魔術【化身創世】×3
魔術【使い魔の召喚】×10000
魔術【使い魔の使役】×10000
魔術【視覚共有】
魔術【
魔術【
〈え、なになに。なんでこんなに画面増えたの?ナイア君の視界だよね?〉
〈少しだけ本気を出した。外に配置している予備の私の分身から魔術を使い、この星の全ての生物と私の使い魔、それと魔界から呼び出した悪魔達と視界と思考を共有して同時に処理した、これはその映像のほんの一部だよ。そして、それと並行してツクヨミでの私の肉体の権限奪取と、星全体の魔力を探知した〉
〈人間だけで80億、生物に関しては約900万種の何全京、ツクヨミのデータベースを遥かに超えた情報量…無理なのです〜、概算すら及びませーん〉
〈それを同時に処理する脳みそ…駄目だ、想像できない〉
〈これ、その気になれば5分かからずにその場で地球を滅ぼせるってことだよね、ナイア君が味方で心底良かったと思うよ…〉
〈さっすが〜〉
〈芦花、それ本当に反応あってる??〉
〈だって考えるだけ本当に無駄だもん〉
1/10000程度の魔力量だが、念のために配置しておいたのは正解だったな。色々手間が省ける。
「あぁ…我が敬愛の君よ。なんと弱く儚いことか。やはりあの生物の言う通り…貴方は人間に侵されている!!」
「望んで堕ちたのだ。貴様に理想を押し付けられる筋合いはない
つらつらとよくもまぁ、この私に対して軽い言葉ばかり吐けるものだ。よほどその脳には空白があると見える。
神だなんだとくだらん。私を崇拝するのなら、それなりの覚悟を持つのが真理。
「…ククッ」
何だか懐かしいな。過去、化身を含め私に願った48の魔術師達、うち3人には敬意を持って私が力を与え、その力で歴史に名を残したものだ。
ソロモン王、カエサル帝、ラムセス二世。
だが貴様にその資格はない。残りの45人と同じ末路を辿らせてやる。
目星【成功】
アメリカ、ヒューストン
シエラレオネ、ケネマ
日本、山形県南陽市
中国、上海嘉定区
ドイツ、エアフルト
ロシア、モスクワ
リヒテンシュタイン、全域地下
特定完了。
「…ゴフッ…!」
"幽体の剃刀"か。喉と肉体の関節部くらいくれてやる、あと2分もあれば完全に解析が完了するしな。
貴様の顔が歪むその瞬間をこの世界に切り取って飾ってやろう。
パパンッッ
「ナイア!逃げて!!」
芦花!!?何故戻った!?
解析中断、全ての思考を彼女を守ることに繋げろ。
「ご安心ください。現実の肉体に干渉するのは不可能ですが、精神ならばいくらでも。壊れた後は、ヒナでも植え付けて苗床にしてしまいましょう」
ビキッ…!!
すまない、芦花。君にそんな言葉を聞かせたくなかった。
すまない、こんな姿を見せるつもりはなかった。
すまない、後のことを考えず、即座に処理すれば君を不安にさせることはなかった…!
魔術【精神の侵食】
魔術【
後悔が募ってしまう。君の涙を見るだけで、私は自責と失意に溺れてしまう。だからもう泣かないでくれ、芦花。
「起きてナイア!」
バキィンッ……!!
「…………へ?」
「見つけた」
灯台下暗しだったな。
直接の首謀者。日本、東京都池袋商業ビル。
「芦花、ちょっと目を瞑っててくれ。君に見せたくない」
魔術【消景】
本当に、情けない恋人ですまない。君は心配で泣いてくれたのに、それを嬉しいと思ってしまったし、君を愚弄した奴に対する怒りが抑えられない。
君にこの心を聞かせるつもりはないが、どうか理解してほしいし、誤解しないでほしい。
この戦いで、私は少しも傷ついていない。
「この期に及んで高みの見物を決め込むとは…こちらへ来い。下賤な思考と嘲られることが存在意義の羽虫の分際で、拒否の権利を持てると思うな」
権限も取り戻した。
下僕達に特定した教団を襲わせた。人間は絶対に殺すな、それ以外なら好きにしろと簡潔な命令を下しておいたから問題ないだろう。
ヤチヨへのハッキングプログラムも全て破壊した。
後はコイツと、その後ろの虫を始末するだけだ。
魔術 【多次元干渉】
魔術 【クトゥルフの鷲掴み】
「口を開くことを許可しよう。それで、目的は?まさかこの程度の規模で地球の侵略等と考える貴様らではないだろう」
「…|ククッ…アナタとオナジデス…。タイクツをコロシタカッタダケ《くくっ…貴方と同じです…。退屈を殺したかっただけ》」
勘違いも甚だしい。私は退屈を殺しているのではない。
彼女と共にある現在を噛み締めているのだ。
貴様らのような下等なゴミ虫共と同列に扱うなどと、安く見られたものだ。
「……」
知っているとも。人の真似事をしすぎて自分を人と勘違いした。そんな言葉が私を表すことくらい。
「ハッハハ…!!そんなことくらい…解っているさ」
解っている。だからこそ、その勘違いを本当にしようとしているんだ。邪魔をするな。
残りの貴様もだ。
「一つ、君の最期に彩りを添えてあげよう。美しく醜いこの世界。だが、手折られ挫かれるような泥中に咲く花ほど、咲いた時、強く鮮やかに花開くものさ。それが分からない君は正気だ。他の誰でもない、私が保証してあげよう」
この這い寄る混沌からのお墨付きだ。
根源的概念を冠する神々すら耐えられなかった私の狂気。さぁ、お待ちかね。
「SAN値チェックの時間だ」
「あっ…」
89【失敗】
減少値 100
運がない。天はやはり君のような者に味方しないようだ。
芦花には刺激が強過ぎる光景だ。だから、目も耳も閉じていた。それが逆に…何も知れないのが辛いことだったんだろうか。
「うぅ……ぅぐっ……うぅ……」
ただ苦しい。君を怖い目に合わせた、一歩間違えば君を失った。邪神の力を見せてしまった、私を知った君の失望が辛い、頼む芦花、私を捨てないでくれ。私は…"ナイア"は、君なしではいられないんだ。
「……すまない…怖かったね。私はここにいるよ。君を危険な目に…」
「ナイアが…死んじゃうかもって…思ったぁ…」
…ん?私が死ぬ?何故?
待て、芦花。君まさか、本気で私がアレより弱いと?
君に見せた理外の技は確かに攻撃性はあまり無いが、私はこの宇宙の狂気そのものであり、遍く概念を弄ぶ存在だぞ?まさか今まで…本当の本当に君は、"邪神"や"化け物"や"這い寄る混沌"じゃなくて、"ナイア"を見ていたのか…?
「…ふッ……クッククク……アハハハ!!」
「なんで笑うの!?本気なんだけど!!」
「死なんてもの、私を最も嫌悪する存在さ!」
嬉しいが、私に対するその盲目さはいささか心配だ。
神話生物や私と同格の存在、魔術師。
また悪い虫がつかないか、不運に飲まれないか。
私がいる限りは、そんなことはありえないがね。
「ハハハ……大丈夫。いつでも私がついてるよ。君だけの神様と、そう約束したのだから」
私を殺す手段としてツクヨミを使うというのは非常に有効だったようだが、逆に言えばその程度。
芦花が絡みさえしなければ一度は殺されてやったが、運が悪かったとしか言えないな。
ピロンッ
ヤチヨからの招待コード…色々と暴れたし、主要なメンバーにだけは、私の正体を明かす必要があるか。正直、かなり疲れた。この身体では処理する情報量に少々無理があったし、右腕は完全に破壊されたから暫くは無理に使えないし。だが、芦花に不安を残したくない。
そんな思いで、私は正体を明かした。
「私はナイア。狂気であり正気であり、この宇宙の無貌そのもの。這い寄る渾沌、ナイアーラトテップ。それが私だ」
「お前が邪神なのは……まぁ分かった。でも、渾沌の邪神様がライバーやって、彩葉の話じゃバイトして、あげく人間の恋人を作ってる。何のつもりだ?」
帝君の刺すような警戒の質問。当然だ、ツクヨミに害意は無けれど、家族に危害が及ぶとなれば、責任感のある君の思考回路ならば当然。ただ、私も譲る気はない。
「幾千億の時を重ねてきたし、今から重ねるそれ以上の時を思っても、今以上はないと断言できる。だからこそ…この瞬き程の刹那の永遠を、君達と…芦花と生きていきたい」
本心だ。嘘も偽りもないし、"ナイア"という1人の男の心根だ。信用に値しないような言葉かもしれない。だが、納得してもらえるまで私は君達に向かって頭を下げる。
どんな代償でも払う覚悟はある。
「…分かったよ、悪かったって。ちょっと警戒した。ヤチヨちゃん、エラーのやつ、ナイアじゃないんだよな?」
もちろん。その肯定を私の次に全容を知るヤチヨが代わる。
私の目標、ミ=ゴの目的、ユーゴの正体。
全てを語り終えたが、さすがに疲れた。
芦花もそのはずだ。実際に見ていないとはいえ、
「ね、ナイア。今日は一緒に寝ようよ」
「………………ッ!?な、え、なんっ……」
「疲れてるのはナイアだよ。魔術がどうとか私には分からないけど、そういうのは分かるよ」
どこまてまも君は…なぜ、私が欲しい言葉を、欲しい
「…少し、ほんの少しだけさ。私は邪神だよ?この程度の疲労なんて魔術で…」
「ナイアはナイアだよ。ちゃんと疲れるし、ちゃんと笑うし、強がったりする。格好いいけどさ、私の前でくらい、弱いところを見せてもいいんじゃない?」
まただ。私は私だと、君のその言葉は濁らない。
胸が熱い、涙が出そうだ。あれだけ人外の恐怖も力も思考も見せたのに。曇らないその瞳が、愛おしくて堪らない。
「泣かないで、大丈夫だから。私はどこにも行かないよ…ほら」
「大事に…してくれているんだね、嬉しいよ」
「大好きな人の初めてのプレゼントだよ、当たり前」
彼女の部屋で、彼女の声を聞き、温もりを感じる。
なんと贅沢で、離し難い時間。
この小さく可憐な芦の花を、手離したくない。
固く切った指と童歌に、そう想いを乗せた。
──
〈…なんかエr──〉
〈馬鹿、言わないの〉
次です。次が、一番辛いし荒れます。私の胸の中が
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