str11dex12con13pow17app13int11edu12siz11
耐久力13.MP17.DB無し
職業 専業主婦
職業技能
制作[料理]55目星50応急手当て55
精神分析45経理55聞き耳55隠す45
趣味技能
ナビゲート45コンピューター35博物学30
KASSEN45神話技能10
魔術師。確かにそう言った目の前の女性。
ナイアからの忠告に度々登場する神格という存在。それに並ぶ、むしろ明確に悪意と目的を持つ分、さらに質が悪いとされるのが魔術師。大抵は狂っているか洗脳されているからしく、特に気をつけずとも気付けるような者達。しかし目の前の彼女は、そのどれにも当たるように見えない。
「コガナマの瞳…!」
「えぇ。魔力量と素質、そして対象の"罪科"を見抜く魔術。勝手ながら、皆様を視させていただきます」
「警戒するのは分かるけど〜、少々マナー違反じゃありませんこと?」
「あら、無礼講と申し上げたはずですよ」
ヤチヨの睨みと煽りに表情を崩すことなく答えるサリア。
それならばと、芦花も同じ魔術を発動しようとするがそれは叶わない。いつの間にかオコジョ君も完全に停止している。
「申し訳ありません、先手は打たせていただきました」
「さっきの…!?」
「えぇ。この部屋での魔術の行使はこれからお互いに不可能です」
「お互い?でも貴方のそれは…」
「これはこの結界を作る前に発動したもの。魔術の効果を知っての通り、害意はございません」
徹底した順番での魔術の行使と警戒、案内された席の配置や、終えた食事によって下げられた凶器になり得る銀食器。すぐに引くことは出来ない椅子の重さ。その意味に一同が同時に気付く。
アイデア+10【成功】×5
「すっっっごぉ〜!!」
「…?」
「えっ、凄くない!?映画とかゲームみたい!マジで気付かんかった!」
「えいが…げーむ…?」
「ちょっ、かぐやちゃん、そんな雰囲気じゃなくない?」
「え〜、だって要するにお互い手を出さずに話しましょうってことでしょ?かぐや達、別に悪いことしに来てるわけじゃないし」
あまりにシンプルな要約で、かなり砕いた表現だがその通り。かぐやの発言でピリついた雰囲気が一気に緩和され、困惑と笑みが溢れてしまう一同に、反対側のサリアは呆けてしまう。
「ね〜サリア!」
「っ、はい、何でしょう、かぐや様」
「凄いけど、かぐや達何にもしないよ?ただ楽しくボート体験してたら、でっか〜い波が来て、目ぇ覚ましたらここだったの。そんだけ」
「あ…そう、なんですね…」
「かぐや、さすがにもうちょっと詳しく話さないと」
「え〜、でもこれ以上なくない?」
立ち上がって近づいたかぐやに驚いて息を飲みながら も、彼女は冷静に努める。
サリアも納得し、彩葉も重い椅子を引いて立ち上がり詳しい説明をするためにかぐやを席まで連れ戻す。
「うちのかぐやがすみません。まずはっきりさせたいのが、私達はこの場所、人に危害を加えるつもりはありません。浜辺に流れ着いたのは事故です」
「…どうぞ、続けてくださいませ」
罪科を視る事のできるこの魔術は、嘘も罪にカウントされる。その為、精度の高い嘘発見器の使い方でサリアは彩葉の言葉を待つ。
「それと、魔術師では無くて、魔術を使える一般人です。それも私と芦花だけ」
「一般人…まぁ、一般人かなぁ…」
「…師は?」
「あ、私の夫です」
「何者なのですか?」
「ナイアは…ナイアとしか言えないですごめんなさい」
何者でもあり何者でもないという彼の性質。しかし、そんなものは関係なしに芦花はナイアのことをそれ以上にも以下にも見ていないため、邪神や人外としての言葉を使わずともコガナマの瞳は反応しない。
「最後。どこからかって言われたら…その、"未来"から来ました」
「時超えの魔術を行使したのですね」
「いえ、事故です。気づいたらでした」
「猟犬は?」
「あ、それは多分、この子のお陰で何とかなってます」
動かないオコジョ君を持ち上げて芦花が説明する。
55【成功】
減少値【3】
莫大な魔力と魔除けが込められたオコジョ君を一目見て、冷や汗をかきながら背後の存在の大きさを理解する。
「…分かりました」
静かに瞳の魔術を解除し、サリアは立ち上がって頭を下げる。
「数々の無礼、失礼致しました。お許しを」
「いや!この島の領主ですから仕方ないですって!頭を上げてください!」
「くっ、首が飛ぶっ…!?」
慌てる彩葉と真実と芦花。その言葉にくすりと上品に笑ってサリアは頭をあげる。
「ふふ…ごめんなさい。お詫びではございませんが、この島にいる間は不自由はさせませんし、城内もお好きなように。何なりと私の使用人たちにお申し付けください。その、ないあ様のお迎えはいつ頃来るのですか?」
「多分…2日も連絡が無ければ気付いて来るかと」
「…そうですか。では、今日はお疲れでしょうし、使用人に部屋を案内させますので、ごゆるりと」
心理学【成功】
「……」
そう言って彼女は立ち上がって食堂を後にする。
それを合図にメイドや執事が4人を部屋へ案内するために椅子を引き、サリアの表情から何かを感じていたヤチヨも少し遅れて立ち上がる。
「何かあれば呼び鈴を。御三方の部屋は同じにしてありますのでご安心ください」
「その、メイドさん。サリア、様ってどんな人なんですか?」
「我々の主です。強く、気高く、美しい。敬愛の主君。この島にいる者は老若男女問わず同じ思いでしょう」
「アルコアさんも?」
「勿論。なんせ、騎士様はお嬢様が産まれた時から側におります上、30年前、先代の為に栄えあるガーター騎士団を現役辞任して、この島に移住することを選んだお方ですから」
「がーたー騎士団?」
歴史【成功】
「って確か、現代でも最高峰の権力を持つ名誉だったはず。この時代なんて、それこそ王家に匹敵するような…」
彩葉の持つ多分野の学びに基づいた知識。
アーサー王に憧れたことで設立され、1350〜1400年代後半にかけてフランス軍を圧倒したエリート騎士団。政治的側面、時代から言えば本人の実力も高いこの騎士団に所属しているということはかなりの権力を持っているということになる。
「え、あのおじさん騎士すごい偉いってこと?」
「そうみたい。あんなに気さくなのに。あれ、でも辞任したって…」
「な、なんで?」
「…その理由はわかりかねます。さ、お部屋に着きましたよ」
「あ、ありがとうございます」
部屋は広々としていて机や窓、客用のベッドが備えられている。メイドにお礼を言ってかぐやはベッドへ飛び込む。取り敢えず5人は同じ部屋で再び話し合おうとする。
「芦花、もう魔術は使える?」
「うん。問題ないみたい。この子も動いてるし」
『きゅきゅぅっ…』
抵抗もできずに無力化された先程の失態に落ち込むオコジョ君を撫でながら無事を伝える。
そして取り敢えずの危機が去ったことで彩葉と芦花は落ち込み始める。
「はぁ…みんなごめん。巻き込んじゃった」
「いや、巻き込んだっていうなら私かもしれないし」
「いやいやいや絶対違うって!」
「でも巻き込まれ体質だし…」
「超不運だし…」
「だ、大丈夫だって!すぐにナイア君が来るよ!それまで折角だし皆で観光しよ!?」
「観光?この状況で…?」
「そうそう〜、あんま深く考えずにさ、数百年前を体験できるって考えたらすっごい貴重な体験じゃない?」
「そうかな…そうかも…」
「ね〜え〜、二人ともメソメソしてるより笑顔の方がずっと良いよ〜!ね!?」
3人の励ましに2人の頬は自然と緩む。心配することは無いと確かな確証は無いが、心強い友と背後には邪神さえいる。その事実に、どこか安心感を覚える。
「そうだね…うん、そっか。皆一緒なら、確かに大丈夫かも」
「うんうん、それで〜…」
「ヤチヨ…あっしまった。おやすみタイマーの時間だ」
「あはは…締まらないなぁ。でも、うん。ありがと。今日は疲れたし寝よっか」
「「「さんせ〜い!」」」
芦花と真実は隣の部屋へ行き、3人は彩葉を真ん中にしてふかふかのベッドで眠りについた。
「べっどふっかふかだ。殺人級の睡魔〜…」
「今日は疲れたもんねぇ」
クローゼットを開けながら芦花も賛成する。
「あれ、ここってサリアちゃんの部屋?な、わけないよね」
「なんで〜?あらら、服いっぱい」
目星【成功】
目星【失敗】
「箱?」
「…取るつもりはないけど、見たくなるよねこういうの」
丁寧に保管されたジュエリーボックス。真実が率先して開けるが、中身は殆ど空。しかし一つだけ丁寧に緩衝材と共に、深い蒼が光る指輪があった。
「「……みなかったことにしよう」」
明らかに高価すぎるものを見つけてしまい、顔を見合わせて二人はいそいそと箱を閉じ、ベッドへ潜り込んで眠った。
────
Day2
寝具が変われば寝つきも悪くなるとは言うものの、昨日の疲労で5人は朝まで熟睡する。一番早く起きるのはかぐやで、次に芦花。3人が寝ている間に着替えやメイクを済ませるが、今の状況を先に思い出して戸惑う。
「…やっぱり繋がらないか」
ナイアとの連絡はやはり取れず、メイクをしながら少し不安になる芦花。普段なら朝ご飯を作る時間なものの、この環境でそれは難しく、一人探検しに外へ出るかぐやと、ドアが開く音でそれに気付き、同行する芦花。
「勝手に出歩いて平気かな」
「大丈夫だって〜、なんか面白いところないかな〜っと」
目星【成功】
目星【失敗】
「な~んにも…ん?あっここ書庫?」
「お邪魔します…」
疑問符をつけながらも、紙と革の本の匂いで書庫と察し、躊躇なくドアを開けるかぐや。
非常識と思いつつも、好きなようにと言われているため、声をかけつつ書庫へ入っていく。
見上げるほどの本棚に、所狭しと本が詰められている。
縦に長い構造で、2階層分程の高さがあることが見て分かり、中央の机には椅子が2つ横に並んでいる。
「おぉ~!」
「かぐやちゃん、英語読めるの?ネットないけど」
「ある程度読めるよ〜、彩葉の助手だもん!」
図書館【失敗】
図書館【失敗】
何か面白そうな本は無いかと探すものの、普段こういった場所に足を運ばない二人にはその手のものを探す習慣は無く、闇雲に手に取っても解らない。
「うぇ~、漫画とか無いのぉ?」
目星【成功】
「まぁ、時代が時代だし…ん?」
そんな時、芦花が違和感に気がつく。
きっちりと所狭しと並べられた本棚に、何故か1冊分の空白だけがある。何処かから本を差し込むわけでもない、ぽっかりと空いたその空白に違和感を覚えた。
幾度もシナリオを生還している彼女にとって、拭えない違和感というのは何かしらの合図。しかし分からない以上は記憶の片隅に置いておくことしか出来なかった。
「あ、彩葉達が起きる!」
「あぁ、体内時計?」
「そう!今6時半だからそろそろ戻ろ〜!」
戻った時、既に3人は着替えて身支度を整えていた。
真実も彩葉達の部屋に合流し、5人で集まる。
「何してたの?」
「探検!この城めちゃ広いの!ね、芦花」
「うん。書庫に行ってみたんだけど特には何も。ただ、革の本とか羊皮紙っぽいのばかりだったから、やっぱり昔のイギリスかなぁって思ったけど」
そんな話をしていると、昨日と同じメイドが朝食の案内にやってくる。5人ともそれを受け入れ、昨晩と同じように食堂へと足を運ぶ。そこには、サリアが既に着席していて静かに紅茶を飲んでいた。
「おはようございます、旅人様方。昨晩は眠れましたか?」
「はい、それはもうぐっすりと。ありがとうございます」
「帰る目処は立ちましたか?」
「残念ながら…でも、そろそろ異変に気づいてる頃だと思うのですぐかと…」
「そうですか…信頼しているのですね」
「はい、彼ならきっと何とかしてくれますから。すいません、もう少しだけお世話になってしまう形で」
「お気になさらず、少しも迷惑ではありませんよ」
少し俯くサリアに、一同は少しの違和感を覚えつつも珍しい朝食に舌鼓を打つ。その間に彼女は席を立ち、何処かへ行ってしまう。
「今日どうする?」
「ん〜…まぁ、普通に考えて観光する場所でも無いだろうしね」
「かぐや、またあの子(アズルステラ)に乗りたい!」
「じゃあアルコアさんに昨日のお礼言いに行く?」
「あ、賛成賛成。結局言いそびれちゃったし」
「すいません、アルコアさんってこの時間どこにいますか?」
「今日のこの時間ですと、浜辺にいらっしゃるかと」
「…?」
メイドの独特な言い回しに違和感を覚えるものの、それぞれ手段の違う英訳なため、特に気にすることはなくお礼を言ってその場を後にする。
5人で固まって動くものの、人種の違う顔が珍しいのか浜辺へ行くまでの途中に子供や老人達から話しかけられる。
「皆美人さんだなぁ〜」
「んだなぁ、とても結婚してるとは思えん若々しさだべ」
「ちゃんと田舎の訛りで翻訳されるんだねこれ」
「私は魔術だけど…てあれ、かぐやちゃんは?」
視界から消えたかぐやは子供達と追いかけっこをしながら既に馴染んでいた。金髪に整った容姿は近しいものを
感じるのか、特に抵抗も無く遊びに参加している。
急いでいるわけでもないので、近くに腰を下ろして4人は自然を感じる。
「…良い島だねぇ。平和〜」
「んだども。領主様と騎士様。あのお方達がいれば怖いものなしさね」
「やっぱり、いい領主さんなんですね」
「あぁ、とても賢い人でな。うちのドラ孫達とは大違いだ。私らのことをよく思ってくれる、素晴らしい人だべ」
「騎士様もなぁ、私らみたいな下端の身分の者にも、気さくで積極的に農業も手伝ってくれるし、すっっごく優しいんだ」
「でもなぁ…やっぱり、お嬢様は外に行ってほしいよなぁ」
「私達は、お嬢様と騎士様には幸せになってほしいからなぁ」
「外…?」
心の底から慕っている様子を感じ取りながら視線を移すと、間のいいことにかぐや達はどうやら騎士ごっこをしているようで、お姫様役になっている。
「我こそはこの領土を護る騎士!姫を返せ海の化け物〜!」
「きゃ~、助けて〜!」
「ぐわぁぁ!!」
「助けてくれてありがと、ちっちゃい騎士様」
「あ、駄目だよ!騎士様は相討ちになって死んじゃうんだから!」
「えぇ!?何そのバッドエンド!?」
「違うよ、騎士様は誇り高いまま死ぬんだからそれでいいの!」
「皆生きてるほうがハッピーでしょ!?かぐやはそんなの絶対認めないから!」
子供達の物語に異を唱え、かぐやは近くの木箱の上に乗る。
「よっしゃ、聴いてろよガキども〜!」
現代の尺度とは異なる価値観。さらには、幸せな結末を望むかぐやにその物語は合わず、即興で歌を歌い始める。
芸術[歌唱]【成功】
芸術[ダンス]【成功】
「そんな結末〜、塗り替えてし〜まえ〜♪」
どこまでも幸せを願い綴る歌詞、騎士が化け物を倒し、姫と共に過ごすまでの物語を歌い切る頃には、子供達や老人達もすっかり聞き入ってしまっていて、終わる頃には拍手と歓声が上がっていた。
「どやぁ!これがかぐやちゃんの望むエンディング!」
「相変わらずだねぇ、かぐやちゃんのハピエン厨」
「…あっヤチヨ、今何時?」
「んとねぇ、11時07分。ここ時計ないからね」
「合ってるっぽいね。二人の体内時計が狂ってなくて良かった。かぐや〜、そろそろ行くよー!」
「あっ、待って!今行く〜!」
村人達をすっかり虜にして手を振りながら後にするかぐや。楽しくなったのかヤチヨも一緒に道中歌いながらにぎやかに浜辺へ辿り着くと、アルコアが焚き火の前で静かに愛馬と共に座っていた。
「む、旅人殿等、いかがした。海はこれから荒れるから近づかないほうがいいぞ?」
「改めて昨日のお礼を言いに来ました。特に何か渡せるものは無いんですけど…」
「良い良い、若人がそんなこと考えんで」
「おっさん!またその子に乗って良い!?」
「おっさん言うな」
「ハハハ。だそうだぞ、アズ。どうする?」
眠っていた巨馬は目を覚まして身体を震わせ、かぐやに擦り寄ってしゃがみ、背中を預ける。
乗馬【成功】
「うはぁ、良い子だな〜!」
「珍しいのう、紳士な奴だがあまり人には懐かんのに」
海岸を元気に乗り回すかぐやを眺めながら、焚き火の前に座る4人。しかし、火の中にあるものを見て思わず後ずさってしまう。
「こっ、これ昨日の…!?」
「む?あぁ、魚人共よ。さっき集め終わってな。食えるもんでもあるまいし、焼くのが一番早い」
「こいつら、なんなんですか?」
「週に何度か、こうして襲撃に来るのだ。だが安心めされよ。この儂がいる限り島の人間には指一本触れさせぬのでな」
わははと笑って言い放つ彼の能力は昨日直に見たことでよく知っている。領民達が言うように、やはり気さくで頼りになる人だと4人は頷く。
「明るい、良い子だのう、あの娘は」
「元気すぎるくらいですけどね」
「…旅人殿等はこの海の向こうから来たのだろう?」
「そうですね」
「外はどうだ?楽しいか?」
「いろいろあったし、これからも色々あると思うけど…楽しいって、胸を張って言えると思います」
「私も。ま、かぐやとヤチヨがいればどこでも楽しいと思うけど」
「勿論、やっちょも!」
「私も〜、まだまだ食べたいものも行きたいとこもあるし〜、子供達の成長も楽しみだし」
「かぐやも最高に楽しいよ!!」
一緒に戻ってきたかぐやも馬上からパタパタと動きながら答え、好奇心からか、アルコアは質問を繰り返す。
「…お嬢様のことは、どう思う?」
「慕われてるし、凄くしっかりしてる良い人だと思います。やっぱり経験や知識が豊富なんですかね、私よりよっぽど…」
「13だ」
「「「「?」」」」
「お嬢様は今年の暮れで13歳。今は12だ」
初めて誰かの言葉を中断したアルコアの籠もった声に、話していた彩葉は驚きと同時に謝意を示し、一同もあまりの予想と事実の乖離に驚きを隠せない。
「…は、え…その…」
「お嬢様はこの島で産まれて12年間、一度もこの海を越えたことが無い」
「そんな…」
「すまない、怒っているわけではないのだ。ただ、お嬢様は幼くして家督を継ぎ、この島の為に縛られた哀れな御方。この馬鹿力では、海を絶てどもその鎖を断つことはできん。それが…どうしようもなく歯痒い」
悔しさが滲む声とギチギチと鳴る拳を握る音。
静かに彼の言葉に傾聴する。
「出来ることならこの海の向こうを、あの無垢な目で見せてやりたい。それが叶わぬのならせめて、お嬢様に聞かせてやってくれんか。外の広さを、音を、楽しさを…極彩色の美しさを。それを伝えるには、儂の歴史は余りにも赤すぎる…この通りだ。どうか一時でも、主をこの島の外へ連れ出してほしい」
頭を下げるアルコアに続き、アズルステラも一緒に頭を下げる。その意思を汲み取った5人は迷いながら、即答することはできなかった。
今回の情報
探索場所、発見したアイテム
芦花と真実の部屋のジュエリーボックスに蒼の指輪。
大きな書庫。
2階層分の大きさに2つ並んだ椅子。本棚には1冊分の空白。
騎士は誇り高く死ぬべきとの風潮。
魚人達は週に何度か襲撃に来る。
サリアの年齢。
今年の暮れで13。今は12歳。
アルコアの歴史は赤い。