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edu10(+100)siz12
耐久力30.MP0.DB無し
職業 酒寄研究所被験者.ライバー.専業主婦
職業技能
コンピューター99芸術[歌唱]80芸術[ダンス]80
目星55電子工学99制作[料理]70
"人類学99生物学99考古学99地質学99天文学99博物学99物理学99法律99薬学99"("ネット接続かつ、ヤチヨ同期時に限る")
趣味技能
鍵開け20変装20応急手当40忍び歩き30隠れる40登攀55
乗馬55追跡70KASSEN.60クトゥルフ神話技能15
夕食にサリアは来ず、5人は意を決する。
既にメイドと執事に話は通っているようで、彼女の部屋へと案内される。
ノックをし、彼女の返事と共に部屋へと踏み入る。
5人に用意された部屋よりも遥かに広く、天蓋付きのベッドと、窓際の執務用の机には書類の束が整頓されていた。
お茶を既に6つ用意していたことから、話を聞かせる準備はできているらしいと5人は理解する。
「皆様、おかけになってください」
その言葉と共に、外に声が漏れないように魔術をスムーズに行使する。しかし、この前とは違い、妨害の結界は張られていない。
「どこから、話したものでしょう…」
「全部、最初っから!!」
「…ですね。ならまずは、改めて私の役割から」
王家直属の占星機関、キルトゥハート家の現当主。
それは魔術を専門的に扱い、この孤島を領土として治める者のことを指す。
「私は、"邪神"が封印されているこの島から出ることは許されません」
「邪神…」
「荒唐無稽な絵空事かと思うかもしれませんが、魔術が存在する以上は…」
「あ、えぇと…その辺は大丈夫」
「失礼、"ないあ"様はその辺りの事情にお詳しそうですね」
詳しいどころか、当事者がその表現に嗤う顔が同時に想起される5人。その後もサリアは落ち着いて言葉を続ける。
「基本的には中立の立場の当家でしたが。白薔薇派と呼ばれるヨーク家が、私とアルコアを取り入れようとしてきたのです」
歴史【成功】
「白薔薇…あっ、薔薇戦争か」
「伝わっているのですね。ですが、当家は勿論それを拒否。躍起になり三度の遠征、締めて400程の兵をこの島に送りこんできましたが、アルコアが海岸で掃討しました」
「…んぇ?アルコアのおっさんそんな強いの!?」
思い返した海岸の光景。人骨や木くず、最近まで使われたであろう武器などが放られていたのを確かに5人は見ている。
「はい、アルコアは自慢の騎士です。彼一人で祖国を攻め落とせるとさえ称される程ですから」
流石にそんなわけはなく、誇張表現の多いこの国における彼への最大の賛辞だろうと納得し、続く言葉を解し続ける。
「話を戻しましょう。先程見せた腕。それは、特定の人物を彼等と同じ海の怪物に変えてしまう忌まわしい魔術。今から5日後、ダゴンと呼ばれる化け物達の長が…嫁として私を迎えに来るのです」
「はぁ!?何それ最悪!あの気持ち悪い奴らがなんで!?」
「…繁殖の為、とか」
「まさしく。生物の雌に限り、"ハイドラ"という存在になり、ダゴンの孕み袋にされる…その役割が私です」
「そんなのおかしいよ!もしそうでも、サリアが幸せになっちゃいけない理由になんてならないって!!」
悍ましい真実を淡々と告げる彼女を、5人はすぐに受け止めることはできない。諦めていると、そう感じるものの、それはまた別の何かに対してのようにも思えてしまう。それを言うまいかとしている頃に、暗く微笑んだ彼女が、最も暗い話題に触れる。
「とうに願いは枯れ果て、乾きなど癒えぬこの島…私は、この島を呪ってしまった」
「呪った…?」
「この島は死ねず、次へと進めません。
「破滅…繰り返す?」
島の秘密に触れる彼女の言葉。現実離れした事実に固唾を飲んで一同は静かに耳を傾ける。
「私は…彼を信じ切れなかった。必ず皆を助けると、一人奮闘していた"最後の騎士"を」
「「「「「……」」」」」
「私は浅はかにも自分のことしか考えられなかったのです。愛する民の悲鳴、大しけに飲まれゆく島、変わりゆく私の身体。恨んで…恨んで恨んで、諦めた。この首を掻き切って、死を選んだ…筈だったのに。目が覚めたら、全て元通りになっていた。すぐに気付きました。私が自分で魔術を発動したのだと」
魔術【
設定した時を繰り返し刻み続ける魔術。
サリアは、死の直前に無意識にこれを発動したと語る。
同系統の魔術をその身に受けたことのある彼女達はその存在を疑わない。
喉の奥から絞り出すような掠れた声、それでも涙を溢さない彼女の気丈さは、とても中学生にさえ満たない歳の少女には見えなかった。
45【失敗】
24【失敗】
78【成功】
27【成功】
41【失敗】
減少値【1.1.0.0.1】
「島の皆は…知ってるの?」
「繰り返していることに気づけません。村も、使用人も…アルコアも」
「そんな、だって…サリアはただ…嫌だっただけなのに…そんな理不尽…」
凄惨な事実を確かな言葉で知った一同。ヤチヨと真実は言葉にできずに嗚咽を漏らし、芦花とかぐやはそれを否定しようとするも言葉が出てこない。
「…よく、分かったでしょう。定められた死を弄んだ挙句、その瞬間すら覚えていない私は、幸せになってはいけないのです」
パシッ
「…いろは様…?」
誰かに全てを話せたことで肩の荷が下りたのか、彼女は笑う。諦観、その表情に既視感のある彩葉がそれを許さない。頰を両手で掴んでサリアの瞳を真っ直ぐ見つめるも、彼女は静かに手を下ろさせる。
「認めない。そんなので納得なんてできない…!」
「認められずとも、納得できずとも、事実としてこうなっています」
「それで良いの!?サリアはそれ…で…」
声を上げようとするかぐやを雰囲気と表情だけで諌めるサリア。同じ状況なら自分もそうしている。そう、前例がある彼女は喉にかかった言葉を飲み込んだ。
「ふふ…話したら、いくぶんかスッキリしました。それに、皆さんが思うよりも悪いことばかりではありません。お仕事はしなくていいですし、お金の心配も無い。言葉を変えれば、会話だって一方通行じゃありません」
その言葉の直後、風が吹いて窓際が揺れる。立ち上がったサリアは、窓際の花瓶に何本か挿さっている小さな白い花を撫で、初めて彼女達の前で涙を流した。
聞き耳【成功】
聞き耳【致命的失敗/ファンブル】
薫るジャスミンの香り、花びらがかぐやの鼻に止まる。
「ジャスミン…?」
「……」
真実の呟き、直後サリアの声がさらに掠れるようになりながらも、言葉が紡がれていく。
「…この花、いつもループのはじめから窓際に置いてあるんです。誰が置いたかも、意味もわかりませんが…もう、私は泣けないのに…これを見ると、何だか胸が熱くなって…涙が出てしまうんです」
1輪抜き取って抱きしめるように握ると、5人に向き直り、サリアは救いを求める。
「…もし、皆様が私を救いたいと思っているのなら…私を真の意味で殺してください。もう…疲れてしまったのです」
「そんなこと出来るわけっ…!」
「…そう、ですよね。忘れてください。あと少しでお迎えが来るのでしょう?5日後には大しけで、この島はリセットされます。その時皆さんがどうなるかは私にも分かりません。出来ることなら、急ぐべきです」
その言葉の後、投げかける言葉を失った5人。沈黙を貫く彼女の瞳を見れず、受け入れた事実と運命を胸に部屋へと戻るしかなかった。
「「「「「………」」」」」
「ッ…」
が、彼女達の描くシナリオに、バッドエンドは存在してはならない。
「納得できな──い!!!」
「ムリムリムリ!ヤチヨもヤダー!!」
「私も嫌だ、やっぱり何回考えたってサリアは悪くない」
「私も!ぜったい認めない!」
「芦花!ナイア君は!?」
「だめ、やっぱり連絡取れないまま」
「肝心な時にいないなぁもう!」
戻った部屋で反芻したサリアの現状に5人は苦言を吐き散らす。全てを意のままに覆す最高のカードが切れないことにもどかしさと不安を覚えつつ、仕方ないと納得する。
「…よしっ、無いもの頼っても仕方ない。整理しよう。こうなったら何が何でもハッピーエンドにしてやるかんね」
「おっ、やっと超人の出番〜?」
「まってましたぁ!いっちょ、やっちゃってくださいよ〜!」
芦花とかぐやの煽りに、彩葉は魔術で取り出したメモ帳に今分かっていることとやるべきことをグラフィックリーディングの要領で整理していく。
1、サリアが死に際に無意識に発動した魔術でこの島は1週間周期でループしている
2、サリアは呪いでハイドラになりかけている。
3、この島には邪神が封印されている。
4、サリア以外、誰もループの事実に気づけない。
5、1週間後、私達がどうなるかは分からない
6、これら全てサリアの証言。
「7、ナイア君がくれば全部一発で解決する」
「それはそう。でも、それは除外しよ。ってか、あと5日で最悪私達もお陀仏だからマジで急がないとヤバイんだよね」
まとめた情報はどれも未確定、この状況を脱する為にはまだ探索が必要だと一同は意見が合致する。
「私達が遭難して明日で3日だから、実質あと4日しかない。その間に進めるのは、呪いを解除する方法とループを断ち切る方法を探すこと」
「オコジョ君はなんか使えないの?」
「この子は複雑な魔術は使えないの。少し壊すか直すかくらい」
『きゅっきゅ〜…』
「てか、そもそもそんな方法あるの?」
「ある。魔術は技術。ナイアの魔術でさえ絶対じゃないんだから、抜け穴や裏道があるはずだよ」
「この島に?」
神話技能【成功】
「うん。サリアちゃんは1歳の頃からこの島にいた。その上であれだけ魔術が使えるんだから、何か学ぶ術…魔術書があるはず」
「さっすが〜!…?あれ、なんかオコジョ君おかしくない?」
ナイア仕込みの芦花の魔術的知識はこの状況における重要なパーツ。しかしてその存在を崩す一手が打たれる。
突如、オコジョ君がブルブルと震え出して口を開ける。
『皆無事かい!?』
「ナイア!?」
明らかに焦った声色と口調のナイアの声が部屋にこだまする。真っ先に芦花が気付き、4人も食い入るように耳を傾ける。
『いや、無事なのは確認できている、何処にいるんだ!?宙から使い魔を総動員して探しているのに見つからないんだが!?』
「えっと、落ち着いて。実は…」
彩葉が事細かにイギリスについてからの顛末を話す。
勿論、サリアやこの島を救いたいという旨も交えながらだが、ナイアは首を決して縦に振らなかった。
「なんで!?別に良いじゃんか!」
『何度でも言うが…その島は放ってほしい。話を聞く限り、魔術師が自滅しただけじゃないか』
「別にいいじゃん!人間一人助けるくらい!」
説得【失敗】
『私が介入すれば、それは輪廻から外れることになる。人が犯した過ちや過去は過度に変えてはいけないんだよ』
「邪神が正論語るな〜!」
「そうだそうだ〜!」
「ナイア…駄目?」
『ぅっ…いくら芦花の頼みでも駄目だ!星辰の影響で私だって万全じゃない。君達に手を出している存在が明確でない以上、不必要なリスクは避けたいんだよ』
「でもっ、でもっ…!」
『そもそも、そこまでする理由はなんなんだ。助けてもらった感謝にしては賭けるものが大きすぎる上、出逢って2日の少女だろう』
「出逢って一日で庇護欲に塗れた邪神がそんなこと言うな!」
『それを言われると弱いが、私にはそれが出来る力があったからだ。厳しい事を言うが…君達はあくまでも私の後ろ盾があるからそれが出来ると言っている。たかが人一人、されど人一人だ。捨てられた犬猫を拾い飼うこととは違うし、これから出逢う数多の不幸な人間を誰彼構わず救うつもりか?』
説得【失敗】
芦花の頼みでさえも頑として承諾しないナイア。恩人の5人がここまで言っても承諾しないのは初めてで、打つ手が無くなってしまう。
『…納得したなら、オコジョ君に自壊の命令を。いざという時の為に仕込んでおいた魔術が発動するから、それで君達をこっちに帰せる』
「じゃいいよ!かぐやだけ残る!!」
『はぁ!?』
「かぐやが残るなら、勿論ヤッチョもだよね〜」
「なら、私が残らないわけにはいかないね」
「そ、れは…でもっ…うー…私も残る!」
『何をバカなことを、むざむざ死ぬつもりか!?駄々をこねれば私がなんでも言うことを聞くとでも思っているのなら大間違いだぞ』
「ナイア…私も残るよ」
『…その泣き落としはいくら君といえども許せない、取り消してくれ』
低い声で芦花の発言を取り消させようとする。怒りよりも心配が勝っていることは誰の耳から聞いても明らか。しかしそれでも、芦花は奇跡を信じてやまない。
「…覚えてる?ナイアがいなくなった時、私は心の底から嫌だって思って、認めたくなくてエンディングを無理矢理変えたんだよ。諦めるとか無理だとか、私達には似合わないよ」
『……』
「かぐやだってそう!我儘はかぐやの原動力!彩葉やヤチヨに出逢えたのだって諦めなかったからだし!」
「あの子は全てを終わりにすることなんて絶対に望んでない。偽善でも憐憫でもなんでも、私達には見捨てることは出来ないよ」
「子供達は心配だし、母親としては心底呆れられるような行いだけど…子供達にも、夫にも、私は胸を張っていたい…凄く、罪悪感はあるけど…」
説得【成功】
『っあぁもう…!勝手で、強欲で傲慢で…なんと愚かな!…だが…そういう君達だから、私は共に生きたいと思ったんだろうな…』
度重なる5人の感情に任せた説得。ついにナイアが折れる。無謀な選択だからこその不安があれど、彼にとって愛しいと思えるのは、この選択を選ぶ彼女達だからこそ。
「…大っきな我儘だけど、いつもみたいに笑って許してよ」
『可愛い我儘だ、この程度は。だが4日、それ以上は待てない。助言は出来るが、こちらからの過度な介入は難しいことも分かってくれ』
「うん、ありがとう」
「早速なんだけど、どうすればいい?」
『大前提として、私はそっちに干渉しない。監視を外していたせいで詳しい時間や座標が正確に分からないからね。大きく時間に干渉する魔術が発動したりすれば別だが、そんなのを待っている余裕もない』
「うんうん」
『そして、やるべきことは"探索"だ。解決策は概ね合っていると思うが、情報が少ない。人間の手でそこまでの規模なら確実に何か条件があるはずだ、まずは情報を集めて』
「やっぱりそうなるか」
『あぁ。だが、君達なら何とかできる。私よりも深く人間を知っているのだから。最後は私が何とかする』
「やっぱり、頼りになるね。ありがとう」
『…芦花。悪いけどね、私は誰も彼もの神ではないんだよ。もし君や君達に何かあれば、私は多少のリスク取ってでもそちらに行く。くれぐれも危険は冒さないように、いいね』
これほど安心できる言葉もないと安堵の息を漏らす一同。続く言葉に理解を示しながら、サリアを救う覚悟を決め、魔力の節約の為にプツリと途切れたナイアの音声を後に、会議を進める。
「…オッケー!それなら、明日は二手に分かれよ!」
「そうだねぇ、じゃあいつもどおり…」
「かぐやと芦花が一緒ね!そんで〜、彩葉とヤチヨと真実!」
「…え、なんで?」
片時も離れたくないとさえ言う彼女が彩葉と離れる意見を提案することに一同は頭に疑問符を浮かべる。
「ちゃんと考えはあるよ!まずね、魔術が使えるのは彩葉と芦花だから、ここは別れるでしょ?」
「うん。でもそれならいつも通りでもよくない?」
「そっちのグループには、あの子を説得してほしくてさ〜、私を連れ出してくれた彩葉と、ツクヨミの管理人のヤチヨ、唯一の子持ちの真実なら、きっと心を溶かせるって思ってるから!」
「…いやぁ、照れちゃいますな〜。なら、かぐやに任せちゃおっかな!ね、彩葉!」
「二人がそこまで言うなら…芦花と真実もそれでいい?」
「さんせ〜い、どのみちこれってアイデアもないし」
「私達はもう一度書庫に行こっか。一番本がありそうだし」
「よっし、取り敢えず今日は寝よう。明日また今のメンバーで探索ね」
心強い助っ人が入ったことで話がまとまり、翌日に備えて眠りについた。
ただ、気付いていなかった。全ての災いの種が既に這い寄っていることに。
今回の情報
・サリアは占星機関、キルトゥハート家現当主。
・邪神が封じられたこの島から出ることは許されない
・薔薇戦争に巻き込まれ、ヨーク家の逆恨みによる呪いで徐々に肉体が深き者へと変わる呪いを受けている。
・この島は、深き者達の最初の襲撃を起点に1週間の間隔でループしている。
・サリアは諦めている。
・ナイアは星辰の影響で助けに来ない(来れないわけではない)
・ループの初めからジャスミンの花が数本部屋に置かれ、それを見るたびサリアは泣いてしまう
・探索を開始します。
第二期第5話目、投稿ペースはこれを維持したいと考えております。
引き続き、応援ご愛読よろしくお願いします!