転生したら半人半魔になったので自由に生きてみる   作:インビジブルです男

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こんばんは、インビジブルです男です。
転スラ4期…始まりましたね。
先日私も視聴しましたが、何やら不穏な雰囲気を感じますね…。
ちょくちょく内容を忘れてしまうので、この小説を書きながら1期から見直して見ようと思います。

追記:主人公の名前が魔王のひとりと被っていたので変更しました。


第2話:出会う

スライム「で、どうする?」

 

ヴェルドラ「ん?」

 

スライム「勇者がかけた無限牢獄の封印。友達が300年も封印されたままなて、可哀想だからな。」

 

三代蓮翔「その通りだ。ヴェルドラが俺らのダチになった以上、俺とスライムの兄ちゃんにはこいつを助け出す義務があるのさ…。俺は元々こういうのを見過ごせねえ性分だから、どちらにせよ助け出していたと思うけど。」

 

ヴェルドラ「お前ら…!」

 

ヴェルドラが感動したような声で蓮翔とスライムを見つめる。

 

三代蓮翔「そんな目で見つめられても…!」

 

スライム「かわいい女の子ならともかく、ドラゴンに…!」

 

ヴェルドラ「脱出方法があるならありがたいが…じっ…実はな…あと100年も待たずに我の魔力は底をつくところだったのだ。魔素は漏れ続けておるし…。」

 

スライム「だからこの洞窟は魔素が濃くて、貴重な薬草や鉱石ができたのか…。」

 

三代蓮翔「なあ、魔力が尽きるとどうなるんだ?」

 

ヴェルドラ「大したことは無い。」

 

三代蓮翔「マジで?」

 

スライム「大したことないの?」

 

ヴェルドラ「フンッ、朽ち果てるだけのことよ。」

 

三代蓮翔「全っ然ダメじゃねえか!!長い孤独の後死ぬなんて…!俺そんなの見過ごせねえよ!…無限牢獄…ぶっ壊せねえみたいだし…武器も通じなさそうだ…。」

 

蓮翔は腰に収められた二丁拳銃とヌンチャクを見て、悲しそうに呟いた。

 

ヴェルドラ「小僧…。」

 

三代蓮翔「なあ、スライムの兄ちゃん!!なんとかできないか!?」

 

スライム「えっ!?俺!?まあ…考えてみるけど…。うーん…。」

 

スライムは考え出した。そしてしばらくすると。

 

スライム「ふむふむ…なるほどなるほど?」

 

スライムは自分のスキルと話をし、何やら結論が出たようだった。

 

スライム「あくまで可能性だが…」

 

三代蓮翔「ん?」

 

スライム「無限牢獄の内側と外側から解析出来れば、解除できるかもってさ!」

 

ヴェルドラ「ほう!?」

 

三代蓮翔「まじで!?」

 

ヴェルドラ「…いやしかし、内側からといっても、我のスキルは我と共に封印されて使えぬぞ…。」

 

スライム「情報さえよこしてくれれば解析はこっちでやるから!」

 

ヴェルドラ「…しかし、それには時間がかかろう。お前だって、ずっとここにいていいのか?ま…まあ、我は別に構わぬが!」

 

三代蓮翔「俺を忘れんな!!俺はお前らがどこに行こうと、ひとまずはそれに従うぜ。楽しそうだしな!」

 

ヴェルドラ「小僧…!やっぱりお前、見た目に反して良い奴ではないか!」

 

三代蓮翔「ふふん…そうだろ?」

 

誇らしげにするな。

 

スライム「うーん…せっかくだから、俺も同郷の者を探したりしたい…。」

 

ヴェルドラ「…そうか…。」

 

三代蓮翔「あら可哀想…。」

 

ヴェルドラが悲しそうにすると、蓮翔もまたその悲しみを感じたのか同じように悲しそうにした。

 

スライム「それで提案だ。」

 

ヴェルドラ「ハッ…提案とな?」

 

スライム「…俺の胃袋に入らないか?」

 

沈黙が流れる。

 

三代蓮翔「スライムの兄ちゃん…もしかしてとち狂ったのか?」

 

ヴェルドラ「そうかもしれんな。」

 

スライム「真面目な話!!!…俺のスキル、“大賢者”と“捕食者”で無限牢獄の解析を行い、内部からはヴェルドラが破壊を試みる。胃袋の中では隔離されるので、消滅する恐れもない!…どうだ?」

 

先程の沈黙よりも長い沈黙。

蓮翔の顔に少し汗が流れた。

 

三代蓮翔「ほんっっっとごめん。普通に真面目な話だったわ。」

 

スライム「いいよいいよ!」

 

蓮翔はスライムに土下座すると共に、スライムの優しさに感動した。

 

ヴェルドラ「フフフフ…」

 

三代蓮翔「あ?」

 

ヴェルドラ「フハハハハ…ハーッハッハッハ!」

 

スライム「あ…。」

 

ヴェルドラ「それは面白い!ぜひやってくれ!お前に…いやお前らに!我の全てを委ねる!」

 

スライム「そんなに簡単に信じていいのか?」

 

ヴェルドラ「無論だ!ここでお前らが帰ってくるのを待つよりも、お前らの日常を見ながら二人で無限牢獄を破る方が面白そうだ!」

 

三代蓮翔「ほんと俺って無力だなぁ…。応援することしかできねえや。」

 

スライム「いやいやいや!それでも嬉しいから!!三代くんを含めた三人で無限牢獄を破る…いいじゃないか!」

 

ヴェルドラ「うむ!」

 

三代蓮翔「兄ちゃん…!!!良い奴すぎるだろ…!」

 

少し沈黙。

 

スライム「じゃ…じゃあ!今から“捕食者”で…。」

 

ヴェルドラ「ちょっ…ちょっと待て!」

 

三代蓮翔「どうした?ヴェルドラ。行動は早い方が良くないか?」

 

ヴェルドラ「それはそうだが…その前に、お前らに名前を付けてやろう。お前らも我に名前を付けよ。」

 

三代蓮翔「俺のネーミングセンスは世界一悪いことで有名だぜ。っつう訳で、ネーミングセンスの良さそうなスライムの兄ちゃん!!一緒に考えようぜ!」

 

スライム「いいけど…何故に名前を?」

 

ヴェルドラ「同格ということを魂に刻むのだ。人間で言うファミリーネームみたいなものだが、我がお前らに名付けるのは“加護”になる。」

 

三代蓮翔「要するに強くなるってこと?」

 

ヴェルドラ「そういう認識で構わない。」

 

三代蓮翔「ほうほう…」

 

ヴェルドラ「お前らはまだ“名無し”だから、名持ちの魔物の仲間入りができるぞ!」

 

スライム「むむ…名持ちの魔物か…いいな!」

 

三代蓮翔「まあ、古い世界での名前を捨て、新しい名前を得て新しい人生を歩む…という意味ではいい事だろうな!」

 

ヴェルドラ「いいだろう?かっこいいのを頼むぞ!」

 

三代蓮翔「そっちも頼むぜ?ヴェルドラ。」

 

蓮翔はスライムと共にコショコショ話で考え出した。

 

三代蓮翔「ヴェルドラ・タイフー…なんか小梅太夫みたいでちがうな…ヴェルドラ・ダイウ…もっと近いな…ヴェルドラ・ストーム…うーん…仮面ライダーを思い出すな…あーだめだ…脳みそが働かねえ…!動け俺の頭…!」

 

スライム「うーん…あ!テンペスト!テンペストなんてどうかな!?」

 

三代蓮翔「考えんの早くね!?でも…いいね。ヴェルドラに良く似合うんじゃねえか?」

 

ヴェルドラ「なにい!?!?テンペストだとぉぉおおおおおお!?」

 

三代蓮翔「いちいち声がデケェ!!!」

 

スライム「だ…ダメか…?」

 

ヴェルドラ「素晴らしい響きだ!!!!今日から我は、ヴェルドラ=テンペストだぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

三代蓮翔「奴さん気に入ったみたいだぜ?」

 

スライム「よ…良かった…」

 

スライムは安堵した。

 

ヴェルドラ「そしてスライム。お前には“リムル”の名を与える。」

 

リムル「リムル…悪くないな!」

 

ヴェルドラ「リムル=テンペストを名乗るがいい!!」

 

三代蓮翔「ねえ俺は!?俺も一応半人半魔で名無しの魔物なんですけど!?」

 

ヴェルドラ「そうだな…悪魔モドキ!お前には“アレックス”の名を与える!」

 

アレックス「アレックス…アレックスかぁ…!ダンテやバージルみたいにクールで良い名前だ…!」

 

ヴェルドラ「お前も今日からレオン=テンペストの名を名乗るがいい!!」

 

その瞬間、三代蓮翔改めアレックス=テンペストの魂の奥底で何かが変化した。アレックス=テンペストという新たな名が、彼の魂に強く刻みつけられたのだ。

 

アレックス「俺が…!俺こそが!レオン=テンペスト…!スイートな響きじゃねえか…!」

 

ヴェルドラ「リムル…。アレックス…。」

 

リムル「ヴェルドラ=テンペスト…!」

 

アレックス「いいねぇ…こういう空気!俺、結構好きだぜ?」

 

3人は見つめ合う。

その視線には、アツイ友情が込められていた。

 

リムル「じゃあ今から食うけど、さっさと無限牢獄から脱出してこいよ!」

 

ヴェルドラ「フフフッ!任せておけ。そんなに待たずにお前らと相まみえようぞ。」

 

アレックス「ヴェルドラ!俺は次に会う時までに強くなってやるぞ!!」

 

ヴェルドラ「フッフッフッ!それは楽しみだ!」

 

リムル「挨拶は済んだか?」

 

アレックス「ああ。いつでもいいぜ。」

 

アレックスのその返事と共に、リムルに魔力がまとわれる。

 

リムル「よし!ユニークスキル“捕食者”!」

 

その言葉を言い終えた瞬間、リムルがバケツから放り出された大量の水のように無限牢獄とヴェルドラを包み込むと、それはみるみるうちに小さくなっていき、やがてリムルは元の姿へ戻った。

 

リムル「実に呆気なかった…今まで喋っていたのに…。」

 

この日、世界に震撼が走った。

天災級モンスターである暴風竜ヴェルドラの消滅が確認されたのだ。

ヴェルドラが封印されていた洞窟は、ジュラと呼ばれる大森林の中にあった。

 

そして数日後。

アレックスとリムルは行動を共にし、洞窟を出ようと彷徨っていた。

 

リムル「ヴェルドラを食ってから何日が過ぎただろう?」

 

アレックス「太陽の光があればカウントも楽なんだけどなぁ…。」

 

リムル「それなぁ。やっぱり早いところ外に出ないとだな。」

 

アレックス「そうだな。」

 

リムルとアレックスはその体でできることを色々試しながら洞窟を進み、幾つかスキルを獲得した。

そんな中。

 

アレックス「暇だなぁ…。目に付いた岩を撃ったりする遊びも飽きたしなぁ…。手頃なモンスターとかいないものかね。」

 

その時、大きな地鳴り。

 

リムル「うわぁぁぁ!?」

 

アレックス「なんだ!?地震か!?」

 

実際は地震などではなく、魔物が地中から現れただけであった。

目の前に現れたのは、黒蛇と甲殻トカゲ。

 

アレックス「おお…いい感じに手応えのありそうな相手じゃあないの。」

 

リムル「うわぁぁぁぁ!こえええええええ!」

 

アレックス「何言ってんだよ!!ヴェルドラに比べたらだいぶマシじゃねえか!?」

 

アレックスは手袋をぐっと引っ張ると、腰に収めていたリボルバー、ヘッドブリンガーを抜き取る。

 

アレックス「リムル!お前はそっちの蛇を頼む!俺はこいつの性能をテストしてぇ!!」

 

リムル「お…おう!」

 

アレックスはシリンダーをカチャッと展開すると、魔力を込めて弾丸を装填する。

 

アレックス「さあ!!いい声で泣いてみな!!」

 

甲殻トカゲ「きええええええ!」

 

甲殻トカゲが咆哮を上げ、地面を砕きながら突撃してくる。

それを見たアレックスは、足元にネオングリーンの魔力を迸らせながらゆっくりと横に歩く。

 

甲殻トカゲ「キシャァァァァァァァア!」

 

アレックス「遅えよ!!」

 

甲殻トカゲが前腕を振り上げ、叩きつけようとするが、アレックスは地面を踏み抜き、サッカーボール程のサイズの岩石を浮かすとそれを目玉に目掛けて蹴り飛ばす。

 

甲殻トカゲ「キエエエエエエエエエエ!!!」

 

その岩石は見事に命中し、甲殻トカゲは見事に怯む。

 

アレックス「こちとらダンテやバージル見てえなことができんだよ。カッコつけて倒してえだろお!?」

 

アレックスはその言葉と共に駆け出すと、ネオングリーンの稲妻がバチン!となったかと思えば、甲殻トカゲの頭上に現れる。

 

アレックス「くらえっ!!」

 

そしてヘッドブリンガーから2発の弾丸が発射される。

その弾丸は空気を割く心地のいい音を響かせ…甲殻トカゲの硬い鱗を突き破って脳天にヒット。

 

甲殻トカゲ「ギヤァァァァァァァァァア!」

 

甲殻トカゲは断末魔を上げ…撃沈。

アレックスの勝利である。

 

アレックス「うっそやだ大変!!思ったよりも威力が強いじゃないの!!」

 

アレックスはご満悦のようだ。

 

リムル「おーいアレックス!こっちは終わったぞー!」

 

アレックス「おうリムル。お疲れさん。」

 

アレックスはリムルの方に視線をやると、先程まで居た黒蛇の姿が見当たらない。

 

アレックス「あれ?死骸が無い…はっ!?さてはお前食ったな!?」

 

リムル「…やっぱ分かっちゃう?」

 

アレックス「死骸が跡形もなくなくなってたらそりゃ分かっちゃうでしょ…。ヴェルドラを無限牢獄ごと喰ってるからなぁ。」

 

リムル「俺、捕食するとその魔物の力が使えるようになるみたいでさ。だから黒蛇も食べてみたんだ!」

 

アレックス「へぇー。いいな。便利そう。リムルみたいにチャチャッと強くなれたら嬉しかったんだけどなぁ…。イマイチ強くなる条件が分からねえの。敵を倒したり戦闘の過程で若干強くなってそうではあるが…。」

 

アレックスはヌンチャクのバイコーンを取り出すと、それと手足に先程のネオングリーンの雷を纏わせる。

 

アレックス「とりあえず、俺は魔法で色々できるぽい。身体強化に純粋な放出による攻撃や機動力の確保とか…。あとDMCのドッペルゲンガースタイルぽいことができるくらいかな。ユニークスキル“流儀転身(スタイルチェンジ)”でドッペルゲンガースタイルとガンスリンガースタイルを切り替えられるけど…まあもっと魅せたいよなぁって思ってな。」

 

リムル「俺は大賢者がいろいろ教えてくれるけど…アレックスはそういうのないのか?」

 

アレックス「ないない。チュートリアル無し、ガイド無しの鬼畜プレイだよ。完っ全に俺のセンスが問われるってわけだよ!」

 

そう、アレックスは戦闘するにあたってリムルの大賢者のような優秀なガイドが存在しない。

彼は自分のスキルを如何に上手く使うかを自分一人で考えて戦わなければならない。

 

アレックス「DMCやりまくってたのと、あとユニークスキル“射撃之名手(ガンスリンガー)”のお陰で、戦ったことが無くても多少スイートな戦いができるようになってるけど…まあそれがないまま転生してたらひっでえ有様だったろうな。」

 

リムル「そっかぁ…。」

 

アレックス「俺の話はどうだっていいんだ!!さっさと洞窟出ようぜ、リムル!!」

 

リムル「お…おう!!」

 

その後、リムルとアレックスは数十日に渡り洞窟を歩き回り、立ち塞がった魔物を蹂躙しながら日々を過ごした。

無論、その過程でアレックスは強くなっている。

例としてあげるのであれば、“ヘッドブリンガー”を少量の魔力を消費して弾薬切れを解消したり、空中でも戦闘できるようになったりなど。

リムルも道中の魔物を食いまくり、発声など様々なことができるようになった。

そして遂に、出口と思わしき巨大な門を発見した。

 

リムル「おっ…!」

 

アレックス「おお!!」

 

リムル「多分これが出口…だよな!?」

 

アレックス「絶対そうだろ!!激アツすぎだろこれ!!」

 

リムル「さて…どつやって開ける?」

 

アレックス「バイコーンでぶち壊すか?」

 

リムル「危なさそうだな…。」

 

その時。

突如として門が開き始める。

 

アレックス「…誰か来るぞ。」

 

リムル「お…おう!」

 

アレックスとリムルは近くの柱のようなものに身を隠し、待機する。

 

男1「やっと開きやしたぜ。錆び付いてしまって、鍵穴もボロボロでやす。」

 

男2「仕方ないさ。300年、誰も何入ったことがないんだろ?」

 

女「いきなり襲われたりしないですよね…?」

 

男女3人組が外から入ってきた。

そのうち、女性は杖から光を出し、洞窟内を照らす。

 

女「まあ、いざと言う時はエスケープ使いますけど…。」

 

アレックス「(人間…!いるじゃねえかよぉぉぉぉ!しかも格好もファンタジーぽい…。三浦先輩好きそうだなぁ…!)」

 

アレックスはその男女を見て結構興奮していた。

 

男1「じゃあ、あっしの隠密アーツを発動させやすよ。」

 

男のうち、軽装の方の男がそういうと、突如として3人組の姿が消失した。

そしてその足跡は洞窟の奥地へと向かっていき…やがて見えなくなった。

 

アレックス「ふぅ…何とか過ごせたな。見つかってたらどうなってたかなぁ…!」

 

リムル「怖いこと言わないでくれよ!!」

 

アレックス「ごめんごめん!さて…と。行こうぜ、リムル!!俺らが生まれ落ちて初めて、お天道様の下を歩けるぜ。」

 

リムル「ああ…!」

 

こうして2人は門の外に向け歩き出し、遂に太陽の下に放たれた。

 

一方三人組。

 

女「はっ…!?」

 

男1「どうしやした?」

 

女「なんか魔物の気配を感じた気がするんだけど…気のせいかな?」

 

男2「気のせいだろ。見つかってたらとっくに殺られてる。」

 

女「そういうものなのかな…」

 

アレックスたちの気配を察知して少し警戒していた。

 


 

リムルと共に森を駆け出すアレックス。

 

アレックス「やっべぇ!この身体すげえぞ!どんだけ速く走っても疲れる気配すらない!!」

 

凄まじい速度で走るアレックスと、スパイダーマンのように糸を活用して近づくリムル。

 

リムル「ま…待ってくれよおおお!せっかくのシャバを堪能させてくれよおおお!」

 

アレックス「へへっ!ごめんごめん!じゃあゆっくり歩くか!特に予定も無いしな!」

 

アレックスは砂埃を立ち上げながら減速し、リムルに合わせて歩く。

 

アレックス「しっかしまぁ…リムルがまさか40手前で人生の大先輩だったとはな!!まあちょくちょく大人びてたりする場面があったから歳上だとは思ってたが…20も離れてたとはな。」

 

アレックス「ああん!?俺をジジイだと言いたいのか!?」

 

アレックス「違うわ!!リムルみたいな大人になりたいな…と思ってな!人を助けられる、ヒーローみたいなクールでスイートな男に!」

 

リムル「…褒めたってなんも出ねえぞ!」

 

アレックス「これは心からの言葉だぜ、リムル。」

 

アレックスがそう言ったと同時に、近くから多くの足音が聞こえた。

 

アレックス「なんか来るぞ。」

 

リムル「…ああ。」

 

そして現れたのは、武装したゴブリンが数十匹。

貧相な身体つきに、ボロボロな武器。

レオン達なら秒殺できるだろうが、警戒するだけで戦闘者特有の凍て刺すような殺意は無かった。

 

リーダーゴブリン「グガッ…強き者達よ…!この先に何か用事がおありですか…?」

 

リムル「強き者達…?アレックスだけじゃない…?ってことは…俺?」

 

アレックス「俺が強いのは確定なのか。」

 

リムル「そりゃそうだろ。」

 

リーダーゴブリン「うん、うん。」

 

リムル「(思念を乗せて発生すればいいんだな…?)」

 

嫌な予感がする。

 

リムル「すーっ…えーっと!はじめまして!俺はスライムのリムルというー!

 

アレックス「うるせえよ!!ボリューム抑えろ!!」

 

アレックスの拳骨が炸裂。

 

リムル「いたぁぁぁい!痛覚ないけど…。」

 

ゴブリン達が恐れて土下座している。

 

リーダーゴブリン「貴方様の力は十分にわかりました!どうか声を静めてください!」

 

アレックス「ほら…萎縮しちまったぞ。どうするんだよこれ。」

 

リムル「ご…ごめん。」

 

アレックス「うちのもんがうるさくてすまない。俺は多分人間と悪魔のハーフのアレックス=テンペスト。で、こいつがクソ強スライムのリムル=テンペストだ。俺達に何か用か?」

 

リムル「(思念が強すぎたか…。)」

 

ゴブリンリーダー「強力な魔物の気配がしたので、警戒に来た次第です…。」

 

リムル「…そんなもの、俺には感じられないけど?」

 

アレックス「それほどに俺らのオーラが強かったっつうことか!」

 

ゴブリンリーダー「そ…そういうこと…ですね。」

 

ゴブリンのリーダーがあまりのポジティブさ(?)に困惑している。

 

ゴブリンリーダー「それで…お二人を見込んでお願いがあるのですが…。」

 

アレックス「あ?」

 

リムル「ん?」

 

ふたりは、ゴブリンの村に案内された。

ゴブリンの村はかなり粗末であり、気休め程度の補強に草の屋根と、ヴェルドラの鼻息ひとつで吹き飛びそうなほどに脆弱そうな設計であった。

 

村長「ようこそお客人…。私はこの村の村長をさせていただいております。」

 

リムル「はい、どうもよろしく。」

 

アレックス「よろしくな!」

 

リムル「それで、俺達にお願いとはなんですか?」

 

ゴブリンリーダーと村長は互いの目を見て頷くと、村長はレオンとリムルの顔を見て話し始める。

 

村長「実は最近、魔物の動きが活発になっているのはご存知でしょうか?」

 

リムル「いや…」

 

アレックス「道中見なかったもんな。凶暴な奴とか。」

 

リムル「うんうん。」

 

村長「我らの神が、ひと月前に姿をお隠しになられたのです。そのため、近隣の魔物がこの地にちょっかいをかけ始めまして…。」

 

アレックス「あ〜…」

 

アレックスはなんとなく察しがついた。

この問題は、数十日前にリムルがヴェルドラを食ったのが原因なのだと。

 

村長「我々も応戦したのですが、戦力的に厳しく…。」

 

ゴブリンリーダー「そ…それでお二人に!」

 

リムル「力を貸してほしい…と。しかし、自分はスライムですので、期待されたような動きはできないと思うのですが…。」

 

アレックス「バカ野郎…!お前魔物食いまくって能力色々獲得してんだろうが…!スライムという言葉で逃げようとするんじゃねえぞ!」

 

リムル「いやいや!俺はただ心配なの!怖いの!」

 

その光景を見て、村長とゴブリンリーダーは少し笑う。

 

村長「ははは…ご謙遜を。」

 

ゴブリンリーダー「ご謙遜を!」

 

村長「ただのスライムにそこまでのオーラは出せませぬよ。相当に名を馳せる魔物なのでしょう…。それにそちらの方も凄まじいオーラ…半人半魔とお聞きしておりますゆえ、とてつもない強さの人間と悪魔の元に生まれたのでしょうな…。」

 

アレックス「確かにリムルから出てる魔素の量すげえもんなぁ。俺も垂れ流しになってるんだろうな。」

 

リムル「マジで?大賢者、魔力感知の視点を切り替え。自分を客観的に見せてくれ。」

 

リムルがそういうと、少し震えが生じ始める。

 

リムル「フフフ…流石は村長…分かるか?」

 

村長「勿論でございますとも。漂う風格までは隠せておりませぬ。」

 

アレックス「(うんこ出すみたいに踏ん張れば引っ込められる…か。)」

 

リムルの誤魔化しをフル無視しながら、アレックスはそのオーラを隠す努力をする。

 

リムル「そうか…分かってしまったか。お前たちはなかなか見所があるようだな。」

 

リムルのオーラも引っ込んだ。

 

村長「おお…我々を試されていたのですね。そのオーラに怯えているものも多かったもので助かります。」

 

リムル「そ…そうだな!」

 

アレックス「お…おう!」

 

リムル「俺達に怯えずに話しかけてくるとは、見所があるぞ!」

 

アレックス「そ…そうだぞ!すごいぞ!」

 

アレックスは嘘つくのが下手である。

 

村長「ハハ…ありがとうございます…あっ、それでお願いといいますのは…」

 

ゴブリンの話によると、東の地からオオカミの魔物である牙狼族が攻め込んできて戦闘になり、ゴブリンの戦士が多数討死したそうだ。

本来牙狼族1匹に対してゴブリン10匹でかかっても、勝てるかどうか怪しいほどの戦力差があるそうだ。

その中に、名持ちの特別な戦士がいたのだと言うが、その戦士も討死し、村は滅亡の危機に瀕している…とのこと。

そして、牙狼族は全部でおおよそ100匹。ゴブリンの戦力は雌も含めて60匹程であり、その戦力差は絶望的である。

 

アレックス「そうか。んで、その名持ちのゴブリンの戦士は勝てないと判断した上で戦ったのか?」

 

村長「いえ…牙狼族の情報は、その戦士が命懸けで入手したものなのです…!戦士は私の息子で、これ(ゴブリンリーダー)の兄でした…!」

 

ゴブリンリーダー「くっ…!」

 

アレックス「…ごめんな。悪いことを聞いちまった。」

 

建物の外には、多くのゴブリンの姿。

不安そうな表情を浮かべている。

 

リムル「…村長。ひとつ確認したい。」

 

村長「は…はい…。」

 

リムル「俺がこの村を助けるなら、その見返りはなんだ?」

 

アレックス「っ…,。」

 

リムル「お前たちは俺達に何を差し出せる?」

 

アレックスは察していた。リムルは見返りを求めていない。体裁を整えるために言っているのだと分かってはいたが、嘘だとわかっていても心が痛む。

それがこのアレックスなのだ。

 

村長「わ…我々の忠誠を捧げます!我らに守護をお与えください…!さすれば我らは、リムル様、そしてアレックス様に忠誠を誓いましょう…!」

 

ゴブリンリーダー「誓いましょう…!」

 

藁にもすがる思いだったのだろう。

その言葉は嘘偽りなく、心からの発言に思えた。

アレックス(三代蓮翔)は、困っている人を助けずにはいられない性分だった。

それは今も変わりなく、アレックスの心は突き動かされていた。

 

その時。

 

牙狼族「アオオオオオオオオオ…」

 

遠吠えが聞こえた。

牙狼族で間違えないだろう。

 

ゴブリン1「が…牙狼族だぁ!」

 

ゴブリン2「ヤバいよ、やばいよ!」

 

ゴブリン3「おしまいだ!!俺たち食われちゃうんだ!」

 

ゴブリン達は恐怖に慌てている。

 

村長「お前たち…落ち着きなさい…!」

 

そして、リムルが建物から出てくる。

 

リムル「ビビる必要はない。これから倒す相手だ。」

 

村長「おお…で…では…!」

 

リムルは周りを見渡すと、決意を固めたように言葉を吐き出す。

 

リムル「お前達のその願い。暴風竜ヴェルドラに代わり、このリムル=テンペストとアレックス=テンペストが聞き届けよう!レオン、文句は無いよな?」

 

アレックス「当たり前だろ?助けを求めてる奴が目の前にいるのに、それを助けないなんて…考えられねえよ。男が廃れるってもんだ。」

 

村長「おお…!」

 

村長は涙を浮かべる。

そして…ゴブリン全員が2人に頭を下げた。

 

村長「ありがとうございます…!我々は、リムル様とレオン様の忠実なるしもべでございます…!」

 

リムル「任せておけ。」

 

アレックス「おう。」

 

 

こうして2人は、ゴブリンたちの主…守護者となるのだった。




今回はここまでとなります。
途中でなんて書こうか迷いに迷って投稿が死ぬほど遅れてしまいました。
ヒロイン投票…一体誰が正妻の座を勝ち取るんでしょうね(?)
期間は2026/04/18の22:30とします。投票お待ちしております。

追記:新しい主人公の名前は私の好きなアーティストさんの本名から取りました。

ヒロインどうしようね????

  • テスタロッサ
  • カレラ
  • ウルティマ
  • ヒナタ
  • シュナ
  • シオン
  • その他
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