side傷原流水
「ふぁ〜……」
雄英高校の保健室……暇になったね。
「……ふむ。」
敵犯罪が減ってるというか……若干だけど減少傾向にある。雄英高校の先生達はそれを目敏く察知して、ヒーロー活動に幅を持たせようとしてるみたい。
公安もほとんど同じ方針。ひとつ違うのはビルボードチャートをもっと広く捉えようとしてる。まぁそれだけで今まで戦闘能力や事件解決能力が足りず名前が上がらなかったヒーローが、名を上げれるようになる……のは果たしていい事なのか。
「…………。」
ヒーローのコンテンツ化。私がずっと前から嫌っている事。その色がどんどん強くなっている傾向が見える。
ヒーローがコンテンツ化すると市民の認識が濁る。ヒーローだって命ある人材だ。助けてくれて当たり前じゃない。命をかけて当たり前じゃない。全てを犠牲になんて当たり前じゃない。
「…………ズズ……コーヒーうま。」
……その当たり前じゃないことに市民が気付くのは一体いつになることやら。
私には今のところあまり関係ないけどね。
ホークスくんに言ってチャートあげるなって言ってるし。あげたら知らない。何かしたら公安でヒーロー武術大会開くから。拒否権は無いよ。
「…………ハァ。」
カタタ……
ネットニュースに目を向ける。
『コメディヒーロー ルミリオン チャートをグイグイ上昇中!』
『激写!Mt.レディの私生活に迫る!!』
『みんなのアイドルネジレちゃん!今日も元気に宙を舞う!』
パタン
ノートパソコンを閉じる。
「…………ふぅ。」
知ってる人達が人気になっていくのは良い。それはそれで誇らしい。だけど……まぁ……いい事ばかりじゃないのも事実。
「……まぁいっか。」
どうなるかなんて未来になってみないとわからないから。そうなった時の社会をどうするかはその時公安委員長さんが考えればいいでしょ。
大変だねぇ公安委員長さん?大きな事件になった時。市民はヒーローに対してどんな態度を取るんだろうね。
「……はぁ。」
まぁそうならないように私がパシリにされるんだろうなぁ……
「ダル。」
……まぁ被身子ちゃんも事務所に入ってくるし(絶対入れるし)楽しいのは間違いないけどね。
……もうすぐ昼休みだね。
「……。」
そう言えば被身子ちゃん……もし私と会わなかったら何してたんだろ。
両親と向き合えたのかな。しっかり好きな人が出来て……ちゃんと恋愛して……受け入れてくれる人が出来たのかな。
……立派な高校生になれたのかな。
「……。」
あの時……相当ギリギリに見えたけどね。
私が助けなかったら……どうだったんだろ。
「……ふーん……」
やめよ。考えてもしょうがないや。今が幸せなら。
コンコン……
「はーい。」
「流水さん♪ご飯食べませんか?」
「傷原先生〜!ご飯食べよ〜!」
「A組ばっかりずるい!B組とも食べてよ!」
「うふふ。みんなで食べましょ?」
「「「はーい!」」」
今が幸せだから。