side傷原流水
「……。」
「……。」
ある程度の復興が成されたといえどある程度。まだまだ完全とは言えない。
雄英高校の生徒も時々駆り出されるみたいだけど……今日は私も被災地の復興に。
瓦礫の山だけど……私は血を操作してホイホイホイと瓦礫を退かせるので全然困らない。
……っていうか横にいる人も同じようなもんだから作業スピードがはやいはやい。
「……なんだ?さっきからチラチラと。……!……もしかして君もデニムの良さに……」
「考えてないです。」
ベストジーニスト。ヒーロー活動の大半を復興の時間にあててる人。インターンシップ中でも生徒と復興してる姿がよく見える……らしい。
「そういえば君は事務所を持ったと聞いたぞ。……なにか心境の変化でもあったのか。」
「……色々重なって職場に居られなくなった人が居ましてね。それで職場を作ってあげたんです。……被身子ちゃんを迎え入れるには遅かれ早かれ事務所が要ると思ってましたし……一石二鳥です。」
「なるほど。……であれば少々動きづらくなるな。」
「まぁ……そうですね。」
彼は1年とちょっと前に知り合ってから、私の仕事をよく知ってる……というか教えた。
オールマイトが引退して、敵活動が活発になった矢先、より多くの事件を対処するためにエンデヴァーとベストジーニストには色々動いてもらったものだ。
私が裏で情報を集めて、エンデヴァーとベストジーニストに対処してもらう。オールマイトほどではないにしろ、幾度となく頼ったのは事実。そこの恩は忘れてない。
「まぁ……上手くやります。」
「そこは足を洗うところだろう。……ま、公安が許さないか。」
「ホークスくんはやめさせたいみたいですけどね。絶対ヤダ。」
「ふふっ。君たちは本当に仲が悪いな。」
「当然です。考えが真逆なので。」
こんな雑談をしながらも私は血を、ベストジーニストは繊維を操って瓦礫を撤去、分別していく。……周りのヒーローがちょっと引いてる。まぁそうだよね。事実上のナンバーワンヒーローと軽々しく喋りながら瓦礫ホイホイ退かしてるのびっくりするよ。
多少有名になったとはいえ……まだまだ私の知名度はそこまで高くない。……低い方がいいんだけど。
「……それは置いて奥にして、インターンのことも考えないといけないな。」
「……ですよねぇ……」
インターン。気が重いなぁ……
嫌なわけじゃないんだけど、ナガンさん事務所に入れる予定だからさ……元とはいえ犯罪者が居るわけじゃん?…………気軽にインターンシップできないよねぇ……
「……またなにか事情があるような顔をしている。昔に比べて表情に出るようになったな。」
「……そうですか?いつもこんな感じだったと思いますけど。」
「……まぁいい。インターンシップは次世代の育成と、生徒の命を預かる我々にとって大事な仕事だ。受け入れてない事務所もあるが、個人的に君にはぜひやって貰いたい。」
「……はいはーい。わかってますよ。……いやぁ……どうしたものか……。」
……これでここは終わりですか。次の場所へ……おや、ベストジーニストも一緒みたいですね。
「存分に悩むがいい。……そういえば君は雄英高校に勤めているんだったな。私が気にいるような素行の悪い生徒は居ないか?」
「そんなの居たら1年の段階で相澤先生に処されてます。」
「む。……そうか。」
「なーんでガッカリしてるんですかね。…………まぁ活きがいいの見つけたら紹介しますよ。」
「すまない。」
……そういえば……エンデヴァーと半年くらい会ってないですね。……めんどくさいですけど……顔だけでも見せに行きますか。