The Hypocrite's Archive 作:Xelphyr
アビドスの面々は、追手を撃退した後、交流も兼ねて柴関ラーメンでセリカのバイトを応援しつつラーメンを食べていると…店の扉が開き帽子を被り、手にはショットガンを装備しているオドオドと辺りを見渡すその生徒が入ってきた。
「あ、いらっしゃいませー!何名様ですか?」セリカ
「あ…その…。こ、ここで一番安いメニューっておいくらですか?」???
「…?一番安いのはー…580円の柴関ラーメンですね!特製の方も美味しいですけど、こっちも看板メニューです!美味しいですよ!」セリカ
「580円…!あ、ありがとうございます!4名です!少し、お、お待ちを!」???
ガララッとその客は外に出ていく。
少し間を置いて、ガララッと扉が開き、4人の生徒が入ってきた
「やっと見つかったー!600円以下のメニュー!」???
「疲れたー!」と、自身の体躯程ある鞄を片手に笑うマシンガンを持つ生徒
「ふふふ、ほら見なさい。何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ」???
と傍目から見ると余裕の笑みを浮かべるスナイパーライフルを持つ真紅の髪の生徒
「そ、そうでしたか。流石社長…。なんでもご存知ですね…」???
と憧れの目をしているショットガンを持つ生徒。鞄には首吊りウサギのアクセサリー
「はぁ…」
呆れと諦めの混ざった溜息を吐く、白と黒にはっきりと別れた髪をしている生徒。よく見ればホルダーにハンドガンが見える。
セリカが声をかける。
「4名様ですよね?席にご案内しますね」
「んーん。どうせ1杯しか頼まないから大丈夫」???
「1杯だけ?でも…どうせならごゆっくり、お席にどうぞ。今は暇な時間帯なので、席も空いてますし」セリカ
「おー、親切な店員さん!ありがと、ついでにもうひとつ。箸は4膳でよろしくねー。優しいバイトちゃん」???
「え?1杯なのに4膳?…1杯を4人で食べるつもり?」セリカ
それを聞いて何か思うところがあったのか、ショットガンの生徒が震えだす。
「え、ええ!?」セリカ
(急にネガティブになった…昔の俺みてぇだ)
ショットガンの生徒が鞄から何かを取り出そうとしているのをハンドガンの生徒が手で制した
「ハルカ、やめな。声がデカいし周りに迷惑」???
「は、はい…すみません…」ハルカ
「謝らなくていいわ!」セリカ
セリカがショットガンの生徒の肩に手を置く、思わずショットガンの生徒、ハルカはそれにドキッとしてしまう。
「お金が無いのは罪じゃないから!胸張って!」セリカ
「へっ!?あっ、はい!?」ハルカ
「お金は天下のまわりものってね。そもそもまだ学生なんだし!それでも小銭集めてこうして来てくれたんでしょ?そういうのが大事なんだよ!」セリカ
「あっ、うぅ、はい…?」ハルカ
「待っててね!直ぐに持ってくるから!大将ー!」セリカ
セリカが厨房へ走っていく。ショットガンの生徒はまだ困惑していた。
「…なんか、妙な誤解をされてる気がする。…はぁ」???
ハンドガンの生徒がまた溜息を吐いている。
「まあ、うち普段から貧乏って訳じゃないんだけどねー。アルちゃんが金遣い荒いんだからー」???
「アルちゃんじゃなくて
「だってもう仕事終わりじゃん?ところでー、社長なのに社員にラーメンを1杯分しか奢れないのってどうなの?」ムツキ
「うぐっ」*1
「まぁ、今回の傭兵バイトを雇うのに全財産使っちゃったからね、社長。それでも4杯分くらいは残しておけたと思うんだけど」???
「カヨコまでっ…」
「ぶっちゃけ夕飯代忘れてたんでしょ、アルちゃん?1杯分残ってたのも偶々でしょ?」ムツキ
「…ふふふ」
傍目から見ると余裕の笑みを浮かべるスナイパーライフルの生徒、アル。しかしよく見ると肩が震えている。
「…はぁ。まぁ、一番火力を出せる社長に敵が接近するリスクを減らす為に、耐久力があって前衛が出来る傭兵バイトに資金を注ぎ込むのは正しい。そこは同意する。でもそんなにアビドスって危険なの?」カヨコ
(…なんか鼻がムズムズしてきたな…胡椒でも吸ったか?)
「それは…」アル
「多分アルちゃんもわかってないと思うよ?だからビビってたくさん雇ったんだろうしー♪」ムツキ
「だ、誰がビビってるって!?全部私の想定内!失敗は許されない、あらゆるリソースを総動員して仕事に臨む。それが便利屋68のモットーよ!」アル
「でも変なこと言ってたよ?『銃を生き物みたいに操る人間がいた』って」カヨコ
「バカねカヨコ、
「ゔぇっクション」(そんなの)
店に入ってきた者達は完全に彼の話をしていた、本人らはそんな人いないと思っているが…残念ながらいる。
そんな中、セリカがラーメンを運んできた。
「おまたせしましたー。580円の柴関ラーメン並いっちょー!熱いうちにどうぞ〜」
そうしてアビドスの一行は、ラーメンを平らげ店を後にした。
「ふう…いい人だったわね…それよりもさっきの子達、どこかで見たことがあるような」アル
「………」
ハンドガンの生徒、カヨコは眉間に指を当てて頭痛を堪えている。
「アルちゃん、アルちゃん」ムツキ
「アルちゃんじゃなくて社長でしょ、ムツキ。なに?」アル
「気付いた?」ムツキ
「…?なにが?」アル
「まあアルちゃん視力低いもんねー」ムツキ
「…はぁ。社長、アビドスだよ、あいつら」カヨコ
「…アビドス。…って、今回の仕事のターゲットの?」アル
「うん」カヨコ
「…なななな」
『アルちゃん』は白目を剥いている。
「なっ、なんですってーーーーーー!?*2…じゃああそこに!アビドスの人が!
「あの人?」ムツキ
「な―なんでも…ないわ(どうしましょう…あの人と戦わなくちゃダメなの?なんかいや!!)」アル
「まあでもとりあえずさ〜?『情け無用』『お金さえもらえればなんでもやります』がうちの、便利屋68の、アウトローのモットーでしょ?今更何を悩んでるの?」ムツキ
「そ、そうだけど…。…ええそうよ、このままじゃダメ。一企業の長として、このままじゃダメなのよ!陸八魔アル!…たとえあの人がヤバい人でも!!」アル
アルは慌てふためきながらも、全力で格好つけて号令を出す。
「行くわよ!アビドスに!」