The Hypocrite's Archive 作:Xelphyr
アビドスから離れて、約1週間後
「先生!アビドスの生徒さんからメッセージが届いていますよ!」アロナ
「おー手紙か」隆一
アロナに促されるまま彼はシッテムの箱を起動する。
メッセージボックスに届いている一通のメールを開くと、びっしりと長文が記されていた。
「先生へ。アビドス高等学校一年生の奥空アヤネです。あの日からもう一週間が経とうとしているなんて、全く実感が湧きません。
あれからアビドスには大きな変化が起きました。まずカイザーに課せられていた高額の利息についてです。
利息金の私的流用、そしてその他不祥事にカイザーコーポレーションも動かざるを得なくなり、連邦生徒会も重い腰を上げて対応した結果、法外な利息は非常にマシな数字に引き下げられました。
しかも先生の交渉のおかげも相まってで、10億円手前まで膨れ上がっていた借金自体は全て帳消しされ、学園の復興にも希望が見えてきました、本当にありがとうございます。
便利屋68の皆さんにはアビドスの廃ビルを改装し、新事務所として今は貸し出しています、先生の勧誘もあってそろそろ便利屋を畳もうかな……とアルさんは溢していましたが」
彼のスマホには、『いつでも依頼、待ってるわよ!』とアルから連絡が来ていた。彼はもう一度手紙に目をやる。
「それから、これは余談になるんですが、『先生が私たちと一緒にヘルメット団、並びにカイザーPMCを撃退した』と言う噂が流されたおかげでアビドスの存在が他校にも周知され始めたみたいなんです。でも時々話に尾鰭がついて、『カイザーPMCを先生が単騎で退けた』事になったり、『アビドス高校がカイザーコーポレーションを倒した』事になったりも…良くも悪くも目立ってしまったせいですね……。
でも今の対策委員会は今までとは違います。先生のおかげもあって、連邦生徒会から正式に『生徒会に相当する組織』として認可されました!借金も帳消しになり、利息も現実的になったおかげで、借金の返済以外の仕事も少しづつ出来るようになり、アビドスに新しい生徒を呼び込もうと、対策委員会の五人で動いています!」
「これで安心だな」
「本当にお世話になりました。これからどうしよう、どうやって生きていこう、借金が払えなくなったらどうしよう。学校が差し押さえられたらどうしよう。路頭に迷ったらどうしよう。そんなネガティブな事ばかり考えていたのに、今はとても前向きな気持ちで明日を迎えられます。
私達を助けてくれて、私達の青春を守ってくれて、ありがとうございます。
追伸 みんな寂しがっているので、たまにはアビドスに顔を出してあげてください。」