The Hypocrite's Archive 作:Xelphyr
意気揚々と、廃墟に行こう!となっていたモモイだが、結局ミドリが結構怒ったので、モモイ仕方なく部室へ戻り、改めて色々と説明する。
「それでは改めまして…ゲーム開発部へようこそ!私はシナリオライターのモモイ!」
「私はミドリ、イラストレーターでゲームのビジュアル全般を担当しています」
「あと今はここにいないけど企画回りを担当している部長のユズって子がいるよ!」
「そうか、これからよろしくな……」
軽く紹介を終えると、モモイはなぜ廃墟に行こうとしていたのか話す。
「私たちゲーム開発部は今までずっと平和に、16bitのゲームとかを作ってたんだけど……ある日、急に生徒会からの襲撃を受けたの!」
「襲撃?そりゃ物騒だな」
「一昨日には生徒会四天王の一人であるユウカから、最後通牒を突きつけられて…」
「ここは修羅の国か?」
真剣にそう言ったモモイに彼は物騒だと思い、なぜそうなったのか聞こうとする、すると。
「それに関しては私からご説明しましょうか?」???
最近よく聞く声が聞こえてきた。
「こ、この声は!?出たな、生徒会四天王の一人!冷酷な算術使いの異名を持つ生徒会の会計、ユウカ!」
「勝手に変な異名を付けて人をモンスターか何かみたいに呼ばないでくれる?失礼ね…」ユウカ
「ユウカか、どもども」隆一
「先生とは色々と話したい事もありますがそれはまた後にするとして・・・・・モモイ」ユウカ
「うっ」モモイ
「本当に諦めが悪いわね、廃部を食い止める為に、ただでさえ仕事が忙しいシャーレの先生まで巻き込むだなんて。けどそんな事をしても無駄よ、例え先生だとしても……いえ、あの連邦生徒会長が戻ってきたとしても!部活の運営については概ね各学校の生徒会に委ねられてるんだから」ユウカ
「そもそもどうして急に廃部通告になんてなったの?別に前々から言ってたって訳じゃ無いんでしょ?」モモイ
「…ええ」ユウカ
ユウカはミレニアムの校則に明るくない隆一に事情を説明する。
「…ゲーム開発部自体そもそも最低部員数4人以上の規定も守れて無い上、部活としての成果を証明出来るものも無いまま何か月も経っているんです」ユウカ
「おいまさか…ゲーム開発部なんて名前だけで、いままでずっとゲームで時間を湯水のように浪費してたのか?」隆一
「そ、それは……」ミドリ
「異議あり!凄くあり!私達だって全力で部活動してる!だからあの、何だっけ…上場閣僚?だっけ?とかいうのがあっても良い筈!」モモイ
「情状酌量!」ミドリ
「あーそれそれ!」モモイ
「全力で活動してる……?バカも休み休み言いなさい!」ユウカ
「「…ヒェェェェ!」」モモイ&ミドリ*1
「…ったく、ガチギレしてんじゃないか、あーあ、地雷踏み抜いちまったな」隆一
「校内に変な建物を建てたと思ったらまるでカジノみたいに装飾してギャンブル大会を始めるし、レトロゲームを探すとか言いながら古代史研究会を襲撃するし……」ユウカ
「襲撃はアカン、襲撃は」隆一
「おかしいでしょう!?全力かもしれないけど人に迷惑かかってる時点で部活動としては間違ってるわよ!それでいてよく毎度のように二桁三桁万円の部費なんか請求出来るわね!」ユウカ
「うぐっ…」モモイ
「まあまあユウカ、落ち着こうや」隆一
「ふぅ…すみません先生、少し頭に血が上ってしまって…それで?真っ当な言い訳くらいしてみたらどうなの?」ユウカ
「と、時には結果よりも心意気を評価してあげる事も必要……」モモイ
「負け犬の言い訳なんて聞きたくないわ」ユウカ
「聞きたいのか聞きたくないのかどっちなのさ!」モモイ
「まあまあ」(飛びつこうとしているモモイの前方に塞がる二十代前半男性の図)
「そもそもミレニアムでは結果が全てなの!」ユウカ
「まあまあ」(飛び出そうとしているユウカの前方に塞がる二十代前半男性の図)
側から見ると完全に親子喧嘩、するとモモイは何かを絞り出したかように言う。
「け、結果だってあるもん!私達もゲームを開発してるんだから!」モモイ
「そ、そうですよ!テイルズ・サガ・クロニクルはちゃんとあのコンテストで受賞、も……」ミドリ
「…?」隆一
「……そうね、確かに受賞してたわ、その反応を見るに先生はご存じないようですね、テイルズ・サガ・クロニクル……このゲーム開発部における唯一の成果です」ユウカ
「なるほどな、作るには作ってたんだ…」隆一
「ふ、ふふんー♪」モモイ
「先生、レビュー評価を見てみてください」ユウカ
「レビュー……わーお」(ドン引き)
「そんな顔しないでよ〜〜!!」モモイ
そんな肝心のテイルズ・サガ・クロニクルの評価はと言うと…。
torinitimobu51
★☆☆☆☆
私がやってきたゲーム史上、ダントツで「絶望的」なRPG。
sukeban27
★☆☆☆☆
SAN値が最も不足しているゲーム。勿論他も不足しているが
miremobu2
★★☆☆☆
ダメなところが多い時、「伸び代しかない」と言われるだろうが、これに関しては伸び代を見出す事すら不可能
gehenatyan
★☆☆☆☆
このゲームをプレイした後だとデッドクリームゾーンは名作になる
toaru_gamer
★☆☆☆☆
星を1つでもつけないとレビュー出来ないクソ機能を運営には是非とも改善して欲しい。はっきり言ってお金と時間の無駄。
miregamer
★☆☆☆☆
ヒロインは可愛かった!勿論、それ以外はクソ以下。いや、クソに失礼か
torinitimobu51
★☆☆☆☆
作者は一回死んでからゲームについて学び直して欲しい限り。こんなのがゲームを騙っているのが苛立たしくてたまらない
odesei
★★☆☆☆
リソースと所持金の無駄でしかないゲームを作る方法を教えてください作者さん!
gehenamobu
★☆☆☆☆
第一校舎のトイレの方がまだ綺麗だと思えるほど、作者の脳味噌の腐敗具合がわかるゲームだった
mireisamatyan
★☆☆☆☆
作者は脳の病気にかかっているに違いない。そうでなきゃこんなゲームは作れない。
mo_channel
★★★☆☆
むずかしいけどおもしろい
はっきり言って、この世の悪口の掃き溜めという表現が最も似合うようなレビューの数多だった。
「…やれやれ」
「あ、呆れないで下さい先生!」ミドリ
「わ、私達のゲームはインターネットの悪意なんかには屈しな…」モモイ
「例えユーザー数が無限にいたとしても沢山の評価が収束すればそれは真実に一番近い結果よ、それに貴女達の持っている結果はそのクソゲーランキング1位だけでしょう?貴女達のような部活がこのまま活動していてもかえってミレニアムの顔に泥を投げつけるだけ、それに貴方達が請求する何十万何百万の部費を他に回せばきちんと意義のある活動をしている他の部活や生徒達のためにもなるの!わかった?」ユウカ
「「…………グスッ」」モモミド
「そ、そこまで泣かなくても…」ユウカ
才羽姉妹は彼に寄り掛かり胸に顔を埋める、彼はその二人の頭を撫でながら彼はユウカに言う。
「ユウカ」隆一
「は…はい、何でしょうか?先生?」ユウカ
「ミレニアムや他の学校の授業に、『道徳』はあったか?人としての在り方とかを学ぶ奴だ」隆一
「ええ…名前こそそれぞれ『修身』と『法治』ですが、百鬼夜行と山海経では必修科目として存在しますね。ただ…他の学校はまちまちと言った具合です。特にゲヘナは教育機関として形骸化している都合上、授業という概念自体が希薄になっています。ミレニアムは任意受講になっていますが、多くて五人、受けるか受けないかと言った具合です」ユウカ
「やれやれ…まずはキヴォトス全土で道徳とネットリテラシーに関する授業だな…話を戻すが、あんたのセミナーのコネかなんかで、ゲーム開発部の廃部を白紙化とかは出来ないか?」隆一
「そう言われても…自分達の活動にも意義があるのだと主張したいのなら、証明してみせなさい!としか言えません。ミレニアムの都合上…」ユウカ
「ヒグッ…証明って…?」モモイ
「な、何度も言ったでしょう?きちんとした功績や成果を証明すれば廃部を撤回するって、例えばスポーツでのインターハイやエンジニア部の発明品の公表とかね……GOTYゲームオブザイヤー金賞、これさえとれば…少しは考えるかも」ユウカ
「な、なら!」モモイ
「とはいえ出せば何とかなるとも思えないわね、貴女達の能力はあのクソゲーランキングが証明済み。実力が及んでいないのに金賞なんて、雲を掴むような話よ」ユウカ
「「……」」モモミド
二人は今にもギャン泣きしそうな顔で下を向く、そんな二人の顔を見て彼の心がかなり動く。
彼は在りし日の妹の姿と才羽姉妹を重ね合わせ…キュッ、と胸が締め付けられた気がした。そしてその苦しみはエネルギーへ、エネルギーは怒りへ変換される。
「…おいユウカ」
そう口にし、彼は護身用に持っていた拳銃をユウカに突きつける。
「!ヒッ!な…何よ先生…」ユウカ
「あまり
「先生が…」ミドリ
「怒っている…」モモイ
「まあ…どうせならお互い楽な形で済ませましょう?今すぐ部室を空けてこの辺のガラクタも捨てて…」
モモイがそう叫ぶ、可哀想だとは思いつつもユウカと心を鬼にして言う。
「……じゃあ何なの?」ユウカ
「そ、それは……うん。分かった、全部結果で示す」モモイ
「お?」隆一
「その為の準備だってもう出来てるんだから!」モモイ
「え?」ユウカ
「そうなの!?」ミドリ
「何でミドリが驚くのさ!?……とにかく私達には切り札がある、その切り札を使って今回のミレニアムプライスに私達のゲーム!
テイルズ・サガ・クロニクル2を出すんだから!」
と、自信満々にモモイはいうが、彼はあまりにも冷静にツッコミを入れた。
「もうオチが読めたわ。低評価の精神攻撃で三人のメンタルに大ダメージ入る未来が読める」隆一
「シャラップ!先生!!」モモイ
「んで、抑の話、ミレニアムプライスってなんだ?」隆一
「ミレニアム中の部活が各々の成果物を競い合うミレニアムでも最大級のコンテスト!ここで銅賞さえ受賞すればいくら何でも文句は言えないでしょ!」モモイ
「……まぁそうね、受賞出来たならの話だけど。けどねモモイ、今貴女が言っているのは相当無理があるのよ?」ユウカ
「……その難易度ってどのくらいだ?」隆一
「つまりですね、先生が理系分野のテストの総合点が100点を超える確率と同じぐらいです」*2
「先生!?」モモイ
「ごめん、それ聞いて一気に不安になってきたわ」隆一
「先生諦めないで!お願い!!」ミドリ
理系分野のテストで総合点100点越えなんて彼にとって天地がひっくり帰ってもあり得ない、だが、彼は生徒の未来が係っている状況で諦める人間では無い。
「
「う、うん!」モモイ
「んじゃ、俺も協力する」隆一
「ほんとですか!?」ミドリ
「二人がゲーム開発部の事を全力で死守するつもりのはもう重々理解した…それで」
「「それで?」」モモミド
彼は立ち上がりユウカに大事なことを訊く。
「ユウカ、
「凡そ2週間です」ユウカ
「了解、それまでにプライスで賞取れるレベルのゲームを作る。それが俺の今の仕事だ」隆一
「確率は低いですよ?」ユウカ
「低くてもあるんだろ?確率が1%あれば、実質的に確率は100%みたいなもんだ」隆一
「どんな暴論ですかそれ…」ユウカ
「兎にも角にも…
俺は
「わかりました……今日からミレニアムプライスまで2週間、この短い時間でどんな結果を出せるのか楽しみにしてるわ。それにしてもまさか先生の前でこんな無礼な働きを見せてしまう事になるなんて……ただこれも
そう言ってユウカは部室を出て行った。
「先生……ありがとう!」モモイ
「ありがとうございます!」ミドリ