The Hypocrite's Archive 作:Xelphyr
一人の青年が、見覚えのない部屋の中で目を覚ます。
自らの体に触れて生きている事を確認した青年は、室内を見渡して周囲を確認した。見渡す限り、あの陽射しの中を走っていた列車の姿は見当たらず、窓の外に広がる空は青く澄み渡っている。針葉樹林のようにコンクリートの摩天楼が空へ伸び上がる景色に、彼はしばし圧倒されていた。
(大評議会レベルのビルばっかだ──それはそれとして…ここはどこだ?俺の記憶で話していたあの人は、あの場所は、一体…)
嘗ての世界でただ一本筍のように伸びていた巨大なビルが生える嘗ての桜京の風景を思い出し、評議会レベルの高層建築が幾つも生えるこの謎の都市の光景に圧倒される青年。結局、ノイズがかかったような記憶の中では、答えは出なかった。
しかしすぐに疑問を振り払って思考を切り替えた彼は、大丈夫だと自分に言い聞かせる。青年は眠っていた場所から立ち上がるとともに、窓の外を覗く。
「ほう…こりゃ…
面白そうだ」
冷たい空気が垂れ込めた廊下を一人、溜息を吐きながら早足で進む。窓の外では一見して何の変哲もないように見える都市では今、様々な問題が折り重なる形で先行きが行き詰まりかけていた。
「はぁ……どうしてこんなことに」
やや青みがかった長い黒髪を整えながら、眼鏡を掛け直して目的の部屋に向かう少女・七神リン。その足取りは明らかに焦りで早まっており、一筋の汗を浮かべた表情には隠しきれない不安が映し出される。
「なぜ貴女は失踪を……我々は、貴女がいなければ──」
何かを言いかけたところでリンは一度我に帰り、立ち止まって思考を整理する。
…そう、己に何度も念じる。
「……落ち着きなさい私、今は"先生"に事情を話してこの状況を変えないと」
リンは部屋の前へ到着するとともに息を整え、扉をノックをする。
「先生、私です。お待たせしました……先生?」
しかし返事がない。不思議に思った彼女は扉を開く…そして
ガンッ!
ッ
「せ、先生!?大丈夫ですか!?」???
隆一は運悪く、リンが扉を開けるタイミングと同時にドアに向かっていた。そして隆一がドアノブに手を伸ばしたその刹那、リンがドアを開け、ドアが彼の顔にクリティカルヒットをかました…というのが事の顛末だ
「ああ、なんとかな…」隆一
「とりあえず…ここがどこか、把握されていますか?」???
「全く」
「記憶が混同しているようですね…では改めまして…ここは複数の学園が集まる学園都市キヴォトス。私は
「キヴォトス…?不思議な名前の街だな」
「ここで貴方には、連邦生徒会長の設立した特務機関である連邦捜査部"S.C.H.A.L.E"の顧問──所謂"先生"として活動して頂きたいのです」リン
「先生…?」隆一
「そして今一度確認しますが──貴方が、キヴォトス外の大人として連邦生徒会長に推薦を受けた、シャーレ顧問の先生でお間違いないですね?」リン