The Hypocrite's Archive 作:Xelphyr
「ほう…」隆一
「はわわわわ…」モモイ
「な、なんでここに?」ミドリ
「ええ、漸く…私達のリーダーが来てくれまして…」アカネ
「リーダー…もしかして!」モモイ
一行を『手厚く』迎えたのはアカネとユウカ、そして保安局の数多くの生徒に。
「アタシの指示だ」
メイド服の上から龍柄のスカジャンを羽織り、両手にサブマシンガンを構えた少女は、小柄ながらも堂々とした佇まいで一歩前に出た。彼女こそミレニアム最強、
「君は……」隆一
「初めましてだな先生…メイド部ことC&C部長、美甘ネルだ」ネル
「…なるほど」隆一
「おう、今回は勿論、アンタらが目当てだ…それはさておき」ネル
「…?」隆一
「…先生。用があるのはアタシの方だ。…この狼藉、
「まさかまさか……俺はゲーム開発部とヴェリタス、そしてエンジニア部の願いを叶えようとしたまでだ。こんな狼藉を楽しむ奴は、きっと全身のネジが外れているような人間だよ。」隆一
「…そうは言いつつ、これほどの事態を起こしているのは理解しているよな?」ネル
「ああ勿論、復興には協力するさ」隆一
「今聞いてるのは復興云々の話じゃねぇ、ゲーム開発部にヴェリタス、これらを率いているのはアンタだとセミナーの会計伝手に聞いたんだが、その結果がこれだ。どう落とし前つけてくれるんだ?」ネル
「…やれやれ。そんな
「単調?テメェ今なんつっ…」ネル
「『勝てば官軍、負ければ賊軍』、そんな単調な話だ。俺は勝つ為にここに居る。俺はもう引き下がれない。だから俺には勝つ以外の道はない。」ネル
「…そうか。じゃあ交渉決裂だな」ネル
ネルは「連邦生徒会長はよくこんな奴推挙したな」と一瞬考えたが、彼を見てなんとなく理解した、只者ではない…と。
「話は済んだか?─んじゃいくぞ」ネル
ネルがニカッと笑い構えた瞬間、彼は何処からともなくレーヴァテインを展開する。一撃で相手を葬り去る、過剰出力がネルに向けられた。
「へぇ……」ネル
「んじゃ一発目ェ!」隆一
オレンジ色の光が爆発的に広がり、周囲を破壊の嵐で包み込む。光の束は窓を
「流石先生!」ミドリ
「あのレールガンの前じゃ、流石のネル先輩でも勝ち目は……」モモイ
「──いや、まだ終わってない。」??
「「え?」」モモミド
発射した先で見たのはネルが体勢を低くし銃を構えている姿。彼はそれを視認し、銃を何処かにしまう。
「遅えんだよ!」
そう怒鳴り挑発するネルだが…
シュッ!
「‼︎」
一瞬、ほんの一瞬、彼女の手首を何かが通過する。
ザクッ!
その瞬間、彼女の両腕を通過したものの正体が分かった。
「…せ、先生…?」ミドリ
「ち…畜生!」ネル
「…やはり先生…抜かりありませんね。」ユウカ
彼はナイフを手に持っていた。銃器に対する耐性を持つキヴォトス人に彼が一矢報いる為の伝家の宝刀…の割には料理とか事あるごとに愛用していたが、それでもあまり知っている人は居ない。
「くっ…」
一瞬、ほんの一瞬ネルが動揺した隙を突く。……そして次の瞬間
「ボーッとすんな!」
「ハッ!そうくんのかよ!」ネル
隆一は手を地面につけながら回し飛び蹴りをネルに向けて放った、ネルは蹴りが来るとわかった瞬間、武器を下ろししゃがんで回避。
「(避けた…か)」隆一
「蹴った先で回転して体勢を立て直す……んで持って」ネル
ドガ!
「今度は踵落としか、面白え!! けどな先生……そりゃ悪手って奴じゃねえか?」ネル
彼は耐性を立て直しネルの頭へ向けて踵落としを繰り出す、しかしネルはそれを後ろにスッと回避し二つのサブマシンを彼に向ける。
「終わりだぁ!」
サブマシンガンの銃声が、辺り一帯にこだまする。
銃撃の衝撃は凄まじく、彼の左胸に的中した弾丸は衝撃で左腕を吹き飛ばした。そして銃撃の衝撃によって彼は壁まで吹き飛ばされてしまう。
「う、うわぁ…」保安部の生徒
「キヴォトス人以外が銃弾を喰らうとこうなるんだ…」保安部の生徒
傷口から血が滝のように滴り、冷たい灰色のコンクリートを赤色に染めていく。
「どうだ先生?降伏するか?」
一度攻撃を止め、ネルは次の策を練る*1……『掃除屋』の名の如く、確実に相手を仕留める、方法を……―しかし、そんな暇は訪れなかった。
「……」隆一
「(……何だ…?武器でも使うのか?)」ネル
彼は懐から徐に……銀色の杖を取り出す。
「……杖?」
「…お前らにとっての銃みたいなもんだ。俺にとっての最狂の武器とでも言おうかな?」
彼はそう言い残すと、瞬く間にネルの視界から消える…
「…クソッ!どこ言った」
「リーダー!そこです!」アカネ
「ど…」
その刹那の出来事だった。
彼女の手前、視界の死角になっていた部分から彼は飛び出す。彼女が動揺した瞬きにも満たないほんの一瞬の時間を突き、彼はネルの喉に杖を突き刺す。
「ガ…ガァ…」ネル
「リーダー!」アスナ
「部長!」アカネ
数秒刺した後、彼は杖を力づくで引き抜き、刺された箇所からは血がドクドクと流れ出る。
「て…てめ…何を…」ネル
血が流れ続ける首元を抑えながら、ネルは無理矢理言葉を紡ぐ。
「言っただろ。『勝つ為にここに居る』と。ただ、打つ手を惜しむとは一言も言ってないが。勝つ為なら、なんだってするさ」
「…ち…チク…」ネル
畜生と言いかけたところで、ネルは小柄な体が故に失血が祟ったのか、その場に倒れ込んでしまった。というか、頸動脈を射抜かれながら生存している時点でまず生きてることがおかしい。これもキヴォトスクオリティーと言わざるを得ない。
「部長!」アスナ
「部長!」アカネ
「…先生!どうすれば…」ユウカ
そうユウカに言われ、彼は杖を突き出す。
「先生!一体…」アカネ
ネルに杖の先を突きつけたその瞬間、杖の接合部に嵌め込まれたアメジストが緑色に光った。
「うわっ!」モモイ
「ちょっ…」アスナ
辺り一帯が緑色の閃光に包まれ、光が消えた頃…
「…え?ちょっと待って!?」アスナ
「アスナ先輩!?一体何が…」
「傷が…傷が、塞がってる!」
アスナの勘違いかと思い、アカネも確認するが、つい数十秒前まではそこにあった傷が、まるで元からなかったかのように綺麗に再生していた。
「こ…こんな馬鹿な事が…」
結局、正面から戦って完全に敗北する形になったユウカ。彼女が取った手は…