The Hypocrite's Archive   作:Xelphyr

6 / 22
お気に入りとコメントは励みになるので皆さんお願いします


A.R.O.N.A.

「………海?」

 

 

 

 

見覚えのない教室。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一部が崩壊した壁と天井、青空、積み上げられた机、広がる水平線、水浸しの床。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

zzz…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして寝息を立てる見知らぬ幼女

 

 

 

 

「子供…?」

 

 

 

 

髪色は淡い水色で、インナーカラーはピンク。カチューシャに大きな白いリボンをつけた少女が、彼の前で机に伏して、静かに眠っている。リョウイチは、少女に近づいた。

 

 

 

 

 

「くううぅぅ……Zzz…むにゃ、……いちごミルクは………うへへ………んにゃ?」???

 

「起きたか」リョウイチ

 

「ふわぁぁ……ありゃ?」???

 

「…?」リョウイチ

 

「ありゃ、ありゃりゃ……?え?あれ?あれ?」???

 

 

 

 

眠っていた少女は立ち上がり、目をこすりながら彼を見る。そんな少女に目線を合わせるためにリョウイチがしゃがみ込むと、明瞭に彼の顔を認識した少女が慌てだす。その様子は驚いているようにも、喜んでいるようにも、信じがたいものを見ているようにも見えた。

 

 

 

 

「こんにちは」

 

 

 

「こ、こんにちは…この空間に入ってきたということは──まさか、天音先生……!?」

 

「ああ、天音隆一だ。よろしく頼むよ」

 

「うわぁぁぁ!?そ、そうですね!!もうこんな時間!?わぁぁ、えぇと……」

 

「落ち着いて」

 

「そ、そうですね!?えと……まずは自己紹介からっ!」

 

 

 

 

少女が礼儀正しく足を揃え、彼に自己紹介と挨拶を始める。

 

 

 

 

「私はアロナ!アロナです!このシッテムの箱のシステム管理者であり、メインOS、先生のアシストをする…秘書です」

 

「OSか……君は、俺の秘書──俺の手伝いをしてくれるのか?」

 

「はい!やっと会うことができましたね!私はここで先生をずっと、ずーっと待ってました!」

 

「…なんか怖いな」

 

「これから先、頑張って先生をサポートしていきます!あ、では形式的ですが……生体認証をお願いします、先生、指先に手を……」

 

「手……」

 

 

 

 

彼はゆっくり慎重にその指を出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なるほど。先生の事情は大体把握しました、連邦生徒会長が行方不明。それに伴い、サンクトゥムタワーを制御する手段がなくなった」

 

「アロナは連邦生徒会長の事を知ってるの?」

 

「私にはキヴォトスの多くの事がインプットされていますが、連邦生徒会長に関する記録はキヴォトス全体のデータベースを探してもほとんど見つからないのが現状です…彼女が何者で、何故いなくなったのか……動機も経緯もわかりません。お役に立てず、すみません…」

 

「それはあんたのせいじゃないから無問題(モーマンタイ)…それで、サンクトゥムなんとかはどうだ?なんとかできそう?」

 

「あ、はい!そちらは大丈夫です!シャーレからならサンクトゥムタワーの制御権の奪取くらいちょちょいのちょいです!」

 

 

 

 

少々お待ち下さい!とアロナが立ち上がる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───サンクトゥムタワーのadmin権限を取得

 

───完了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほんの一瞬だった。アロナがまばたきをしたその一瞬。

 

現時刻を持って、サンクトゥムタワーの制御権はアロナの手に──そしてアロナの管理者である彼の管理下に入った。

 

 

 

 

「先生。サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収出来ました。今サンクトゥムタワーは、私の制御下にあります。ふふーん♪今のキヴォトスは先生の支配下にあるも同然ですよ!」

 

「……その権限、リンの所に渡せない?」

 

 

 

「リン──七神リン行政官ですね?つまり、この権限を連邦生徒会に移譲すればいいですか?」

 

「ああ、頼む。俺は生憎ここキヴォトスに関する知識がまだ乏しい。だからこそ、彼女達(連邦生徒会)に移譲すれば、何かあった時に困らないからな」

 

「ではこれより、サンクトゥムタワーの制御権は連邦生徒会に移管します。それでは、先生!」

 

そして、景色が一変。再び、シャーレの部室へと逆戻りしたのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。