The Hypocrite's Archive 作:Xelphyr
ヘルメット団を追い払ったのち、一同は本題へと入る、まず彼が聞いたのは人数のこと。
「随分と少ないが、これで全員か?」隆一
「そうだねー…私たち5人が全校生徒だねー」ホシノ
「砂漠化の影響で他の生徒はみなアビドスを去ってしまって…」ノノミ
「ん…他にも転校したり退学したり。事情は人それぞれ」シロコ
「学校がこの始末だから、カタカタヘルメット団みたいな三流のチンピラにも舐められてる訳。本当に腹が立つったら」セリカ
「現状、私たちだけでは学校の防衛は完全には難しくて…。そんな状態を変えるために有志が集まった部活が、このアビドス廃校対策委員会です」アヤネ
「おじさんがいいんちょーだよー。3年生だからねー」ホシノ
「ん…副は決まってない。強いて言えばノノミ」シロコ
「なるほどな、このアビドスをゴリ押しで復旧しようとしてるのか」隆一
「あー…そうですね…本来はその辺りを優先するべきなんですよね」アヤネ
「これがむずかしぃくてつまらない問題があってねー」ホシノ
「え…ホシノ先輩それ言っちゃうの?」シロコ
「別に隠すような事じゃないしねー」ホシノ
「本来は…?」
きょとんと聞く彼に重苦しい声でシロコが言う。
「ん。借金がある。大体9億」シロコ
「正確には9億6235万です…」
アヤネが補足する。
「………9億…三分の一平ぐらいか」
(三分の一平*1って何?本当にどう言う事?)
「…というか割と不味くないか?」隆一
「ん…これが返済出来ないと学校は終わり。銀行に権利が渡って、廃校手続きをしなきゃいけない」シロコ
廃校、その言葉が彼の脳にびっしりとこびりつく。そしてそこからは難しい話。
「わたしたちの口座は学校と紐付けされてるので…廃校してしまうとその日の生活すら危うくなりますね…」ノノミ
「そんなだから不良多いんだよねー。学校にいけない、そうすると
「未来の見えない学校にずっとはいられない。だからどんどん生徒も住人もアビドスを出ていって、そして私たちだけが残った」シロコ
「大体の悪いことの原因は全部この借金ってわけ。はぁーあ…自然現象に怒っても仕方ないけどイライラするのよねー!こんの砂嵐めぇ!」セリカ
「ただ、ただ単に9億弱の借金があったとしても、そこまで躊躇逡巡する事があるのか?」
彼の問いに、生徒達が答える。
「簡単に言うとねー?砂嵐のせいで土地はほとんど壊滅、それを補うために借金をしてるんだー……けどお金を借りているところは悪徳金融業者でさー…最初のうちは余裕だったんだろうね、これくらいなら全然返せるーぐらいのさー」ホシノ
「でも…砂嵐は毎年のようにアビドスを襲って…どうしようもなく悪化していってしまったんです」アヤネ
「そうして残ったのが、半分以上砂漠化したアビドスと、膨れ上がった借金。利息の返済だけでも精一杯」シロコ
「アビドスの事情としては、まぁ、こんなとこかな。面白い話ではなかったでしょ?先生」ホシノ
「ここまで大体わかった?先生……先生?」シロコ
しかし、彼は、話を聞いた所で、奇妙な笑みを浮かべる。
「随分と舐められたものだな。このアビドスという学校は…」
一同は困惑する。返済はほぼ不可能な額の借金に喘いでいるというのに、それに戦々兢々とするどころかむしろ不敵な笑みを見せている彼に、半分困惑半分諦感していた。
しかし、次に彼の口から飛び出た言葉に、彼女達は目を輝かせる事になる。
「…アイツは使えるか」
「アイツ?」
不思議そうに言葉に引っ掛かる生徒達。
「ああ、
「ホント!?」
セリカが嬉しそうな顔をしながら立ち上がる。しかし、
「た〜だ〜し」
彼はそれを遮る。
「代償として、失敗した場合、借金が倍じゃ済まない額になるか、最悪この学校諸共差押を喰らう、いわばハイリスクハイリターンの代物だ」
そこまで彼が口にしたところで、彼女は悲しそうに座り込んだが、それでも生徒達の目はキラキラとしていた。
「ただ、事情は十分理解した。この借金地獄からアビドスを救い出す方法はもうある。だからこそ、アビドスを俺は救う」
そんな彼の言葉に胸を打たれたアビドス生徒達は立ち上がり近づく。
「ん…先生、そこまで言われたら…頼るしかない」シロコ
「そうですね〜それに何があっても助け出すだなんて……キャッ♪」ノノミ
「先生!あの…よろしくお願いします!!」アヤネ
「先生ーおじさんキュンっとしちゃったな〜…頼ってもいいんだよね?」ホシノ
「勿論だ、遠慮するな」隆一
「じゃあ遠慮なく頼っちゃうねー?…よろしく、
「ああ、これからよろしく」隆一
ホシノは彼の手を握り、周りはわーーいと喜ぶ
「…………フン」
しかしどうもセリカは納得いっていない様子だった。
「はい…こちら」