磁石みたいな呪力してたら厄ネタも寄ってくるんだが   作:トルへパ

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#6 姉妹校交流戦①

 

交流戦当日。釘崎の勘違いに先輩たちがツッコミを入れる中、京都校の面々がやってきた。この前来てた真希先輩の妹と、ゴリラ(東堂)、水色の髪の女子と…なんかこっち睨んでないか?あとは糸目の弥生時代みたいな髪の毛してる人、魔女みたいな髪型の女子がいて、何だ?ロボットがいる。そういう術式なんだろうか?などと対戦相手を観察していると、

 

「久しぶりね、蒼夜。少し背が伸びた?」

 

「げ」

 

声のした方向を見れば、腰のほどまである白髪を靡かせ、金色の瞳でこちらに笑顔を向けるスタイルのいい女性がいる。俺の姉、五条蓮奈その人である。東京校の面々もあれが…と視線が集まっている。そんな様子を気にかけることもなく

 

「一言目がげ、なんてひどいじゃない。久しぶりに大好きなお姉ちゃんに会えたんだから喜びなさいよ」

 

「これから起きる惨劇を想像したら喜べねえよ」

 

姉は五条先生の妹なだけあってか身長も高い。確か178㎝くらいあるんだったか。なので必然俺は上から見下ろされる構図になるわけで、圧がすごい。これから対峙することになると思うとなおさらだ。蓮奈は俺の全身、特に足の方をじっと見た後、

 

「足、本当に治ったんだ。反転術式も使えるようになったって聞いたし、どれくらい強くなってるか楽しみだなぁ。サンドバッグにはならないでよ?」

 

そういいながらこわーい笑顔をしている姉。この笑顔を俺は何度見て、連れ回されたりボコられたのだろうか。一緒に住んでた頃は毎日そんな感じだったか。今回こそはそうはならないという決意をこめて

 

「今までのようにただやられる気はねえよ。せめて一矢報いてやる」

 

「…!言うようになったじゃん。そんだけ威勢がいいなら今迄みたいに手加減しなくてもいいかな」

 

蓮奈は少し驚いた表情をした後、ただ自分についてくるだけで主張をあまりするタイプではなかった弟の変化を喜びつつ、調子に乗ってるなら一回へし折ろうかな、などと考えていた。

 

「またあとでね」

 

「・・・」

 

(やっべえ啖呵切っちまったどうしよう怒ってんのかていうかあれで手加減できてるつもりだったのかよ本気出されたら消し炭しか残らないんじゃねえのか)

 

勢いで吠えてしまったことを後悔しながら東京校の面々のところに戻ると、釘崎が何か言いたそうにこちらを見ていた。

 

「ちょっと!何よあの美人。背も高くてスタイルいいし、凄いわね…アンタのお姉さん」

 

「五条先生もだけど、なんであんなに背高いんだろうなあの兄妹」

 

揃って高身長なのがうらやましい。最近背が伸びてきたがあの二人に届く気がしない。せめて蓮奈姉を見下ろせるぐらいにはなるといいのだが。

そんな風に話していると、京都校の先生が五条はまだかと先輩方に聞いている。アイツが時間通りに来るものか、おっ噂をすればなんとやら。

 

「おまたー!!」

 

五条先生がなんか台車を押しながらやってきた。部族のお守り?を京都校の面々に配っている。蓮奈はお守りを突き返しながら、台車を見て顔に手を当てながらため息を浮いている。中身に見当がついているのだろうか?五条先生はこちらに台車を向け

 

「そして東京校のみんなにはコチラ!!」

 

そういうと同時に開いた箱から出てきたのは

 

「はい!おっぱっぴー!!」

 

確かにあの時死んでしまったはずの、元気にギャグを披露している虎杖悠仁の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これはイジメなのでは?」

 

「うるせえ、しばらくそうしてろ」

 

虎杖悠仁生存の衝撃も冷めないうち、ミーティングが始まった。虎杖は釘崎に遺影の枠を持たされている。生きているのはうれしいが、おっぱっぴーはないだろ。普通に出てくれば感動の再会だったのに。

狗巻先輩に初めて会う虎杖に呪言の説明がされた後、真希先輩が屠坐魔を返せと言い出した。さては壊れたの言ってないな?

 

「先輩、それは壊れたんでもう帰ってこないっす」

 

「クソがふざけんなよバカ目隠し」

 

「代わりにこの刀使ってください。練習用の呪具ですけど結構長く使ってるんで埋め合わせぐらいにはなるかと思うんで」

 

「そしたらお前の武器無くなるだろうが」

 

「いや、それが…」

 

そういって自分の影に向けて正の呪力をまとった右手をかざすと、黒色の鞘に仕舞われた刀が引っ張られて影から現れる。

 

「俺にはこれがあるんで。さっき急に渡されたんですけど、五条先生曰く、()()()()らしいです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宿儺の器、虎杖悠仁は殺せ」

 

京都校のミーティングは楽巌寺学長の発言で静まり返っていた。

死なないからここにいるのではという真依に呪力でしっかりとどめを刺せば問題ないと返す。すると東堂が障子を蹴破り出ていこうとする。加茂が諫めるも殺すぞと言って出れ行ってしまう。その様子を見て諦めたのか、今度は蓮奈の方に目線を向け、

 

「五条、おぬしなら気づかれぬ間に殺せるだろう、やってくれるな?」

 

有無を言わさぬという圧の中、蓮奈の返答は

 

「お断りします」

 

「…なに?」

 

「お断りします、といったのです楽巌寺学長。彼が宿儺の器であり抑え込んでいるとはいえ、出てこないという保証はどこにもありません。そもそも、彼は五条悟によって生存を隠されていたんですよ?あの人のことですから何の対策もなしにこの場で連れてくるとは考えにくい。当主の方針に逆らってことを構えたくもないので」

 

「…生存の件については知らなかったのかの?」

 

蓮奈はええ、と答える。本当にそうだろうかと怪訝な顔でみるものの、この様子では無駄だろうとため息をつく。彼女が五条悟のストッパーになってくれればと日々思うが、上層部からの苦情など五条悟の尻拭いをさせられているためか、止められるとは思っていないようである。

 

 

学長が退出し、誰を相手するか、呪言対策など作戦をまとめていく。

 

「私は(蒼夜)と戦るから。みんなは勝手にやって」

 

そういって蓮奈も退出しようとする。東堂といい五条といいまとまりがなさすぎると頭を抱えたくなる加茂。そんな蓮奈を三輪が呼び止める。

 

「それなんですけど…蒼夜くんとは私が相手をしてもいいですか」

 

言われた蓮奈も、他のメンバーも驚いている

 

「どうしたの三輪ちゃん?」

 

「弟さんってシン・陰流使えるんですよね?親近感があってちょっとお相手してみたいなぁって…」

 

「…」

 

やっぱり無理あったかなぁと三輪がおびえていると

 

「こういうのでやる気出してる三輪ちゃんも珍しいし…いいわ。アイツの相手はアナタに任せるわ」

 

「…!頑張ります!!」

 

「その代わり私も見学するから。2人がどれくらい強くなったか確認するいい機会だし。あんまりひどいと特訓量増やすからね?」

 

「うっ」

 

そのまま退出するのを見送って緊張感から解放され力を抜く。これは下手なことできないぞ、やっぱ言わなきゃよかったと後悔しそうになるが、これも目的のためだと気合を入れ直す。

 

「三輪、いったいどうしたの?戦いたいだなんて、ゴリラに影響されたの?」

 

普段とは違う様子の三輪に、何か変だと心配から西宮と真依が聞くと、そんなんじゃないですと慌てて否定する。

 

「じゃあなんであんなこと言ったの?」

 

「…彼にはちょっとした恨みがあるんですよ。彼は何も悪くないんですけど」

 

「「「「?」」」」

 

一同が頭に疑問符を浮かべる中、三輪は一人心の中でつぶやく。

 

(覚悟してくださいね弟君。君も苦労してるのかもしれないけど、日頃の恨み、晴らしてくれます)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘックション!!

 

「どうした?」

 

「いや、なんか寒気が」

 

「しっかりしろよ、お前あの人止めるのが役目なんだから」

 

「俺の扱い雑じゃないすか先輩」

 

「あの人が普通にやったら追いつけないしお前で引き付けとかないと勝負にならん。せっかく新しい呪具もあるんだからできるだけ長く時間稼いでくれ。虎杖もな」

 

「…了解っす」  「うっす」

 

そういえば虎杖は東堂を引き受けるらしいが大丈夫なんだろうか。

 

「虎杖、お前大丈夫か、アイツ強いぞ?」

 

「大丈夫。俺も結構特訓したんだぜ、だれにも負ける気ねぇから」

 

「そうか…なら俺もただやられるわけにはいかねえな」

 

虎杖の言葉からは強い意志が感じ取れた。たぶん俺たちが知らない間に大変な経験を積んだんだろう。

…俺はあの時特級に手も足も出なかった。弱いままではいられないとあれから鍛えてきたが、姉を食い止める自信は正直ない。それでも

 

(あの時のような後悔はしたくない。虎杖が死んだのは俺が弱かったせいだ。ここで足止めすらできないようなら同じことが起きるだけだ、覚悟を決めろ五条蒼夜)

 

「スタァートォ!!」

 

波乱の姉妹校交流戦の幕が、今上がった。

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