磁石みたいな呪力してたら厄ネタも寄ってくるんだが   作:トルへパ

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#8 姉妹校交流戦③

 

「歌姫先生、三輪ちゃん連れてきたから預かって」

 

「うわ、びっくりした!じゃあ隣の部屋に─────」

 

当然現れる蓮奈に驚きながら、歌姫がそう言いかけたところで壁に貼られていたお札がすべて赤く燃える。突然の団体戦終了の合図に、その場にいた全員が困惑を隠せない。

 

「蓮奈、アンタもしかしてここに来るついでに全部祓った?」

 

「そんなことするわけないでしょ。なにも面白くないじゃない」

 

「だとすると、部外者によって祓われた可能性が高いか…」

 

夜蛾学長がそう続ける。緊急事態だと判断し指示を出し始めると、蓮奈が私はどうするかと問いかける。

 

「では、天元様のもとに一緒に来てくれ」

 

「わかりました。…兄さん、そっちは頼んだよ」

 

「わかってるよ。ほらおじいちゃん、行きますよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体何が起きてるんだ…とりあえず、現状把握のために誰かと合流しないと」

 

急ぎ音のした方向に向かっていると、途中で()()()()()()パンダ先輩を見つける。

 

「パンダ先輩!いったい何が…ってどうしたんすかその腕!?」

 

「蒼夜か!これはメカ丸にやられたんだ。なんとか倒したけどやられちまった。この帳は何なんだ?」

 

「わかりません。ただ、向こうにやばい呪霊の気配があります…襲撃ですかね。狙いが今のところわからないのが不気味ですけど」

 

同意を示すパンダ先輩とともに音のする方向にたどり着くと、伏黒が膝から崩れ落ち、真希先輩が、筋骨隆々な目の部分から木の根が生えている呪霊に掴まれているところだった。

 

(何だアイツ!?確実に特級相当…とりあえず2人を助ける!)

そうして戦闘に入ろうとしたところで、呪霊の上から人影が現れる。虎杖と東堂だ。戦おうとする虎杖を伏黒が止める、特級相手は危険すぎる。

 

「虎杖!伏黒の言う通り危険だ、離れろ」

 

「大丈夫」

 

「大丈夫って…」

 

パンダ先輩が伏黒と真希先輩を連れていく。どうしても戦うのか。なら

 

「俺も戦わせろ、もう目の前で死なれるのはごめんだ」

 

そのまま攻勢に出ようとすると、東堂に止められる。

 

「邪魔するな五条!虎杖が黒閃を決めるまで手を出すな」

 

「はぁ!?(黒閃を決めるまでって…そんな簡単に決まるものじゃねえだろ)」

 

「羽化を始めた人間を邪魔することは許されん!」

 

仕方なく虎杖を見守ることにする。何があったかは知らんがここで揉めてる場合じゃない。虎杖が攻勢に出て三段蹴りを決め、そのままアッパーを決める。しかし黒閃が決まる様子はない。すると東堂が虎杖をビンタ、そのまま説教して呪力捜査について説明し始めた。さっきからブラザーってどういうことなんだ?しかし、それがよかったのか虎杖の雰囲気が変わる。口からよだれが垂れることも気にしないほどの集中。そして

 

黒閃

 

(マジかよ虎杖、黒閃を決めた)

驚いてる間に東堂が前に出る。そうだ、驚いている場合じゃない。意識を切り替えろ、今はコイツを倒すことだけを考えろ。

 

花御は黒閃を食らい、得体のしれない半裸の男と、青みがかった髪の男を見てどう対処するかを考えていた。

(3対1…人数差はあるがどうするか…術式を持っているかもわからない)

 

「どうやら…あなたたちには少し本気を出した方がよさそうだ」

 

「!?(左腕の拘束を解いた!)」

 

そう思った瞬間、木の根で視界が覆われる。分断されたようだ。そのまま処刑器具(アイアンメイデン)のように串刺しにされそうになる。簡易領域では凌ぎきれないと判断し全力で木をブチ抜き脱出する。2人はどうなっているかと上を見ると空中で攻撃をかわしていた。あれを避けるのか、息合ってんなおい。着地した東堂は

 

「無事だな五条。ブラザー、俺の術式を解禁する!」

 

 

 

 

 

 

東堂と虎杖のコンビネーションによって呪霊を追い詰めていく。呪霊は反撃することができずに殴られ続け抜け出せずにいる。しかし、2人が阿吽の呼吸過ぎて俺が入り込む余地がない。タイミングを伺っていると呪霊が大量の種子を放つ。虎杖と東堂も含め全方位に放たれたそれを咄嗟に呪力でガードするが、いくつか食いつかれ即座に種子が成長し体を侵食する。

 

「ぐっ(なんだ、種子が成長してる?)」

 

虎杖たちの方を見ると東堂が入れ替えで前に出て虎杖をかばっていた。

 

(隙ができた、まずは弱ったあなたから潰します)

俺が根を喰らったことに気づきで2人の注意がそれた瞬間、東堂の手を木の根で拘束し位置替えを封じながら呪霊が迫る。そんな俺に向けて東堂が叫ぶ。

 

「五条、その根は恐らく呪力を吸って成長する!」

 

「…!(呪力によって成長するのか。なら腹いっぱいくれてやるよ!)」

 

「気づいたところでもう手遅れです(さらに呪力をまとった?それは自殺行為だというのに)」

 

呪力を増した蒼夜に、花御は好機ととらえ仕留めにかかる。蒼夜が倒れる…ように見せかけて影に手を伸ばし、その手には刀が握られている。反撃を予想しておらず隙だらけの胴体を()()()()()()()()()()()()()()()。土壇場だったがうまくいったらしい。そもそもの切れ味に加えて、出力が低いとはいえ正の呪力を乗せたことで胴体がたすき掛けのように切れている。

 

(バカな、なぜ動ける)

 

「残念だったな。呪力を食ってたんで反転術式で正の呪力をたんまりくれてやった」

 

蒼夜の体から種子が消えていることに動揺しているうちに俺と東堂が入れ替わり一撃を入れる。

 

「大丈夫か!蒼夜」

 

「問題ない、なんとかなった」

 

入れ替わった先にいた虎杖にそう答えた瞬間、今度は虎杖が視界から消える。直後に東堂がいる方から鈍い音がした。あれは…真希先輩の特級呪具か。

 

今の一撃が聞いたのか呪霊が動きを止める。すると解放した左腕を地面に当て周囲の植物が枯れていく。同時に呪力が肩の花に集まっていく。

(とてつもない呪力出力…!でも東堂の術式がある以上当たらないだろ、どうするつもりだ)

 

呪霊が何かをしようとしたその時

 

 

 

帳が、上がった。

 

 

 

 

 

 

「先生、やっと来たか」

上空にいる五条先生を見てひと安心する。一瞬こっちを見たかと思えば姿が消える。

 

「(どこ行ったんだ?なんか嫌な予感が)…!虎杖、離れろ!」

 

そう声をかけた瞬間、紫の光が視界を埋め尽くす。無下限呪術の奥義、虚式 茈が炸裂し、呪霊がいた地面ごとえぐられていた。苦戦してたやつをこうもあっさりと…しかも雑だし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは…」

 

忌庫の入口にたどり着くと、そこには門番だったと思しきモノが転がっていた。どうやらすでに遅かったらしい。夜蛾学長に先に行ってくれと言われて急いできたのにこれとは、これを計画してる奴は相当こっちの情報に詳しいらしい。

 

「あれ?誰かいんじゃん?入る時に全員弄ったと思ったんだけど、まだ残ってたんだ」

 

「!(コイツあの時のツギハギ呪霊!?追い詰めたとは聞いてたけどやっぱり逃げ延びてたか)」

 

「任務は達成したしこのまま逃げてもいいんだけど…せっかくだ。お前もこいつらとおんなじにしてやるよ!」

 

そうして真人が動き出すよりも早く、蓮奈が電撃を放つ。しかし、魂を知覚していない攻撃は真人には通らない。

効いていないことを確認し迫る手が触れる前に距離をとる。

 

(速いな。というかこの電撃、学校で一瞬乱入してきたのはこいつだったのか。あまり時間をかけるなって夏油も言ってたし─────)

 

「逃げまぁす」

 

「逃がすと思ってるの?」

 

逃げの姿勢を見せる真人に雷速で迫る蓮奈。すると口から何かを吐き出し投げつける。それはみるみる大きくなり、縄のような形をした改造人間だった。改造人間に絡みつかれ動きが止まっている間にそのまま姿が見えなくなる。

 

「なんだ、思ったより大したことないじゃん」

 

虎杖との戦いに乱入してきた奴だからどれくらい強いのかと期待していた真人は、あっけなく逃げれてしまったことに対してつまらないと落胆していた。夏油には

 

「今回高専には五条蓮奈がいる。彼女はとにかく速い。五条悟ほどの脅威ではないけど追いかけられたら振り切るのは難しいから長居はしないようにね」

 

そんな忠告を思い出しながら逃げているところに、轟音を響かせながら()()()()()

 

「ぐあっ(おいおい、高専から結構離れてんだぞ!なんでピンポイントに雷当てられんだよ)」

 

真人がいるのは高専がある山から3キロほど離れている。雷を食らった真人にダメージはないが、()()()()()()()()()()()()()()()。これをさっき食らっていればまずかったかもしれない。改造人間を巻き込まないように手加減でもしていたのかと真人は考える。

(夏油の言う通りそこそこ厄介だったな。でも次会った時には殺してやるよ)

 

 

 

 

 

 

 

「チッ、逃げられた」

 

改造人間とは言え人だと躊躇して電撃で吹き飛ばさなかった隙に逃げられてしまった。一応浴びせた電気を辿って雷を落としたが、あまり効いてはいないだろう。そんなことをしていると、遅れて夜蛾学長がやってくる。

 

「無事か、五条!」

 

「はい、ですが呪霊には逃げられてしまいました。何かを盗み出したようでしたが」

 

「生徒の安全が一番だ。君なら万が一はないとは思うが…何もなくて何よりだ」

 

「向こうの方は」

 

「帳が消えているからどうにかなったのだろう…私たちも戻るぞ」

 

 

 

 

こうして呪霊による襲撃事件は終結した。翌日の野球での勝負で東京校が勝利を納め、姉妹校交流会は東京校の勝利で幕を閉じた。

 

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