【五感を支配する魔法『■■■■■■■■■』】 作:柿の種研究部
一応まだ募集しますので、コメント&評価の方出来ればお願いしますm(_ _)m
「えーと、この薬草はここら辺にあったような……」
鳥たちが囀り、森の木々が風によって擦れ合う事で心地よい音色を奏でる
その木々の下、通り過ぎる風が木漏れ日によって白銀に輝く髪にまるでまだ10代かのような麗々な顔つきのエルフがいた
プチッ と気持ちの良い音を立てて、花の間、雑草の中にあるシダ植物に似た形状の薬草を摘み取る
エルフは小さな手提げカゴを持っており、その中の様々な薬草の上にさっき摘み取った薬草を元あった薬草を優しく押しのけて間に入れる
「あったあった、コレコレ」
むふー、と中々見つけられなかった薬草を手に入れたことで、白髪のエルフは得意げな顔で微笑む
だがその顔は数秒後無表情に変わる
「(西から見慣れない魔力…)」
この時白髪のエルフは魔力探知で発見したのではなく、魔力から気配を感じ取ったことで気づいた(フリーレンは魔力探知を使えば余裕で数kmまで探知できる気がする)
目標の薬草を茂みの中に隠しマーキングした後、白髪のエルフは警戒しながら森の中を進み、魔力の主の元へと向かう
背丈の高い草や木々の間を数百メートル進んだあと、目視で確認できる距離で対象を探す
【
魔力の立ち上る場所をじーーっと見ると、白髪のエルフの視界に人影が映る
それは湖に向かって跪いており、手で掬うようにして川の水を飲んでいる
体格からして男なことはわかるが、かなりの距離から見ているのにも関わらずハッキリと見えるほどの黒色のコートを着ており、顔はフードを深く被っているからかよく見えない
「(魔族か?)」
魔族を確認できる簡単な方法である角の有無はフードを深く被っているせいで見えないこと、人間にしてはかなりの魔力量なこと、この2つの事柄が白髪のエルフの警戒度を更に上げる
が、その思考は人影の真横にあるものを見ることで白く濁った
「杖?」
そう、人影の隣には杖が地べたにある布によって汚れないよう丁寧に置かれている
そんなことで?…と思ったかもしれないが、それは魔族の身体は魔力そのものでてきているため、魔法行使の際に体外での術式展開の補助器具が必要ないからだ
故に、今見ている人物が魔族の可能性がぐっと減ったわけだ
しかし白髪のエルフはのその濁りをすぐに頭からふるい落とした
魔族が人を騙す方法は、何も言葉だけではない
子供の姿でいたり、返り血を自身の負傷に見せかけたり角のを隠したりと、見た目で油断させることもあるのだから
そう思って、意識から外れていた人影をもう一度視認する
「『砕けろ 鏡花水月』」
その時、一瞬分からなかったが直ぐに気づいた
「杖が……無くなってる」
最初に頭の中から浮かんできたのは【杖を収納する魔法】だったが、もしもの事を考え、あらゆる幻術や視覚妨害の魔法に気をつけながら背後にゆっくりと回る
動ける状態で極限まで放出する魔力を制限する、動かない時と比べると若干漏れ出てはいるが、アハ体験レベルでよく見なければ気づけないほど
その練度は並ではなく1級魔法使いレベルでも見抜けるかは分からないだろう
そして、一瞬にして出した杖を相手の背後から少し離れた位置で構える
魔力量から、無いとは思っているが相手が戦士だった場合、至近距離だと回避できないからだ
「動くな、魔法を使おうとしたり武器を構えたら殺す。ここら辺は人が迷うような場所じゃない。なんでここに来た?」
相手は声に対して驚いた様子はなく、背後を取られたまま動かないが、直後その口が動く
「旅の者だよ、水を補給しに寄っただけだよ」
その声には驚くほど恐怖がない、突然のこと過ぎて状況を理解できていないのか、自身の強さゆえの余裕なのか、はたまたただの虚勢か
「フードを取れ」
そう命令する、なぜなら最も簡単で分かりやすい魔族の判別方法が頭部から生えている角を確認することだからだ
「(角がついてたら即殺す、何かしようとしたら……まぁ拘束でいいや)」
男がその言葉を聞いた後、木々や鳥達が鳴いているのにも関わらず、冷たい静寂が広がる
男は両手で軽くフードをつまみ、頭の後ろへと回してフード脱いだ
男の髪を滑るように肩に落ちた黒のフードは、隠されていた男の素顔を露出させる
頭部を確認……角は…………
「(ない……か)」
フードを取ると出てきたのは、黒髪でややウェーブのかかった長髪、顎に無精髭を生やした落ち着いた大人の男性で、武器が無いことを確認する
白髪エルフの警戒度がぐっと下がる、杖先に集中させていた魔力を霧散させた
「どうやらお眼鏡にはかなったようだね」
「すまない、この辺はたまに魔族が来るから警戒させてもらった」
「まぁ、こんなにナリだったら君が警戒するのも無理はない」
「……まるでこうなることが分かってたみたいだね」
「実際勘違いされることは多いからね」
男は遠い目をしていた、何度か勘違いされたことがあるのだろう
白髪のエルフは同情し、ほんの少しだけ気が和らぐ
さっきの殺伐とした雰囲気はどこへやら、男は白髪のエルフに殺意がないことを悟ったのか、気楽に話しかける
「エルフか、珍しいね。こんな所で何してるんだい?」
「別に、のそのそ生きて魔法の研究するぐらいだ」
「たまに魔族殺したりしてね」
急に物騒なセリフをぶっ込んできたのに、白髪のエルフは表情を変えない
「分かるの?」
「ああ、知り合いの奴と目が似てる。魔物…いや、魔族の事を復讐の対象じゃなく、道端の糞だと思ってる目だよ」
眉が少し動く
「……まぁ実際その通りだしね」
「ははっ、おっかないね」
男はそのマジな目に驚きを浮かべると、ズボンに付いた草土をパッパッと払うと背を直し手をこちらに差し出す
「目的のために旅に出てるしがない旅人 ヴァッサーだバッサーじゃないからな、君は?」
「フリーレン、魔法使い」
2人は軽く握手を交わす
「戦士だったりする?」
そう思ったのは、握った手がタコでゴツゴツだったからだ
「いや、棒術を齧ってるだけだよ。ほらコレかっこいいだろう」
そう言うとヴァッサーは懐から3つの金属でできているであろう棒を目の前に出す
すると棒の片側をもう1個の棒へ、繋がった2つの棒をもうひとつの棒とくっ付けることで1.5Mほどの1本の棒を組み上げる
「杖……」
見えたのはこれだったのかと、喉につっかえていた蟠りが取れる
「魔法使いじゃないから振り回すことしかできないけど、小さい魔物を追い払う位はできるからね」
ヴァッサーは ブンッ と軽くであろうが風圧を感じる素振りをし、棒を地面に立てる
「さて用も済んだから私はもう行くよ」
「道案内はした方がいい?」
「いいのかい?頼むよ、東へ行きたいんだ」
フリーレンはその言葉に違和感を覚える
「東?帝国にでも行くの?」
フリーレンの口から出た疑問は半分冗談であるが、ヴァッサーの目は少し動揺したようで、フリーレンはその差に直ぐに気づいた
「本当に行くんだ…止めはしないけど、帝国は今魔王関係のゴタゴタでピリついてる状況だよ」
かなりトゲのある言い方ではあるが、これは不器用なフリーレンなりの心配だった
「大丈夫さ、何故かは言えないけど方法はあるしね」
「そう……、あっちに大岩があるからその場所からそっちの針葉樹の方をまっすぐ行けば比較的安全だよ、その先山が沢山あるから詳しくはよく分からないけどね」
フリーレンは森の中に指を指し、ヴァッサーに説明する
「十分だよ…道案内、ありがとうね」
そう言うとヴァッサーは、荷物をまとめてザッザッと草を踏み潰しながらフリーレンの指が指した方向へと歩き出す
木漏れ日が薄くなり、ヴァッサーの身体が木の影に殆ど飲まれた時、足が止まる
突然のことにフリーレンも何かあるのかと問うが、その言葉は遮られることになる
「どうし「フリーレン」…」
止めた足は振り返ることはなく、ヴァッサーは背を向けたままフリーレンへと語りかける
「
フリーレンはこれから先長い時を生きる、また合うかどうかすら分からないヴァッサーの残した言葉の意味はフリーレンにはまだ分からない
ヴァッサーはいつの間にか森の闇へと消えていった
「(会うとしても、ヴァッサーの墓でだろうね)」
その言葉はフリーレンの口から出ることもなく、歩き去ったヴァッサーにも届くことはなかった
《《
「あっぶねぇー」
茶髪の穏やかな顔で大人びた雰囲気を持つ男は、暗い森の中で木に寄りかかっていた
「どっかで見たことあると思ったらフリーレンのいた森かい、こっちが先に探知できたからよかったけど」
「確かにアレを見たら誰だって油断するわ、揺らぎが殆ど無い。てか忍び寄ってきた時点で1級魔法使いでも気づけるか分かんなくね?1級魔法使いのレベルがどんなのかはしれんけど」
「だけど、ちゃんと
「これが何百年先で生きるかは分からないけど……」
「楽しみにしてるよ……フリーレン」
「おっ、ちょっと今のヨン様っぽかったかも」
察しのいい方ならわかったと思いまずが、ヴァッサーはアズールです
角が見えないのは……なんででしょうねぇ〜
アズール(オリ主)の鏡花水月は日本語で行くかドイツ語で行くか……はたまた?
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日本語で!『砕けろ 鏡花水月』
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郷に入っては郷に従え! ドイツ語の方!
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