遊戯王GX 転生しましたがシンクロやエクシーズ等の召喚方法は使えない。何故かガチャ運はメッチャ良い件 作:zero3 ガイル
長い冬休みが終わり、太平洋に浮かぶ孤島に存在するデュエルアカデミアに戻り、俺の学園生活は再開した。
冬休みにデュエルアカデミアに残った十代達からサイコ・ショッカーの精霊とデュエルしたと信じられない話を聞いたが原作を知ってる俺は、やっぱりサイコ・ショッカーの精霊とデュエルしたんだという感じだった。まあ、そんな俺も俺で経済界の闇を冬休み中に経験して、十代とは別の意味で闇のデュエルをしたから今年は濃い冬休みを経験したと実感して心の中でため息を吐いた。
なお俺のデュエルアカデミアの学園生活は十代と一緒に行動してる為に入学初日から変わらずトラブルが絶えない。例えば体育のテニスの授業で、ももえの球を十代が打ち返したらその球が大きく外れて審判をしていたクロノス先生の顔面に直撃し、その罰としてテニス部に一日体験入部したと思えばいきなりテニス部の部長が色々と勘違いして明日香との恋人の座を賭けて十代とテニス部の部長がデュエルしたり、購買部名物のドローパンのなかで一番の人気パンである一日一個限定の黄金の卵パンだけを盗む脅威のドロー運を備えた泥棒を十代達と一緒に捕まえようとしたりとトラブルに巻き込まれながらデュエルアカデミアの日常を問題なく過ごしていると、とある情報が出回り、アカデミアの殆どの生徒が浮ついていた。
浮ついている理由はレプリカではあるが、デュエリストキングダムから始まり、バトルシティ、KCグランプリといった主要なデュエル大会で優勝して初代デュエルキングの称号を手に入れた武藤遊戯のレプリカデッキがデュエルアカデミアに展示されるからだ。
なお、武藤遊戯はプロデュエリストではなく本職はゲームクリエイターな為にプロリーグに参加してないが、それでも世界中のデュエリストの多くからデュエルモンスターズ史上最強のデュエリストとして認められている。そんな武藤遊戯のレプリカとはいえ、武藤遊戯のデッキが近いうちに展示される為に多くの生徒がソワソワと浮ついているのである。
この時ばかりはレッドやイエローの生徒、そして、普段は自分達は選ばれたエリートとしてエリート意識が強くて他の寮の生徒を見下して傲慢な生徒が多いブルーの生徒達も遊園地に遊びに行く前の子供達と同じ様に早く展示会が始まらないかと楽しみにしていた。
因みに、多くのデュエリストは遊戯デッキはデュエルモンスターズ史上最強のデュエリストが使用するデッキという事もあって高く評価されてるが、俺からすると遊戯デッキは安定感に欠けるロマン寄りのデッキと思うんだよな。だって魔法使い族のブラマジがエースカードなのにブラマジとシナジーが薄いカードが普通に投入してるし、俺だったら絶対に事故って上手く回せる自信がないから上級者向けのデッキと認識してるからそこまで遊戯デッキに対する憧れはないんだよな。
まあ批判的な評価をしてるが、それでも俺も他の生徒達同様に楽しみにしている。
実際に前世で本格的にOCGの世界に足を踏み入れてOCGプレイヤーとなるキッカケとなった無印の主人公である武藤遊戯が扱っていた本物のデッキの展示会は楽しみで仕方なく、そのイベントに参加する為に俺は購買部が始まる何時間も前に購買部に並んだおかげで整理券を購入出来た。
因みに十代達も今回のイベントを楽しみにしており、カイザー・明日香・三沢の三人は、俺と同様に早めに購買部に並んで整理券を購入し、十代と翔の二人は翔が最後の一枚を賭けてラーイエローの神楽坂とのデュエルに勝利して整理券を入手する事が出来た。
そんな感じで展示会まで後1日まで迫ってオベリスクブルー寮の高級ホテルのスイートルームに匹敵する高級ベッドで横になって楽しみに待っていたらデュエルアカデミアに支給された携帯端末……通称PDAから電話が入った事を知らせる着信音が鳴り響く。電話の相手を調べる為に画面を調べたら十代と記載されていた。
「どうした十代?」
通話ボタンを押して応答する。
『なあ空。遊戯さんのデッキを見に行こうぜ!』
え、どういう事。明日の朝から展示会が始まるのに、こんな夜遅くに展示会に行く事に疑問に思っていたら十代曰く、初代デュエルキングである武藤遊戯のデッキを誰よりも早く見たい為に居ても立っても居られないとの事だ。
この十代の提案に翔と隼人も賛成してるらしい。
「別に構わないが、相変わらず堪え性がないな十代」
『なに言ってんだあの遊戯さんのデッキなんだぜ!デュエリストなら一秒でも早く見たいだろ!』
「まあ否定はしない」
『だろ!だから一緒に行こうぜ!』
実際に前世で遊戯王OCGというカードゲームがメジャーとなるキッカケとなった初代主人公の生のデッキを早く見たいという感情は、デュエルモンスターズが中心の世界で生きているデュエリストと比べたら低いかも知れないが普通に早く見たいという感情がある。そのため十代の誘いを断る理由もないので十代の誘いを了承すると俺は直ぐに展示会場に向かう為に部屋を出て走り出した。
ーーー。
走る途中で十代達と合流して警備員に見つからない様に進むこと数分。武藤遊戯のポスターが両脇に貼られてる通路と重厚な扉がある場所に辿り着くと三沢と鉢合わせした。
「あれ、三沢も来たのか」
「ああ、俺も整理券を持ってはいるが、やっぱり誰よりも早くデュエルキングのデッキを見たくてフライング気味に会場に行こうと思ってな」
「なんだ考える事はみんな同じかよ」
俺達に深夜に展示会場に来た事を自慢げに説明する三沢。まあ三沢は勉強熱心で真面目であるが堅物ではなく、自分の興味がある事には大胆な行動も辞さないから今回の様な行動する事は不思議ではないな。
「マンマミーヤァーー!」
重厚な扉の奥から聞き覚えのある絶叫の声が響き渡る。
「あの声は?」
「クロノス教諭だ」
翔の疑問の声に隼人が答えると俺達は一斉に走り出して重厚な扉を勢いよく開ける。すると、展示会場の中央のガラスケースは無惨に破壊されており、ガラスケースの中には武藤遊戯のデッキが展示されてる筈なのになくなっている。
そんな割られてるガラスケースの横でクロノス先生は表情が青ざめていた。
「クロノス教諭……!」
「展示ケースが」
「キングのデッキがないんだな」
「まさかクロノス先生が……!」
そんな十代達の言葉に反応して自分ではない事を必死にアピールする。まあ、この現場を見たら俺達はクロノス先生ではない事は理解できるが、知らない第三者からしたら一番怪しい人間だからな。
とりあえず俺達は犯人を見つける為に手分けして探す事にした。
と言うか今回のデュエルキングのデッキの展示会で喉に引っかかる違和感を感じてたが今思い出した。そう、今回のデュエルキングの展示会は原作にあって、翔が最後の整理券を賭けたデュエルに敗北したラーイエローの神楽坂が武藤遊戯のデッキを盗む話で十代が武藤遊戯のデッキを返す事を条件に神楽坂とデュエルする話だったな。
つうか神楽坂もよくデュエルモンスターズが中心の世界でデュエルキングのデッキを盗むなんて暴挙をやるよな。原作の最後ではお咎めなしな雰囲気だったが、よくて退学、下手したら刑務所にぶち込まれてもおかしくないのに、武藤遊戯のデッキを盗んでやり過ごせると思ったのか。
そんな風に考えていると……。
「うわぁああ!」
翔の悲鳴声が聞こえた。
俺は翔の悲鳴声が聞こえた方向に向かって走り出して海岸付近に到着すると翔を見下ろすラーイエローの生徒である神楽坂がいた。
「大丈夫か翔?」
「うん、ありがとう空君」
武藤遊戯のデッキを盗んだ神楽坂とデュエルして敗北した翔が岩場から足を滑らせて地面に背中をつけて落っこちていた。
「僕悔しいよ。盗んだデッキを返してもらおうと思ったのに負けちゃったよ」
「貴様が負けたのは当然だ。このデッキはデュエルキング武藤遊戯のデッキだぞ!」
悔しい表情して呟く翔に見覚えがあるラーイエローの生徒が自慢げに叫ぶ。そのラーイエローの生徒を俺は軽蔑した視線で睨みつける。
「盗んだデッキを使った奴が偉そうに言うな神楽坂」
「お、お前は美幸!?」
「失望したぞ神楽坂。少なくとも俺はお前が他人のデッキを盗む様な小悪党とは認識してなかったんだけどな」
神楽坂は十代達ほどではないが俺はラーイエローのいた時から神楽坂とも一緒にデュエルしたり語り合う事は多く、それはオベリスクブルーに昇格した後も続いていた。
少なくとも先程言った様に根は悪い奴ではなく、本来ならこんな小悪党の様な事をする奴ではないんだけどな。
「う、うるさい!次代のカイザーと呼ばれて勝ち続けるお前に、猿真似野郎とバカにされ、コピーして勝てないならクズや負け犬扱いされてきた俺の気持ちが分かるか!」
「確かに俺はお前じゃないからお前の気持ちは分からん。だが、それとこれとは話は別だ。盗んだデッキをクロノス先生に返してこい」
「……嫌と言ったら」
意地でもデッキを返さない気だな。なら、この世界の絶対的なルールに従って解決するとしますか。
「だったら俺とデュエルしろ神楽坂」
「なに?」
「デュエリストならデュエリストらしくデュエルで決めるんだよ。俺が勝ったら武藤遊戯のデッキを返してもらう」
俺の言葉に驚く神楽坂、しかし直ぐに不敵な笑みを浮かべる。
「本気か。俺が使用するデッキがデュエルキングが使用したデュエルモンスターズ史上最強のデッキと分かって言ってるのか」
「ああ、伊達や酔狂でそんな事は言わねよ。悪いが翔、デュエルディスクを借りるぞ」
「う、うん」
俺は翔からデュエルディスクを借りて、神楽坂が立っている大岩と同じ高さの岩に登るとデュエルディスクを装着し、デッキケースからデッキを取り出してデュエルディスクにデッキを装着してデュエルディスクを起動させる。
「「デュエル!」」
空 LP 4000
神楽坂 LP 4000
「俺の先攻、ドロー」
先ドローした一枚を手札に加えてどのモンスターを召喚するか考えていると……。
「空!」
「空……そして神楽坂!」
「どうして空がデュエルしてるんだな!」
十代達も翔の悲鳴が聞こえた様で岩場に到着した。そんな三人に翔がどうして俺と神楽坂がデュエルする事になった理由を説明した。
「遊戯さんのデッキとデュエル!?抜け駆けなんてずるいぞ空!」
十代の抗議の言葉を聞いて俺は思わず岩場からズッコケそうになった。
「じゅ、十代……」
「お前……状況を分かってるのか」
「アニキ……」
そんな十代の抗議な俺と同様に隼人、三沢、翔の三人も同様に呆れていた。とりあえず気を取り直してデュエルを再開するか。
「俺は『仮面竜』を守備表示で召喚」
レベル3 仮面竜
DEF 1100
「俺はコレでターン終了だ」
空
手札 五枚
フィールド 仮面竜
伏せカード 無し
「俺のターン、俺は『幻獣王ガゼル』と『バフォメット』を手札融合!いでよ、『有翼幻獣キマイラ』!」
レベル6 有翼幻獣キマイラ
ATK 2100
「いきなり攻撃力2000以上のモンスターを召喚!」
「アレは『有翼幻獣キマイラ』。バトルシティから遊戯デッキの切り込み隊長として名を馳せた遊戯デッキのエースカードの一枚」
翔が攻撃力2000以上のモンスターを融合召喚して驚いた所に三沢がわかりやすく説明した。
それより俺としては『有翼幻獣キマイラ』を切り込み隊長にしてる時点で遊戯デッキのコンセプトはロマンよりと再確認させられるな。どうしてブラマジどシナジーが薄いカードを多く投入して事故らないで普通に回せる事に元OCGプレイヤーからしたらOCGの常識を破壊されまくって頭が痛い。
「いけキマイラ!インパクトダッシュ!」
『有翼幻獣キマイラ』による突進攻撃で『仮面竜』は撃破された。
「この瞬間『仮面竜』の効果発動。このカードが戦闘で破壊されて墓地にいった時、デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスターを特殊召喚できる。俺はデッキから『アームド・ドラゴンLV3』を特殊召喚」
レベル3 アームド・ドラゴンLV3
ATK 1200
「ち、厄介なモンスターが残ったか。俺はコレでターンエンドだ」
神楽坂
手札 三枚
フィールド 有翼幻獣キマイラ
伏せカード 無し
「俺のターン、ドロー。この瞬間俺は『アームド・ドラゴンLV3』のモンスター効果を発動。自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを墓地に送る事で手札・デッキから『アームド・ドラゴンLV5』を特殊召喚できる。俺はデッキから『アームド・ドラゴンLV5』を特殊召喚!」
レベル5 アームド・ドラゴンLV5
ATK 2400
「そして『サファイアドラゴン』を通常召喚」
レベル4 サファイアドラゴン
ATK 1900
「『アームド・ドラゴンLV5』で『有翼幻獣キマイラ』を攻撃。アームドバスター!」
「ぐ!」
神楽坂 LP 4000→3700
『アームド・ドラゴンLV5』が振り下ろした拳が『有翼幻獣キマイラ』に直撃して、『有翼幻獣キマイラ』は破壊された。
「この瞬間『有翼幻獣キマイラ』の効果を発動。このカードが破壊された時、墓地に存在する『幻獣王ガゼル』か『バフォメット』の一体を特殊召喚する。俺は『バフォメット』を守備表示で召喚するぜ!」
レベル5 バフォメット
DEF 1800
「なら俺は『サファイアドラゴン』で『バフォメット』を攻撃」
「ちぃ!」
『サファイアドラゴン』のによる火炎によるブレス攻撃が『バフォメット』に命中して『バフォメット』は破壊された。
「俺はコレでターンエンド。そしてこの瞬間『アームド・ドラゴンLV5』の効果発動。このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズに『アームド・ドラゴンLV5』を墓地に送る事で手札・デッキから『アームド・ドラゴンLV7』を特殊召喚できる。俺はデッキから『アームド・ドラゴンLV7』を特殊召喚!」
レベル7 アームド・ドラゴンLV7
ATK 2800
空
手札 五枚
フィールド アームド・ドラゴンLV7 サファイアドラゴン
伏せカード 無し
「俺のターン、ドロー」
神楽坂は本命のカードを引いたのか、ニヤリと笑みを浮かべる。
「俺は魔法カード『古のルール』を発動。手札からレベル5以上の通常モンスターを特殊召喚する。現れろ我が最強の僕『ブラック・マジシャン』!」
「いや、お前の僕じゃないだろ」
俺は思わずパラドックス戦の様な口調で話す神楽坂の言葉にツッコミを入れるが、神楽坂は無視して『ブラック・マジシャン』を特殊召喚した。
レベル7 ブラック・マジシャン
ATK 2500
「『ブラック・マジシャン』……!」
「本物を見るのは初めてなんだな」
「アレが『ブラック・マジシャン』。デュエリストキングダムから武藤遊戯の勝利に貢献してきた伝説の魔法使い族……!」
「これが遊戯さんのデッキの象徴のカードか」
世間からデュエルモンスターズ史上最強の魔法使い族と称され、遊戯デッキを象徴するエースカードの登場と、ソリッドビジョンと思えない『ブラック・マジシャン』の威圧感に十代達は圧倒され、神楽坂は得意げになっていた。
「更に俺は魔法カード『千本ナイフ』を発動。このカードは自分の場に『ブラック・マジシャン』が存在する時相手モンスターを一体破壊する事が出来る!俺は『アームド・ドラゴンLV7』を選択するぜ!」
『ブラック・マジシャン』の周りに無数のナイフが出現し、『ブラック・マジシャン』が杖を振るうと無数のナイフが『アームド・ドラゴンLV7』に襲い掛かり『アームド・ドラゴンLV7』は破壊された。
「そして俺は『ブラック・マジシャン』で『サファイアドラゴン』を攻撃!ブラックマジック!」
「ぐぅ!」
空 LP4000→3400
『ブラック・マジシャン』の杖から魔力を圧縮した魔導砲が発射されて俺の『サファイアドラゴン』は破壊された。
「ふふふ、分かったか美幸。デュエルキングのデュエルを100%再現出来る俺がこのデッキを使用すれば、お前もクロノスもカイザーにも負けない。もう俺は誰にも負けないんだ!」
そう高らかに宣言する神楽坂。
俺は盗んだデッキで偉そうに言うなと反論したいが押されてる俺にそんな事を言う権利はないな。俺なら絶対に事故って運用できない遊戯デッキを問題なく運用できる神楽坂を俺は過小評価していたからな。
「確かにお前は凄いよ神楽坂。だけど俺は絶対にお前に勝つ」
神楽坂を一人のデュエリストと認識を改めて、俺は神楽坂に勝つ事を宣言した。