遊戯王GX 転生しましたがシンクロやエクシーズ等の召喚方法は使えない。何故かガチャ運はメッチャ良い件   作:zero3 ガイル

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今回はデュエルはありません。少しギャグよりです。


第四話 月一試験・前編

 

デュエルアカデミアにも中間・期末試験の様に自身の成績が最も反映される重要な試験があり、それは月一試験である。

 

この試験結果によっては上のランクに昇格する事が可能となり、逆に成績が悪ければ降格し、下手をすれば退学の可能性もある為にオシリスレッド、ラーイエロー、オベリスクブルーの生徒達の多くは必死に勉強していた為に試験会場からは紙をペンに書く音だけが響いて静かであった。

 

昇格を目指して試験に臨む生徒は多いが、俺はオベリスクブルーの昇格は興味がない。

 

何しろオベリスクブルーの生徒達はエリート意識が強過ぎる為にオベリスクブルー以外の生徒を見下す生徒が多く、更に中等部の成績優秀組で形成されてるグループが多い為に高等部から昇格する生徒達が後から入る隙がないくらいだ。だからなのか、ラーイエローの先輩から聞いたが、高等部からオベリスクブルーに昇格した生徒の多くはオベリスクブルー色の選民意識が高いエリートに染まるか、その空気に耐えられないで孤立してラーイエローに降格して戻ってくるかの二択が殆どらしい。

 

こんな現状を普通に放置していたらヤバいのだが、このデュエルアカデミアのオーナーはブルーアイズを愛するあの社長だからオベリスクブルーの現状を改善したいので何とかしてくださいと言っても……。

 

「下らん、己のロードはおのれで切り開け!」

 

と、言って助けてくれないだろうな。他人の力に頼るな、現状に不満や問題があるなら自分で何とかしろというスタンスが強い社長の存在もあってオベリスクブルーの意識改善は事実不可能と思い、余計にオベリスクブルーの昇格は興味を持てない俺だが、だからと言って勉強を疎かにはしない。

 

最低でも筆記試験は良い成績を維持しないと特待枠の恩恵が受け入れないからだ。オベリスクブルー昇格は確かに興味はないが、それ以上に俺としては特待枠がなくなる事がリアルでまずいから俺は真面目に試験を受ける。

 

筆記試験が開始して30分が経過して、解答用紙の問題はあらかた書き終わり、書いていない問題に時間を使おうと考えていた時に後ろから十代の騒ぐ声が聞こえた。

 

そういえば筆記試験の会場にいなかったな十代。騒いでいる内容からどうやら寝坊したらしいが、月一試験の時に普通に寝坊するなよと思わず心の中でツッコミを入れる。

 

「うるさいぞオシリスレッド、静かにしろ。テストを受ける気がないなら出て行け!」

 

あまりに十代が騒がしくてうるさかった為に万丈目がキレた。普段からエリート意識が強くて関わりたくない万丈目ではあるが、今回に限り俺は全面的に同意し、試験会場にいる生徒達も寮に関係なく頷いていた。

 

その後は大徳寺先生に注意されて試験用紙を受け取りそのまま席に座る。コレで少しは静かになると思ったのだが数分後、十代のいびきが試験会場中に響き渡る。十代に真面目にやれと言うつもりはない、そもそも試験を真面目に受ける受けないは個人の自由ではあるが、それでも最低限のマナーは守ってほしい。

 

ぶっちゃっけ普通にうるさくて試験に集中できないし、他の生徒達の多くも筆記試験の成績など気にしないで爆睡している十代の姿にイライラしているのが凄く分かるからな。

 

筆記試験が終了し、大徳寺先生が午後二時から実技試験が始まるアナウンスが流れると、試験会場にいる生徒達は一斉に走り出して試験会場を後にした。

 

そんな生徒達を尻目に十代と翔は爆睡していた。てか、お前も爆睡していたのか翔。

 

「あ、試験どうだった空」

 

爆睡していた十代と翔を三沢が起こし、三沢に起こされた十代は呑気な口調で俺に試験結果を聞いてきて思わずイラッとして……。

 

「あだ!」

 

軽く拳骨を喰らわせた。翔が十代と一緒に爆睡して筆記試験が残念な結果に終わって涙を流していたのに、コイツは試験に遅刻して騒ぐわ、会場に着いたと思ったら数分後に爆睡して筆記試験中ずっとイビキをかいて寝ていた十代にイラついて殴っても問題はないよね。

 

「試験中に騒ぐな十代。今回ばかりは万丈目の意見が正しかったぞ」

 

「わ、わりぃ……」

 

拳骨を食らった頭を抑えながら十代は謝る。本当に理解してるのかコイツ……。

 

「十代じゃないが試験結果はどうだった空」

 

「まあ、ボチボチだな。特待枠がなくなる心配はないくらいに手応えはあったよ」

 

ラーイエローの三沢大地と十代達と同じくらいに仲はいい。理由としては三沢が筆記でラーイエローNo. 1なら実技No.1が俺という以外にも俺と三沢は普通に話が合う。三沢はこの世界では珍しくOCGプレイヤーに近い事が理由であり、対戦相手のデッキが分かれば基本的に対戦相手に合わせてメタデッキを使う事に躊躇がないからだ。

 

何より一つのデッキを信用して戦うデュエリストが多い中で三沢はデッキを複数扱い、どのデッキを重点的に使うという事もなく、臨機応変にデッキを変えてデュエルしているからだ。

 

話してみるとかなり良い奴なのに、どうして原作だとエアーマン扱いになるのか不思議に思うほどに影が薄い人間には思えないだよな。

 

「あれ、みんなは?」

 

「もう昼飯か?」

 

「購買部さ。なんせ昼休みに新しいカードが大量入荷する事になってるからな」

 

だからあんなに急いで試験会場からいなくなったのか。でも今から購入してデッキのシナジーに合うカードが当たる可能性があるかな。俺は比較的運は強いからまだマシだが、この世界のカードパックはOCGのパックと比べたら汎用カードが当たる確率を比べるのも馬鹿になるくらいに低いからな。

 

「あれ、三沢君は?」

 

「僕は今のデッキを信用している。新しいカードは必要ない」

 

「俺もそうだな。今のデッキバランスを崩してまで新カードを投入するメリットはないからな。それにデッキのシナジーにマッチするカードが当たるとは思えないしな」

 

コレは本当だ。確かにこの世界ではガチャ運は高くてレアカードが当たる確率は確かに高いが、だからと言って自分の思い通りにカードパックからカードを引く事はできない。実際に自分のデッキのシナジーに合うカードが当たるかはこの世界のデュエリスト同様に運任せであるからだ。

 

俺は確かに実技試験に向けて新カードをデッキに投入するつもりはないが、だからといって新カードに全く興味がないわけでもないので十代と翔と一緒に新しいカードパックを購入しようと購買部に向かって購買部のお姉さんにカードパックを購入したいと伝えたが、残り一つしかないと言われたのだった。

 

「どうしようアニキ、筆記試験がダメだったからせめて新カードを購入してデッキを強化しようと思ったのに」

 

「いいよ翔が買えよ」

 

「え、良いのアニキ!」

 

「いいさ、俺は自分のHERO達を信じてるからさ」

 

「俺もだ。筆記試験の会場でも言ったが、たまたま新パックに興味があっただけだからな」

 

「アニキ、空君〜」

 

十代と俺の言葉に翔はジーンと目をウルウルして感動していた。

 

「お待ちよ!」

 

カードパックを購入して購買部を出ようとしたら髪を三つ編みにしたおばさんが呼び止めた。

 

「あ、今朝のおばちゃん」

 

俺と翔が知り合い?と聞くと十代が説明してくれた。

 

何でも筆記試験を大遅刻した理由はおばさん……トメさんを助けた事が原因らしい。購買部に必要な食材が入った軽トラが故障してしまい、トメさん一人で坂道を自力で押していたのだが、それを見た十代がトメさんを助けて一緒に軽トラを押していたから遅刻したとの事だ。

 

そんなトメさんは十代が助けてくれたお礼に予めにいくつか取っておいたパックを俺達に渡してくれた。

 

「お、『進化する翼』に『ハネクリボーLV10』だ。やった相棒のカードだ!」

 

十代は早速自分の相棒である『ハネクリボー』のサポートカードが当たって嬉しそうであった。なんか十代の周りを薄らとした影が飛んでいる様に見えるけど、その影がデュエルモンスターズの精霊なのかな?

 

俺も欲を言えば十代や万丈目の様にデュエルモンスターズの精霊が見える様になりたいな。

 

「えーと『異次元格納庫』『団結する力』『荒野の女戦士』『マジシャンズ・ヴァルキリア』」

 

四枚とも普通に良いカードだな。特に『異次元格納庫』は確かOCG化してないからアニメオリカだったよな。この時代に限らず『異次元格納庫』はかなりの強力なカードだよな。

 

もし前世にこの効果でOCG化したらエクシーズやリンク召喚の素材にする事は簡単だから絶対にこの効果のままOCG化はしないだろうな。

 

さて、最後の一枚は……見なかった事にしよう。

 

「お、何が当たったんだ」

 

「僕にも見せてッス」

 

「ば、バカ見るな!」

 

たが時は既に遅し、十代と翔は五枚目に入っていた『ブラック・マジシャンガール』を見られてしまった。

 

「お、スゲーな空。まさかブラマ「わー!喋るな!」もがもが!」

 

コイツなんて事を言いやがる。もし俺がブラマジガールを当てた事が知れ渡ったらどんな目に会うか。実際に地元でブラマジガールが引き当てた事がバレた時は本気で俺は死を覚悟したんだからな。

 

ブラマジガールは初代デュエルキング武藤遊戯が愛用した『ブラック・マジシャン』と同様に有名な伝説のカードだ。その愛らしさとデュエルキングがエースモンスターと同様に相棒カードとして数々の伝説を作り上げた事でデュエルモンスターズ界では伝説のアイドルカードであり、世界中にブラマジガールのファンは男女問わずに数多く存在する。

 

よく武藤遊戯しか『ブラック・マジシャン・ガール』を保有してないと勘違いされてるが、そんな事はない。この世界ではブラマジガールをデッキに投入して上手く扱えたのが武藤遊戯しかいないからである。

 

もし遊戯しかブラマジガールを保有してなかったらあのブルーアイズ以上に希少なカードとなってしまうからデュエルキングしか保有してない伝説のレアカードの扱いではない。それでもブルーアイズやブラマジ程ではないにしろ、ブラマジガールを引き当てる可能性は宝くじ一等を当てるより難しいとは言われてるけどな。

 

しかし、ブラマジガールは上記の説明通りに男女問わずに世界中にファンがおり、どんな手段を使っても入手したいという人間が多く地元のデュエリストから「『ブラック・マジシャン・ガール』を賭けて俺とデュエルしろ!」というデュエリストがいるならまだマシ、最悪なのは不良やヤのつく職業の人からも脅迫されて寄越せと言われた時だ。

 

ブラマジガール当てただけで何で俺は命を狙われてないといけないんだよ!と、心の中で叫び、裏社会系の人や地元中のデュエリストから賭けデュエルを多く挑まれて辟易として、俺は仕方ないから行きつけの地元のカードショップに『ブラック・マジシャン・ガール』をタダ同然で売りつけて逃げる様にカードショップから退散したら店長から「ちょ、おま!」と言われたが俺は無視した。

 

後日どこからか噂を聞きつけたのか、世界を代表する富豪がブラマジガールを購入したらしく店長から「お、お前な……」と、やつれた顔をして俺に色々と文句を言ってきたが俺は気にしない。なお家族からブラマジガールをタダ同然で売った事に対してどうしてそんなレアカードをタダ同然で売ったんだと言われて凄く怒られたけどな。

 

とにかく俺が言いたいのは、ブラマジガールは何の後ろ盾を持ってない人間が保持してると碌な事が起きないという事だ。

 

今はアカデミアにいるから不良やヤのつく職業の人から脅迫されないからまだマシだが、マジでブラマジガールの扱いどうしようと俺が悩んでいると……。

 

「ねえ、空く〜ん」

 

笑みを浮かべる翔に俺は恐怖感を感じた。確かに笑みを浮かべているが、翔を取り巻くオーラが尋常ではなかった。

 

「頼みがあるんだけど」

 

「な、なんだ……」

 

もうこの後の行動は予想はつく俺は翔から一目散に逃げ出した。

 

「何で逃げるんだよ!」

 

「そりゃあ逃げるわ!」

 

「とにかく僕に頂戴!プリーズ、僕にブラマジガールプリィーズ!!」

 

「だー!だから喋るな、叫ぶな!」

 

畜生!本当にこの世界でブラマジガールを所持してると碌な事がねえよ!。俺はとにかく翔から逃げる為に学園中を走り回っている光景に他の生徒が奇怪な顔で見ていたが翔が「ブラマジガールプリーズ!!」と叫んでいるせいでデュエルアカデミア中から俺が『ブラック・マジシャン・ガール』を当てた事がバレてしまい、翔に続く様にデュエルアカデミアの多くの生徒から捕食者の目で「ブラマジガールよこせ!!」と、追いかけられる羽目になった。

 

この騒動を聞きつけた鮫島校長が俺が当てた『ブラック・マジシャン・ガール』はアカデミアが誇るセキュリティーマックスの金庫に保管する事で騒動は何とか収まった。

 

ただ、この騒動が原因で午後の実技試験が少し延期となった。

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