遊戯王GX 転生しましたがシンクロやエクシーズ等の召喚方法は使えない。何故かガチャ運はメッチャ良い件 作:zero3 ガイル
「は?十代と翔が退学」
「ええ」
俺は午前の授業が終わり、昼休みに購買部で購入した牛乳とドローパンという何が入っているか食べるまで分からないギャンブル性が強いパンを食べていた時に明日香と雪菜から十代と翔が退学になる可能性がある話を聞かされた。
人気者の明日香と喋ってるせいで男子生徒達嫉妬の視線が刺さりまくるが今は気にしないで話を聞こう。
「何したんだアイツら?」
「それは」
詳しくは語ってはくれなかったが、十代、翔、隼人と一緒に入る事が禁止されてる廃寮に無断で入った為にアカデミア側の言い分は十代と翔が本来なら退学処分が妥当との事だが、デュエルアカデミアの温情で制裁タッグデュエルで勝利すれば退学は免除、敗北すれば退学となるらしい。てか昨日だったんだ廃寮の闇のゲームの話。
話を聞くと校則を破った十代達は確かに悪いが、だからといって廃寮に無断で侵入しただけで退学は厳しすぎるし、何より退学処分が十代と翔の二人が対象なのも不可解すぎる。
デュエルアカデミア側が廃寮に無断侵入で退学処分が妥当な罰則対象なら十代と翔だけじゃなくて、隼人や明日香にも罰則が適用されてもおかしくないのに隼人と明日香が罰則対象じゃないのは完全にクロノス先生の嫌がらせだろう。
普通退学処分は学校側に多大な迷惑をかけたか、警察沙汰にならない限りは学校側は退学処分なんて決断しないのだが、クロノス先生は入学試験から十代を目の仇にしてるし、入学してから自分の目論見が外れまくって余計に十代の粗探しをしてるんだろうと思った。
翔が一緒に退学処分の対象になったのは十代の弟分で尚且つクロノス先生が嫌いなオシリスレッドの生徒であり、そんな劣等生ならデュエルの実力は大した事ないと判断して制裁タッグデュエルで十代の足を引っ張るパートナー役として選んだんだろうな。
なお、罰則が適応されない隼人は分からないが、明日香も罰則の対象にならないのはクロノス先生が寮長を務めるオベリスクブルーの生徒であり明日香が筆記・実技共に優秀だからだろう。
うん、原作を知ってる身からすると全てとまでは言わないが、この制裁タッグデュエルの案件はクロノス先生の私怨による判断が大多数を締めてるよな。
「制裁タッグデュエルね。十代は普通にデュエル出来ると喜びそうだけど問題は翔だよな。アイツ、緊張癖のせいで小さなミスが多いからな」
「そうよね。そのせいで授業の実技デュエルはそれが原因でよく負けてるし」
「しかも有利になると直ぐに調子に乗って負ける事もあるからなアイツ」
まあ、これだけ聞くと本当にダメダメな奴に聞こえるが、翔のデッキ構成を考えるとけして悪いわけではないんだよな。
実際に翔は実技はダメな部分が目立つが、この前の月一試験は十代と一緒に爆睡して筆記はダメだったが、本来なら筆記は普通に優秀であるためどうしてオシリスレッドにいるのが不思議なくらいである。まあ、それも上記で俺と明日香が言った通りで実技は緊張癖で小さなミスを連発して、自分の有利な状況が構築されたと思ったら調子に乗って失敗する事も多い為に筆記の成績がマイナスになるくらいにダメにしている。
その後、俺は明日香と隼人と一緒に十代と翔の処分が不服として校長先生に直談判したのだが、査問委員会が既に制裁タッグデュエルを了承してる為に十代と翔の退学問題に関しては撤回は難しいと言われてしまった。
ーーー。
「僕なんがじゃあダメだぁー!絶対負けて退学だぁー!空君、僕と変わってよー!」
十代と翔を心配して二人の様子を確認する為にレッド寮に来た俺に翔は俺に泣きついてきた。
「翔、ダメなんだな。査問委員会で決まった事は変えられないんだな」
「もう決まった事とはいえ、校則違反した隼人や明日香に交代する理由にはなるが、校則違反してない俺にパートナー変更をお願いするのは無理だって。今回のタッグデュエルは一応校則違反に対する罰則なんだからよ」
「そ、そんなー」
隼人と俺の指摘を受けて崩れて落ちて涙を流す翔。しかし、そんな翔を尻目に十代はデッキ構築に勤しんでいた。これが初タッグデュエルなのに図太いな十代……。
「タッグデュエルの変わる事は無理でも手助けはしてやるよ」
「ほ、本当……!」
「サンキュー空。助かるぜ」
「ああ、別に助けはダメって言われてないしな」
俺は十代と翔に自分の部屋から十代と翔のデッキに相性が良いと思うカードを提供する。このカード達は俺が入学前に持ってきた奴と、デュエルアカデミアの購買部でDAポイントを使って購入したカードだ。
あ、因みにDAポイントはデュエルアカデミア独自の電子通貨であり、デュエルアカデミアの生徒達はこのDAポイントを使ってカードパックやドローパンや漫画や雑誌といった嗜好品を購入する事が出来る。
所属する寮や成績によって毎月支給されるポイントに差があり、ポイントを高く支給されたいなら上の寮に所属して成績を上げるのが一番たが、上の寮や成績に関係なくDAポイントを増やす方法は他にもあり、それはデュエルに勝利する事である。
デュエルアカデミアに支給されてるデュエルディスクを装着してデュエルして、デュエルに勝利すれば報酬して支給された携帯端末にDAポイントが入り、自分より成績や上の寮の生徒に勝利すればDAポイントの報酬は高く、逆に成績や寮のランクが低い生徒の報酬はかなり低い為に格下狩りをしても旨味がない仕様になっており、八百長が発覚した場合は逆にDAポイントが没収される仕組みになっており、八百長の判断は海馬コーポレーションのCPUが判断している。
「クロノス先生の事だからタッグデュエルに精通してるデュエリストを絶対に連れてくる。付け焼刃にタッグデュエル用にデッキを調整するんじゃなくて、今の自分のデッキの長所を伸ばす方向にすれば良いと思う」
「ああ、俺もそう思う。頑張ろうぜ翔」
「あ、アニキ。でも大丈夫かな」
「そこに関しては俺が持ってきたカードや今あるカードをデッキに投入してフリーデュエルしながら確認しよう。まだまだ時間はあるんだしな」
そこから俺を交えて制裁タッグデュエルに対するデッキ構築が始まり、どの様なカードを投入するか、どのカードを外すか十代と翔と話し合う。試しに色々なカードを投入してデュエルを何回もやり、これは自分に合わないからやっぱり外す、いやこれは相性が良いから投入しようと色々と話し合う。
「空君が色々とアドバイスしてくれて嬉しいッスけど、やっぱり不安だよ……」
「くよくよしてもしょうがねえよ翔。やれるだけの準備はしたんだ。後は本番のデュエルに挑むだけだ」
「そうそう」
翔は新カードに投入して俺と十代の二人とデュエルを何回かして、ある程度は自信がついたが、それでも不安はある様で、俺達に不安を呟いた。
「と、もうこんな時間か。俺はそろそろ帰るよ」
「何だよもう帰るのか。俺達は大丈夫だぜ」
まだまだ門限まで時間に余裕があるため、まだ部屋にいても問題ないと十代は言う。だけど、今日は大事な約束があるから時間に余裕を持って準備しないといけないからな。
「悪いな、今日はデュエルする約束があるんだ」
「へえ、だれとやるんだ?」
「カイザー亮」
十代の質問に答えると周りの空気が固まった。
「カイザー亮ってデュエルアカデミアで一番強いデュエリストだろ!何で空とだけデュエル出来るだよ!ずりーぞ!」
「ズルくない。俺がデュエル出来るのは前々から予約して、ようやく俺がデュエル出来る番に回っただけだ」
これは本当だ。アニメGXでも人気があるカイザーとデュエルしたいと俺は思っていた。アニメ遊戯王好きの俺としてはカイザーとデュエルする機会は逃したくないため入学して直ぐにカイザーとのデュエルを予約したのだが、デュエルアカデミア最強の肩書きは伊達ではなく、カイザーとデュエルしたい生徒は多く、今では完全予約制となってる為に、ここまで長引いてしまった。
「なあ空、頼みがあるんだけど」
「カイザーとのデュエルを変わってくれだろ。嫌に決まってるだろ」
「そこを何とか」
「ダメ」
絶対に譲らない俺に十代は不貞腐れた表情で「何だよケチ」と言葉を返すがケチで結構。入学して直ぐにデュエルの予約したのにここまで長い期間待たされたんだ。この機会を逃す事は絶対にできないからな。
俺はデュエルディスクを装着してカイザーとのデュエルの為にアカデミアのデュエルフィールドに向かって歩き出し、十代達も俺とカイザーのデュエルに興味がある様でついてきた。
「どうしたんだ翔?」
そんな俺達の中で翔だけ表情が暗く、暗い表情でトボトボと歩いていた事が気になって質問する。
俺の質問に対して暗い表情に負けず劣らず声も暗かった。
「空君はどうしてお兄さんとデュエルするの?」
「デュエルするって、そりゃあカイザーとデュエルしたいからだよ」
「空君はお兄さんの実力とデュエルを知らな過ぎるよ」
翔が理由を聞くと余計に落ち込む。デュエルするのは俺なのに、何でお前のテンションが低いんだよ。
「カイザーの事をお兄さんって、カイザーはお前の兄貴なのか翔?」
「十代、カイザーの本名は丸藤亮。オベリスクブルーの三年生で翔の実の兄だぞ」
十代の的外れな言葉に俺は苦笑いして十代に説明する。俺の説明に隼人も「そうなんだな」と答える。しかしカイザー亮の事を知らないってある意味十代らしいと俺は思う。俺も原作関係なくアカデミアに入学してから直ぐにカイザー亮の噂は耳にしたし、普通にデュエルアカデミアの有名人なのに、それを知らない十代って本当に世間の噂って奴に疎いよな。
「お兄さんのデュエルは全て完璧。だから生半可な実力じゃあ通用しないよ」
「何言ってんだよ翔。学園最強だからって世界最強のデュエリストじゃないだろ。デュエルキングを目指すならカイザーとのデュエルは避けられないぜ」
「なにお前がデュエルする流れになってるんだよ十代。カイザーとデュエルするのは何度も言うが俺だからな」
「やっぱりダメか」
そんな感じで四人で話し合いながら約束されたデュエルフィールドに到着すると、万丈目達の様に青基調とした制服ではなく、明日香の様に白を基調とした制服を着た男子生徒がデュエルフィールドで待っていた。
彼こそ翔の実の兄であり、デュエルアカデミア最強のデュエリストカイザー亮である。
「待たせてすいません先輩」
「いや、問題ない」
俺が頭を下げて謝るが、カイザー本人は気にしていなかった。
この人が原作だとアカデミア時代はリスペクトデュエルを徹底していたのに、エド・フェニックスに敗北してからヘルカイザーになって遊戯王ファンから色々とネタ扱いされる存在になるとはあの当時、リアルタイムど視聴していた人達は想像してなかっただろうな。
「それより何でいるの?」
読んだ覚えもなければ教えたつもりもないのに見知った女子生徒が四人いた。
「十代が私にメールを送って亮と貴方がデュエルする事を知ったのよ」
「私は明日香経緯で今回のデュエルを知ったのよ。明日香が面白いデュエルが見れるって」
「私も明日香さん経由よ」
「同じくですわ」
明日香、雪菜、ジュンコ、ももえの四人がこの場にいる理由を説明した。つうか明日香にメール送ってたのか十代。
「準備はいいか」
「はい、今日は自分とのデュエルを受けてくれてありがとうございます」
「いや、元々君とのデュエルには興味があった。今回のデュエルは俺からしたら願ってもない事だ」
へ?カイザーが俺とのデュエルに興味があったのか。だったら何でカイザーは今まで俺に声をかけなかったんだろう。俺はカイザーほどデュエルを挑まれないから完全予約制にしたつもりもないし、逆に俺は十代ほどではないにしろ、積極的に自分からデュエルするタイプだから、カイザーとのデュエルは逆に歓迎なんだが。
「それなら問題ないですよ。どんな相手とも俺はデュエルしたいですし」
「そうしたかったが俺を慕ってくれる生徒が大勢いてなかなか自由な時間を作れなかった。彼らの思いを無視する訳にもいかないからな」
カイザーは苦笑い気味で俺に答えてくれた。なるほど、カイザーはアカデミア最強で人気もあるからな。人気者は人気者の苦労があるんだな……。
「なら今日は楽しいデュエルをしましょう。今回のデュエルはお互い楽しみにしていたみたいですから」
「ああ、そうさせて貰う」
互いにデュエルディスクを展開して構える。
「「デュエル」」
俺とカイザーのデュエルが開始された。