「やっぱ、見つからないか...」
独り言ちる男がひとり。この者の名前は「孫悟飯」。
かつて世界のために戦い、自らの弟子に全てを託し亡くなった心優しき戦士である。
「色々戻ったり、できることが増えても結局スカウトが出来ないんじゃあなぁ...その出来るようになった事も、この世界じゃそもそも使う機会がないだろうし。」
「三女神様も三女神様だよ...「尻尾」より、顔と腕を戻して欲しかった...こんなんじゃ怖がられて当然だ。」
少し口を開けば次々と愚痴が出る。もちろん、感謝していないわけではない。むしろ、死んだはずの自分に『ウマ娘』を育てるというかつての弟子との生活を思い出すような待遇で、この世界に迎え入れてくれたのだ。
「...見つかるといいな、担当。」
そう言ってやっと口を閉じると、いきなり脳内に声がはしる。
「孫悟飯さん!私共で対処できない何者かの介入が!気をつけ....て....」
「三女神様!?いったい、どう...」
「ソン、ゴハンさん。」
「き、君か!?何者かっていうのは!君は一体何者だ!」
「僕のナマエは...ミユキ、ヒ〇×△...僕は、彼女と一緒にいることはできない。
だからどうか、彼女を...『スティル』を、よろしくお願いします。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!君が何を言っているのか、さっぱりわからないぞ!」
「どうか、よろしく...お願い.......します.....」
「ま、まて!!」
....
「....消えてしまった。」
なんだったのだ、今のは。ミユキ?一体何者なのだろう...
「───────ッ、はっ、はっ、はっ...!!」
「ッ!!」
何者かが来る気配がして、反射的に構える。
暗闇から出てきたのは、ウマ娘の女の子だった。
「き、キミは...?」
「彼は!?今、彼の気配がしたの!!こっちの世界に来てくれた気配がしたの!彼が、彼が...!!」
「彼...?もしかして、ミユキの事か?」
「!!!」
「あぁ...!幸さん...!!私の、愛する...」
ばたっ。
いきなり、彼女が電気の切れたブレーカーのように意識を失う。
「ッ!きっきみ!!」
咄嗟に支えるが、しばらく起きそうにない。
「...よく見ればこの制服、学園のじゃないか。連れていくしかないかなぁ....どうか、職質されませんように...!!」
ひょいっと軽く彼女を背負い、今自分が厄介になっている「トレセン学園」に彼女を連れ帰ることにした。
ミユキと名乗る彼は一体何だったのだろうか。
つづく。