内なる紅と内なる戦闘民族   作:ぷくすけ

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オリジナル設定が多く出てきます。
おもにドラゴンボール側。
ほぼ台本形式です。


Beasts Once Beloved

「ふう、これでいいかな。」

たづなさんにも話を通し、夜遅いので明日改めて話があるという事だけきいて、トレーナー室に帰ってきた。そう、僕はこちらの世界に来てからトレーナー試験を受け、見事合格しトレーナーになっていた。彼女のことが少し気になるので、出来れば担当になりたいものだ。

「もう21時半か...眠くなってきたな....よし!寝よう!」

 

孫悟飯は超健康優良児だった。

 

「────さん、───飯さん...!!」

「孫悟飯さん!!」

「うわあっ!!」

「良かった、起きてくれましたか。もっとも夢の中なので起きているかは怪しい所ですが...」

「君は...あっ」

この声には聞き覚えがある。昨日声をかけてきた、ミユキという人だ。

「気付いてくださったようですね。改めて、昨日は申し訳ない。」

「礼は結構だ...です。その代わりに今ここで事情を全て話してほしい。」

「わかりました。全てお話します。」

話は驚きの連続だった。彼もまた別世界の住人であり、本体ではなく分離した魂のような物らしく、本体は気付いていないらしい。また、僕は彼の世界の漫画の中の人物で、スティルインラブは実在したがそれは馬でありあの可愛らしい女の子はゲームの中の人物らしい。今ここで3つの世界が交わっている。なんとも複雑なものだ。そのゲームの中での結末は美しくも悲しい物であり、そして彼はそれを見て、無意識のうちに愛馬であったスティルインラブを救うため魂だけ分かれてきたのだ。

「...なんていえばいいか分からないな。僕も他世界の住人だから100%信じているけど、複雑だなぁ...」

「私達2人の諍いにあなたを巻き込んでしまって、申し訳ない限りです。...これを言うと怒られてしまうかもしれませんが、似たような世界線がある度に私は出向く気でいます。ゲームの世界も覗いてきました。間に合いませんでしたが...」

「あなたには、彼女を愛してほしいんです。」

「なっ、なにをいってるんですか!?「

唐突かつとんでもない無茶ぶりに、思わず顔を赤らめながらも聞き返す。

この世界に来た、馬のスティルインラブの魂は私が連れていきます。そうすると、こちらのスティルインラブには何も残らないのです。...あなたも、彼女の走りには惹かれる物があったでしょう?」

「!!」

確かに、それには間違いない。これが世界の強制力というものなのか...それともサイヤ人の血が騒いだのか...

「...どうか、お願いですから彼女を愛するのは世界がそういうものだから、と考えないようにしてください。どの口がとは思いますが....彼女が...可哀想だ。」

「っ!!!」

...おそらく、前世も含めトップクラスに恥ずかしい事をした。そうだ、そうじゃないか。今僕がいる世界はここで、彼女はそこで生きているんだ。それを世界の力なんて、あまりにも酷い。

「...わかりました。そうします。」

「お言葉ですが、私の発言を気にする必要は...」

「いえ、僕が...僕自身が、彼女が気になったんです。」

「そうですか。なら、よかったです。」

お互いに、心の底から湧いてきた優しい笑みを浮かべる。

───────

目が覚める。そこで、先に起きていたスティルインラブと目が合う。

「あっ、お、おはようございます。昨日は、本当に申し訳ございません...」

「ああ、いいんだ。気にしないでくれ。...でも、そういう訳にもいかないよな。良かったら、僕の話を聞いてくれるかな?」

「え?はっ、はい。私で宜しければ...」

「早速だけど、僕の名前は孫悟飯。ここでトレーナーをやっているよ。君の名前は知ってる。急だけど、別の宇宙、世界があるって言ったら信じられるかな?」

「別の世界...?あっ...普通は信じられないと思いますが、寮で同室の方にネオユニヴァースさんという方がいらっしゃって、その方から聞いたことがあります。」

「そうか、なら話は早いね。君の中に潜む彼女...」

「っ!?な、何故それを...!?うぅ...し、失礼します!!」

スティルインラブが驚いたあと、苦しげな表情を浮かべトレーナー室から飛び出す。

「あっ!!....仕方ないな、目立ちたくなかったんだけど...」

───────

なぜ?なぜあの方は彼女の事を知っているの?しかも、それが私じゃなく別であることまで...!!

「...気付いてくれたのは、あの方だけ...」

僅かな期待が胸中に浮かぶ。そういえば、謝罪の代わりに話を聞くという事だったのに飛び出してきてしまった。

「まだ、起きていらっしゃるかしら...」

「うん、起きてるよ」

 

「っきゃあああああああああ!?」

 

「わわっ!?ちょ、ちょっと!しー!しーー!!」」

「んむっ」

はっとし、口を手で塞ぐ。

「今度こそ、話を聞いてくれるかな?」

「...っ はい。」

姿勢を正す。彼の笑顔に思わず頬が紅に染まったのに、私は気づかなかった。

───────

「別の世界、そして君の中の彼女の話だったね。簡潔にいうと、彼女はその別の世界の存在なんだ。そしてその世界は、今君らがいるこの世界のオリジナル。言わばこの世界は派生先ってやつかな。」

「は、はぁ」

何がなんだか、改めて分からない。別の世界とか、オリジナルとか...

「分からないよね...とりあえず最後まで聞いてくれ。彼女はそこで愛する人がいたんだけどね、残念ながら、種族が違ったんだ。彼は結婚していたし、彼女も同じ種族の者と子供をもうけた。だけど、彼女が愛していたのはいつだって彼だったんだ。」

「それが、昨日現れたミユキ、という方ですか?」

「そう!よくわかったね。賢い子だ。」

「っ!?な、撫でるのはおやめ下さい...」

「ああっ!ごめん!こういうのはセクハラになるんだっけ!?ど、どうしよう...クビになっちゃったら笑えないぞ...」

「い、いえ!い、嫌ではございませんでしたので...」

むしろ、嬉しかったかも。

「ん?なんか言ったかい?」

「いえ!!!お、お話を続けてくださいますか?」

「わ、わかった。そのミユキさんもね、彼女が心残りだったみたいで、無意識に魂だけが引っ張られて来たみたいなんだ。本人に影響はないし、もう別のミユキさんって感じかな。...それで、この世界にはオリジナルのあっちの世界があるって言ったよね?なぜ、彼女が君に宿ったか。君ならわかるんじゃないかな?」

「...っ!!ま、まさか彼女は...」

「そう、向こうの世界の君自身だ。彼女はあちらで病気で亡くなってから、君に宿った。こちらの世界のミユキさんを探すために。そして世界の運命とでも言うのかな。こちらの世界のミユキさんは、トレーナーかつ、君のパートナーにもなる予定だった。そこで、こちらで元のミユキさんとあった事で世界が分かれてしまった。事実として、その世界線も既にある。逆に言えば、その世界線があるということはこちらの世界はその限りではないと言うこと。つまり君には相手がいない。」

「そう...ですか」

「...君の今の気分はどんな感じかな?」

「今ですか?...特に変なところはございませんが...」

「そうか。では、いまの月はどんな感じかな?」

「月?月は満月....っ!?」

「異常、ないんだね?」

「ああっ...!!ああ...!!なんてこと...!!私...普通に...!!」

「少し、待って欲しい。軽く走ってみてくれるかな?そんなに長くなくていい。」

「え?は、はい....」

「...ふっ!」

言われたままにスティルインラブが走り出した。そして...

「うっ、そ、そんな、どうして...!?」

「スティルインラブ!ストップだ!!」

「はっ」

困惑の中、声が聞こえて止まる。

「...今から、辛いことを言うよ。落ち着いて聞いて欲しい。」

「...はい。」

そんな。嘘だといって。勘違いであって。私、私は、やっと普通に。

「...彼女が抜けても、君の中の本能は変わらない。彼女も、君も、スティルインラブなんだ。」

「!!!」

堪えていたのに、涙が溢れ出す。

「うぅ〜...そんなぁ、私、また、まだ、化け物のままなの...?こんな醜い私...大っ嫌い...!!」

「君は、君の本能が嫌いかい?」

「嫌いです!!!こんな、こんな醜い私!誰からも愛されない!!!」

 

「僕は、愛されたよ。」

 

「...?」

何を言っているの?当たり前でしょう。あなたは、そんなに優しい顔で、優しい心をもった美しい人なのに。なぜ、そんなことを言うの?

「...聞くより、見た方が早いかな。理科室へいこう。アグネスタキオンという子の部屋なら余裕がある。」

「あ、ちょっ、ちょっと...」

───────

結局されるがままに着いてきてしまった...彼、人間のはずなのに全然止まらなかった。むしろ、本当に力が入っているのかと疑うくらい微動だにしなかった。

アグネスタキオンさんといえばあまり良い噂は聞かないけれど、大丈夫なのかしら...

「こんばんは。アグネスタキオン、いるかい?」

「おぉ!やあやあ孫悟飯くん!君から尋ねてくるとは珍しいじゃないか!!ついに私の実験に付き合ってくれる気になったのかい!?」

「はは、相変わらずだね。まあ、半分正解と言ったところかな。明日一日付き合う代わりに、彼女にあれを見せたくて。」

「彼女?...おや、君はスティルインラブか。初めまして。見かけたことがあるよ。」

「は、はい、初めましてアグネスタキオンさん。」

「うんうん。...それで孫悟飯くん。取引内容は魅力的だが、二つ返事は出来ないねぇ。あれは危険すぎるよ。核兵器なんかよりも何千倍もね。前はたまたま戻ったから良いものの...」

「大丈夫さ。前はこっちに来て初だったから失敗したけど、本来なら抑えられるから。」

「ならいいんだが...まあいいだろう。スティルインラブくん。しっかり見ていたまえ?」

「は、はぁ...」

そういうと私たちは人気のない山奥へ移動した。

───────

「それじゃあ孫悟飯くん!始めたまえ!」

「わかった!!ハアッ!!」

突然彼の周りが金色に光って、姿が見えなくなる。

「ぐ...グォァアアアアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

光がの中から彼が苦悶の声を上げる。とても苦しそうだ。

「ア、アグネスタキオンさん!!...えっ」

ふと、光が晴れる。そこには

バチッバチバチッ

稲妻を纏った金色の戦士がいた。

「...ぁっ、ひっ、ひぁぁぁ...っ」

身の毛がよだつ。隣にいるアグネスタキオンさんも、全身から冷や汗を流しながら毛を逆立てている。恐ろしい。あんなのが暴れたりしたら、私達どころか国、もしかしたらそれ以上の被害が出るだろう。スケールが違う。生き物のしてのスケールが違う。死を覚悟することすら無意識にしてしまう。

視線だけで生命を奪いそうな恐ろしい眼差し。

あまりの恐ろしさに涙を流していると、金色の身体が戻る。そこに立っていたのはいつも彼だった。

「ふうっ、ギリギリセーフ...」

「もう!しっかりしてくれたまえよ!スーパーサイヤ人はやっぱり何度観ても慣れない!」

「今のは2なんだけどなぁ、ははっ、ごめんごめん」

「笑い事じゃない!!」

2人が話している中、ようやく口から出て来た言葉は...

 

「化け物...」

だけど、キレイ。

 

その言葉が聞こえた彼が、じっとこちらを見る。そこで、自らの失言に気付く。

そして言葉が足りなかったことにも。

「ぁ、ああっ、私、私なんてことを...」

化け物。そう言われる辛さは自分がよく分かっているはずなのに、思わず口から出た言葉。彼はどれだけ傷ついただろう。あの太陽のような笑顔はどんな嵐雲になってしまっただろう。そう思いながら止まりかけていた涙を再び流し、ふと彼の顔を見ると

そこには変わらず太陽がいた。

「そう、化け物さ。」

「っ!」

やはり、怒っているだろうか。

 

「僕達、お揃いだね。」

 

 

「...........ぇ?」

理解が追い付かず、困惑の声しかでないのに、顔は確かに火照る。

「僕には師匠が、仲間が、かあさんが。...父さんがいた。」

『父さん』

気のせいか、そういった時太陽に一瞬雲がかかった気がした。

「僕は前の世界ではいわゆる戦士ってやつでね。悪人たちと戦っていたんだ。だけど、ある時僕が今まで最強だと信じていた父さんでさえ、敵わない敵が現れた。さ僕は16号という人の死と引替えにさっきの姿に目覚めて父さんやそいつを圧倒する強さを手に入れたけど、僕の父さんから引き継いだ...命の奪い合いが本能である「戦闘民族サイヤ人」の血があの姿になると激しく暴れ出すんだ。もっと苦しめてやれ、惨ったらしく殺してやれ。ってね。」

本能。あまりに聴き馴染んだ言葉に、不謹慎ながら親近感を感じる。もっとも、彼がやっていたのは命の奪い合いなのだが...

普段の彼からは想像もしない言葉の連続で、多くの疑問や感情が喉につっかえる。

「そして父さんは...僕が本能に身を任せ自らの強さに油断し、そいつがみんなを巻き込もうとした大爆発を自らと引替えに防ぎ亡くなった。」

太陽を雲が完全に覆う。悔しさ、恥ずかしさ、悲しさ、寂しさ全てを纏った表情を彼が浮かべる。なんて事を聞いてしまったのだろう、なんて事を言わせてしまったのだろう。一気に青ざめ、涙が止まらなくなる。しかし、覆った雲がいつしか晴れだした。

「みんなが仲間でいてくれた。みんなが味方でいてくれた。みんなが愛してくれた。ピッコロさんが強さをくれた。クリリンさんが楽しさを教えてくれた。母さんが厳しく愛してくれた。父さんが勇気をくれた。」

2人の名前は分からないけど、名前を出している時太陽の輝きがました気がした。

「断言する。君もみんなに愛される。たとえ何かの間違いがあって愛されなかったとしても、僕が必ず味方でいる。僕が必ず君を守る。僕が必ず、君を愛するよ。」

私の火照りが、青ざめを打ち消し心臓にまで達した感覚がした。

「...スティル。僕の担当になってくれないか?僕と一緒にいよう。」

ああ、この人が、この人こそが、世界をまたいで私を迎えに来てくれた運命の人。

「はい...っ....はい...っ!!よろしくお願いいたします...!!」

彼となら、どこまでも行ける気がする。私はきっと、彼の事をいつまでも愛している。

 

「...今日は砂糖を入れる必要は無さそうだねぇ...」

 

 

 

 




文も設定も何もかもめちゃくちゃですが、よろしくお願いいたします。
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