緑谷VS葉隠、常闇VS轟、
渡我VS八百万、切島VS爆豪
ではどうぞ。
――Side 緑谷
「うーん……なりふり構わないならワンチャンありそうだけど……そうでないなら、無理かなぁ……」
そう対面の葉隠さんがそう零す。
「最終種目なんだから躊躇ってたらダメだよ!」
試合開始の声がして
「――なら、そうするよ」
その言葉と共に――服が落ちた。
「!?」『デジタルタトゥー不可避だぞ何やってるんだ!?』『透明化してるから見えないし……』
驚いていたら、お腹に衝撃が走る。
『放送事故!誰かカメラとか諸々とめて!』『そういえばその目、本気になれば透明化とか光学迷彩とか壁とか障害物諸々ガン無視するんだっけか……なんか野郎の観客席から羨ましいって声聞こえるんだけど』
「ヒーローやってるなら裸くらい晒したりもするし、女ヒーローならそう言う目で見られることもあるから!」
「いや覚悟キマりすぎてなっ!?」
回し蹴りっぽい攻撃で吹き飛ばされて場外ギリギリで踏みとどまる。
「緑谷君、君こそ――躊躇してるよね?」
「!」
「なら――力の加減できないまま敗北すればいい!」
その言葉に敗北を感じたけど――何故か世界が急に遅くなって――攻撃が来る方向が見えた気がして、回り込んだ。
そのまま力を抑えつつ最小限の攻撃を繰り出したら――うまくあたって、そのまま場外に吹き飛ばせた。
『ミッドナイト先生、葉隠選手場外です』
千手君の言葉でミッドナイト先生や有志スタッフが集まるけど……何処にいるか分からず、身体踏んづけないように探してる。
『ああもう、そっち行くから!』
頼久君が直ぐに現れて、治療をしてから虚空に服を差し出す。
するとその服が浮かび上がり、それを着込む葉隠さん。
「葉隠選手場外! 緑谷選手の勝ち!」
とりあえず勝てたけど……変な発破かけたせいか、千手君のジト目が鋭い……。
峰田君が『お前は勇者だ!誇れ!!』とか観客席から叫ばれたけど、誇りたくないからね??
――Side 焦凍
舞台にたって、常闇と向き合う。
「……常闇の弱点、色々ある。勝敗は決してるけど……やる?」
「慢心……ではないか。 弱点知られているなら、勝ち目は薄いが……生憎ここまできたなら、最後まで戦うのみ。勝てぬとしても、何処まで通じるか、試させてもらう」
「そう、なら――」
『試合開始!』
「――手加減しない」
私は氷ですぐさま氷漬けにしようとする。
しかし、常闇はうまくすり抜けた。
ダークシャドウありきの回避だけど、ここに関しての練度が私より上なのは素直に認めないと……。
なら――
隙間を縫ってこちらに向かう常闇に炎をぶつける。
「!」
ダークシャドウは弱点の光で弱体化し、炎は直撃。
火力最低限にしてるから、多少の火傷で済むはず……?
そのまま連続で氷を作り出し、そのまま押し出した。
『場外! 勝者轟選手!』
『安定した出力はやはり優勝候補と言ったところでしょう』
ん、頼久が見てるんだから、簡単には負けない。
――Side 頼久
その後ヒミコと百の試合は百の個性とパクティオーカードの物量で押し勝ち、切島と爆豪の試合は爆豪が硬化を衝撃貫通による攻略で爆豪の勝ち。
「さて、緑谷と轟……どっち勝つと思う?」
「今のところ轟選手優勢ですが……試合の中で急成長してる緑谷選手がどれだけ伸びるか……そのあたりでしょうかね」
プレゼントマイク先生の言葉にそう答える。
……透との試合で一瞬見せたあの『オールマイトとは違う色のオーラ』は……オールマイトと相澤先生に一応警戒するよう伝えておこう。
――Side 緑谷
「……オールマイトや頼久に目をかけられてて、ずるい。けどそれは……緑谷に将来性あるからなのは分かってる。だから――これは私の嫉妬。この戦いで自分の抱えてる身勝手な想いを清算する。手加減しないから、頑張って」
試合開始前から炎と氷の寒さと熱さを纏う轟さんがそう告げる。
「――僕だって、負けられない」
『試合開始!』
僕は反射的にフルカウルを発動して飛び上がる。ほぼ同時に僕の居た場所が氷の塊に閉ざされた。
反射的に空中で空気を蹴るようにして飛び退く。
轟さんの炎が通り過ぎた。
「なるほど……」
轟さんがそうこぼした瞬間、僕は背後を裏拳のようにスマッシュで殴りつける。
直ぐ近くまで迫っていた氷が砕ける。
だけど――
いきなり視界が氷に染まり、僕は地上に落ちた。
『場外! 轟選手勝利!』
裏拳で空中での姿勢崩れたところに背後から強襲して氷漬けにしたみたい……強いな……。
――Side 頼久
「すげえな、八百万選手。地面隆起させて攻撃と見くらましを同時にしつつ、創造で作った道具の遠隔操作で多方面攻撃とか」
「それを見抜いて相手の打ってくる手を読んで半分以上回避不要な絶妙に当たらない立ち回りしてる爆豪も大概かと」
一進一退の攻防に観客が舌を巻いている。
しかし――個性を昼休みから連続して使ってきたせいか、百が途中で息切れして、終わりはあっけなく訪れた。
「場外! 勝者爆豪選手!」
「消費の多い個性で回復なしでここまで奮闘した八百万選手、そしてその八百万選手の攻撃を回避し、リソース削り切った爆豪選手に拍手!」
オレの言葉に観客が拍手を贈る。
……どっちかと言うと、百に贈ってる拍手が多い気がするが、それはさておき。
――Side 爆豪
モブ共の視線が
決勝戦……漸くここまで来た……!
この半分女倒して
「……簡単には勝たせない」
アァ!? チャンピオンのつもりかてめぇ!
「上等だ、勝ったつもりで負けて泣いても知らねぇぞ半分女ァ!」
『さあ、泣いても笑っても最終戦! 試合開始!』
いきなりの氷に舌打ちする。
汗が起点の個性だからこそ、汗線が閉まる寒さは限りなく天敵だ。
「クソが! 炎使ってこいよ!」
「相手の優位になる攻撃は嫌だ。あとクソ親父への嫌がらせのためにも、氷を優先的に使う」
半分の舐めプのくせに、舐めプにならない理由並べやがって!!
――Side 頼久
爆豪が的確に攻撃捌きり、焦凍に飛びかかる。
が、爆発の煙と氷蒸発による霧ですり替わった氷の偶像なのを爆豪が認識できず、勝ったと油断したところを焦凍が氷漬け。
うーん、見事。
あとは閉会式で焦凍、爆豪にベスト4の緑谷と百がオールマイトにメダルを渡され表彰されて閉幕。
……オレも身体動かしたかったな……。
「とりあえず結城寧は儂の2人目の養子になった。頼久、世話を頼んだ」
「……えっ、どういう事??」
なんか家に戻ると、引っ越し屋さんが搬入したり、叔父貴がなんか付いていけない話を言い出したりして困惑する。
「話すと長くなりますので、なるべく簡単に言うと……。彼女……結城さんの後見人が彼女に残された遺産を食いつぶし、家では小間使いのようにこき使われていた。ついでにあなたとの関係を知って婚姻に金をせびろうとしたのが昼頃発覚した。なので役人や各所に私が手を回してその後見人たちを潰したんですよ。そして宙ぶらりんになった彼女の身元を、私が公安の立場から一時的に後見人代理になり、養子縁組の成立をさせました」
大石の言葉に納得しつつも叔父貴に思うところがあるのでそっちに顔を向けてしまう。
「貴様『だから卑劣様とか呼ばれるんだよ』という顔よさぬか! 法に従う範囲で出来る最善をなしたというのに!」
「感謝はしてるんですよ。オレにひと言もなかった事に思うところあるだけで」
「役所窓口閉まる前に終わらせておきたかったから、是非もないですね」
「ふ、不束者ですがよろしくお願いします!」
寧にそう言われたら何とも言えない……!
「あ、とりあえず結城さんも個性免許取得してもらいます。あなたは頼久君のアキレス腱になり得る。最低限自己防衛しても犯罪にならないようにね?」
「は、はい……頑張ります……!」
どうやら旧日向邸はまた賑やかになりそうだ。