オレと彼らのヒーローアカデミア   作:月神サチ

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第2話 入学式? ねえよそんなもん! 後編

Side 頼久

 

グラウンドにたどり着くと既に先生が寝袋ではなくイレイザーヘッドのコスチュームでタブレットと何やら学校のアシスト用ロボ数台と共に待機していた。

 

「早いな。流石トップヒーローでもまともに太刀打ちできない【傲慢な太陽】相手を幾度となく撃退してるだけある……か」

 

「時間をかけていい時といけない時を弁えてるだけです。それにあの敵との交戦は何れも目的を果たしたから引いただけ。オレは多少の足止めとか傷つけるのが手一杯でした」

 

相澤先生の言葉にオレは事実を返す。

 

「司法取引とはいえ仮免を与えられるだけの実力と判断力は持ち合わせているようで何よりだ」

 

「理性的とはいえ、日の出でいる間オールマイトに比肩する馬鹿力とエンデヴァー以上の炎を攻防に使える人型災害系怪物とやり合ってれば嫌でもレベリングされますよ」

 

とか話していると、ヒミコたちやほか生徒たちもやってくる。

 

「……全員集まったな」

 

生徒を一瞥する相澤先生。

 

「コレより個性使用ありの身体能力テストを行う。個性を持つ人口割合が8割を超えてなお、個性を封じて画一的にテストするのは非合理的だ」

 

そういいつつオレにボールを投げてよこし、投擲の円を指し示す相澤先生。

 

「個性を使って自分のできることを自覚するために個性アリの身体能力テストを行う。代表として千手、円からお前自身が飛び出ない範囲で個性とか使えるものを駆使して投げてみろ」

 

「へーい」

 

オレは父の十八番である木人を発動しつつ、父の柱間細胞で反動を軽減・自己再生する。

 

「ふぁっ!?」「あれは、連携で有名な千手兄弟のお兄さんが使う切り札の木人千手観音!?」

 

なんか下の方でうるさいがとりあえずボールを木人の手のなかに握らせて……

 

「流派東方不敗最終奥義!」

 

木人に気を流し込み、纏わせる。

 

「――木人・石破天驚拳!」

 

拳をロケットパンチの要領で石破天驚拳の氣と共に射出。雲を蹴散らし、宇宙の向こうへ飛んでいった。

 

木人を解除してちゃんと円の中に着地して体操選手の着地みたいなポーズでフィニッシュ!

 

超エキサイティング!

 

「大気圏超えて測定不能。よって無限とする」

 

「すげぇ」「個性アリだとこんなことできるんだ」「楽しそう」

 

相澤先生の言葉に浮かれた言葉がこぼれる生徒。

 

「……ゴフッ」

 

「やっぱり無茶してる!」「木人で失神しなくなっただけマシだけど」「手当しませんと!」

 

吐血したらヒミコ、焦凍、百が慌てて駆け寄ってきたので大丈夫と手で返して先生にも大丈夫とアピール。

 

「けっ!」「あんなふうに心配されるとかリア充爆発すればいいのに」

 

なんか男子の一部から目線が刺さる。

 

「動けるなら問題なしとしよう。だが、倒れたりしたらその種目最下位扱いな」

 

「うっす」

 

オレが返事したのを確認した相澤先生がほか面々を見る。

 

「……やはり今回のテスト、総合的に判断して最下位の生徒は除籍とするか」

 

「なっ!?」「そんなのありかよ!?」「理不尽じゃない?」

 

「他は違うだろうが、雄英高校は生徒の除籍復学についての最終決定権を担任が持っている。――さあ、雄英高校の理念、プルス・ウルトラと行こうか」

 

 

 

以下ダイジェスト

 

【第1種目】 50m走

 

「……0.63秒」

 

この程度なら飛雷神より普通の瞬身の方が速い……というのは嘘で、マーキングしてないから瞬身が最適解だった。

 

 

 

【第2種目】 握力

 

「普通の範囲だな」

 

「木人だと測定機小さすぎるので……」

 

八門遁甲は反動でかいし、部分倍加の術とかは解除すると暫く倍加した部分麻痺で使い物にならないし……。

 

 

【第3種目】 立ち幅跳び

 

六道仙人モード発動からの求道玉ソファー化して寝そべり。

 

「立ち幅跳びの定義……まあいい。何時まで浮かんでいられる?」

 

「さぁ……寝てても浮かぼうと思えば浮かべますし時間制限は実質無いです。逆に反動があるので浮かぶしかできませんが」

 

「コレも無限だな」

 

 

 

【第4種目】 反復横跳び

 

普通にやると80回程。

 

20秒でコレなので上澄みも上澄みである。

 

八門遁甲でやるとたぶん……いや、キツイからやめとこう。

 

 

 

【第5種目】 ボール投げ

 

さっき投げたので免除された。

 

 

 

【第6種目】 持久走

 

祖父……東方不敗こと無個性ギフテッド千手修司のシゴキで体得した後ろ向いて走るを実践。

 

「1500を後ろ向きに走りながら1分ちょっとか。……何人か絶望してるな……」

 

 

 

【第7種目】 上体起こし

 

「残像が見えるのバグだろ」

 

「コレが事実は小説より奇なりってやつか……」

 

「焦凍ちゃんに相手役取られました……」

 

 

【第8種目】 長座体前屈

 

クールタイム中で六道仙人モード発動できなかったし、遅れてきたほかのやつの反動で攣ってるので最低値。

 

「ほぼ0……すごく硬くない??」

 

「逆にすごいわね……」

 

 

 

割と阿鼻叫喚な感じでテストが終わった(ヨシ!)

 

「結果はこんなところだな」

 

順位は6位。

 

素の能力で10位もぎ取ってるヒミコに戦慄覚えつつ、とりあえずできることはやったのでヨシ!と現場猫になっておく。

 

「そして除籍だか……あれは嘘だ。 お前たちが100%を超える力を絞り出すための合理的虚偽といったところだな」

 

「えぇ……」「とりあえず除籍されなくて良かった……」

 

「うーん……もっともなこと言ってる気がしますけど……」

 

首を傾げる百。

 

「……全員見込みありだから除籍は辞めた。もっとも能力高いからといって、反動で継続的活動が危ないオレやダメージがデカい緑谷あたりはイエローライン、この測定では個性の使い所がない切島や葉隠、田口あたりは判断保留ってのが正確な内訳だろうがな」

 

「流石無個性で対人戦で殿堂入りした流派東方不敗の開祖の孫で、父と叔父が東京で有名なヒーロー『千手兄弟』だけある」

 

相澤先生の言葉に、オレを知らない面々がざわめいたりする。

 

「才能に胡座かいてるつもりないですけど、あの規格外をそのまま継いでるわけではないんで……」

 

「安心しろ、無個性なのに気弾でビル一棟破壊できる怪物と半身消し飛んでも復活する怪物、お前はどちらとも方向性違うが十分規格外だ。オレたち教員はちゃんと把握している」

 

「訴訟も辞さない」

 

「その2人から怪物認定されている。あきらめろ」

 

「ちくせう」

 

「今日はこれで解散。明日から授業が始まるが、時間割は教室の各自の席にプリントしたものを置いてあるから持ち帰るなりするように」

 

そういうと測定補助のロボたちと共に去っていく相澤先生。

 

とりあえず、制服に着替え直すか……。

 

 

 

 

 

「にしても千手兄弟ってヒーローチャートにも載ってるヒーローだよな」

 

「木遁っていう木をうみだしたりする個性で山林では無類の強さ見せたりする柱間さんに、サイドキックとして多才な術を使って確実に敵を捕縛する、お兄さんと息ぴったりな扉間さん。最強はオールマイトだけど、二人組で最強となったらこの二人がぶっちぎりだと思うよ」

 

ありのまま起こったこと話すと、なんか教室に戻って一息入れていたらオレを囲む感じでワイワイ会話が展開されていた。催眠とか時間操作とか、そんなちゃちなものなんかじゃない、もっと恐ろしいモノだったと思う(こなみ)

 

「にしても……反動すごそうだな?」

 

「六道仙人モードは解除してしばらくしたら反動くるからねぇ……全身筋肉痛感」

 

切島にそう返すと、峰田がなにやら近づいて来て――

 

「はい、ヒミコガードです」

 

ハリセン取り出してスイングして吹き飛ばすヒミコ。

 

ブレねぇな。

 

「家に帰らないと……身体痛い……柱間細胞の回復対象外なのつら……」

 

「調子乗って六道仙人モード使うからですよ。ほら、肩貸しますから帰りましょうね」

 

「アッハイ」

 

気分は病人というか、ドナドナされる家畜である。

 

 

 

 

 

 

――Side 緑谷出久

 

海浜公園のゴミ拾いしてる時にオールマイトから聞かされていた『千手の怪物』を実際に目の当たりにしたけど……

 

僕とは違うチグハグさをかかえて苦悩しながらも、前に進んでいる気がした。

 

ある意味良いライバルになるかもと言われたけど……ライバルというよりは、追いついて、超えたい壁に見えた。

 

同時に僕がまだ見えてないところもしっかり見る視野を持っていて、自分の弱さも踏まえて、できるラインも自覚してる。

 

「……僕もこの力をちゃんと使えるようにしなきゃ……」

 

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