オレと彼らのヒーローアカデミア   作:月神サチ

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第3章 職業体験編
第21話 職業体験の下準備と……?


―Side 頼久

 

休日を挟めば職業体験の開始日となった日の夕方……。

 

うーん?

 

ココ数日不定期に意識が途切れる気がするのはなぜだろう。

 

「だぁっ! 余所見考え事してるのに的確に回避反撃カウンターしてくるのなんなんだよ!」「個性縛りの徒手空拳とはいえ、強すぎる」「流派東方不敗は伊達じゃないってことだろクソがよ!!」

 

上鳴、瀬呂、爆豪の3人相手に身体の反射に任せながらココ数日の変化を思い出す。

 

ヒミコたちのダイブによりオレの精神世界の一番浅い層がクリアされて、階層主が何処かに行ったらしい。

 

オレの精神的変化に自覚ない。

 

が、先ほどの意識が途切れるのとか、能力の反動がかなり目減りしたこととか、個性の射程と出力が数段上がったことは間違いなく進歩というか、制限解放された感がある。

 

……反動と個性の出力になんか関係性あるような気がするのは気の所為……か?

 

「無意識で石破天驚拳使うなよこの野郎!」「マジで無個性格闘縛りでやると勝てる気がしねぇ」「コイツ後の先を平然と使いやがる。無意識の方が格闘だけなら強いまであるからなこの女たらし!」

 

気がついたら膝ついたり伸びたりしてる3人になんか罵倒されてた。

 

「次はオレたちか」「なんかフルボッコされる未来しか見えねえ」「毎回思うけどオイラ体格差的に不利なんだが??コレやる意味あるかな???」

 

飯田、尾白、峰田の組み合わせで身構えている。

 

……精神世界ダイブをこのまま任せて良いのかという疑問が湧いたりしてるが……寧の精神世界の最奥まで踏み込んだ自分がいうと「お前が言うな」となるので言えないが……。

 

あと授業中にミッドナイト先生が唇に触れるような仕草と共にぼーっとしたりして、ハッとする事が何度かあった。

 

……さすがにこれはオレ関係ないか。

 

「考え事してるのに一切の迷いもブレもないのイカれてやがる!」「しかもこっちのフェイントガン無視でこっちが一定の隙を見せた時に攻撃ねじ込んでくるからどこが弱いか自覚させられるのがキツイ!」「でもおかげでどこが弱いかとかクセを理解できるからちょうどいいんだよな。オイラ攻撃ほとんどできてないからそれ以前の話だけど」

 

なんかいつの間にか瀬呂たちが地面に大の字になってる。

 

……飯田君太ももの排気筒砂はいらなければいいが……。

 

「次はオレたちか」「あんまりエレガントじゃないけど、訓練になるよね」「……胸を借りるよ、千手君!」

 

切島、青山、口田君の3人。

 

口田君は異形系と発動系の複合だから身体能力をそれに合わせないとこちらが負けるな……。

 

「隙を見せた時の反応速度以外は何とか手加減するからあとは頑張れ」

 

そう言いつつ、ココ数日の他に気になることを思い出す。

 

……オールマイトになんか回復したことに感謝されたり、大石からインゲニウムや複数人の治療感謝すると言う連絡が来たのを思い出す。

 

いや、全く記憶にない。困ったな……父さんたちか知らない間にやったことらしいから大石の言葉通りなら、意識が途切れる間に行われたことになる。

 

……オレもしかして夢遊病かもしれないな……ヒミコたちにオレの行動を記録してもらおうかな……?(判断が遅い)

 

「これだけ相手しても息が乱れぬとは……流石頼久といったところか?」「腕を制限して一撃重視で行ってみるか」「個性発動してないと普通程度だけど……胸を借りるつもりで行くよ!」

 

常闇、障子、緑谷か。

 

問題ないな。

 

 

 

 

 

 

――Side 渡我

 

いくつかある階層の最も浅い層をクリアしただけで、反動の多くがごっそり消えたと言うことは、総ての階層を私たちが踏破したら……どうなるんですかね?

 

「渡我さん、考え事ですの?」

 

「ええ、彼のことで。……頼久君のジェノメトリクスをこのまま踏破し続けて良いのか、『彼』の行動含めて悩ましいと思ってるだけで」

 

百ちゃんに話しかけられたので、思考を開示しておく。

 

階層の主であり、私たちに彼が封じ込めている記憶の一端を教えてくれた世界最古の英雄と同じ名を持つ人を思い出す。

 

「……あの話を聞いた以上、頼久さんを都合のよい願望器扱いさせるようなこと、させるつもりはありませんわ」

 

「秘匿しないとだけど……お人好しな頼久君の手綱を握らないとですからね……冷徹な判断する役目を私と百ちゃんで担当して、お人好し肯定を寧ちゃんと焦凍ちゃん、中立位置での発言を透ちゃんに担当してもらう感じが良いと思います」

 

私の言葉に頷く百ちゃん。

 

賛成してくれたし、あとは根回しですかね?

 

 

 

 

 

 

 

 

――Side 大石

 

「例の千手家と随分仲が良いみたいだな?」

 

お偉いさんたちの揃う会議室にて、さながら査問を受ける立場に私はいた。

 

「ええ。【傲慢な太陽】の遭遇率ぶっちぎりで高いですからね。彼らの近くにいれば遭遇して迎撃できてる可能性があがる。ならば彼らと仲良くしておくことにメリットしかないかと思いますがね?」

 

「公安の戦力としてあの一族を接収し、公安の、ひいては警察の戦力向上をするべきだ」

 

若手で上層部に食い込んだエリートでコネ持ちの坊っちゃんが喚く

 

「流派東方不敗の門下生で中伝くらいで卒業した門下生たちが警察にいるのにまだ足りないのですかな? 無理に取り込もうとすれば、いつの間にか世代交代で彼ら一色に染まっても私、驚きませんよ?」

 

「わが国のために使うべき力だろう!」

 

老いた自称愛国者がそう叫ぶ。

 

「千手少年、最近悪意の類を探知できるようになったそうで……試しに彼を撃とうとしたら先に釘刺しされたんですよ『悪意探知の性能把握でオレを撃とうとするな。それも探知できる』と。おそらく我々が動いたら自分たちの都合のために動いてると察して、前みたいにしっぺ返し食らうと思いますよ」

 

「わが国の民なら国に尽くすのが当然だろう!」

 

私腹肥やしながら綺麗事をほざく古株が怒りを見せる。

 

「千手少年が独り言言ってたのですが、『金庫のなかにある裏帳簿、金額合わないのは領収書の3と5が書き間違ってるから』だそうですよ」

 

「!?」

 

「……引き続き、君に彼らを任せる。下手に刺激して一族毎敵側になられては困るからな」

 

この会議室で一番偉い男が渋々口を開いてそう告げる。

 

「【傲慢な太陽】案件が解決したら引き継ぎしたいんですけどね……」

 

私の言葉に彼らは顔を見合わせたりする。

 

「……適当に人員を見繕おう。用件は以上だ。下がり給え」

 

「失礼します」

 

 

 

 

ここ数日の公安の各派閥の動き……オールマイトが倒したはずの巨悪の影がちらつく。

 

「6年という歳月は、潜伏期間だったか、後継者の引き継ぎ期間だったのか……この懸念、あの口が軽いNo.1ヒーローには言えませんね。根津校長には便宜図ってますし、杞憂なら笑い話として、墓場までもっていってもらいますか」

 

あと頼久君の中に眠る『彼』や『彼』の他にもいるという人格については……知ってる人が教えてくれるまで見て見ぬふりしておきますか。

 

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