キヴォトスに転生したので推しに会いたい   作:かびたろう

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フウカの私服実装楽しみです


4話 実績解除 推しの料理を食べる

 

 

グツグツグツ……コトコト……タンッタンッ……

 

台所から食欲を啜る美味しそうな匂いがテーブルの前のイスに座っている俺の鼻腔をくすぐる……。極限まで腹が減っている俺にとってはいい意味で劇薬みたいな匂いだ…。

 

グゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……

 

「腹減った……」

 

……じゃなくて!なんで……なんで俺は今!推しの家の中に居るんだ?

 

遡るほど数分前……。

 

俺は腹が空いて倒れてたところを発見され、なんやかんやあって俺の推し……もとい、愛清フウカのご自宅にいつの間にかお邪魔することになっていた。

 

「はい!できましたよ!」

 

コトッ

 

少し考え事をしている間に料理が完成したようだ。

 

テーブルの上に出された料理は透き通ったスープに短時間で作っていたのにも関わらず柔らかそうなホクホクとしたじゃがいもや玉ねぎ、そして鶏肉が入っている。

 

「胃に優しいポトフを作ってみました、冷めないうちに召し上がってくださいね」

 

フウカが笑顔でそう言う。

 

……まぁ考え事は後にしよう。ポトフか……あまり食べたことがないな……。

 

「い、いただきます……」

 

手を合わせそう言い、最初にスープを一口飲む。

 

「温たかい…」

 

飲み込んだスープが胃を中心に身体全体を芯から温めてくれるような気がした。

 

「!!あの……何か嫌いな食材でもありましたか……?」

 

「え?」

 

「どうして……泣いているんですか?」

 

いつの間にか涙がこぼれてしまっていたらしい。

ここに来て安心したからだろうか。

思えばキヴォトスに来て少しの間に撃たれたり、逃げたり隠れたり…忙しかったな……。

 

涙を拭う。

 

「すみません……心配させてしまって。大丈夫です、嫌いな食べ物なんてありません、すごくおいしいです」

 

「それなら良かったのですが……」

 

心配させてしまったな……。本当に何回心配させれば気が済むんだろうか。それより今は目の前にある料理を食べることに集中しよう。

 

しばらくして……

 

「ふぅ……ごちそうさまでした、おいしかったです」

 

手を合わせ食後の挨拶を言う。

 

「それはよかったです」

 

「あっそういえば自己紹介がまだでしたね」

 

そういえばそうだったな……。ていうか名前も知らない人なのに家にあげてくれてしかも料理まで振る舞ってくれたのか?本当にいい人だな……。

 

「そういえばそうでした……色々あって忘れてましたよ……全部俺のせいみたいなものですけど……本当に色々とありがとうございます料理まで作ってくれて…」

 

「いえいえ大丈夫ですよ。あっまた話が脱線してしまってましたね。私はゲヘナ学園中等部3年生愛清フウカですよろしくお願いします」

 

ゲヘナ学園中等部3年!?だから顔が少し幼く見えるのか……。

 

「愛清さんですねよろしくお願いします、じゃあ次は俺から〇〇県の〇〇高校1年の天川セイラです」

  

「天川さんですねよろしくお願いします、〇〇県の〇〇学校ですか……聞いたことがない地名と学校名ですね……」

 

「!!」

 

あっ!!しまった!そうだここキヴォトスだ!!〇〇県や〇〇学校なんてここには存在しない!しくじったな……ヤバい…怪しまれたか……?

 

「どこか遠い場所から来たんですか?」

 

「ま、まぁ……そんなところです」

 

「そうだったんですね遠いところからお疲れさまです」

 

セーフ!なんとか怪しまれなかった!!

 

「そういえば連絡しなくていいんですか?」

 

「?」

 

「あっ変な意味じゃなくて。遠くから来たのならどこか住む場所かそれ以外ならどこかあてがあるのではないかと。もう時間も遅いので心配してしまっているんじゃないのかなって」

 

あれ……もうそんな時間……?

……そういえば俺住む場所ねぇじゃん。

 

「えーと……その……あはは……」

 

やっばいぞこれ、俺急にここに転生したから金もないし住む場所もない。俺は一体どこにいけばいいんだ。

後なんで路地裏転生なんだよ!神様よぉ家ぐらい用意してくれませんかねぇ。

 

「もしかして……住む場所もあてもないのに遠くから来たんですか……?」

 

「ご、御名答です……」

 

そ、そんな目をしないでくれ!いやもっとしてくれ!その顔が見たかった!じゃなくて!!

 

「そうだ一回戻ることって……」

 

「……」

 

戻るも何も帰る場所が無いんだよな……。

 

「どうしよう……」

 

「………」

 

俺本当に外で寝ることになるのか……?嘘だろ……。転生早々野宿生活決定かよ……。恨むぞ神よぶっ殺してやる。殺してやるぞ無名の司祭。

 

「……あの……」

 

どうしたのだろうかまた悩むような感じで。

 

「もし住む場所がないのなら天川さんの住む場所が決まるまでの間、私の家に泊まりますか……?」

 

「え?」

 

神だ!神がここにいる!!いや天使か!?……いや駄目だろ。

 

「流石に悪いですよ……。しかも初対面で得体の知れない人を……泊めるだなんて……」

 

「いいんですよ、それに目の前で困っている人を放っておけませんよ。それに何か事情がありそうですし」

 

天使か!?本当に天使だろ!?優し過ぎるだろ……。

ほんとにゲヘナか……?でもなぁどうしよう流石に……。でも住む場所もないし……野宿……。よし、ここはフウカに少しの間甘えさせて貰おう!

 

「あの……よろしくお願いしてしまっていいですか……?」

 

 

こうして俺は何故か俺の推し、もといフウカの家に俺の住む場所が決まるまでの間、泊まらせて貰えることになった。

 

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