キヴォトスに転生したので推しに会いたい   作:かびたろう

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5話 推しの家に泊まることになった

 

 

「ここが天川さんのお部屋です。丁度空き部屋があって助かりました、あ、そうだ泊まるなら日用品なども必要ですね。今から近くのコンビニで必要なものを買ってきます」

 

「え!?いやいや悪いですよ!寝泊まりさせて貰える場所も頂いたのにそんな…」

 

寝泊まりさせて貰えるというのに日用品まで買わせてしまうのは流石に……。ただでさえ申し訳ないのに更に申し訳なくなってしまう……。

 

「駄目ですよ歯ブラシなどは特に、虫歯などになってしまっては下手したらおいしい料理を食べられなくなってしまいますからね」

 

うっ……確かにそうだ。フウカの手料理を食べられなくなるのだけは勘弁だな……。

 

「確かにそうですね……。じゃあそちらの方もよろしくお願いします……」

 

「では買ってきますね」

 

フウカはそう言ってくれたけど……だとしても申し訳ねぇ……。この恩は絶対にどこかで返さないと……。

 

自身が借りる部屋をもう一度見る。

 

本当に泊まることになってしまった……。いいのか……?本当に……?推しの家に?炎上しない……?

 

「はぁ……まさか……こんなことになるなんて思わなかったなぁ……」

 

「あ、そうだ天川さんシャワー浴びますか?」

 

フウカが廊下の角から顔をのぞかせそう言う。

 

「あっ愛清さん、じゃあお願いします」

 

「分かりました、では案内しますね」

 

シャワーか……そういや俺臭くないか……?キヴォトスに転生して早々ゴミ箱に入ったからな……。ん?何か違和感が……。まぁいいか。

 

そうして俺はフウカの案内の下シャワーを浴びるために脱衣所に入る。

 

「日用品を買ってきますので少し遅くなってしまうかも知れません、なので浴び終わったら自分の部屋かリビングでくつろいで貰っても構いませんので。あ、タオルはこちらに置いておきますね、後脱いだ服はそこにある洗濯かごの中に入れて置いて下さい」

 

「分かりました、ありがとうございます」

 

「では行ってきますね」

 

セイラがフウカにお礼を言うとフウカは必要なものを買いに出かけに行った。

 

「はぁ……」

 

シャワーまで借りることになってしまった……。まぁ一旦服を…脱い……。

 

ガッ ガッ

 

服が脱げねぇ。……そうだ俺コピーしたままだった。帽子が邪魔で脱げない……。どうやって解除するんだこれ……。カービィの原作では確かしゃがんで(?)解除してたっけ?

 

試しにしゃがんでみる。ついでにジャンプもしてみる。

 

「ダメだ……解除できねぇ……どうしようか……このままじゃ服を脱がずにシャワーを浴びることになるぞ……?」

 

どうしたものか。……試しに念じてみるか……?コピー解除って。

 

 

ポンッ

 

 

コピー解除と念じるとポンッという音とともにコピーの帽子が消えた。

 

「あっ多分解除できた。こんなに簡単だったのかよ」

 

そうして無事にコピーの解除方法を知ることができ服を脱ぎ、そして脱いだ服を洗濯かごの中に入れ、セイラはシャワーをゆっくり浴びることができた。

 

「ふぅ……気持ちがいいな……」

 

シャワーを浴び疲れが取れる気がする。キヴォトスに来てから早々に色んなことがあったな……。路地裏で転生して……撃たれて……。撃たれて……?

 

「あれ……」

 

撃たれた場所を見る。

 

「治ってる……!?なんでだ!?」

 

なんと撃たれた場所が傷跡もすっかりなくなって撃たれたはずの場所がさぞ何もなかったかのようになっていた。

 

「マジでなんでだ……」

 

傷があったはずの場所をペタペタと触りながらそう言う。

 

今日あった出来事を振り返ってみる。

 

「あっそういえば……雑草を食べているときに回復しているような気がしてたんだよな……」

 

でも雑草で回復……?確かカービィのゲームって食べ物で回復してたよな?もしかしてそれか?

 

「フウカの料理を食べたときに回復してたのかも……?」

 

回復能力そういうのもあるのか

 

「回復能力かぁ……」

 

シャワーを浴びながら考える。

 

「便利なのか……?」

 

まぁ……後々わかるだろう。

 

「……よし、これぐらいでいいかな……」

 

大体満足したのでシャワーのノズルを閉め、脱衣所に出てフウカが用意してくれていたタオルで体を拭く。

 

「じゃ、次は……」

 

違和感……。

 

次の行動を起こそうとするセイラに違和感が稲妻のごとく脳裏をよぎる。

 

「あれ……服……どうしよう……」 

 

確か服は洗濯かごの中に入れたはず……。どうしよ……もう一度着るか……?

 

ガチャ

 

そう考えていると恐らくフウカが帰ってきたようだ。セイラは帰ってきたときの音に気づかない。

 

「セイラさん?もう出ましたか?」

 

フウカが確認のためにおもむろに脱衣所のドアを開ける、そこには全裸でしゃがんで洗濯かごを見て悩んでいるセイラがいた。

 

「あ、やべ」

 

セイラがフウカの声で気づき、急いでシャワー室に戻った。

 

フウカは何が起こったのかが分からず脳がショートし、少しの間立ち尽くす。少し時間がたったその瞬間フウカの顔が真っ赤に染まり上がった。可愛い。

 

「す、すみません!!!」

 

バタン!!

 

顔を真っ赤にしたフウカが脱衣所のドアを焦りながら勢いよく閉める。

 

「い、いえ!こちらこそすみません!裸なんか見せてしまって!」

 

なぜ俺は帰ってきたフウカの音に気づかなかったのだろうかと少し後悔する。

 

「いえ!謝るのはこちらのほうです!!本当にすみません!!そういえば服のことを忘れていました!!」

 

脱衣所という部屋を挟んで別々の部屋から覗きあいセイラとフウカが謝り合う。なんだこれは。なんなんだこれは。

 

「服なら大丈夫です!!さっき着ていた服をもう一度着るので!!」

 

着るものがないのならもう一度同じ服を着るしかない、流石にフウカの服を着るわけにはいかないし。

 

「ダメですよ!折角シャワーで体を洗ったのにまた汚れてしまいます!!」

 

しかしフウカに反論されてしまった。

 

「すみません!服を買ってきますのでもうちょっと待っていて下さい!!」

 

バタバタ……ガチャ……

 

そう言うと焦りながら俺の服を買いに外に出て行った。

 

「行ってしまった……」

 

料理や日用品、シャワーそして服まで……。

 

「はぁ……。本当に申し訳ない……」

 

顔を両手で押さえながらため息をつく。本日何回目のため息だろうか。罪悪感みたいなもので胸がいっぱいになる。

 

「はぁ……。もう少しだけシャワー浴びるか……?」

 

その時フウカの状況はと言うと。

 

「男の人の裸……初めてみた……」

 

顔を赤面させながらそんなことを言っていた。

 

しばらくして……。フウカが服を買って外から戻りフウカがセイラに申し訳なさそうに服を渡し、セイラが貰った服を着た。

 

「天川さん……本当にすみません……」

 

「本当に大丈夫ですから……」

 

そんなやり取りをしセイラが自室に戻る。

 

「あ、布団敷いてくれてる」

 

いつの間にかフウカ布団を敷いてくれていたらしい

 

「はぁ……疲れた……」

 

ボフッ

 

セイラが疲れたのか布団に倒れ込む

 

「本当に今日で色々なことがあったな……。トラックに跳ねられて死んだと思ったらキヴォトスに転生して……。それから逃げたり隠れたり……。そして何故か推しに拾われて……。本当に疲れた……」

 

シャワーを浴びて疲れがとれたと思ったら勘違いだったらしい。そしてその瞬間どっと疲れが押し寄せてくる。

 

瞼が重い……眠い……。

 

「フウカの料理……美味しかった……」

 

フウカが作ってくれたポトフは本当に美味しかった……。また食べたい……。

 

「フウカたん……可愛かったな……」

 

そんなことをおぼろげに言いながらこれまでの疲れを癒すために、まるで死ぬかのように意識を落とし、セイラが眠りについた。

 




次回は多分セイラ初の戦闘になるかも……?
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