全自動怪人製造マシーンin異世界   作:あなたちゃん

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14:婚活②

 

 

「まぁいいや。んじゃよろしくねギフちゃん。」

 

「えぇ、よろしくお願いしますね、ご主人様。」

 

「あ、それと私も仕える方がいるから、その辺りちゃんと配慮してね? マジで。もう主人なのは諦めるけど、クモ女様に嘗めた口利いたら殺すから。」

 

「ア、ハイ」

 

 

若干気圧されているトカゲのギフちゃんを無視しながら、一応クモ女様のブロマイド。私の宝物を見せてあげる。どんな怪人であろうと、そしてハイになっていてもこのお方の強さというのは一切揺らぐことはない。なにせ写真越しに強烈な覇気を感じられるのだ。実際に会ってしまえば本当にどうなってしまうのか……。感激のあまり全身の細胞が爆散してしまうかもしれない。

 

……というか、毎度見せるのがちょっとおっくうと言うか、替えが効かない超大事な宝物なのであまり他人に見せたくない気持ちがある。今度からコピーアウトしてこの部屋の壁に飾っておいた方がいいかもしれない。

 

 

「あ、素敵な絵ですね。拝見いたしま……」

 

 

そんなことを考えながら、クモ女様の写真を見せてやったのだが……。何故かその場に座り込む彼女。

 

……え、何かあった? もしかして不敬? 不敬? は??? コロスが??????????

 

 

「い、いえ! そ、そうじゃなくて!!! あ、余りにも格が! 違い過ぎて! こ、腰がッ!!!」

 

「あ~、解る。マジでヤバいもんな。主サマの主人。ほら、肩貸してやんよ。」

 

「ご、ごめんなさいホルンハーゼ……。」

 

 

ふ~ん。

 

 

「なら、許しましょう。」

 

「「(よ、良かった……!)」」

 

 

何か下々が話している気がするが、とりあえず気にしないで置くことにする。

 

これまでは上役の私と、配下のハゼちゃんだけだったが、今日からはそこにギフちゃんが入ことになる。私に聞かれたくない愚痴はあるだろうし、この世界で産まれた同志特有の話題などもあるだろう。それに口出しするつもりは自身にはない。

 

此方としては仕事さえ真面目に熟してくれればそれでいいのだ。……まぁギフちゃんも読み書き計算出来ないのは改造前に聞き出していたので、当分教育がメインに成りそうだが。

 

 

「ま、今後に期待ってやつですね。あ、そうそうギフちゃん。改造前に聞きそびれましたけど、何か欲しいモノとかってあります? ほらご褒美みたいなやつ。」

 

「ほ、欲しいもの? な、無いわけではないけれど、流石に何の仕事もしてない自身が頂くわけにはいかないのでは? そもそも以前の醜い自身を消して頂き、これほどまでに素晴らしい体を頂いたのです。ご主人さまやその主様には遠く及ばないでしょうが、私にとってはこれで十分と言いますか……。」

 

「ん~、そういう話じゃなくってね?」

 

 

やっぱりこの子もハゼちゃんのように過去の自分が嫌いなタイプか、と思いながら言葉を続ける。

 

何度も口にしているが、自身は支部長。この基地にいる存在全てを管轄し、同時にその望みをかなえる責任があるのだ。無論仕事をしなかったり、何を任せても出来ない無能に対価を支払うつもりはないのだが、それが“走るための餌”を用意しない理由には成らない。

 

早い話。よりやる気を出してもらうための、ご褒美の話なのだ。ハゼちゃんのゴブリン殺しまくりたいという望みを叶えるにはクローン設備の復旧が必要なように、色々と時間がかかるモノもあるのだ。早めに聞いておくに越したことはないだろう。

 

 

「え。オレのご褒美ソレになってんの!?」

 

「……ち、違った?」

 

「い、いや確かにそれは嬉しんだけど、オレとしてはもっとこう。強い相手と戦いたい的な? もっと言えば主サマに相手して欲しいって感じなんだけど。」

 

「ほ、ホルンハーゼっ! 不敬よ!!!」

 

「あ、そうなの? んじゃ定期的に模擬戦みたいなのやろっか。ギフちゃんも。」

 

「え!? いいのですか!?」

 

 

ギフちゃんの叫びに近い問に、軽く『うん』と答える。

 

彼女からすれば、ハゼちゃんと違いご主人様に手を上げるとかそう言うの大丈夫なんですか? という感じの“いいのですか”だろうが、別に私は気にしない。確かに我らが主であるクモ女様にそのようなことをすればどう謝ろうが絶対に許さないが……。私は私だ、この子たちの技術向上にもつながるだろうし、何の問題もない。

 

そもそも、この身はスライムなのだ。すべての攻撃を吸収する肉体など、サンドバックの素材として最適以外の何物でもないだろう。自由に使ってもらって構わないとも。

 

 

「ご、ご主人様がそうおっしゃるのでしたらいいのですが……。して、私の望みでしたよね?」

 

「うん、そうそう。」

 

「でしたら……。番を頂とうございます。」

 

「………………婚活?」

 

「はい!!!」

 

 

あ~、う~。あ、うんうん、意味は解るよ、意味は。

 

ただちょっと予想外の答えが返って来てどうしようかな、って感じで……。うん。どうしよ。

 

 

「お、おいギフ! お前ここのこと解って言ってんのか!?」

 

「どうしたのですかホルンハーゼ? そりゃぁ今日お体を頂いたわけですから良くは知りませんが、女としてそうおかしな話ではないでしょう?」

 

「そ、そう言うのじゃなくて! ここにいるのって主様とオレら! あとは元苗床とクソゴブリンしかいねぇんだぞ!? お、おま! こ、この状況で相手ってなったら……!」

 

「……ッ! ご、ご主人様ッ!? じ、自分で言っておいてなんですがあ、アイツら! アイツらだけはご勘弁願いますッ! そ、そう命じられるのでしたら受け入れますが! な、何卒ご理解を! お、お願いいたしますッ!!!」

 

「あ、わ、解ってる! 解ってるからね! そういうの考えてるからちゃんと!!!」

 

 

色々考えていれば、私が邪推していると勘違いしたのだろう。若干泣きそうになりながらそう嘆願するギフちゃん。大事な部下のトラウマを発症させることなんてしませんって。

 

自身が考えていたのは、“地球に帰ったら”のことだ。我らがデスカンパニー、そして新生デスカンパニーには勿論多くの男性構成員が在籍している。もし彼女が夫が欲しいというのならば、私はその中から良縁を探すことになるだろう。何せこの異世界にそんな伝手はないし、今この基地にはゴブリン以外のオスはいない。

 

 

(でも今、ウチ結構殉職率が高いんですよねぇ……。)

 

 

ほぼというか、全部ピレスジェットのせいなのだが、現在デスカンパニー系列の構成員たちの殉職率は途轍もないことになっている。ピレスジェットが片っ端から殺しているせい、と言うのもあるのだが身内同士の争いも起きているのだ。

 

怨敵である彼奴が本部と総統閣下を討ったせいで、指揮系統は崩壊。亡き総統閣下に今も忠を尽くそうとする派閥や、独自の組織を作ろうとする派閥、外法を以て総統閣下を復活させようとする者たちや、我らのようにクモ女様に忠誠を誓う者がいる。まぁ色々とややこしい感じなのだ。

 

つまりまぁ彼女に良縁を用意するには、ピレスジェットを撃破し、クモ女様を頂点としたデスカンパニーを再興をする必要があるわけだ。じゃないと即未亡人になる感じ。

 

 

「と、とりあえず色々と考えておきます。勿論ゴブリンじゃなくて、人間ですからね?」

 

「ご主人様……!」

 

「あ、それと。貴女の境遇を理解して許容、もしくは受け入れて一緒に歩いてくれる人を優先的に紹介するようにしますから。ほらギフちゃんってこれまで“苦労”したでしょう? 職場結婚みたいな感じにはなりますが、その分うちは“守備範囲”広いんで。何とかなると思いますよ? 我が名とクモ女に掛けて見つけてみせましょう。……それに至るまで何年かかるか解りませんが。」

 

 

まだ地球への期間、その糸口すらつかめていないので最後の方の声が酷く小さくなってしまったが……。嘘は言っていない。私も彼女の雇用者にして主人の名に恥じぬよう、完璧な夫を探し出してみせよう。

 

ゴブリンに犯されて既に多分何人か産んでる異世界人と聞けば若干引くやつの方が多い気がするが、おそらく本部のあった日本であれば、確実に候補者がいるはずだ。ウチは色々特殊故に様々な性癖に理解があるし、その中でもあのエリアは更に数世紀先へと進んでいる。しかもクモ女様が潜伏なさっている地域として最有力とされているエリアでもあるのだ。色々とちょうどいい、と言えるだろう。

 

この辺りのことは未だ異世界のことを理解していないだろうギフちゃんに伝えても解らないだろうと思い、単に脳内で回していたのだが……。

 

何故か急に、此方に向かって跪く彼女。

 

 

「このギフトシュヴァインっ! ご主人様に最大限の忠義を誓いますッ!!!」

 

「…………は、ハゼちゃん?」

 

「いやオレに助け求められても。」

 

「ホルンハーゼっ! 貴女なら解るでしょうッ! ゴブリンに捕まった子がどういう風にみられるかっ! 嫁の貰い手どころか村でも町でも居場所無くなるんですよっ! そ、それなのにご主人様は居場所どころか新しい体、更に番のご配慮まで……ッ!!!」

 

「あ~、うん。解ったから。解ったから、な? 泣くの辞めような? ほら主サマも困ってるし。」

 

 

……なんか濃いの入ってきましたねぇ。まぁ退屈する心配がないので良いんですが。

 

ともかく彼女の願いをかなえるためにも、帰ったら本気で婿探ししないとですねぇ。

 

あ、そうそう二人とも。落ち着いたら読み書き計算のお勉強しますから、用意しておいてくださいね? 仕事するにもまずは一定の学力がないと。それぞれの目標のため頑張ってくださ~い!

 

 

 

 

 






〇出張拡大! とてもよく解るネオ・デス博士の怪人講座!(怪人ギフトシュヴァイン編)

はーはっはっ! ごきげんよう諸君! ネオ・デス博士である! 今日もゴブリンと比べれば格段に優秀な貴様らに相応しい講義を“懇切丁寧”に勤めさせて頂こう! この人類史上最高の頭脳を持つ私に勝ることは不可能だが、その足元に及ぶ程度には後押ししてやる! さて今回の議題は異世界2人めの怪人である『怪人ギフトシュヴァイン』を見ていこうではないか! 響きが悪いということでトカゲではなくドラゴン、すなわち毒の龍という名にしたということだが……。まぁ良い! 名前負けしていないか確かめてやろう!

では基本スペックだ!

■身長:171.8cm
■体重:64.9kg
■パンチ力:22.4t
■キック力:38.0t
■ジャンプ力:11.2m(ひと跳び)
■走力:6.5秒(100m)
★必殺技:ヴェノムフォール

うむうむ、スペックはそこまでだが能力で戦う怪人、といった感じだな!

まぁ未成熟なところはあるが、毒と自切、そして再生を上手く使えば化ける怪人がコヤツだ。本来のトカゲは尻尾しか千切れず、その回数にも制限があるが……。此奴は無制限。しかも強化されている故に即座に再生が可能なのだ。つまり辺り一面を自身の腕や脚だらけにし、その切り口や先端から神経毒を噴射、一瞬にしてその一体を毒沼にすることが可能、というわけだ。

そして切り離した手足は動かすことは出来ないのだが……。サポートアイテム。ドローンなどを使うことで更に動かすことも出来る。毒沼に入った対象の足を掴んで引きずり込むなども可能だ。さらに素体自体が感覚に優れているというか、五感以外の何か、第六感というモノに優れているように見受けられる故、こういう手足を増やす。“感覚を増やす”というのは上手く嵌る事だろう。

正面戦闘ではホルンハーゼに劣るが、準備を怠らなければひっくり返せる。そのような怪人だな!

……にしても婚活か。まぁうむ。大変だろうが頑張り給え、うん。え、我? わ、我は結婚してないからそういうのよく解らないというか……。

う、うむ! では今日の講義は以上! 次までにもう少し真面な頭脳を手に入れておくがいい! さらばだ!!!






感想、評価、お気に入り登録いつもありがとうございます。
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