黒鬼の動画編集班(個人)兼マネージャー   作:まあまああまあま

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50連で異格真銀斬と異格プラマニクスさんを確保したことをお知らせします。異格真銀斬、スキルも素質も何かいてるかわかんねぇ……。解説待ちです。


本編中で出なさそうな情報開示
・mitoの知名度について
 Black onyXのマネージャーとしてそこそこ知られている。少し追っているファンなら大体知ってる。イメージとしては某日常系グループの某冠さん的な感じ。また、SETSUNAをメインで遊んでいた層からも認知されている。


順風満帆の対義語のような

 タダ飯というのはいいものだ。値段じゃない、お金を出さなくていいというのが気持ちいい。

 そんなことを考えつつ焼き鳥を齧りレモンサワーを流し込む湊。あまり高くない居酒屋にしてはアルコールが濃い。いいお店を知っているなこいつ、といった表情で蒼空(ソラ)をみる。

 

「ジロジロ見てきてなん()ぁみなと? 喧嘩するかぁ?」

 

 顔は真っ赤、呂律は若干回っておらずテーブルに半分突っ伏している蒼空がいた。

 下戸なのである。とんでもない下戸である。サワー二杯で完全につぶれている。手元にある三杯目のウーロンハイ

 は、湊の手によってひっそりとウーロン茶に変えられている。

 

「お前の奢りだから来たのにほんとに支払いできるのかなって」

「お金ならあるから!!」

「金の問題はしてないんだよなぁ……」

 

 言いながら新しく梅酒のロックを注文する湊。最近の居酒屋はスマホで注文できるため蒼空が気づいた様子はない。

 蒼空は「大体さぁ、湊はさぁ……」とブツブツ呟いている。

 

「いいから水飲め水。ほらこれ飲め……バカそれはおれの梅酒だよ!」

 

 

 

第四話 順風満帆の対義語のような

 

 

 

(昨日はひどい目にあった……)

 

 あの後、酔いつぶれた蒼空に気合で財布を取り出させ、気合で支払わせ、駅どころかアパートの入口まで運んだ湊。蒼空は「まだいける……」などと言っていたが信じられるわけもなく。そのままお開きとなった。

 そして今、湊は微妙にダルさの残る頭でBlack onyXの面々と拠点にいた。その要件とは──

 

「大会だぁ?」

「そ。crazy MOONがKASSENの大会開くんだってさ」

 

 crazy MOON。ツクヨミは勿論のこと、FPSやMOBAなど幅広いジャンルの選手を抱えているプロゲーミングチーム。様々なゲームタイトルで世界大会にも出場しており、ツクヨミ以外のゲームも含めると総合的なファンの数ではBlack onyXよりも多いかもしれない名実ともに日本トップクラスのプロゲーミングチーム。

 そんなチームが大会の招待を送ってきた。他に誘われている面々を確認すると元プロやら現プロやら最高ランクのストリーマーやらのずいぶんと"ガチ"なメンツを招待している。

 

「んでまずは参加するかしないかの確認を。そしてメンバーは……まあいつも通り三人でいいよね」

「当たり前だな」

 

 ツクヨミにおいて、メンバーが足りない場合チーム外のメンバーを誘ったり、ソロでプレイしているもの同士で組むことは当たり前に行われている。そのため、スポンサーが個人単位でつくことが多い。

 しかしBlack onyXは基本的にチームで出場している。人数に制限がある場合は外部の人間を誘ったりリザーバーとして登録しているmitoを駆り出すこともあるが、3人以下の人数であればチームメンバーで出場することが基本である。

 今回はSENGOKUであり3対3であるからこのままのメンバーでいいだろうということで帝アキラ・雷・乃依をメンバーとして提出する。

 

「はいメンバー提出完了。あとはまあいつも通りがんばってくれ」

 

 crazy MOON宛にメンバー決定のメッセージを送りウィンドウを閉じる。どうせおれは出場しないから勝手にがんばれ、と適当なエールを送るmito。一応コーチとしての役割もあるが名前だけだ。Black onyXには専門のコーチがいないため、いつもmitoが入っている。なんとなく空欄で提出するのが嫌だからという理由である。

 しかしゲームに口出しをしたことはない。タイムアウトを取ったりもするが、大体帝から合図が送られてきたときである。つまり名前だけ。作戦も対策もすべて三人が考えている。

 一応SETSUNAであれば教えることができる。シンプルなPS(プレイスキル)勝負の何をコーチングするんだという話だが。

 

「とりあえず日程はこんな感じ。ダブルエリミネーショントーナメント*1で二日間。決勝だけBO3になる感じで、スクリムは本番一週間前から一日二戦できるらしい」

「スクリムは相手選べるのか?」

「相手が了承してくれればだけど一応選べるよ。あ、でも相手がその日二戦してたらもうダメだね」

 

 正直断る理由はあまりない。別チームの練習風景、スクリム配信の視聴は禁止事項として定められているし、対策するには対戦するしかない。Black onyXの対策をしたくないチームはいないはずなので断られることはないだろうというmitoの予想だ。

 

「じゃあ軽く作戦を立てるか」

 

 帝が音頭を取る。インベントリからホワイトボードを実体化させる。mitoとしてはタブレットのほうが絶対に便利だと思うが、他三人はホワイトボードに書き込む形式のほうが好みらしい。

 

「それじゃあざっくり今のメタからだな。今のメタは予想通りトップ2ボトム1で──」

 

 小難しい話が始まったためひっそりとウィンドウをプライベートモード*2にしてネットサーフィンを始めるmito。別にmitoとしては勝ち負けは割とどうでもいいのだ。そりゃ負けたら悔しいが、別に自分が出ているわけでもないしなぁという気持ちである。

 ちなみにもし出場していたら何が何でも勝ちを拾いに行く。たとえ炎上するような手を使ってもだ。極度の負けず嫌いである。

 

(お、カカたそ(黒羽カカ)テテテ(テレリリ・ティートテート)さんが歌みたあげてる。あとで聞いとかねぇとな。そういや今週のオタ公ニュース見てないし今のうちに見とくか)

「──で、こういう動きを取ってくるって予想できるが、これに対するカウンターとかなんかあるか? さっきから話聞いてなさそうなmito」

「ん? ごめんマジでなんも聞いてなかった」

「よしシバく。ガチでシバく。無限SETSUNAやるぞおい」

「ちょっと待て帝。そもそも話を聞いていたとしてもおれが上手い作戦を思いつくとでも? おれ生粋のミクロプレイヤーだぞ」

 

 mitoのマクロはゴミである。基本的にPSにモノを言わせて破壊するといったプレイしかしていないからいつまでたってもマクロが身につかない。そのためマクロが大切なSENGOKUをmitoはあまり好んでいなかった。ミニオン狩りより人を狩らせろ。レーンってなんだよタイマンしようぜ。危険思想を持った生粋のSETSUNAプレイヤーである。

 

「……それもそうだな。脳金に話を振ったのが悪かった、ネットサーフィンしてていいぞ」

「そういわれると腹立ってきたな」

「いいから座ってなよミト。ミトの知能じゃなんも思いつかないんだしさ」

「よし、乃依はぶっ殺すことが今決まった」

 

 やいのやいの騒ぎ立てる帝、乃依、mito。話し合いどころではない雷は小さく溜息を吐き天を仰いだ。こうなってしまったら話し合いは進まないというのが過去の経験からよく理解している。

 一人でホワイトボードに向き合い、脳内で一人会議を進める雷であった。

 

 

 

 

 

「順調そうだな」

 

 carzy MOON CUPのスクリムにて。Balck onyXは順調に勝っていた。勝率は七割弱と参加チームの中で圧倒的だ。

 それも当然と言えば当然である。Black onyXはプロの中でも相当上澄みである。プロ・元プロ相手ならまだしも、ストリーマーに負けるなどあるはずもない。

 

「ま、そりゃそうだ。なんなら全勝じゃないのがおかしいくらいだぜ」

「はいはい。ま、その様子なら決勝まではいけそうなようでなにより。きっちり勝ち切ってくれよ?」

「誰に向かって言ってやがる。ま、俺様達に任せとけって」

「まぁ俺らが負けるわけないしね」

 

 大口を叩く帝、それに同意する乃依、無言で頷く雷。三者三様のふるまいをするが、三人ともが自分らが最強だと思っている。カリスマ性とそれに伴う実力。それがBlack onyXをトッププロたらしめているものであり、同時にトップライバーたらしめているものである。

 

 そして、大会の日がやってくる。

 会場には──帝とmitoしかいなかった。

 

「なあ帝、どうする」

「黙れ。今全力で考えている」

 

 乃依と雷は兄弟である。そんな兄弟の元に、親戚の訃報が届いた。急遽地元に帰ることになった二人。流石に大会に出場させるわけにもいかない。そんな理由で、今この場に二人しかいなかった。

 mitoはコーチ兼リザーブであるから出場できる。しかし、それでも二人。SENGOKUは3vs3なのだからどうにかしてあと一人を確保しなければ敗退が決定してしまう。

 

「一応crazy MOONに連絡はした。試合順を可能な限り後に方に回してくれてるが、試合までにあと一人見つからなきゃ失格だと」

「助かるぜマネージャー。……チッ、実力者がいねぇ」

 

 実力のあるソロプレイヤーはもうすでにチームに誘われているか日程の関係で出場できない者が多い。また、この大会においてある程度の実力がなければそこが穴となり敗北につながるだろう。

 あのさ、と非常に、とてつもなく嫌そうな顔でmitoが口を開く。

 

「……SETSUNA時代の知り合いでも呼ぶか?」

 

 それは、昔mitoが荒れていた時の事。mitoはひたすらSETSUNAに潜り続けていた。対人関係最悪、口を開けば碌でもないことばかり、しかし誰も勝てない。そんな本人からすれば黒歴史としか言いようのないときの話。その時に野良マッチングで帝と出会い今があるのだが、それはさておき。

 SETSUNAプレイヤーの大半から嫌われていたmitoであったが、それでもそんな彼と関りを持とうとした珍しい人間は存在した。その人物は丸くなった今のmitoが気に食わないようで隙あらば昔の感じを求めてくるため、mitoとしてはあまり関わりたくない人物なのだが非常事態とあればそうも言ってられない。

 

「いや、それはほんとに極限の時でいい。こっちでも当たれるだけ当たってみる」

 

 ただ帝もそれをわかっているため、それは最終手段としたいようだ。知り合いの実力者にDMを送っているようだがうまくいっていないようだ。

 試合時間が刻一刻と迫ってきた。帝が心苦しそうな顔でmitoに向かって口を開く。

 

「ミト、ああ言った手前本当に申し訳ないんだが──」

「お二人とも、お困りのようだねぇ」

 

 頭上から声が聞こえる。透き通った美しい声だ。声に釣られ上を見上げる。そこには、ツクヨミの管理人月見(ルナミ)ヤチヨがいた。

 

「ヤッチョが最後の一人(ラストピース)になってあげよう!」

*1
敗者復活あり

*2
ウィンドウを自分にしか見えない設定にすること




読まなくてもいい設定コーナー
・プロゲーミングチーム"crazy MOON"
 ほぼCR。ツクヨミ以外にも5vs5爆破FPSやバトロワ、MOBAや非対称対戦ゲームなど様々なゲームのプロが所属している国内有数のプロゲーミングチーム。ストリーマーやクリエイターも多数在籍している。
 また、定期的に様々なゲームで大会を開催する。誘われるのはプロや元プロ、実力派ストリーマーなどが集められるガチ大会から、様々なライバーが集められるエンジョイ大会まで。今回は前者。

正直ツクヨミのプロというのがよくわからないんですよね。ツクヨミのメインがMMOなのかPVPなのかわからないしどこまで大規模な大会が開かれてるのかもよくわかんないしBlack onyXの大会実績も「CRカップ優勝」みたいなのしか書いてないし……。そこらへんは追々考えておきます。未来の自分に丸投げ。
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