目を開ける。
水底から浮き上がるような晴れ渡った視界。
寝転がる身体を包んでいたのは見渡す限りに満たされる透き通った水面で、何かが触れる手を見てみれば、そこには髪を下ろしたヤチヨが泣きそうな声で名前を呼んでいる。
「──弥、弥、彩葉が起きてくれないの......」
すぐ隣には瞼を下ろして同じように眠る彩葉さんがいて、不思議にもその姿に不安を覚えることはない。
「すぐに起きるよ、大丈夫、大丈夫......」
身体を起こし、彼女の背中に手を回してぎゅっと強く抱きしめる。不安に体を震わせる彼女のことを宥めた自分の声も、また震えていた。
「俺、だめだった。
結局かぐやが居ない時の普通なんてわからなくなっちゃって。体が欠けたみたいに、何もできなかった。
......かぐやがいないと、寂しいよ」
ほら、もう彩葉さんも起きちゃう。
彼女の体から自分を離して、その手をゆっくりと、彩葉さんの手のひらに重ねさせる。もう一度触れ合って、言葉を交わせた。
それで俺は満足だから。
「彩葉っ!」
彼女が目を覚まし、体を起こす。
そのまま何も言わず、ただヤチヨの体を抱きしめた。そこにあることを確かめるように、自分の中にある相手の大きさを受け入れるように。
「私、成長したよ?
みんなを頼れるようになって、きっとかぐやがいなくたって、十分ハッピーエンド。
お話はもう...... おしまい」
それはハッピーエンドに連れて行けなかった、と悲しげな顔を見せた彼女に対する、彩葉さんなりの『大丈夫』。
気負わないで、気にしてないよ。そう封じ込めたはずだったのに、彼女の頬を流れたのは大粒の涙で、開いた口から衝動的に溢れたのは心からの願いだった。
「......かぐやと、一緒にいたい」
「──もう、これで終わってもいいって思ってたのに......」
皆、涙を流した。
それは悲しみからくるものではなくて、もう出会えないと思っていた者同士の心が繋がった、何よりもの喜び。
ヤチヨが口ずさむReplyのフレーズ。そして彩葉さんが歌うRememberのフレーズは、お互いがお互いのことを支え合ってきた、綺羅星のような証明となる。
「いつも、思い出してた」
「この曲で生き残れた」
指先が触れる。
差し出された指を合わせて、手で模った狐の鼻が触れ合ったそれは、忘れることのできない仲良しのサイン。
2人の手に触れたヤチヨは懐かしむように、そして失ったものを思い出すように微笑む。
「触れたら暖かいかなって、いつも思うんだ。
また、一緒にパンケーキを食べたいなぁ」
ツクヨミの中には感じられる温かさも、味も匂いもない。
それはVR。バーチャルリアリティという枠組みの中に存在している以上、逃れられない問題。その中に生きてきたヤチヨにとってそれは叶わぬ夢であると分かっているのだろう。
夢は夢。叶わないことを呟いただけのヤチヨに、彩葉さんの目が何か気づいたように輝く。そしてそれは、俺の頭にも漠然と浮かんだもの。
「──まだなんだ」
口から出たのは気付き。
メンダコ── シライシが10年近く後の未来から月へ向かったように、このお話はまだ終わりを迎えていない。
それはヤチヨも、彩葉さんも、俺も同じ。
「このお話には、まだ続きがある!」
希望を持ってそう言い放つ彩葉さんに深く頷き、その辺で涙を流していた、メンダコに戻っていたシライシの頭を力強く鷲掴みにした。
今にも消えそうなその体を何回か叩いて、気合を入れろとAIに向けた言葉とは思えない根性論で奮い立たせる。
「手伝ってくれ、シライシ。
おまえを作ったのが俺なら、俺が俺としておまえを作ったのなら、ハッピーエンドを見るまでまだまだ消えてらんないだろ?」
「て、手伝うって何を? 僕はヤチヨを助けることしかできない、それだけの──」
「それだけで十分だよ。
ヤチヨと今後やりたい事を話す、それだけでいいだろ? 彼女が今後自由ならシライシだって自由に生きていいはずだ」
「でも僕、限界が近くて......」
うだうだと、あれこれ理由をつけて諦めたがるその姿は昔の俺を思い出す。
ならば強く詰めてやろう。そう思い立って頭の中を整理すれば、出るわ出るわシライシから託されたAI作成の手順、その無駄や短縮できるルート。
それら全部を軽くまとめて口にしてやれば、彼女はそのつぶらな瞳から涙をこぼした。
「そっ、そんなに言わなくたってぇ......」
「言い過ぎたか...... まあ、だから安心しなよ。
君が能天気にヤチヨと話してれば、10年もしないで新しい入れ物が出来る。
そっちに移し替えれば今後とも一緒だ。もちろん好きな様に生きていい。
月には新しいAIを送ってやればいいからね」
できるの? やれるさ。
そんな言葉を交わしていれば、立ち上がった彩葉さんが突き出した手のひらが目の前に。笑って自分の手のひらを合わせると、彼女は力強く宣言する。
「私、やりたい事ができた!
本当のハッピーエンドまで、付き合ってよね!」
そこからは怒涛だった。
まず、彩葉さんは進路を大幅に変更。法学部という文系分野から理系の方向へ舵を切ったものだから、母親の紅葉さんが許してくれるかを祈りながら電話する姿を見ていたのを覚えている。
少し話し込んで、無言の時間があって。
通話を切断した彼女はすぐ横にあったソファーに倒れ込むと、小さな声で『言えた』と。
「はなまる、いりますか?」
「......もらっちゃおうかな」
それがすごい嬉しくて、隣に座って見下ろしながら、彼女のおでこにくるくると花丸をつけた。
俺は彼女の家族が幸せそうだった頃を知っている。
お父さんがいて、そこを中心に笑顔があって。
彼が亡くなってしばらくはギクシャクした関係が続いてきたのだろうけど、この様子ならきっと、これからは問題ないだろう。
そして俺はと言えば、特筆して何かが大きく変わったわけではない。
強いて言うならば毎週末は自分の部屋があるアパート、その一室に入り浸るようになったくらいか。
かぐやの乗って来たタケノコのあるその部屋は最新式のコンピューターが設置されていて、AIを作るにしてもヤチヨのあれこれを調べるにしても都合がいい。
幸いにもアーキタイプとなる知識はシライシが教えてくれたから、彼女の新しい体を作るのも月に送る新たなAIを1から作り出すのも、長い時間はかからないだろうとタカを括っていた。
「そういえば、前の輪廻? ループ? の俺ってどんなふうだったの? 月に君を送ったってことは、かぐやとは会ってたんだろうけど」
「そうだなぁ...... 特筆して変わることはないよ。
今の君よりずっと健康的な顔をして、腑抜けた感じの表情をしてはいたけどね」
「ふうん、想像できないな......」
そう言って画面に向き直れば、仮の肉体としてペットロボットを改造したものから声を出していたシライシが、単純な疑問として口を開いた。
「......彩葉とかぐやの結婚相手とか聞かないの?」
びっくりしてタイピングの音が爆音になった。
滅多なことは言うもんじゃない、キーボードだってタダじゃないんだからと軽く叱りつけるが、シライシは悪気のない声で続ける。
やれヤチヨとのコラボライブでかぐやが結婚って言っていただの、かぐやが月に帰る時、大好きって言ってたじゃないか、だの。そもそもそれは彩葉さんにだって向けられてたわけだし、記憶領域の拡張をする時に見てしまったのだろうが、好奇心もそこまでにしといたほうがいい。
「き、聞かないからね」
「ふぅん。へえ、そう......
一応聞くけど、君は2人のこと好きなの?」
「大好きだけど」
「オッケー、伝えとこ」
メッセージアプリを起動しようとした彼女を止め、この話は終わりと切り上げる。まあ、まともにヤチヨ以外の話し相手ができて嬉しくてちょっかいをかけるのはいいが、こんな話ばかりしていたものだから完成には結局10年近くもかかってしまった。
もっと早くに終わらせる予定だったのになあ。
そんなシライシだが、なんだかんだで新調した体はなかなかに気に入っているご様子。
人間の姿でツクヨミにログインしては『君がギターなら僕はベースでしょ』と息巻いて弾いて、全然ダメで凹んだり。メンダコの姿でログインしては、時折ヤチヨの配信を手伝ったり。
なかなか人間臭く、幸せそうに生きている。
ヤチヨ...... かぐやもそうだが、なんだかんだで8000年も輪廻に縛られ生きて来たのだ。これくらいはっちゃけたところでバチのひとつも当たるまい。
かくいうヤチヨはどうしたのか、と言われれば、彩葉さんのタブレット端末に入っては俺たちを見て微笑んでいる。
時折俺らをコラボ配信と称して呼び出したり、俺の見ていないところで無理したりする彩葉さんを軽く咎めておいてくれたり。
「弥、そろそろ寝ないと体に響いちゃうよ?」
「もう少し......」
「──よよよ〜。ヤッチョの言葉も届かないなんて、そんなぁ〜!」
「わ、わかったから...... そろそろヤチヨも眠る時間でしょ、一緒に寝よっか」
......まあ、そんなこともある。
俺を寝かせたいのか、それとも自分と一緒に寝て欲しいだけなのかはわからないけど、そんなわがままも愛おしいと思うのはおかしいことかな?
きっとそうではないって、俺は信じているよ。
高校を卒業して、社会人。
大学にも行こうと思えば行けたけど、やっぱり俺は就職することにした。
でもそれは前まで考えていた『面倒だから』とか『やりたい事もないし』みたいな理由とは全く違くて、ちゃんと守りたいものがあるが故の選択。
「彩葉さん、バイト減らさなきゃですよね?」
彼女は少し渋い顔で、手首で揺れるかぐやの腕輪を見ながら頷く。
彩葉さんは大学生。普通であれば時間に余裕があったりしてバイトを増やし、高校の時よりも稼いでる人がいたりもするけれど、目的を持って大学に入った彼女にはそんな時間がないのが現状。
ともすれば、ネックになるのはこのタワマン。
月々の家賃はかぐやのチャンネルから入ってくる収益があったとしても馬鹿にならず、賢い選択を取るなら今すぐにでも退去して他のアパートにでも引っ越すべきだろう。
しかしその考えは2人の間に存在しない。
なにしろ、ここはかぐやの帰ってくる場所なのだ。
「じゃあ俺が稼ぎますよ」
「いや、それは......」
「ダメですか?」
まあ、嫌なのだろうな、とは。
自分にとってはやりたいことでも、他人から見ればソレは誰かの為に身を犠牲にしている、数多あるはずの可能性を打ち捨てているのと同じ。
俺たちは無意識の中で対等である事を望むが、その実、お互いに献身したがりでもある。
どうしたものかな、どうやって説得しようかな。まずは後ろ向きな選択じゃない事を理解してもらわなくちゃ、と考えたところで、記憶の奥がある事を思いついた。
んんっ、と咳払いをして、わざとらしく視線を外しながら口を開く。
「彩葉さんはやりたい事に集中できて、いつも通り家事洗濯に時間を奪われないでハッピー!
俺はかぐやの帰ってくる場所を守れて──」
「Win-Win?」
「そう!
っていうか、覚えてたんですね?」
その会話は、当時住んでいたボロアパートにかぐやが現れる前。
食費を負担していた自分に対して彩葉さんがお金を渡そうとして来て、ソレを嫌がった自分と彼女の口論の中で出て来たものと酷似している。
それに気づいた様子の彼女は先ほどまでの申し訳なさそうな表情を取り下げ、クスクスと笑って『当然でしょ』と腹を抱えている。
あの頃から、俺たちは変わった。
彩葉さんは他人を頼るし、俺は何もかもがすり抜けていた手のひらに、大切なものを掴んでいる。
はー、とひとしきり笑い終えると、彼女は信頼を寄せた優しい声と共に、小さく頭を下げた。
「お願い、しても大丈夫そう?」
「はい!」
いつかお礼はするから。
言われたその言葉を軽く受け取り、鼻息荒く頑張らなくてはと意気込む。
その時点で高校2年生。土日はシライシの新しい体と渡された情報から新しいAIの構築、平日はバイトに彩葉さんのお世話にと大忙し。
それでも前向きに進んでいけるのは、きっとこの先にハッピーエンドがあると信じているから。
「あがががががぁ」
「うわごめん、電気強すぎたかも!」
時間は進み、研究所所長という大層な肩書を手に入れた彩葉さんが器具をロボット的な腕の模型へ近づけると、バチンという強い音と共に激しい刺激が頭の中に走る。
彼女のやりたいこと、それは人に限りなく近づけた人口の肉体、アバターボディを作り出すこと。もう一度、みんなでパンケーキが食べたい。
ヤチヨがこぼしたその願いを叶える為、彼女はびっくりするような実績を引っ提げて、都内から少し離れたところに建ったラボで研究を続けていた。
もちろん俺もその手伝いに躊躇はしない。
今日も今日とてお付き合い、というわけ。
「ひえ〜、痛そぉ〜」
「はは、シライシは絶対やるなよコレ。
神経にダイレクトで来るからな......」
彼女のデスク、そこに置かれた椅子の上でうごうごと瞬きをするメンダコのぬいぐるみにはシライシの意識。すでに新たなAIの完成、経年によってバクの起きていたプログラミングの箇所を修正して体を手に入れたシライシの反応は、まるで生意気な兄弟のよう。
ヤチヨが言うには時折座った彩葉さんに抱えられているという話だが、まあ、べつに? もうそろそろ27歳になる俺が嫉妬したりはしない。 ......しない。
10年も経てば、人間関係も変化する。
真実さんは高校時代から付き合っていたらしい人と結婚して2児の母。かぐや卒業ライブでチートを使ったブラックオニキスの3人は大きく社会的な罰を受ける、と言う事はなく、ヤチヨによる弁解もあって今も元気にライバーを続けている。一時期は少しチャンネル登録者が落ち込んだと聞いたが、今でもトップであるのはその分を取り返したことの証左だ。
いや、流石に乃依くんと朝日さんが同棲している、と言われた時は驚いたが、まあそう言うものだろうと納得はできたし。
「最後のブレイクスルーは目の前なのよ。
はっきり言います...... お兄ちゃん出資して!
損はさせないから!」
「いやいやいや、俺をどこの富豪だと思ってんのよ......」
「えっ、富豪じゃないんですか?! トップライバーなのに?!」
「弥のその信頼もどこから来たんだ......」
お兄ちゃんは強いからできるよ、なんて根拠のない信頼が彩葉さんの口から出るようになって、何百という夜が過ぎた。
ぐっ、と拳を握ってまっすぐ見据えるその目に対して朝日さんが小さく苦笑いをすると、どこか安心したような表情で『いいよ』と頷く。
「
「俺のアバターボディも欲しいなー......」
「俺と乃依も協力しよう。たまには人のためってのもいいだろ?」
「え、ガラじゃないんですけどー?」
また顔を出すと約束して研究室から出ていったブラックオニキスの3人は、現実でもツクヨミの中とそう変わらない仲の良さ。やっぱり積み重ねて来たものがあるんだろうな、と思う一方で、その後ろ姿に対してものすごい勢いの視線を送る女性に対してはいくらかの苦笑いをしてしまう。
「まさかいまのは......」
「兄!」
「に、にょわぁ〜?!」
聞いたことのない声で震え上がる真実さんの左手薬指には銀の輝きが見える。
それすなわち既婚者である、ということなのだが、その前提条件から絶対に出力してはいけないであろう顔が、3人の出ていったドア付近へと向けられていた。
そんな顔してたらお子さんが泣くぞ、なんて。ほんの二日三日しか子育てをした事がない自分には決して口出しできない事だが。
「彩葉、図々しくなったね〜?」
「まあ色々ありましたから!
私もう、ヤチヨを追い越しちゃったかもよ?」
彼女は強い。
もう1人で頑張って倒れたりなんてしないし、誰かを頼ることに躊躇もない。
立派になったな、なんて誰目線? それでも思わずにはいられないその感情を微笑みに変換しながら、終業時間だと椅子から立ち上がった彩葉さんの目元を撫でた。
「今日はハンバーグですよ」
「ほんと? お腹すいちゃったなー」
「いっぱい食べましょう、俺、明日は休みですから」
「──おはよう」
ベッドに寝転がる金の長い髪。
人に限りなく近い見た目から聞こえてくる起動音は、彼女の身体が機械で構成された、いわゆるアンドロイドであるという事を示している。
しかし重そうに身体を起こす所作も、吐き出される息も、全て彼女がそこに生きているのだと思わせてくれた。
「YC型のボディより適合するね......?」
研究者、そしてプロジェクトの責任者としてモニタリングを優先する彩葉さんの顔を視線で追って、かぐやはちょっと考え込んでから『パンケーキ!』と思い出したように身体を得て真っ先に食べたい物の名前を呼ぶ。
その口を溢れたヨダレを袖で拭いてやれば、彼女はその手を軽く掴んで、身体がある事を確かめるようにぐりぐりと手のひらを頬に擦り付ける。
柔らかな感触は、8000年を積み重ねたかぐやが帰って来たのだと感情を揺さぶるのに十分だ。
「味覚はもうちょっと、ね?」
「えへへ、1秒だって待てないよ〜!」
ツクヨミの中では感覚らしい感覚はない。
ヤチヨとして生きている間、彼女は地面に足をつけても浮いているような感覚に加え、何を食べても味のない絶望が少しはあったのだろう。
足を踏み出せば、そこに感触がある。
何かを食べればそこに味がある味覚の実装も近い。
待ち続けた今が目の前にある。
その事実に軽く息を吐いて天を仰ぐと、それならばと次のことを考え始めるのは人間のサガだ。
「復活ライブの準備しよっか?」
「──するっ! 今度は弥も一緒に!」
「はは、よろこんで。
......おかえり、かぐや」
それからはまた、いろいろ。
8000年を生きたヤチヨとかぐや。その2人の人格を分けて、それぞれの意識をYC、KG型のボディに導入したり。
復活ライブを現実とツクヨミの同時開催にしたい、と言い始めた時は頭を抱えた。
「AR技術を使えばできると思うよ? ヤチヨも出るわけだし、現実のライブではスマコンを着けてもらう必要はあるけど......」
「え、できるの?」
「ふふ、8000年ヤチヨと話して過ごしただけじゃないの!」
そうして始まる、かぐやの復活ライブ。
現実でのライブなんてやった事無いが、それでも楽しそうに緊張している様子もない彩葉さんとかぐやを見て、自分の緊張がバカらしくなる。
楽しめばいいんだ。
ツクヨミ側からアバターを現実に映してド緊張しているシライシの背中を叩いて、腹を決めろと開かれる扉の前で並び立つ。
「久々すぎ〜っ!」
「8000年ぶり?」
「ヤッチョは先週ぶり〜! 弥たちもいーっしょ!」
「ひぇ〜っ、緊張する......」
その光景に思わず笑ってしまった。
微笑むとかじゃなく、声を上げて強く。
その笑みは伝播して、みんなひとしきり笑い終わった後、ぼそりとつぶやいた。
「──みんな、1人じゃないね」
扉が開く。
歓声と光の渦。せーの、と彩葉さんが口にした声に息を合わせ、その中へと飛び出していく。
僕らが見た、ハッピーエンドの中へ。
一旦終わり。
その後も書きます、筆者感想も活動報告にあります。
みなさん超かぐや姫! を見ましょう。