エンジンに点火すると、首の周りに黒い輪が現れる。
その状態で、風上へ向けて走れば
フワリと、機体が浮いて宙に浮かぶ。
カラスみたいだ、と思った。
「新入り、あんたは運がいい。なんせ長距離哨戒の日じゃない時に来たからな」
最前方を飛ぶ、
小隊長は珍しい赤目で、左顔面に火傷痕があった。
「…! 先輩、あれは…?」
私の視界に見たことのない、壁のようなものが映った。
「ああ、あれ?沿岸防壁だよ。」
私と同じ一五式半自動小銃を持つ
なるほど、私は名称とどんなモノかというものは習ったが、実物を見るのは初めてだった。
納得した私の目に、大きな建物が入り込んだ。
「じゃあ、あの建物は何ですか?」
「要塞。正式名称 対モルノーン防御用要塞。
交通が集中している箇所や、重要文化財などがある地域のはずれに建造し、モルノーンの攻撃を惹きつけるために作られる」
今度は槍を持った269号機先輩が教えてくれた。
防御用、ならば攻撃用もあるのだろうか?
「ある。名称は迎撃用要塞。
反撃の要、防衛戦の要となるように多数の武装が内蔵されている」
「…教えてくれてありがとうございます」
何でわかったんだろう。
教えてくれたのはありがたかったが、なんか不気味だった。
「おーいお前ら、お喋りはいいが真面目に任務を果たしてくれ。」
「「「了解」」」
雲がある。私たちよりやや上空に。
だが…雲って、あんなふうにキラキラ光ってただろうか?
嫌な予感がする。さらに目を凝らして見ると、何か結晶のようなものが見えた。
「小隊長、雲の中に防衛機構なんてあるんですか?」
「…? 無いと思うが」
小隊長は雲を見上げる。
私も同じように見ていると、その結晶はこっちに近づいてきているのが見えた。
「全機散開して下降!」
反射的に動いた。
それは正解だった。
私が寸前までいたところに、薄水色の光弾が振り注いだのだから。
「こちら影電096号機!哨戒任務中にモルノーンと接敵、直ちに迎撃隊の派遣を要請します!モルノーンの数は…」
小隊長が無線に叫ぶのが聞こえる。
あれが、モルノーン?
私が知ってる奴とは違う。
なら、新型…?でもそんなの…
「404号機!撃って!」
はっと我に返る。私目掛けてモルノーンが突っ込んでくるのが見える。
そうだ、撃たなければ。でないと私が殺られる。
訓練通りの動作で愛銃を構える。
飛んでくるモルノーンに照準を合わせ、引き金を引く。
三発目に右翼と思われる部分に命中し、モルノーンは墜ちていった。
「404号機!下がるぞ!私達では対応できない!」
その声を聞いて、私は下がりながら小隊長を探した。
小隊長の後ろに何かが見えた。
でも、気にしないで小隊長を追いかけた。
回避行動を繰り返しながら逃げ、迎撃隊とすれ違った時、私は気づいた。
「269号機先輩は何処に行きました?」
ちょこっと解説
モルノーン
人類の敵。ビームみたいなもの撃ってきます。
意外と脆いですが、剣のような腕を持っている敵は硬いです。
ヘイキガミ兵装 槍
269号機が持っていた槍。大量生産しやすい。
主に殴る目的で使用。