ヘイキガミ   作:ヴェールヌイ510

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 翼の可動を確認する。
 エンジンに点火すると、首の周りに黒い輪が現れる。
 その状態で、風上へ向けて走れば

 フワリと、機体が浮いて宙に浮かぶ。



 カラスみたいだ、と思った。


初陣

「新入り、あんたは運がいい。なんせ長距離哨戒の日じゃない時に来たからな」

 

 最前方を飛ぶ、小隊長(096号機)が言う。

 小隊長は珍しい赤目で、左顔面に火傷痕があった。

 

「…! 先輩、あれは…?」

 

 私の視界に見たことのない、壁のようなものが映った。

 

「ああ、あれ?沿岸防壁だよ。」

 

 私と同じ一五式半自動小銃を持つ先輩(258号機)が答えた。

 なるほど、私は名称とどんなモノかというものは習ったが、実物を見るのは初めてだった。

 納得した私の目に、大きな建物が入り込んだ。

 

「じゃあ、あの建物は何ですか?」

「要塞。正式名称 対モルノーン防御用要塞。

 交通が集中している箇所や、重要文化財などがある地域のはずれに建造し、モルノーンの攻撃を惹きつけるために作られる」

 

 今度は槍を持った269号機先輩が教えてくれた。

 防御用、ならば攻撃用もあるのだろうか?

 

「ある。名称は迎撃用要塞。

 反撃の要、防衛戦の要となるように多数の武装が内蔵されている」

「…教えてくれてありがとうございます」

 

 何でわかったんだろう。

 教えてくれたのはありがたかったが、なんか不気味だった。

 

「おーいお前ら、お喋りはいいが真面目に任務を果たしてくれ。」

「「「了解」」」

 

 雲がある。私たちよりやや上空に。 

 だが…雲って、あんなふうにキラキラ光ってただろうか?

 嫌な予感がする。さらに目を凝らして見ると、何か結晶のようなものが見えた。

 

「小隊長、雲の中に防衛機構なんてあるんですか?」

「…? 無いと思うが」

 

 小隊長は雲を見上げる。

 私も同じように見ていると、その結晶はこっちに近づいてきているのが見えた。

 

「全機散開して下降!」

 

 反射的に動いた。

 それは正解だった。

 

 私が寸前までいたところに、薄水色の光弾が振り注いだのだから。

 

「こちら影電096号機!哨戒任務中にモルノーンと接敵、直ちに迎撃隊の派遣を要請します!モルノーンの数は…」

 

 小隊長が無線に叫ぶのが聞こえる。

 

 あれが、モルノーン?

 私が知ってる奴とは違う。

 なら、新型…?でもそんなの…

 

「404号機!撃って!」

 

 はっと我に返る。私目掛けてモルノーンが突っ込んでくるのが見える。

 そうだ、撃たなければ。でないと私が殺られる。

 

 訓練通りの動作で愛銃を構える。

 飛んでくるモルノーンに照準を合わせ、引き金を引く。

 三発目に右翼と思われる部分に命中し、モルノーンは墜ちていった。

 

「404号機!下がるぞ!私達では対応できない!」

 

 その声を聞いて、私は下がりながら小隊長を探した。

 小隊長の後ろに何かが見えた。

 

 でも、気にしないで小隊長を追いかけた。

 回避行動を繰り返しながら逃げ、迎撃隊とすれ違った時、私は気づいた。

 

 

「269号機先輩は何処に行きました?」







ちょこっと解説

モルノーン
人類の敵。ビームみたいなもの撃ってきます。
意外と脆いですが、剣のような腕を持っている敵は硬いです。

ヘイキガミ兵装 槍
269号機が持っていた槍。大量生産しやすい。
主に殴る目的で使用。
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