オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話 作:みかづき椛
百 十一話 悪魔の妹
ある日、月明かりに照らされているサッカーコートでは、埴輪を混ぜたコチヤーズの紅白戦が行われていた。
選手たちが必死に汗水垂らしながらサッカーをしている中、大きなブザー音が鳴り響く。
コチヤーズメンバーはベンチに集まる。カサゴは周りに明るい笑顔を向けて息を大きく吸った。
「皆さんに朗報です! リード様が次の試合に出られそうです!」
「マジか! やったぜ!」
明るい笑顔を振りまきながらサバミとは対照的に、不安げな表情の早苗が魔理沙に近付く。
「あの……霊夢さんは?」
「霊夢か、『気が向いたら出ていい』って言ってたな〜」
「気が向いたらって……一生なさそう……」
◆
数十分後、ユニフォーム姿でタオルを首に掛けているアキスがスタジアム内の通路を歩いていた。
アキスは曲がった通路の奥に影が進んだ瞬間を視界に捉え、その影を追って走り始める。
「私が一番乗りなのに……いったい誰!?」
通路を曲がったアキスの視界に飛び込んだのは、赤いユニフォームに身を包む、フランドールであった。
「クリアナイトのメンバー?」
アキスの質問が廊下に響いてフランドールは振り向くと、強い足音でアキスに近付いて睨み始めた。
「私を操ったやつはどこ?」
「黒幕子……最近名前が発覚したけどなんだっけ……まぁいいや。私は知らないよ! サバミさんなら知ってるかも」
「誰? そいつ」
「背が私より高くて紺色の髪の毛の人」
アキスの回答を受けたフランドールは言葉を返さずに低空飛行し始め、アキスの横を通過した。
◆
数十分後、サバミと名札のある部屋の出入り口の扉を、紺色のパジャマ姿のサバミが開ける。
部屋にはあるベッドの上では、四角いゲーム機を手に取っているフランドールの姿があった。
「なんだーー!?」
びっくり仰天といった顔のサバミはそう叫び、ゲーム機をベッドに叩きつけたフランドールに睨まれた。
「あいつはどこ? 私を操った」
「え……晴奈のことか? ってお前って……確かレミリアの妹だよな……毒は平気なのか?」
「毒は消えたわ」
サバミは慌てるようにフランドールの全身を見たり触ったりとボディチェックをし始める。
「毒の魔力を感じられない……自力で解除したのか?」
「そんなのいいから教えてよ」
「う〜ん……私は居場所分からないんだよな〜。八雲紫さんとかなら知ってるかもしれないぜ!」
「知らないならいいわ」
フランドールは部屋の出入り口に向かって飛び始めた瞬間、サバミに腕を掴まれ、飛行を止められた。
「待てよ。あいつに戦いを挑むのは私が許さないぜ。理由は2つある。1つは晴奈には攻撃を無効化する魔法をかけ続けることができるからだ」
「耐久し続ければいいんじゃない」
「なるほど……」
沈黙に包まれてから数秒後、隙を突くように飛び始めたフランドールだったが、再び腕の力で止められる。
「ちょっと待て! 2つ目の理由も聞いていけ!」
「どうせあれでしょう? 私が無理矢理プレイさせられた超次元サッカーでなんとかしたいって話よねぇ?」
「まぁな! ってか止まれ! 魂を操る魔法を発動するぞ!」
少しずつサバミを引きずっていたフランドールだったが、警告を受けて地に足を着けた。
「……魂を操る。あれはそういう感覚だったのね」
「晴奈はスペルカードルールで戦う気は全くないぜ……! 超次元サッカーでしかルールに従わない……つまり私の言いたいことが分かるか……?」
「分からない」
「お前もやればいいんだよ! 超次元サッカー!」
熱のあるサバミの言葉を受けたフランドールはしかめっ面に変わり、通路を低空飛行で飛び始めた。
(それにしても……なんでもう毒が消えてたんだ……)
◆
次の日の夜、サッカースタジアム内のコチヤーズが集まるミーティングルームでは、ざわつき始めていた。
巻きスカートがある赤い服を着用しているしかめっ面のフランドールがホワイトボードの前に立っている。
「なんと! 毒が効かなかったフランドールがコチヤーズに入ってくれることになりましたー!」
明るい笑顔でホワイトボードの前に立つ早苗はそう発表すると、隣のフランドールに睨まれた。
「晴奈に勝つまで試合に出続けるつもりだから」
「おいおい、スタメン確定のつもりかフラン」
席に座る魔理沙は呆れ顔でそう言うと、フランドールは余裕たっぷりといった微笑みを周りに向けた。
「試してみる?」
「え……?」
◆
数分後、建物内のコートでフランドールはドリブルで埴輪を何人か抜き、無人のゴールにシュートを決めた。
「おぉー!」
コートの外に並んで立つコチヤーズメンバーから歓声が沸き起こり、一斉に拍手し始める。
「操られた後もサッカーをやる人がいなくて気付きませんでしたが……晴奈から解放された後も、サッカーの上手さが変わらないなんて……!」
口をあんぐりとしながらそう言った早苗の背後に立つサバミはフランドールに歩いて近付く。
「サッカーを選んでくれてありがとな!」
「サバミ、つまらないと感じたらぶっ壊すから」
「よし! 次の試合頑張ろうな!」