オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話 作:みかづき椛
コチヤーズ対クリアナイトの第二試合を数日後に控えたある日、幻想郷の空に浮かぶサッカースタジアムではコチヤーズの選手たちがそれぞれのポジションごとに分かれて特訓に励んでいる。
とあるコートではFWの選手のリードシクティスと魔理沙の二名のみがベンチ前で会話をしていた。
「リードも設定したか? 化身かソウル」
魔理沙は息を少し切らしながら尋ねると、暗い表情のリードシクティスは小さく頷いた。
「はい……とりあえずは」
「私も設定したんだけど……なかなか難しくてな」
会話中、リードシクティスは視線を逸らしてうつむく。
「……なぁ、この間は本当に緊張してただけなのか?」
リードシクティスは無理に作った笑顔を魔理沙に向けた。
「大丈夫ですよ……」
「そうか……」
◆
一方、別のコートではシラウオ・キクラゲ・フナ・カサゴの四人が休憩を取っていた。カサゴは芝生の上に仰向けに寝転がり、他の三人はベンチに座り汗を拭っていた。
「そういえばMF陣って今は異世界の人だけになりましたね」
フナの質問にキクラゲは天を仰ぐ。
「う〜ん、それは別にどうでもいいんじゃな~い?」
「私から一つ気になる点があります。十一人で練習することってないのかなと……」
シラウオの質問にキクラゲはうつむく。
「確かに〜不思議だよね〜」
◆
一方、別のコートでは文・早苗・妖夢・アキスの四人がベンチで休息をしていた。文と早苗、アキスは落ち着いた様子で汗を拭っていたが、妖夢は深刻な顔付きだった。
「妖夢どうしたの? 練習に集中できなかったみたいだけど……」
アキスが立ち上がって妖夢の前まで歩き、心配そうに声をかけた。
「本当は超次元サッカー……すぐ止めるつもりでしたけど、幽々子様を助けるまでは全試合頑張ると決めました」
決意を口にした妖夢を見て早苗はガクッと肩を落とした。
「諏訪子様と神奈子様はぁぁ……? 私の大切な人も攫われたんですけど……!」
「す……すみません……そのお二方も、もし対戦するようなことがあれば試合に出て貢献しますから」
妖夢の謝罪に早苗は勢いよく顔を上げ、周囲に向けて明るく笑って見せた。
◆
そして、薄暗い空間にいる萃香は真剣な眼差しで目の前の呆れ顔の人物を見つめていた。その者は緑色の服に青いズボン、頭には小さな二本の角が生え、紫がかった黒のロングヘアの日白残無だった。
「残無、お前の分析力なら黒幕子に勝てる超次元サッカーの監督をできるんじゃあないのか?」
萃香から質問をぶつけられた残無は軽くため息をつく。
「残無なら黒幕子に勝てるチームになるまで素晴らしい采配をしてくれると思ってな〜」
「萃香よ……例の異世界にはおらぬのか? 監督が」
「超次元サッカーはゲームの話らしいからな〜本職の監督はいないないらしい。普通の監督でも良いような気もするが……私はそうは思わなくてな」
「本気で儂に務まると……?」
「黒幕子の行動範囲は幻想郷だけじゃない。だからあらゆる選手の能力を分析しなきゃいけないんだ……頼む」
萃香の真っすぐな眼差しを向けられた残無は目を閉じた。
(サッカー……蹴る……早鬼が狙われる可能性が高い。尤魔も有り得る……八千慧も試合中に能力を利用できるとしたら厄介じゃのう……)
残無はゆっくり目を開け、立ち上がる。
「まさか萃香がこんな頼みごとをするとは……それほどまでに事態は深刻だと言うことじゃな……」
「やってくれるか?」
「よかろう。じゃが……儂が監督を務めるかどうか……勝負して決めるぞ」
「言ったな〜残無」
萃香はニヤリと笑い、二人の鬼による戦いが始まった。