オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話   作:みかづき椛

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    三話 巫女と遭遇

 異世界の野原に囲まれた小さな木造の家、その部屋にいるのは紺色のショートヘアの二十代くらいの女性――サバミ。

 サバミは椅子に座りながら横長のゲーム機を両手に握りしめ、そのゲームに熱中していた。部屋にはサッカーのゲーム音が鳴り響く。

「よっしゃあぁぁ! 勝ったぁぁ!」

 両腕を天井に向かって突き上げ勝利の雄叫びを上げたサバミ。そんな中、部屋のドアノブが回り、黄色いショートヘアの女の子――カサゴが入室し、少し呆れたような表情でサバミを見つめる。

「お姉ちゃんまたイナズマイレブン? 全然飽きないね」

「一生止めない! カサゴもやれって、なまら面白いから」

 サバミは棚に手を伸ばし二枚貝のようにパカッと開く四角いゲーム機を引っ張り出し、まるで宝物を押し付けるようにカサゴの胸に押しつけた。

「男子とばっか遊んでると女子力なくなるよー?」

「元々ねぇから。私は酒とタバコとイナズマイレブンが好きなんだ」

 カサゴは苦笑しながら渡されたゲーム機をそっと棚の上に戻した。

「……まだやってくれないか」

 サバミはため息をつき、

 その日の夜、サバミの部屋のベッドでは二人が青と黄色のパジャマに身を包み、布団に仲良くくるまって寄り添っていた。

「実はなカサゴ……私には夢があるんだ。超次元サッカーをやりたい魔法を使って本気で」

「必殺技は? お姉ちゃん火属性だからファイアトルネードするの?」

「着地がムズそうだからパスするぜ」

「えっ!? 回転じゃなくて着地!?」

 カサゴは驚きながらも。二人は顔を見合わせてくすくすと笑い始めた。

 翌朝、扉が勢いよく開かれ、息を切らしながらリードシクティスが飛び込んできた。

「すみません!! サバミさんカサゴさん!!」

 サバミはベッドから跳ね起き、寝癖のついた髪を掻き上げる。姉妹は強張った顔をしているリードシクティスに視線を向ける。

「どうしたんだシクティスさん。火事か?」

「あなたたちに……冥王の力が必要なんです」

「え?」

 リードシクティスは百年以上前に神の代わりになれなかった女の子が暴走し宇宙の果てに封印されたことと、その女の子が幻想郷へと移動したことを説明した。

「少女ばかり活躍してる世界ってことは未婚で強い女を集めてるってことか?」

「はい……お願いします」

 サバミはニヤリと笑い、左拳を握り締める。

「分かった! すぐ募集して幻想郷へ行こうぜ!!」

 カサゴは不思議そうにサバミの背中を見上げた。

(お姉ちゃんやけに楽しそう……なんで……?) 闇夜に包まれた博麗神社の鳥居前、そこには誰の気配もなく、緩やかな夜風が吹いているだけだった。

 静寂を破るようにそれぞれ武器を持つ九人が瞬間移動で現れた。

「今、明かりを灯しますね」

 リードシクティスは両手を広げ、放たれた柔らかな水色の光で境内は優しく照らされる。

「すみません……標的からはかなり離れた地に飛んでしまいました……」

 ぺこりと頭を下げ、周りに謝罪するリードシクティス。丁寧で低姿勢なその姿は神の威厳はなく、親しみやすさが滲んでいた。

「シクティスさんにとっても見知らぬ地だから気にすんな。まずは状況把握だ」

 サバミの指示にリードシクティスは目を閉じると、他の異世界の者たちも全員口を閉じ、再び静寂が訪れた。

「ターゲットは今、幻想郷内を飛び回っています」

「そうか。その調子で探り続けてくれ」

 ふと上空から、一人の少女が境内に着地する。

「ねぇ、ちょっとあんたたち」

「うおっ! 誰だ!?」

 誰かの強気な落ち着いた声で話しかけられたメンバーはその者の方へ視線を向ける。そこに立っていたのはお祓い棒を持つ巫女風の服を着ている少女――博麗霊夢だった。

「それはこっちのセリフよ」

 サバミは真剣な眼差しで霊夢を観察するように見つめ始める。

(この紅白の女の気配……完全に感じ取れなかった。まぁ異世界の魔力を宿してないから当然か)

 強張った顔のリードシクティスが霊夢に近付き、軽くおじぎした。

「私たちは怪しい者ではありません。実は私たち異世界から来まして……この幻想郷のことはふんわりとしか理解しておらず……」

「え? 外から来た人?」

「はい……ちなみにあなたの名前は……」

「博麗霊夢よ」

 異世界の最高レベルの強者に囲まれているはずの霊夢には威風堂々たる風格が感じられた。

「はくれい……れいむ?」

 サバミが奇妙なイントネーションで名を返すと霊夢は呆れたように溜息をついた。

「変な呼び方……」

「あの……私たちの目的は異世界の住人だった者が幻想郷に侵入してしまいまして……それを追っているのです」

「はぁ……? 事情はよく分からないけど、ここで暴れないでよね」

「はい! すぐここからいなくなります!」

 リードシクティスが深々と頭を下げると、冷ややかな視線を異世界の神に向けたままの霊夢は欠伸をこぼした。

「あぁ~……私、眠たいから」

 突如、サバミが一瞬緊迫の表情に変わり、リードシクティスに近寄る。

「シクティスさん……幻想郷中の気配って……どんな感じだ?」

 リードシクティスは目を閉じる。数秒後に表情を変えぬまま首を横に振った。

「すみません……さっきから探っていますが全く感じられなくて……人の形をした存在は多く確認できるのですが……」

 サバミは切羽詰まりながら霊夢に駆け寄る。

「おい紅白の女! この世界って普通に人がたくさんいるのか?」

「あー? いるけど普通に」

 冷ややかな霊夢の返事に、リードシクティスは首をかしげ、サバミの顔は青ざめる。

「え……? じゃあ私たちの世界の住人は、幻想郷の住人の気配を探れないってことですか……?」

「そう! それはつまり、ターゲットが異世界の魔力を宿す九人が急に現れたらモロバレ確定ってことだ!」

「えぇー!?」

 サバミの叫びに周りの異世界から来た者たちから次第に焦りが滲み始める。

「くっ!! 黒幕子が!!」

「どうした!?」

 リードシクティスは自身を落ち着かせる一度深呼吸をし、真剣な眼差しを周りに向ける。

「みなさん……ターゲットがこちら側に向かって猛スピードで飛び始めました」

「……なまらやべぇ!」

 サバミは大鎌を手に取り、鬼気迫った表情を夜空に向けた。

原作は?

  • 東方Project
  • イナズマイレブン
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