オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話   作:みかづき椛

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    四話 虹龍洞前の弾幕ごっこ

 博麗神社の上空に闇夜を照らすように黒幕子が現れる。黒幕子は霊夢を含めた十人を見下ろし始める。

「博麗さん! 危ないのでどこかに避難してください!」

 リードシクティスが慌てて叫ぶが霊夢は逃げるどころか飛び去ろうとすらしなかった。

「博麗神社に危機が迫ってる感じなのに離れるわけにはいかないでしょ?」

「な……なんでですか!?」

「私が、博麗の巫女だからよ」

「おぉ……かっこいいぜぇ……だが、あんたが頑張る必要はない。これは私たち側の問題だからな」

 霊夢は手に持つお祓い棒をサバミに向けた。

「やるならさっさと終わらせてね。なるべく神社に被害が及ばないように」

「分かったぜ。じゃあシクティスさん、あいつを異世界転移の魔法で私たちの世界に飛ばしてくれ」

「はい!」

 リードシクティスは右手を広げ、掌を黒幕子に向ける。その掌から水色の光線を撃つ。

「一旦異世界に飛ばします!」

 光線が迫る中、黒幕子も右掌から黒い光線を放つ。二つの光線が空中で激しくぶつかり合う。威力は拮抗し、激突した二つの光線はまばゆい光を放ちながら空中で留まり続ける。

(この感覚……まさかターゲットの光線に込められているのは瞬間移動の魔法……!?)

 強烈な黒い光が周りを包み込む。ほどなくしてその光は消えた。すると博麗神社の境内から黒幕子も含め、人の姿が全て消えた。

 曇り空が広がる真夜中、どこかの木々に囲まれた場所にサバミとカサゴが瞬間移動で出現した。

「うぐっ……!」

 サバミは地面に尻餅をつきうめき声を上げた。すぐそばでカサゴも同じく尻餅をつき、軽くうめいた。

「いたた……あっお姉ちゃん! 大丈夫!?」

「あぁ、尻餅ついただけだ。ちょっと痛いけどな」

 笑みを浮かべながら立ち上がるサバミは木々に囲まれた周りを見渡し、何かに気付いて視線を遠くに向ける。その方角には洞窟のような穴があった。

「何か洞窟が見えるな」

「あれは虹龍洞ね」

 サバミとカサゴは背後からの声に驚いて振り返る。そこにはふくれっ面でお祓い棒を肩に乗せている霊夢が立っていた。

「あんたは……レイレイなんとか……」

「博麗霊夢よ」

「すみません霊夢さん……こうりゅうどうって……?」

 カサゴからの質問に、霊夢は数十秒黙る。

「あー……眠いし説明するのも面倒ね……」

「あんたが知ってる場所ってことはここはまだ幻想郷ってことか」

 淡々と分析したサバミの言葉でカサゴはハッとする。

「なるほど……! そ……それじゃあ……みんなはどこに行ったの? お姉ちゃん」

 気楽に笑うサバミは両手を首の後ろに回した。

「まぁ、察知魔法とか瞬間移動とかの魔法を使ってシクティスさんが来てくれるから大丈夫だろ」

「でも……封印されていたあの人が来たら……」

 不安気に呟くカサゴの肩にサバミは手を乗せる。

「心配すんなって。その気になれば私があいつの魂をいじってやるから」

「こんなときでも相変わらず緊張感ないねお姉ちゃん」

「そうか? 悪い」

 サバミはカサゴと少し距離を取り、タバコを持って指先から点火させて咥え、煙を吐く。

「魂をいじるって……あんた恐ろしい魔法使うのね」

「ちなみに妹も使えるぜ。ただ、私の方がダントツでうまいけどな」

 カサゴは少し頬を赤くしながら霊夢に視線を移す。

「私は悪魔の力を使うのが得意なんです」

「悪魔の力ねぇ……それにしても気弱だけど」

「まぁいいじゃん。ついでに天使の力も使えるぜ」

 サバミのドヤ顔を向けられた霊夢はハッとする。

「天使と悪魔の力を宿してるって……翼とかって生えないの?」

「あぁ、二人とも飛べるぜ」

「だったらここで待ってないで飛んだら?」

 霊夢の言葉にカサゴは首を横に振った。

「いや……確かに私たち姉妹は翼が生えるエンジェルでもありデビルでもあるが……迷子はじっとしてるのが一番なんだぜ!」

 サバミの気楽な笑みに霊夢は少し呆れたようにため息をついた。

「私は迷子じゃないけどね」

 澄ました表情で霊夢は返事をすると、サバミは軽く頷く。

「確かにそうだな。それじゃあ一人で帰ってもいいぜ。あっちからは霊夢の気配を感じられるだろうし大丈夫なはずだ!」

 姉のサバミの言葉にカサゴは不安気な表情に変わる。

「でもそれじゃあ霊夢さんが一人に……」

「私は一人でも帰れるから」

 霊夢の屈託のない笑顔を向けられたサバミは真剣な表情に変わる。

「……あんたは危険な目に遭わなくていいんだ。巻き込まれる前に一人で家に帰ってくれ」

「分かった。幻想郷で暴れないでよ」

「あぁ、約束する」

 サバミがおじぎをし、すぐさま霊夢は空へと飛び上がって闇夜に姿を消した。

(……その約束、守れないかもしれない。悪いが)

 霊夢が去ってから数十分後、虹龍洞入口前で退屈そうなサバミと不安感が強いカサゴは地面に座り込んでいた。

「早く来ないかなリード様……まさかやられたりして……」

 その言葉を遮るように、突如上空から無数の弾幕が降り注ぐ。

「え!?」

「なんだー!?」

 二人が慌てて立ち上がり、見上げると紫髪に黄色いリボンを付け、赤い着物を羽織った女性――駒草山如が中に浮き、弾幕を撃っていた。

「お前たち、さっさと失せな。虹龍洞は危ないんだ」

 山如から鋭い目つきを向けられたサバミは白い天使の翼、カサゴは黒い悪魔の翼を生やし、慌てるように空に飛び始める。

「なんだあいつ……!?」

 飛んで逃げながらサバミは振り返ると、背後から山如が弾幕を撃ちながら迫ってきていた。

「お姉ちゃんどうする!?」

「空を飛んで……いや、危ないかもしれん! マジで何だこの状況……!」

(あの二人……抵抗せずに逃げるだけかい?)

 山如が内心呆れていると、弾幕の隙間を縫うようによける何者かが視界に入る。

「あれは……博麗の巫女」

 姿を現した霊夢の両隣には陰陽玉が浮かんでおり、弾幕勝負の準備は整っている様子だった。

「戻ってきてくれたんですか……!?」

「さっき言い忘れてたことがあってね。幻想郷での戦い……弾幕ごっこをね」

「弾幕ごっこ……? なんだそれは!?」

「……今から見せてあげるから、ちゃんと見ておくのよ!」

 霊夢は冷静に動き山如の弾幕をよけながら二人の前でその戦い方を示し始めた。

「う……うおーい!! ツンデレだったのかよー!!」

 サバミの大げさな叫びが夜空に響き渡った。

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