オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話   作:みかづき椛

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三章 白玉楼前での真剣勝負
  四十 話 幻想郷最速と秋が好きな二刀流剣士


 コチヤーズ対クリアナイトの第三試合の翌日の朝ごろ、サッカースタジアムのミーティングルームではサバミがホワイトボードの前に立ってコチヤーズのメンバーに熱く語りかけていた。

「とにかく、攻めと守りの両方を強くしなきゃ勝てない! 稲妻のように素早く切り込む速さ、電光石火のスピードストライカーが必要なんだ!」

「確かに、ストライカーは欲しいですよね!」

 にこやかな顔付きの早苗の発言の後、サバミは席に座るアキスを指差す。

「私たちの中で可能性があるのはアキス! お前だ!」

「私?」

「どうだ? ストライカーにならないか?」

 アキスは首を横にかしげる。

「う〜ん。候補が私しかいないならやるけど?」

「背番号10番を背負ってくれるのか!」

 数十秒黙ったアキス、悩みが消えたように明るい表情をサバミに向けた。

「本当は二刀流っぽい背番号11が良かったけど、最初に背番号決める時にジャンケンで妖夢に負けたし、何でも良いよ」

「よーし、決まりだ! 次は……オーラを渡す側だ!」

 周りに注目を浴びながらサバミは歩き出し、文の前で止まる。

「あんた……情報屋だったか……」

「そうですけど?」

「あんたなら分かるんじゃないのか? 幻想郷で最速の人が誰か……教えてくれ! 候補でもいいから!」

 サバミは勢いよく頭を下げると、文は一瞬きょとんとするが、すぐさまドヤ顔に変わって立ち上がる。

「幻想郷最速と言ったらここにいます! 清く正しい私がね!」

「え!? まじ!? 動きがなまら速い!?」

「なるほど。つまりサバミさん、私の能力をアキスさんにプラスしてストライカーを作るということですか?」

「よし決まりだ! 次のクリアナイト戦までミキシマックス成功させるぞー!」

 サバミは満面の笑みで左手を天井に突き上げた。

「あの……まだ了承していませんが……」

「だが、せっかくミキシマックスするんだ! ベストマッチを目指そう!」

「ベストマッチ?」

「私がミキシトランス・ガンをシクティスさんと作った時、なまら仲良い状態だと髪色が変わるだけじゃなく、髪型も変わるように設定したんだ!」

 文は納得したように軽く頷く。

「なるほど……私とアキスさんが仲良しになればミキシマックスした時に通常より強くなると……」

 アキスは立ち上がって文に顔を近付け見つめ始めた。

「私たち、いっとき同じポジションだったけど。まさか合体するなんてね」

「合体……まぁ、あの方を救うためにはやりますけど」

「よし! どう仲良くするか二人で決めてくれ!」

 サバミの提案にアキスと文は見つめ合う。

「仲良くするって言ったって、剣で戦うぐらいしか思いつかないけど」

「なるほど、なら剣で良いですよ。ただし、戦いの舞台は空中です」

 文の提案でアキスはポカンと口を開ける。

「空中? 私、飛べないよ?」

「良い案があります。リードさんの魔法でアキスに翼を付けてもらうんです。これでフェアになりません?」

「へぇ〜それいいね! やってみよう!」

 空中に浮かぶサッカースタジアムから少し離れた空、アキスと文が至近距離で向き合っていた。アキスはリードシクティスの魔法で濡羽色の羽根を生やし、文と共に両手に木刀を両手で握り、翼を羽ばたかせていた。

(なるほどね、私は剣が得意だけど空を飛ぶのは苦手、文はその逆……確かにこれは平等だ)

「お互い、得意な能力を使って良いこととしましょう。私は風、アキスさんは……」

「私ができるのは雷! よろしくね!」

 アキスが笑顔で挨拶すると文が勢いよくアキスに迫り、木刀を振るう。

「うわ〜! っと!」

 空中でフラフラとバランスを崩すアキスが木刀を構えるが、文の攻撃が脇腹に当たる。

「いたた〜! やるね! じゃあ反撃行くよ!」

 翼を羽ばたかせて飛ぶアキスが勢いよく太刀を振るが、文が軽やかにかわし、背中を木刀で叩く。

「うっ……! まだ慣れない……!」

「楽しそうですけど早く空を飛ぶのに慣れないと、やられるだけですよ」

 その後、数分間アキスが一方的に攻撃を受け続けていたが、文の表情からほんの僅かに焦りが滲み始める。

 曇り空から雨がポツリと降り始めた。

(だんだんとアキスの速度が上がっている……空を飛ぶのに慣れ始めた……?)

 アキスの移動速度と攻撃速度が上がり、文が苦戦し始める。

「うっ……!」

 脇腹に攻撃を受けた文はよろめいて血反吐を吐いた。アキスが少し距離を取る。

「やりますねぇ〜……アキスさん……」

「ねぇ文、あんたの心が乱れている気がする」

「え……心が?」

「悩みがあるなら全部ぶちまけちゃえば!」

 文はアキスに言葉を返せず、数十秒間の沈黙が流れ、雨の勢いが激しくなる。

「本当は剣よりペンを握りたいんです。でも……状況が……」

「ペン……そう言えば新聞記者だったね」

「ペンを握っている場合ではなくなったのです……私も……大切な存在を攫われたんですよ」

「なるほどね〜……」

「攫われた大天狗……飯綱丸様を……私が助け出さなくては。あと、はたてとか椛とか……他の天狗仲間など……助けたいんですよ!!」

 文は気迫のこもった表情でアキスに襲いかかる。二人は戦いながら会話し始める。

「いいねぇ! 悩みをぶちまけたら腕の振りが良くなったよ!」

「そう言うアキスは悩み事とかないんですか!?」

「ないよ! それに私は……自身の弱い姿を他人に見せたことないし!」

「えぇ、アキスさんはストライカーを目指すと決められてもあまり動揺していませんでした。そう言う性格なのでしょう」

 アキスは照れ笑いをして木刀を握る右手で鼻を擦った。

「えへへ! どうも!」

「それじゃあ……こっからお喋りは止めにしましょうか」

 そして、曇りのない表情の二人による激しい剣のぶつかり合いが始まった。

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