オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話   作:みかづき椛

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    五話 根っからの火属性

 虹龍洞入り口付近で霊夢と山如が繰り広げた弾幕ごっこでは、霊夢が勝利した。華やかな戦いを地面に立って見上げていたサバミとカサゴは呆気にとられていた。

「見たかカサゴ……」

「うん……ヤバかったね……」

 弾幕ごっこを終えた霊夢は山如へ近付いて少し会話した後、少し警戒している様子のサバミとカサゴの目の前に降り立った。

「あんたたち外から来たのかい? どうりでただ逃げ回っていたわけだ」

「そ……それは煙管なんすか?」

 サバミは降り立った山如の手に持つ、龍の形をした煙管に目を奪われている様子だった。

「それがどうかしたんだい?」

「なまらかっけーっす! 私の持ってる煙管なんてめちゃくちゃ普通っすよ」

 うきうきしている様子のサバミは服のポケットからありふれたデザインの煙管を取り出した。

「お姉ちゃん……そんなことしてる場合じゃないよ……!」

 カサゴが慌てて姉のサバミに注意したが、サバミは返する様子はなく、右手の人差し指に小さな炎を灯し、タバコを詰めて左手で持つ火皿に火をつけた。

「おいおい熱くないのかい?」

「ふっ……大丈夫です。根っからの火属性なんで」

 サバミは山如の質問に対して微笑み、煙をゆっくりと吐き出した。煙は夜空へと飛んで消えていく。

「お姉ちゃん……火属性ってだけでドヤらないで……」

「ねぇ……のんびりしてていいの?」

 霊夢の問いかけにサバミは落ち着いた様子で一度だけ頷く。

「私は……信じてるからな」

 緊迫した表情に変わったサバミ、左を向いて煙管を勢いよく前方に投げつける。回転しながら飛ぶ煙管は空中で突然止まった。

「私はな……かくれんぼ鬼役で敵なしと言われてんだ……姿を見せろよ」

 煙管を握る透明だった右手が出現、その透けた右手から徐々に全身が明らかになる。

「あ……あぁ!!」

 カサゴが震える手でその姿を指差した。その者は邪険にカサゴを睨む黒幕子だった。

「察知する範囲はシクティスさんの方が広いが……狭い範囲なら私がダントツでビンビンだぜ」

 冷静な出で立ちの山如は霊夢に視線を向ける。

「さっきあんたが言っていた奴かい?」

「そうね」

「……ところであんたは一体何者なんだい?」

 山如から質問を受けた黒幕子は邪険な雰囲気を解き、穏やかな顔付きに変わる。

「私の名は黒幕子――」

「おい! なんでそんな名を?」

 黒幕子が自己紹介している途中、サバミが遮る。

「名乗っても私の名を知る者はいない……意味のないこと……」

 寂しげに黒幕子は夜空を見上げる。その様子はかつての仲間のことを思い、感情に浸っている様子だった。そんな黒幕子に山如が鋭い視線を送る。

「それであんた……幻想郷で何かする気かい?」

「私の目的はこの世界の住人を集めて異世界を滅ぼすこと」

 黒幕子の回答にサバミは両手を広げ、苦笑いを浮かべながら首を横に振った。

「おいおい、私たちの世界を破壊する気か?」

「……はい。仲間の命はとうに尽きているはずですから」

 寂しげにうつむく黒幕子、ほんの少しだけ静寂の時が流れる。そんな中、ビシッと霊夢はお祓い棒を黒幕子に向けた。

「ちょっと聞き捨てならないわね。さっきのこの世界の住人を集めるとか言わなかった?」

「初めて幻想郷に来た時、人物の姿は捉えられるのに気配は全く感じないことに気付きました。それで幻想郷の住人を操れば奇襲も容易いことも」

「すでにお前……何人か攫ったのか」

 恐る恐るサバミが質問すると、黒幕子は頷く。

「異世界を滅したら攫った方々は元に戻します」

「いやダメだろ!」

 サバミが怒鳴ると、霊夢はもう一度右手に握るお祓い棒を黒幕子に突き出した。

「あんたの存在、博麗の巫女として見過ごせないわ」

 霊夢は一歩前に進み黒幕子に歩み寄る。

「おい! 近付くな!」

 サバミが慌てて手を振り制止しようとするが、霊夢は意に介さず歩を進める。

「幻想郷を飛んでいたのなら弾幕ごっこくらい知ったはずよね。私と弾幕ごっこで勝負しない?」

「……霊夢さん。スペカなしで倒してあげますよ」

 怒りを抑えるように霊夢は口角を上げる。

「へぇ〜……いいわ……かかってきなさい……!」

 黒幕子と霊夢は同時に空を飛び始めた。

「霊夢! そいつとサシはなまらヤベェって!!」

「売られたケンカは買うまでよ! サバニ!」

「サバ煮じゃねぇ! サバミだ!!」

 サバミは一瞬で何かに気付いたように表情が真剣に変わり、背中に背負っていた大鎌を両手で握る。サバミが瞬時に後ろを振り返ったその時、鋭い太刀音が鳴り響いた。

「……私はかくれんぼの鬼で敵なしだって……言ったよな」

 サバミの大鎌の外側の峰に剣をぶつける少し苛立ちを顔に出している黒幕子の姿が出現する。

「黒幕子がもう一人……!?」

「分裂して魔力を察知しにくくしていたんだろうが……それは力を半分にすることになる……行くぞ!!」

 サバミは左側に純白の天使の翼、右側に漆黒の悪魔の翼が生え、もう一人の黒幕子とともに空を飛んだ。

 数十分が経過した頃、サバミと黒幕子の空中での戦いは激しさを極めていた。

 息の乱れもない黒幕子と対照的にサバミの呼吸は荒くなっている。

(なんか苦しい……これはまさか……毒……!?)

 黒幕子の口元には薄い笑みが浮かぶ。

「苦しいでしょう?」

「知り合いの最強毒使いに比べたらなぁ……へでもねぇ!」

 強がるようにサバミが笑ったその直後、黒幕子の剣がサバミの肩に切り傷を負わせた。

「うっ……!」

 黒幕子の右手から放たれた黒い光線を受けたサバミはフラフラと地面に降り、片膝が地面に着く。

(やべぇ……! なまらやべぇ……!! 正体は気体の毒魔法か……くそ……)

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