オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話   作:みかづき椛

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    六話 不死の姉妹

 サバミと黒幕子の大鎌と剣とのぶつかり合いの最中、息がかなり荒いサバミが地面に片膝をつける。

「はぁ……はぁ……」

「もう終わりですか?」

(ヤバい……意識が朦朧として来た……)

 サバミの目の前まで黒幕子は歩み寄る途中、何かを察知したかのように振り返った。

「あの者は……」

 黒幕子は前方50メートルほど離れた場所には何か決意に満ちた顔つきをしているカサゴが弓を引き絞っていた。

「弓矢か……」

 カサゴは矢を放ち、黒幕子はその矢をおでこで受け止める。矢は刺さることなく弾かれ、地面に落ちた。

「……うっ」

 突然、黒幕子はめまいに襲われたかのようによろめき始め、サバミ同様に片膝が地面につく。

「これは……煙……?」

 黒幕子は近くの木に視線を移す。そこには寄りかかって顔を青ざめながらも立っている山如がクールに煙を一度吐く。

「あんた今……よけなくてもいいと思っただろう?」

(これは……あの者の能力……!?)

「ありがとう……姐さん……カサゴ……!」

 サバミは左手を拳銃の形に構え、指先に青い炎をまとわせる。そしてその炎を弾丸のように撃ち、黒幕子にぶつけた。

「やった……!!」

 カサゴが歓喜の声を上げるも、青い炎は一瞬にして消え去った。荒い息遣いのサバミは地面に再び膝をつく。

「どうだい……今の気分は……?」

 黒幕子はサバミの質問に答えることなく空を飛び、遥か遠くへと飛んでいった。木に寄りかって立っている山如は地べたに座り込む、

「ひとまず……追っ払ったってことかい……?」

 地べたに座りながらサバミは山如に向けて深々と頭を下げた。

「すみません……姐さんに毒の魔法を……」

「構わないよ……それより、この毒の魔法はなんとかならないのかい……?」

「それは……分かりません……」

 山如同様、顔色が悪いカサゴはゆっくりと姉のサバミに歩み寄る。

「お姉ちゃん……これはやっぱり……毒魔法……?」

「あぁ……いつの間にか喰らっていたから……気体の毒魔法だろうな……しかもなまら強力な……」

 その時、天から霊夢がフラフラと降り立つ。霊夢の顔も周りの三人同様、青ざめていた。

「霊夢さん……!」

「勝ったのは良いけど……凄く気分が悪い……なにこれ……」

 霊夢の発言にサバミは声も発せず驚愕した。

「か……勝っただと……!?」

 サバミはギュッと目を閉じる。

(確かにもう片方の奴の魔力を感じない……凄いな……)

 その場に何者かが一直線に飛んで来る。その者は息を切らしているリードシクティスだった。

「すみません! 助けに来るのが遅れました……!」

 苦しみに悶えていたカサゴが笑顔に変わる。

「リード様……!!」

「シクティスさん……ナイスタイミング……早く毒の分析を……」

 喋っている途中、サバミは力尽きたように地面に倒れた。続けてカサゴ・霊夢・山如も倒れる。

「皆さん! しっかりしてください! とりあえずこの毒が蔓延しないように封印します……!」

 リードシクティスは両手を高く掲げ、両手から強い水色の光で辺り一帯を照らした。

(これであの者の毒魔法はこの四人の中だけに……後はどう消すか……封印魔法を使ったら本人も封印されますし……どうしましょう……)

 ◆

 幻想郷の夜、細い獣道を黒い忍装束に身を包んだ白髪ショートの女性――シラウオと、普通の白い和装を身に包んだ白髪ショートの女の子――フナが歩いていた。

 二人とも、腰に剣を吊り下げている。姉のシラウオは冷静に歩を進めているのに対し、妹のフナは体を震わせながら、姉の腰回りをぎゅっと抱きしめていた。

「お姉ちゃん……絶対に離れないでね……!」

(……離れたくても離れられないけど)

 シラウオは無表情でフナの頭を優しく撫で、歩くことを再開する。

「そうだ! もし敵が現れたら私が斬り捨てるから!」

 フナは姉から離れ、居合い抜きを披露する。辺りの木々が揺れ、静寂を切り裂いた。

「フナ、私たちが持つ剣は神剣だから控えめに……あと、できるだけ喋らないように」

 シラウオがフナに軽く注意したその時、二人の目の前に赤い髪の首だけがころりと地面を転がってきた。

「NOーー!!」

 フナの悲鳴が夜の闇を切り裂いた。フナは瞬時にシラウオの背後に回り込み、再び腰にしがみつく。

「フナが無駄に素振りしたか……ら……? これは?」

 シラウオは冷静に転がった首の前にしゃがみ込んでその首を観察し始めた。切り口にしてはきれいすぎて血は流れていなかった。

「うるさいわね」

 首が突然口を開く。

「ぎゃーー!! 喋ったーー!」

 フナが再び絶叫し、シラウオの手で口を塞がれる。

 首はふわりと浮き上がり、赤いマントをその身にまとう胴体と合わさった。二人の前にいたのはろくろ首の妖怪、赤蛮奇だった。

「あなたは何者……?」

「バレちゃしょうがないわね。私はろくろ首なのよ」

「ふぇ! ふにゃひにゃへにゃ!?」

 フナは言語なき言葉を発しながら姉の手を振りほどき、ほっとため息を吐く。

「あー不死なのにびっくりした!」

「……え? あなた不死?」

 興奮気味で目を輝かせたフナは赤蛮奇に近付いた。

「私たち姉妹は不死なんです! 不老ではないけど! それよりさっきお姉ちゃん驚いていた!?」

「え!? 別に無表情だったけど……」

「そんな……転がった首が喋ったらお姉ちゃんが驚くと思ったのに……」

 フナの肩ががくっと落ちる。

「もし私が驚くようなことがあればフナは気絶すると思うけど」

 シラウオの静かなツッコミにフナは唇を尖らせた。その時、空から息を切らしながら一直線に飛ぶリードシクティスがその場に降り立つ。

「シラウオさん! フナさん! サバミさんたちに会いに来てください! サバミさんたちが危ないんです! 力を貸してください! 姉妹の無属性の魔法が必要かもしれません! お願いします!!」

 リードシクティスの切羽詰まった表情に、シラウオとフナの目つきが鋭くなる。

「分かりました」

「了解しました! 案内してください!! あっじゃあね! 赤蛮奇!」

 フナは笑顔を赤蛮奇に向け、手を振る。この時、赤蛮奇はポカーンとしているだけだった。

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