オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話   作:みかづき椛

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  六十七話 毒舌お嬢様と聖徳王

 文・藍・橙・リードシクティス・シラウオ・アキス・サバミ・アシカはきらびやかな道場の前に瞬間移動した。

「あれ……? 一人分余計に魔力を消費したような……」

 リードシクティスはそう呟いて周りを見ると、足がなく、幽霊のような姿の者を確認した。

「え!? 何者ですか!?」

 その者は薄緑色のボブヘアに黒い烏帽子をかぶり、濃緑色のワンピースを着ている蘇我屠自古だった。

「逆だ! お前らこそなんだ!」

「あっ! すみません! 事情を話しまーす!」

 慌てるように文は屠自古に近付き、屠自古への説明が始まる。

◆

 数十分後、道場内の部屋に移動しているコチヤーズメンバー八人は屠自古ともう一人と対面していた。

 その者は金髪ボブの頭にツノのような突起と、『和』の一文字が入ったヘッドホンをつけていた。

 さらには白い服と紫色のスカート、表が赤、裏が青のマントを着用している少女――豊聡耳神子だった。

「コチヤーズの活躍は耳にしていたよ。拉致された者を救うために超次元サッカーをしていると」

 どこかうわの空といった様子の神子の隣で、自信満々な表情の屠自古はコチヤーズメンバーの前まで進み出た。

「この通り霊体で足がないからな! 私はさらわれなかったぞ!」

「確かに屠自古さんは絶対に攫われませんね……」

「じゃあ物部布都が拉致されたということでしょうか……」

 文はボソッとそう言うと、目を輝かせているサバミが神子に近付き、マントに顔面を近付ける。

「いつもマントつけてるんですかぁ?」

「不審者になってますよ」

 リードシクティスはサバミに向けて注意した時、アシカが神子の頭に視線を移して注目し始める。

「あなた……なによそのツノ……かっこいいと思ってるの……?」

「おい! 太子様に失礼だぞ! 愚か者!」

 屠自古は怒鳴るとアシカに近付き、二人による睨み合いが始まって殺伐とした空気が流れ始めた。

「すみません。アシカはツンしかないワサビみたいな性格だから我慢してください」

 サバミはアシカの背中をさするも、アシカの表情がさらに険しくなっていき、アシカと屠自古は睨み合う。

「幽霊ならさっさと成仏しなさいよ!」

「アシカちゃん! 屠自古さんを怒らせたらシビレますよ!」

 早苗はそう注意すると、神子はため息をつき、右の掌を屠自古に見せてアシカに鋭く目線を送る。

「君たち、騒がしくするだけなら帰ってもらおうか」

「うっ……すみません……」

 アシカ以外のコチヤーズメンバーが頭を下げる。サバミが怪しげな笑みを浮かべながら神子に近付いていった。

「いや〜うちのアシカがすみません。ここに来たのは神子さんとアシカでなまら指揮れるゲームメイカーを育てたくてですね……」

「何を言っているか分からんぞ!」

「ちゃんと説明するので聞いてください」

◆

 一時間後、道場内の廊下を屠自古は両頬を膨らませながらブツブツと小言を呟きながら移動していた。

「全くあの小娘は……生意気さなら布都と引けを取らんぞ……よく分からん理由で太子様と二人っきりにされたが……様子を見ないと気が済まん!」

 道場内にある一つの部屋の前で止まった屠自古は扉の取っ手を強く握り、勢いよく扉を開けた。

 部屋には二枚貝のような形の機械と、タッチペンを持つアシカと神子がいる光景がそこにはあった。

 ゲームに熱中している二人を見た屠自古はしばらく声も出せずその場で固まり、数秒後にそっと扉を閉めた。

「……ってちょっと待ったーー!!」

 勢いよく扉を開け直した屠自古は部屋に入り、神子が持つ機械のサッカー中の画面を覗いた。

「太子様……それはまさか……」

「あぁ、イナズマイレブンだ。司令塔をやるからには実際に遊んだ方がいいだろうからな。屠自古もやるか? 3やるならスパークだぞ」

「やりませんよ……それよりなんで太子様も……?」

「私はアシカと仲良くした方が良いと言われてな。拉致された布都を救うためだ。今は二人きりにしてくれ」

「もう……耳障りだから部屋から出ていって。試合中よ」

「……お前、太子様を怒らせるまねだけはすんな!」

 屠自古はアシカに向かって再び怒鳴りつけ、荒々しい部屋の扉を開け閉めして出ていった。

「太子様……気になっていたんだけど、あなたは何者なの? あだ名が太子様って……」

「気になるか?」

「べ……別に」

「ならば当ててみよ。人を見抜くのが大事なのだろう?」

 アシカは深いため息を一度吐き、二枚貝のような見た目のゲームをパタンと閉じて床にそっと置いた。

「面倒くさいことになってしまったわね……質問はしてもいいのかしら……」

「構わん。ただし一つだけだ」

「そのヘッドホンは曲が流れているの?」

 質問を受けた神子は首を横に振った。アシカはうつむき、一点集中で床を見つめ始める。

「これをつけなければ聞こえすぎてしまうんだ」

「私はね、地球の歴史を勉強したことがあるのよ。違うと思うけど……転生した聖徳太子とかかしら。さっき物部がどうとか言ってたしね」

「ほぅ……正解だ」

 突然の正解を告げられた神子は目を少し見開き、そう言うと、アシカは驚愕の表情に変わった。

「はぁ〜!? 正解ですって!?」

「そうだ」

「信じられない! 冗談!?」

「冗談ではないぞ」

 アシカが動揺しながら神子の全身をジッと見つめ始めた。その時、神子の脳内にサバミが映り込む。

「神子さん! アシカに自身のオーラを分ける許可をください! こいつはただのお嬢様じゃないんですよ!」

「話は分かった。しかし、私のオーラを受けるに相応しいか見極めさせてもらおう」

「ありがとうございます! お願いします!」

「ただのお嬢様ではない……か」

 サバミの言葉を振り返った神子は微笑んだ。それは神子がアシカを認めた瞬間のようだった。

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