オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話   作:みかづき椛

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    七話 回復と体を硬くすることができる姉妹

 幻想郷の暗い夜道、低身長で髪型は後ろに一本結ぶ黄土色おかっぱ風の女性――ラックと、低身長で妖精の羽根が生え、藤色ロングヘアーの女性――イヨカが、歩を進めている。

 イヨカは背中の羽根をプルプル震わせながら、姉のラックの服の裾をぎゅっと握っていた。

「お姉ちゃん……」

「どうしたイヨカ?」

 姉、ラックの質問でイヨカは服に顔を埋めた。

「怖い……」

「見れば分かるが……無駄に話しかけないでほしいの」

 少し苛立った様子のラックの返事にイヨカは目をうるうるさせながらも怒りの顔付きになり、可愛げに姉を睨みつけた。

「イヨカ……こんなにもうるうるしているのに!」

「分かったから落ち着け!」

 ラックは優しく妹の背中をさすり始める。

「あ〜〜〜〜〜」

「え!? なんだ!?」

 突然の唸り声に驚いたラックが振り返ると、そこには額にお札が貼られ、両手を突き出し、膝を曲げずにぎこちなくキョンシーの宮古芳香が歩いていた。

「変な奴だな……」

「敵! 噛みつくぞ〜!」

 芳香がラックとイヨカに向けて膝を曲げながら歩いて近付いていく。

「膝は曲がるのか! って逃げるぞ!」

 ラックは逃げようとするも、イヨカに強く抱きしめられ、一歩出遅れる。

「止めろーー!!」

 芳香は右腕に噛みついた。しかし、芳香は腕に歯型すらつけることができず、キョトンとした表情に変わる。

「……あれ?」

「どこか行け!」

 ラックは跳び上がって芳香の腹を蹴り飛ばした。芳香は地面に倒れ込み、動かなくなる。

「なんだあいつは……」

 イヨカはラックの服の裾を何度も引っ張り始める。

「お姉ちゃん……ゾンビ……」

「ゾンビ……? あいつがか……? まぁ、取りあえずここから離れるぞ」

 二人は走り出した。しかし数歩でラックが何かに足を取られて転倒した。

「なんだ!? また死体か!?」

 ラックが見下ろすと、そこには腹部に赤い蹴り跡があり、仰向けに倒れているのは、ボロボロになった巫女服を着用しているロング緑髪の東風谷早苗だった。

「この女……腹を蹴られたのか? さっき私が蹴り飛ばした奴とは違うようだが……」

 すると、天からリードシクティスが息を切らしながら降り立った。

「ラックさん! イヨカさん! ここにいたんですね!!」

「おっ、やっと神が来てくれたか」

 イヨカは涙をこぼしながらリードシクティスに抱きついた。

「リード様〜〜!!」

「あ……あの! 今はとにかくサバミさんたちの所に来てください! イヨカさんの回復魔法が必要かもしれません!」

「な……サバミがやられたのか!? ならば今すぐ瞬間移動の魔法で飛ぶぞ!」

 ラックの提案にリードシクティスは表情が曇って首を横に振る。

「それが……幻想郷中で異世界の瞬間移動の魔法を封じる魔法がかけられているみたいで……飛んで移動するしかないんです」

「だから今飛んで来たのか……」

 ラックはリードシクティスに右手を差し出そうとしたが、またイヨカに裾を引っ張られる。

「この人……かわいそう……」

「かわいそう?」

 イヨカは早苗を指さし膝をついて両手を腹に当てる。イヨカから柔らかな光が溢れ、蹴り跡が消滅した。

「ゾンビではなかったのか……」

 数十分後、リードシクティスの導きで三人は虹龍洞入口近くに到着した。そこにはシラウオとフナが立っており、さらに毒で苦しむ四人が地面に横たわっていた。

「生き物以外は何でも消すという無属性の魔法も効かないのか……よしイヨカ! 頼む!」

 潤んだ瞳のイヨカは頷き、四人の前でしゃがんで両手を広げた。手から光の粒が舞い上がり、サバミ・カサゴ・霊夢・山如を包み込むように降り注いだ。しかし、回復魔法を受けたはずの四人は激しく苦しみ始める。

「くそっ……! なぜ効かない……!? 毒……毒といえば……キクラゲ! あいつも連れてきてくれ!」

「分かりました!」

 ラックに指示されたリードシクティスは慌てるように空を飛び始めた。

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