オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話 作:みかづき椛
コチヤーズ対クリアナイトの第六試合の次の日、サッカースタジアム内にある簡素な部屋に早苗が訪れた。
その部屋にあるベッドは誰かが隠れているような布団の膨らみがあった。そこからすすり泣く声がした。
「アシカちゃん! 姉のヤマメさんみたいにぐうたら女になりますよ!」
「うぅ……もうやりたくない〜!」
早苗は何度も布団を揺らすも、アシカは強く抵抗し続け、頑固にも起き上がろうとしなかった。
◆
数十分後、パジャマ姿のヤマメがアシカの部屋に入り、笑顔で勢いよくベッドに飛び込んだ。
「え!? ちょっとお姉ちゃん!?」
「悩みがあるならお姉ちゃんに相談して〜!」
「お姉ちゃんほど悩みを打ち明けても無意味な人間はいないわよ……」
ヤマメはベッドから突き落とされ、すぐさま立ち上がり、心配そうにアシカを見つめた。
「アシカ……元気出して〜……」
心配そうに妹を見つめているヤマメの背中に扉が出現、中から竹を持つ少女と茗荷の葉を持つ少女が出てきた。
一人は薄茶色の髪色、サイドヘアは腰までで後ろ髪はセミショートで風折烏帽子を被る爾子田里乃。
もう一人は海松色の髪色、サイドヘアは腰までで後ろ髪はショートヘアで烏帽子を被る丁礼田舞であった。
「うわ〜! 誰〜!?」
「誰かと思ったら……この二人は二童子よ。私が真実を見抜く練習に付き合った隠岐奈の手下みたいな感じよ……」
「アシカ! 元気がないならダンスで元気付けてあげるよ〜!」
「僕も踊るね〜」
里乃は茗荷の葉、舞は竹を振り回しながら踊り始める。二人を覗き込むアシカは再びベッドにくるまった。
「あなたたちの踊りは遠慮するわ。今は目障りだし耳障りだから帰ってちょうだい」
「な〜んだ。せっかく君にクリアナイト戦の第七試合のメンバーを教えてあげようと思ったのに」
「え? 分かるの?」
「教えてあげるからさっきの言葉を撤回してね」
里乃はそう言うと、アシカはベッドから起き上がり、二人に頭を下げた。ヤマメは拍手をし始める。
「アシカが起きた〜!」
「撤回するから教えなさい」
「相変わらず偉そうだけどまぁいいか。クリアナイト第七試合のメンバーは……アシカが出会った者なんだ〜!」
舞はそう言うと、アシカは考え込むようにうつむき始める。ヤマメの背中に扉が出現した。
「ヒントを伝えたからもう帰るね〜! アシカが元気にならないと次の試合苦戦するかもね〜」
里乃はそう言ってヤマメとアシカに手を振り、扉の中に入って後戸の国へと戻っていった。
「なんだったんだろ〜……ダンス見たかったなぁ」
(私が出会った者って……もしかして真実を見抜く練習として、隠岐奈に出会わされた者なの?)
「伝えなきゃいけないわね……」
◆
一時間後、ユニフォーム姿のアシカは自身の部屋の扉の前に立ち、数秒間深呼吸した。
(そうよ……私たちが住む世界のために。頑張らなきゃいけないのよ!)
意を決するようにアシカは扉を開け、部屋を出た。そして、パジャマ姿のヤマメはベッドに飛び込んだ。
「おやすみ〜!」
「……ちょっと!」
アシカが勢いよく扉を開けて部屋を入り直し、姉をゆすり始める。和やかに二人の立場は逆転した。
◆
数十分後、サッカースタジアムにあるコチヤーズのミーティングルームにアシカが早歩きで入った。
「アシカはもう落ち込んでないのか?」
魔理沙の質問にアシカは首を横に振り、威風堂々とした顔でホワイトボードの前に立った。
「私は落ち込んでいないわ。寝坊したのにちゃんと起こしに行かなかったみんなが悪いのよ」
アシカの言葉で辺りがざわつき始める。早苗は肩を落とし、うつむいて机におでこを当てた。
「えぇ〜私、起こしに行ったのに〜」
「私が落ち込んだ話はもういいからさっさと本題いきましょう」
(今、落ち込んだって言ったな……)
着席するメンバーは内心そうよぎった。そして、寝坊したお嬢様によるミーティングが始まるのであった。