オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話 作:みかづき椛
幻想郷は逆三日月の光に照らされていた。湖の側にある紅魔館には結界が張られていた。
紅魔館の外では、咲夜とレミリアが黒幕子による様々な攻撃をよけながら息を切らせている。
「咲夜……さっきから攻撃が効かないわね……」
「はい……全身がガチガチでナイフが全く刺さらない……耐久する以外、どうしようもありませんわ」
「まぁ……咲夜と二人なら、きっと大丈夫よ」
「はい……え?」
咲夜は視線を横に移すと、そこには全身が小刻みに震え、顔色が悪くなっているレミリアがいた。
「お嬢様……震えていますが……」
「バレた? さっきから震え始めて……怖いと思っているのかしら……?」
(お嬢様の様子がおかしい……目に見えない毒を使ったのなら私も苦しむはず……)
◆
数十分後、黒幕子との攻防の末、服がボロボロの咲夜とレミリアは庭で仰向けに倒れていた。
(結局……私も見えない毒にやられたわね……)
咲夜は内心そう言うと、付近に右手で刀を握る黒幕子が降り立ち、二人へ歩を進め始める。
「まずは銀髪の者を捕まえる」
黒幕子は倒れている咲夜を左手で触れようとした瞬間、右手にナイフを握る咲夜が勢いよく飛び上がった。
咲夜は黒幕子の頬に切り傷を与え、再び地面に倒れた。黒幕子は触れた咲夜の姿を瞬間移動させる。
「無駄な抵抗を……」
その時、空間切り裂くスキマが出現、中から出てきた手に引っ張られたレミリアはスキマの中に消えた。
「消えた……」
◆
数分後、幻想郷の夜空に浮かぶサッカースタジアム内の、誰もいないミーティングルームにスキマが出現。
スキマから気を失っているレミリアが藍と橙によって運び込まれ、その場にリードシクティスが瞬間移動した。
「急に人が現れたと思ったら……あなた方でしたか……」
「さすがに命の危険を感じたのでここに避難させたけど……ちょっと見てもらえる?」
「え……?」
心配そうにスキマの中から覗いている紫がそう呟くと、リードシクティスがレミリアを見つめ始める。
「これは毒ではない……もしかして……」
◆
一度、リードシクティスはその場を後にし、再びサバミを連れてミーティングルームに入った。
サバミはしゃがんで目を閉じ、レミリアの体に手を当て始める。ものの数秒で、サバミは曇り顔に変わる。
「う〜ん……正直、なまらやべぇ。心のダメージがえぐい」
「心のダメージ?」
「とりあえず、この女の子の住まいで試合に勝ち、仲間を取り返したら元気な姿に戻るぜ!」
「大丈夫? レミリアは命を狙われていたようだけど……」
紫は不安げにそう言うと、笑顔のサバミが深刻な顔つきに変わり、周りに緊張感が走る。
「ここだけの話……あいつは悪魔が大嫌いなんだ。悪魔の力のせいで、暴走したんだからな……」
◆
その後、顔色が悪いレミリアは部屋のベッドで寝かされていた。側にはサバミとリードシクティスが立つ。
「サバミさん。これでいいんですね」
「あぁ、今は誰にも会わせない……と言うより起こさない方がいい。心が完全に壊れるのを早めるからな」
「なんでここまで心を壊そうと……」
「あいつは悪魔の力を受け止めきれずに暴走し、百年封印されたんだ……それで、悪魔を見ると心がおかしくなるんだ」
サバミとリードシクティスはゆっくりとなるべく足音を立てず部屋を出て、静かに扉を閉める。
「サバミさん……心を覗いて黒幕子の過去を知ったんですか?」
「ん? シクティスさん分かってなかったのか? 百年前、私たちが住む世界ではなまら有名だったらしいぜ」
「えっ!? そうなんですか?」
サバミの言葉を受けたリードシクティスは驚愕の表情に変わってそう言い、口を両手で塞ぐ。
「……とにかく、あの女の子のために勝つぞ」
「はい……!」
◆
ベッドがある簡素な部屋に扉を開けたサバミが入ると、深刻な雰囲気が漂うカサゴが立っていた。
「なんか話か?」
「お姉ちゃん……あの女の子……このままだと明日死ぬんだよね」
「……カサゴ、見ていたのか」
「私も一応、黒幕子が使った心を破壊する魔法を使えるから……」
サバミはベッドに腰掛ける。カサゴは立ったまま、深刻な顔付きの姉妹による会話が続いていく。
「勝って問題解決すればいい。あとカサゴ、このことを他の人にバラすな。試合に影響が出るぜ」
「分かった。絶対に勝って、あの子の家族を返してもらおう」
「あぁ」