オリキャラと東方キャラで超次元サッカーする話 作:みかづき椛
紅魔館内のとある部屋ではコチヤーズメンバーから扉に立つ咲夜の姿をした者に注目していた。
「咲夜……? 黒幕子に捕まってるはずだろ?」
そう言った魔理沙は恐る恐る、サバミとともに優雅に歩を進め始めた咲夜の姿をした者に近付く。
「誰だ……おま――」
「そうか! その手があったか!」
サバミは魔理沙の言葉を遮ると、咲夜の姿をした者が棺桶の前に立ち、過呼吸のレミリアと視線を合わせる。
「目覚めの時間です。お嬢様」
「咲夜……? ぶ……無事でよかった……」
恐る恐るまぶたを開き、目の前にいる者を見たレミリアは呼吸が落ち着き、安堵するように眠りについた。
「呼吸が……収まった……」
「みなさん……お話があります。別の部屋で」
◆
コチヤーズメンバーと霊夢と小悪魔は咲夜の姿をした者の提案でレミリアがいない部屋に集まった。
「早速質問よろしいですか? あなたは……十六夜咲夜ではありませんね」
手を挙げた文の質問を受けた咲夜は頷くと、フナが立ち上がって叫びながら咲夜を指差した。
「あーー!! もしかしてお姉ちゃん!?」
「お前シラウオか!」
そう叫んだラックに指を差された咲夜の姿をした者は頷くと、フナは鼻息を荒立てながら席を立った。
「お姉ちゃんはくノ一で変装得意で、すごく器用なんです!!」
「なるほど……誰かが咲夜、フラン、パチュリーに仮装してレミリアのメンタルを安定させつつ、十日後の試合に勝って本物の三人を取り戻す……つまりこういうことか?」
魔理沙の質問に咲夜の姿をしている者は頷いた。霊夢は心配そうに部屋の出口の扉を見つめ始める。
「全然幻想郷に住んでない人が咲夜の代わりだなんて大丈夫……?」
「バレたら即死だと思うが……それでもこの作戦に賭けるしかないな……」
「分かった。パチュリーに仮装してくれそうな人なら私が連れてきてやる」
硬い表情をしているサバミの肩に魔理沙は優しく手を置き、そう言う。さらにカサゴは勢いよく左手を挙げる。
「はい!! もう1人の娘なら私にやらせてください!! 同じ髪色だし!」
「でもカサゴ……知らないだろ?」
「やらせて! 監督だけどほとんど役に立っていないから……」
「それじゃあ……私が妹様の喋り方についてご指導します」
手を挙げてそう発言した小悪魔はそう言うと、早苗は笑顔に変わり、右拳を突き上げた。
「よし! レミリアが次に目覚める前に紅魔館に住むメンバーを揃えておきましょう!」
◆
数時間後、棺桶で眠るレミリアが目を覚まして起き上がると、そこには見慣れた四人が立っていた。
「う……うわぁぁぁぁ!!」
レミリアは泣き叫び、咲夜のお腹に顔をうずめた。フランドールがレミリアを指差して嘲笑い始める。
「キャハハ! なんで泣いてんのよお姉様!」
「そうよレミィ。貴方紅魔館の主でしょう? そんなみっともない姿見られたらカリチュマって笑われるわよ」
フランドールとパチュリーはレミリアに向けて嫌味を言うと、レミリアは前のめりに倒れた。
「え……」
「ちょっとみなさん! メンタル破壊しにかかってどうするんですかー!」
涙目の小悪魔が周りにそう訴える。レミリアは仮装した三人と小悪魔本人と過ごす生活が始まった。
◆
数日後の昼頃、仮装を解いたユニフォーム姿のシラウオがMFが特訓するサッカーコートに入った。
「また紅茶が合わなくて気絶させたの?」
アシカの質問にシラウオは無言で頷く。すると、近くにいるキクラゲはクスクスと笑い始める。
「それじゃあ紅茶にキノコでも入れたら〜?」
「余計におかしくなるだろ」
ラックはそうツッコむと、フナは心配そうにシラウオに近付き、無表情で目にクマがある顔を見つめ始めた。
「お姉ちゃん……大丈夫?」
「大丈夫」
「その大丈夫は大丈夫じゃなさそう……」
「さすがシスコンのフナね。私は普通の返事に見えたわ」
無愛想なアシカはそう言うもシラウオは表情崩さず、ボールを持ってフィールドに向かい始めた。
「うぅ……お姉ちゃん……頑張って……」
◆
数日後、三日月の光が幻想郷を照らしている頃、博麗神社の鳥居の前に霊夢が降り立った。
「あの三人のおかげでレミリアはなんとか生きてるけど……もつかしら……」
「レミリア……まだ……生きてる……?」
「え?」
背後からの女の子の声に反応した霊夢が振り向くと、そこには曇った表情の黒幕子が空を飛んでいた。
「あんた……いたの……?」
「悪魔は……殺す……悪魔は……殺す……」
取り憑かれたかのように悪魔への恨みを呟く黒幕子は、霊夢の視界から一瞬にして消えた。