【全話挿絵】婚約破棄された悪役令嬢、実は元覇王でした ~小僧、婚約を破棄し国外追放するだと? 作:よっちゃ
続き
司会者
「それでは続いての写真です。
大変ショッキングな写真です。皆さん、驚かないでください」
「こちらの写真は、今
覇天軍の軍団員の方から寄せられたものです」
「では──ご覧ください」
モニターに一枚の写真が映し出される。
荒野を走る馬車。
その馬車を──半裸の男が必死の形相で引いている。
後ろの御者台には、黒いドレスの女性。
──おわかりいただけたでしょうか。
コズエが恐る恐る口を開いた。
「……あの、これ大丈夫な写真ですか? その、
ノブナガが身を乗り出す。
「いや待ってください、そもそも
レンが困惑した表情で言う。
「
司会者
「私から状況を説明させていただきます。
まずこの男性は、覇姫エレクシア様を暗殺するべく送り込まれた暗殺者です。
そして四天王に返り討ちにされ、このような罰を受けているということです」
ノブナガが真顔で言う。
「あの覇天軍に喧嘩売ったら……そりゃまあ、そうなりますよね」
スタジオに軽い笑いが起きる。
しかし司会者は、まったく笑わず、真面目な顔で続けた。
「ですが──問題はそこではありません」
スタジオの空気が一瞬で引き締まる。
司会者がモニターを指さす。
「この写真には、もう一つ不可解な点があります」
ゲストたちが改めて写真を見つめる。
「本来、ここにいるはずのないもの……」
「いや──」
「いてはいけないものが写っているんです」
コズエが小さく声を漏らす。
「え……いてはいけないもの?」
司会者がカメラに指示を出す。
「カメラさん、少し寄ってもらえますか」
コズエ
「きゃ──ーっ!!」
司会者
「カメラさん、左上の方です」
司会者
「──そう、そのあたりです」
そこに映っていたのは──
一頭の馬の顔だった。
レンが何かに気が付く。
「あれ……ちょっと待ってください」
モニターを指差す。
「この写真……
「でも……なんで後ろに
スタジオに沈黙が落ちる。
司会者が静かにうなずく。
「ええ、レンさんの仰る通りです」
「
馬が、いるんです」
スタジオに動揺が走る。
司会者
「それでは、この写真について霊視をお願いしましょう」
「ギーボ先生、いかがでしょうか」
霊能力者ギーボが静かに目を閉じる。
「……見えます。
先ほどの説明にもありましたが、
この男は現在──ざまあ執行中です」
レンが声をたまらず漏らす。
「すごい“ざまあ”ですね……」
ギーボが続ける。
「現在は、このように……罰として馬車を引かされていますが、
この写真の本当のポイントはそこではありません」
スタジオが静まる。
ギーボが馬を指さす。
「この馬です」
司会者
「この馬、ですか」
ギーボ
「ええ。この馬は──かつてこの冒険者に酷く扱われていました」
「無理な荷を引かされ、
疲れても休ませてもらえず……」
「そして、無念のまま
スタジオ
「……」
ギーボがゆっくり画面を見る。
「ですが、この日、この男が“ざまあ”されている噂を聞きつけ──」
「わざわざ見に来ました」
ノブナガ
「……それは、 野次馬 ってことですか?」
ギーボがカメラを見据え、神妙な顔で頷く。
「はい…… 野次馬 の霊です」
スタジオが静まり返る。
司会者
「カメラさん、もう少し馬の顔に寄れますか」
画面いっぱいに馬の顔が映る。
司会者
「……ご覧ください。この馬の……」
「いえ、本懐を遂げた者の目を」
コズエが息をのむ。
「うわ……なんか……」
「めっちゃ──ざまぁ──って言ってるような気がします」
ノブナガが腕を組む。
「めちゃくちゃ冷めた目してますね」
「そう、まるで汚物を見るような目で」
司会者
「ええ。とても冷めた目で、この男を見ています」
ギーボが静かにうなずく。
「ですが同時に──」
「とても満足しています」
「こう言っています」
「“ざまぁ” とね」
コズエが恐る恐る言う。
「この子は……その……」
「野次馬さんは、成仏できたんでしょうか……?」
ギーボが真剣な眼差しで頷く。
「ええ」
「もう、この馬は成仏して、
「ですから皆さん、ご安心ください」
「これは──」
「ただ“ざまぁ執行”を面白半分に見に来ただけの……」
「ただの、野次馬の霊 です」
──おわかりいただけたでしょうか。
虐げられ、
酷使され、
理不尽に命を落とした者の恨み。
その声を──
「……
┈┈┈ おまけ ┈┈┈
これは、家の近くの道を何となく撮影した写真です。
もちろん、撮影した時──
道には誰もいませんでした。
ですが写真を確認すると、
このようなものが写っていました。
司会者
「これは……一体なんなのでしょうか」
霊能力者ギーボが静かに言う。
「写真に写っているのは──悪魔です」
スタジオ
「ええええ!?」
ギーボ
「ですが、この写真には少し不思議な特徴があります」
「これ、見える方と……見えない方がいるんです」
コズエ
「え?」
ギーボ
「霊的な力が強い方は──」
「二体の悪魔がはっきり見えます」
「ですが、弱い方は」
「おそらく……下の一体しか見えません」
コズエ
「うわああああ!!」
「やだやだやだ!!」
「わたし二体見えます!!」
「どうすればいいんですか!?」
ギーボは静かに頷く。
「ご安心ください」
「もし二体見えてしまった場合は──」
「お気に入りに追加」
「評価」
「これを行っていただければ、
特に問題はありません」
コズエ
「します! します!」
「すぐしますー!!」
──おわかりいただけたでしょうか。
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番組では、皆さんのお手元にある
「不可解な写真」を募集しています。
もし、プロの霊能者に一度見てもらいたい写真がありましたら、
ぜひ番組までお送りください。
それが──
ただの偶然なのか。
それとも、
本当に“何か”が写っているのか。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
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