【全話挿絵】婚約破棄された悪役令嬢、実は元覇王でした ~小僧、婚約を破棄し国外追放するだと?   作:よっちゃ

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第16話 心霊写真系ざまぁ 野次馬の生き様 《番外編②》

 続き

 

 

 司会者

 

「それでは続いての写真です。

 大変ショッキングな写真です。皆さん、驚かないでください」

 

「こちらの写真は、今(ちまた)を賑わせている

 覇天軍の軍団員の方から寄せられたものです」

 

 

 

「では──ご覧ください」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 モニターに一枚の写真が映し出される。

 

 荒野を走る馬車。

 その馬車を──半裸の男が必死の形相で引いている。

 後ろの御者台には、黒いドレスの女性。

 

 

 ──おわかりいただけたでしょうか。

 

 

 コズエが恐る恐る口を開いた。

 

「……あの、これ大丈夫な写真ですか? その、()()と」

 

 ノブナガが身を乗り出す。

 

「いや待ってください、そもそも()が馬車を引いてません?」

 

 レンが困惑した表情で言う。

 

()()が全然わからないんですけど……」

 

 司会者

 

「私から状況を説明させていただきます。

 まずこの男性は、覇姫エレクシア様を暗殺するべく送り込まれた暗殺者です。

 そして四天王に返り討ちにされ、このような罰を受けているということです」

 

 ノブナガが真顔で言う。

 

「あの覇天軍に喧嘩売ったら……そりゃまあ、そうなりますよね」

 

 スタジオに軽い笑いが起きる。

 しかし司会者は、まったく笑わず、真面目な顔で続けた。

 

「ですが──問題はそこではありません」

 

 スタジオの空気が一瞬で引き締まる。

 司会者がモニターを指さす。

 

「この写真には、もう一つ不可解な点があります」

 

 ゲストたちが改めて写真を見つめる。

 

「本来、ここにいるはずのないもの……」

「いや──」

「いてはいけないものが写っているんです」

 

 コズエが小さく声を漏らす。

 

「え……いてはいけないもの?」

 

 司会者がカメラに指示を出す。

 

「カメラさん、少し寄ってもらえますか」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 コズエ

 

「きゃ──ーっ!!」

 

 司会者

 

「カメラさん、左上の方です」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 司会者

 

「──そう、そのあたりです」

 

 

 そこに映っていたのは──

 一頭の馬の顔だった。

 

 レンが何かに気が付く。

 

「あれ……ちょっと待ってください」

 

 モニターを指差す。

 

「この写真……()が馬車を引いてますよね?」

「でも……なんで後ろに()も、いるんですか?」

 

 スタジオに沈黙が落ちる。

 

 司会者が静かにうなずく。

 

「ええ、レンさんの仰る通りです」

()()()……

 馬が、いるんです」

 

 スタジオに動揺が走る。

 

 司会者

 

「それでは、この写真について霊視をお願いしましょう」

「ギーボ先生、いかがでしょうか」

 

 霊能力者ギーボが静かに目を閉じる。

 

「……見えます。

 先ほどの説明にもありましたが、

 この男は現在──ざまあ執行中です」

 

 レンが声をたまらず漏らす。

 

「すごい“ざまあ”ですね……」

 

 ギーボが続ける。

 

「現在は、このように……罰として馬車を引かされていますが、

 この写真の本当のポイントはそこではありません」

 

 スタジオが静まる。

 

 ギーボが馬を指さす。

 

「この馬です」

 

 司会者

 

「この馬、ですか」

 

 ギーボ

 

「ええ。この馬は──かつてこの冒険者に酷く扱われていました」

「無理な荷を引かされ、

 疲れても休ませてもらえず……」

「そして、無念のまま()()()()()()()()

 

 スタジオ

 

「……」

 

 ギーボがゆっくり画面を見る。

 

「ですが、この日、この男が“ざまあ”されている噂を聞きつけ──」

「わざわざ見に来ました」

 

 ノブナガ

 

「……それは、 野次馬 ってことですか?」

 

 

 ギーボがカメラを見据え、神妙な顔で頷く。

「はい…… 野次馬 の霊です」

 

 スタジオが静まり返る。

 

 司会者

 

「カメラさん、もう少し馬の顔に寄れますか」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 画面いっぱいに馬の顔が映る。

 

 司会者

 

「……ご覧ください。この馬の……」

「いえ、本懐を遂げた者の目を」

 

 コズエが息をのむ。

 

「うわ……なんか……」

「めっちゃ──ざまぁ──って言ってるような気がします」

 

 ノブナガが腕を組む。

 

「めちゃくちゃ冷めた目してますね」

「そう、まるで汚物を見るような目で」

 

 司会者

 

「ええ。とても冷めた目で、この男を見ています」

 

 ギーボが静かにうなずく。

 

「ですが同時に──」

「とても満足しています」

「こう言っています」

 

 

「“ざまぁ” とね」

 

 

 コズエが恐る恐る言う。

 

「この子は……その……」

「野次馬さんは、成仏できたんでしょうか……?」

 

 ギーボが真剣な眼差しで頷く。

 

「ええ」

「もう、この馬は成仏して、()きました」

「ですから皆さん、ご安心ください」

 

「これは──」

「ただ“ざまぁ執行”を面白半分に見に来ただけの……」

 

「ただの、野次馬の霊 です」

 

 

 ──おわかりいただけたでしょうか。

 

 

 虐げられ、

 酷使され、

 理不尽に命を落とした者の恨み。

 

 その声を──

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「……ヒヒヒーン(ざまぁ)……」

 

 

 

 

 ┈┈┈ おまけ ┈┈┈

 

 これは、家の近くの道を何となく撮影した写真です。

 

 もちろん、撮影した時──

 道には誰もいませんでした。

 

 ですが写真を確認すると、

 このようなものが写っていました。

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 司会者

 

「これは……一体なんなのでしょうか」

 

 霊能力者ギーボが静かに言う。

 

「写真に写っているのは──悪魔です」

 

 スタジオ

 

「ええええ!?」

 

 ギーボ

 

「ですが、この写真には少し不思議な特徴があります」

「これ、見える方と……見えない方がいるんです」

 

 コズエ

 

「え?」

 

 ギーボ

 

「霊的な力が強い方は──」

「二体の悪魔がはっきり見えます」

「ですが、弱い方は」

「おそらく……下の一体しか見えません」

 

 コズエ

 

「うわああああ!!」

「やだやだやだ!!」

「わたし二体見えます!!」

「どうすればいいんですか!?」

 

 ギーボは静かに頷く。

 

「ご安心ください」

 

「もし二体見えてしまった場合は──」

 

「お気に入りに追加」

 

「評価」

 

「これを行っていただければ、

 特に問題はありません」

 

 コズエ

 

「します! します!」

 

「すぐしますー!!」

 

 

 

 ──おわかりいただけたでしょうか。

 

 

 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 番組では、皆さんのお手元にある

「不可解な写真」を募集しています。

 もし、プロの霊能者に一度見てもらいたい写真がありましたら、

 ぜひ番組までお送りください。

 それが──

 ただの偶然なのか。

 それとも、

 本当に“何か”が写っているのか。

 

 




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