【全話挿絵】婚約破棄された悪役令嬢、実は元覇王でした ~小僧、婚約を破棄し国外追放するだと?   作:よっちゃ

21 / 26
第21話 覇姫エレクシア探検隊~密林に潜む未開の部族を追え!①

 

【春休み特別企画 ①】

 覇姫エレクシア探検隊

 ~密林の婚約破棄部族を追え!! 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 テーマソング

『ゆけ! ゆけ! 覇姫(はき)エレクシア』

 

 ♪ ディッディッディッディ ♪ ディッディッディッディ

 

 ♪ 覇姫エレクシア(かわぐち ひろき)密林(ジャングル)(はい)る。

 ♪ 四天王(カメラマン)先遣隊(せんけんたい)(あと)(はい)る。

 

 ♪ 密林(ジャングル)(なか)には 白骨(はっこつ)(ころ)がる。

 ♪ (なに)かで(みが)いた (よう)なピカピカの 石像(せきぞう)(たたず)む。

 

 ♪ すると突然(とつぜん) (しげ)みの(なか)から

 ♪ (のろ)いの毒蛇(へび)(おそ)ってくる。

 

 ♪ ヒャッハー汚物(おぶつ)消毒(しょうどく)

 ♪ (すべ)()(はら)う。

 

 ♪ ヘビの攻撃(こうげき)()()ると

 ♪ 次には(どく)蜘蛛(ぐも)()れが()ちてくる

 

 ♪ (どく)蜘蛛(ぐも)(つぎ)恐竜(ドラゴン)だ! 

 ♪ エレクシアは素手(すで)(なぐ)(たお)す。

 

 ♪ ゆけ ゆけ 覇姫(はき)エレクシア♪ 

 ♪ ゆけ ゆけ 覇天(ざまあ)(ぐん)女子(じょし)♪ 

 ♪ ゆけ ゆけ 乙女(しゅくじょ)のために♪ 

 ♪ 密林(ジャングル)(おく)へ! 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 ──覇姫エレクシア探検隊。

 

 彼女たちは今、人跡(じんせき)未踏(みとう)といわれる密林の奥地へ足を踏み入れていた。

 この密林のどこかに、婚約破棄を繰り返す謎の()()()()()が存在するという──。

 

 それは果たして伝説なのか。

 それとも恐るべき事実なのか。

 

 それを確かめるべく密林の奥へと進むエレクシア隊長率いる探検隊。

 

 巨大な樹木が空を覆い、陽の光はわずかしか届かない。

 湿った空気、鳴き続ける見知らぬ怪鳥。

 草むらの奥で何かが動く気配、人の行く手を阻む(つた)

 まさに未開の世界である。

 

 そのとき──

 先遣隊の足が、ふいに止まった! 

 

 松明(たいまつ)の光が照らし出したのは、

 密林の地面に転がる無数の白骨(はっこつ)であった。

 白骨(はっこつ)が、あちこちに横たわっている。

 この場所で多くの人間が命を落としたのだ──。

 

 そのとき。

 エレクシア隊長が静かに歩み寄った。

 そして慈愛に満ちた手で、優しく()()に手をかざす。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 発動したのは、過去を読み取る特殊スキル。

 そしてこの白骨の正体が明らかになった。

 

 それは──

 かつて婚約破棄された、一人の令嬢の(むくろ)であった……。

 彼女はすべてを失い、この密林へと流れ着いたという。

 

 ここ(ジャングル)でカフェを開き、静かなスローライフを送る。

 そんな夢を抱いていたらしい。

 

 だが。

 現実はあまりにも残酷であった。

 なぜなら、この密林は安らぎのオアシスなどでは決してないのだから。

 

 エレクシア隊長は静かに目を閉じ、手を合わせた。

 密林の奥には、 まだいくつもの白骨が転がっている。

 隊員(しゅくじょ)たちが、その白骨をひとりひとり丁寧に埋葬する。

 

 理不尽に婚約破棄をされ、

 夢を追い、そして力尽きた令嬢たち。

 

 リリアーナが小さく呟いた。

 

「……夢追いの密林、というわけですか……」

 

 これが、

 婚約破棄された者の末路だというのか。

 

 あるいは──

 これは、自分たちの姿だったのかもしれない。

 

 同じ境遇を経験した隊員(淑女)たちの表情は、

 わずかに暗くなっていた。

 

 そのとき──

 エレクシア隊長が、

 突然、手を上げた! 

 

「待て」

 

 一行が足を止める。

 奇妙なことに、白骨のそばには石像が立っていた。

 

 (こけ)むした密林の中で、()()()()()()()()()()()()()()石像が佇んでいた。

 

 一体これは何なのか。

 

 未開の密林の奥地で発見された謎の石像。

 この地には、まだ誰も知らない秘密が隠されているのかもしれない。

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 先を進むエレクシア探検隊一行。

 

 ──そのときであった。

 密林の茂みが、ざわりと揺れた。

 

 次の瞬間──

 無数の影が、草むらから一斉に飛び出したのである! 

 

 それはこの密林に棲む恐るべき魔獣、その名は──

呪蛇(じゅじゃ)()()()()()()()

 

 全身は禍々(まがまが)しい黒紫色(くろむらさきいろ)

 その牙には、凶悪な呪毒が宿る。

 ひとたび噛まれれば体内に恐ろしい呪いが流れ込み、命を(むしば)み続けるという。

 しかもその呪いは、高位の神官ですら

 完全に浄化することが困難だといわれている。

 

 まさに密林の死神。

 そう、この毒蛇こそ──

 スローライフを夢見て、この密林に足を踏み入れた

 多くの令嬢たちの命を奪ってきた恐るべき存在なのである。

 

 

 覇姫エレクシア探検隊に

最大の危機が迫る!!(一回目)

 

 

 だが──

 探検隊の淑女の一人が、静かに前へと歩み出た。

 その手に握られていたのは──

 巨大な火炎放射器。

 

汚物(おぶつ)は消毒しますわ」

 ゴオオオオオオオオオオ!! 

 凄まじい炎が密林の茂みごと、蛇の群れを焼き尽くした! 

 

 邪悪な蛇共に逃げ場はない。

 死神呪蛇(じゅじゃ)()()()()()()()たちは炎の海の中で暴れ回るが──

 やがてすべてが黒い灰へと変わっていく。

 

 その炎は──

 この密林で恐怖に震えながら命を落とした少女たちの、

 無念を晴らす炎でもあった。

 

 

 ──最大の危機を乗り越えた探検隊。

 

 

 そして次になんと一行は、

 スキル《アイテムボックス》から

 テーブルや椅子を取り出し並べ始めたのである。

 

 エレクシア隊長がふと顔を上げた。

 そして給仕役をしていた隊員(メイド)へと声をかける。

 

「給仕、この(カフェ)のおすすめをくれ」

 

 突然の言葉に、周囲の隊員たちは一瞬だけ沈黙する。

 しかし──

 給仕役の隊員(メイド)はすぐに小さく一礼した。

 

「かしこまりましたお嬢様」

「当(カフェ)のおすすめは、カフェラテでございます」

 

 彼女は手際よく道具を並べる。

 ミルクを温め香り高いコーヒーを注ぎ、

 丁寧に泡立てたミルクを重ねていく。

 

 まるで本物の喫茶店のように。

 やがてカップがエレクシアの前へと置かれた。

 

「お客様お待たせいたしました。

 カフェラテでございます」

 

 エレクシア隊長はカップを手に取り、

 一口だけ静かに口をつける。

 

 密林の奥深く。

 白骨の眠る魔の森のど真ん中で。

 

 探検隊の淑女たちは、

 まるでそこが本当に小さな喫茶店であるかのように

 振る舞っていた。

 

 そう──

 ここは魔の密林にある小さなカフェテリア(スローライフ)

 

 理不尽に婚約破棄され、

 それでも折れずにスローライフを夢見、

 この地へ辿り着いた若き令嬢たち。

 

 彼女たちは皆、この密林のどこかで

 小さな喫茶店を開くことを夢見ていた。

 

 静かな森でゆったりと流れる時間。

 香り高い珈琲。

 そんな穏やかな日々を、思い描いていたのである。

 

 だからこそ──

 せめて今だけは……

 

 

 ②へ続く

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

『いいね』や『お気に入りに追加』で応援していただけたら喜びます^^

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。