【全話挿絵】婚約破棄された悪役令嬢、実は元覇王でした ~小僧、婚約を破棄し国外追放するだと? 作:よっちゃ
この身に美を帯びるなど、我が生き様には恥辱!
醜女のまま足掻き、醜女のまま逝く!
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「──おいブス、貴様との婚約を破棄する。父上にも許可をいただいている。理由は言わずとも分かっているだろう? お前が……あまりにも醜いからだ!」
「え? そ、そんな……殿下……急になぜ……」
「急になぜだと? 気色の悪い声で
侯爵家の財目当てで我慢していただけの話よ。
だが、それも
見よ! この外見も魂も
「ねえ、あんたみたいなゴブリン女……あ、それはゴブリンに失礼ね。とにかく、
「…………」
「そういう事だ。もう一度改めて言うぞ。
ブスよ、貴様との婚約を、今ここで破棄「うるせえええッ!! この
「な、なんだと……!?」
「
上等じゃねえか。たかがモッビーのくせに!
てめえの口臭は三日三晩放置された
「も、もっびー? き、きさま、その態度はなんだ!? ブスのくせに!
「
だが、なぜわざわざ学園の卒業パーティーで晒し者にするんだ!? てめえには人の心ってもんがないのか? たかだか顔面偏差値だけが取り柄の
「き、きさま……」
「お前らさ、
ああ、わかったよ、いいだろう。貴様のその婚約破棄、受けてやろうじゃねえか!
顔だけの腐臭モルボル王子と、全身整形改造済みのサイボーグ聖女だなんて、お似合いのカップルじゃねえか! ガハハハハ」
「ブス! 貴様、美しい聖女である彼女への侮辱は許さんぞ! 取り消せ、さもなくば、今ここでたたっ斬ってやるぞ!」
「はっ! 笑止! その女の“美”が作り物だと見抜けぬとは、この場の連中の眼は節穴か!
いいだろう、愚かなモルボルよ、教えてやる。その女が貴様の
その
それでも臭えからと、常に清浄魔法を
「な、何を根拠に──!
こ、この、ナメクジオーク女が! 私の美貌は生まれ持ったものよ!」
「ガハハハ! 聖女サイボーグよ! 貴様が聖なる力に目覚めて最初に願ったのは何だ!?
“世界を救う力”か?
違うな! 貴様が願ったもの、それは、その偽物の
なあ、そうだろう!? 出てこいよゴミクズ精霊王!」
「──我を呼んだか、
「出やがったなバケモノめ! てめえがこの女を美女に作り変えたんだろう!?
オレは忘れてねえぞ……! 昔、オレがまだ餓鬼だった頃、貴様は一度、オレの前にも現れやがったな!?
その時どうした!? オレの顔を見た瞬間──悲鳴をあげて、光の裂け目に逃げ帰ったよなァ!!」
「…………」
「なぜだ? オレを貴様好みの美少女に
答えろ──
「──うむ、覚えておる。久しいな、醜き者よ。
そして……ふっ、やはり我の目に狂いはなかった」
「くっ……きさま」
「まさか、ここまで醜く育つとはな。
長命なる我でさえ、貴様ほどの
ふっ、全能とて万能ではない。我にも出来ることと、出来ぬことがある。
貴様のその醜さだけは……世界の
「…………」
「許せ、醜きブスよ。我が貴様を救わなかったがゆえに、貴様は外見だけでなく──ふっ、心まで
「……」
「……オレはな、なあ、王太子。
オレは貴様との婚約が決まった日── 嬉しすぎて、森中を裸足で駆け回ったんだ」
「…………それがどうした」
「王家が侯爵家の金目当てだってことくらい、餓鬼のオレにも分かってたさ。
それでもな、それでも── オレなんかを“選んでくれた”って思っちまったんだよ」
「…………」
「そこらに咲く花に話しかけたりしてよ、
“オレ、王子様と婚約したんだぞ! ”って。
そしたらさ、花のやろう、見事に
川を泳ぐ魚にも言った。
“こんな醜女のオレが、選ばれたんだぞ! ”ってよ。
そしたら……魚が動かなくなって、浮かんで来やがった。
あの死んだ魚の目、あの
くそっ、忌々しい……」
「……ブスよ、貴様の醜さは、神に呪われているのだ」
「ふふふ、そうさ。オレは幼い頃からずっと醜女、化け物って言われ続けて来た。
親兄弟はむろん、屋敷のメイド達にすらだ。
侯爵家の令嬢が、着替えはもちろん、己の
笑えるだろ?」
「……ブスよ、俺達が9つの頃、王家主催の舞踏会で、俺の口が臭えと笑った餓鬼共がいたな。
その後、そいつらは涙ながらに俺に謝罪してきたが、貴様が何かしたのか?」
「ふん、知れたことよ。腐臭がしようが、貴様の魅力に気付かぬ未熟者共に、わからせてやっただけだ」
「……」
「…………ちっ」
「……おい、その醜い
「……はあ? いきなりなんだ?」
「早く
「チッ、なんだってんだ、いきなりよ。
ふん、まさか、オレを斬るつもりか?
ちっ、好きにしろ……」
「くっ……ブスよ。目を閉じると、なおさら貴様のおぞましい
恐るべき……
「ふっ、お前の激臭も大概だがな……鼻が焼け落ちそうだ。
意識が飛びそうだぞ、モルボル」
「愛しい聖女よ。これに深い意味は無い。過ちを一度だけ許せ。
これは長年婚約者だった
「わかっているわ、モルボル殿下」
「その、醜眼を……開けるなよ」
「……」
「…………」
「……ちゅ……」
「……っ……ん……!?」
「……ぐちゅ……」
「……ん、……んん……」
「……ぬちゃ……」
「……っ、……」
「……ねちゃり……」
「──ぶぇっ……げほっ! おえええっ!!」
「うっ……おぇぇ……!! おぼぉっ!」
「くせえ……! 胃が……胃が苦しい……!」
「げええっ……! なんだその
「こっちこそ口の中がヘドロ溜めだ! おえぇっ!」「ぐっ……! 聖女……サイボーグよ、浄化を……! うぷっ……! 死ぬ……!」
「……」
「……む!?」
「──お、おい! な、なんだ!?」
「
「まさか……こ、これは……!」
「むう……この光……呪いが解けるのか!?」
「ま、眩しい……っ! め、目がああ!」
「……おい、見ろ!」
「髪の色が……変わっていく……!?」
「……醜女の髪が……」
「銀……いや──白銀だ……!」
「まさか……真の姿が現れるのか……!?」
続く
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
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