【全話挿絵】婚約破棄された悪役令嬢、実は元覇王でした ~小僧、婚約を破棄し国外追放するだと? 作:よっちゃ
続き
「……」
「…………」
「………………」
「……って、顔、同じじゃねえか!! 髪の色だけ変わって、顔も身体もそのままだぞ!」
「ギャハハハ! むしろ前より浮いてるんじゃない? その銀髪、致命的に似合ってないわよ!」
「はあ? なんだと!? オレの髪が……?」
「ブハハハハ! 誰か鏡を寄越せ!」
「……ほんとだ。オレの髪が白銀だ。妙に神々しい色しやがって」
「おいブスぅうう! 貴様、普通この流れは、呪いが解けて美少女が降臨とかじゃねえのかよ!」
「うむ。我もそう思ったが……。
ふっ、まさか
「ガハハハ! クソ共! うるせえ!!
このオレがたかが
オレだってな……なりたいわ、そんなもん。
オレだって、美しく……なりてえよ! 」
「……」
「って、嘘でぇーす!!
オレは美しくなんぞなりたくねえ!
それだけは……それだけは死んでも言えぬ!
オレは
──
この身に美を
「醜いブスよ、お前に何か呪いっぽいのがかけられていたのは事実だ。
ふっ、そしてそれは男の
ただ、呪いは全然関係なく、顔面は元来それだったのだな。
ふっ、流石は醜の化身よ」
「ふふふ、そうじゃねえ
「……何?」
「オレは
「…………」
「なあ王太子、いや、モルボル」
「…………」
「もしここで、
「…………」
「それまでのオレは、全部否定されることになっちまう」
「…………」
「醜女って言われ続けた日も、裸足で森を突っ走った日も、
「…………」
「全部、それはオレなんだ」
「…………」
「呪いが解けて美女になるだと!?
それでハッピーエンドってか!
なんだその、くそ安っぽいお涙頂戴のストーリーは!!
そんなの、このブス・グロリアはこっちから願い下げさ!」
「…………」
「オレから醜さを取っちまったら、ただの小娘になっちまう」
「オレは……醜女のブス・グロリア。
それでいいんだ……そうだろう?」
「……」
「……ああ、そうだな……」
「醜女のまま立って、醜女のまま吠えて、醜女のまま足掻いて、醜女のまま逝ってやる!」
「モルボル、オレが唯一愛した男。
口や体が臭えのなんてお前を語る上で
オレにとってはお前がこの世で最高の男だった。
そして聖女サイボーグよ、お前は美しい。
そうだ、お前は今誰よりも美しいのだから」
「……」
「ふふ……侯爵令嬢、
同じ男を愛した
ならば貴様の
無様を晒すなよ?」
「……ああ、俺は汚臭の王太子モルボル。
口と体から汚物みてえな臭いのする、汚臭王となりこの国をより繁栄させてみせるさ」
「ふん、救いようのねえ、愛すべき
王太子モルボル、聖女サイボーグ!
残る余生、ふたり幸せに暮らせい!
じゃあな、あばよ!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「……醜いアヒルのブスお嬢様」
「なんだ守銭奴の銭ゲバメイドよ?」
「遠い、海の向こうの異国、覇道を往く女がおります」
「ほう……」
「名は……公爵令嬢、
「……オレにはわかる。その
「誰よりも美しく、誰よりも
その歩みは血を裂き、視線は魂を
「……今のオレでは、その女の、足元にも及ばぬだろうな」
「
「このオレは……
「
「人が
人が目を
人が石を投げるもの──」
「──ならば、オレはその全てを……、
この醜の身に、
「オレによこせ、この世の全ての
「オレは──
「
「その時──、
「どちらがこの天地を喰らい、覇者となるか、決めてやろうじゃねえか」
「オレの墓標に名はいらねえ、
死すならば、
── そうさ、この世の美を踏み砕き、
世界中の
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
チャッ! チャッ! チャララッラ──!
チャッ! チャッ! チャッ!
チャッ チャッ チャララッラ……
チャッ チャッ チャッ……
「ママ、見て! すっごい
「しっ! 見ちゃいけま──
……いや、違う。
あれが── 哀しみを背負い、世の醜を纏い、天に挑まんとする
「その
「 ふーん 」
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「美の覇者に、人は
醜の覇者に、人は
──覇阿メルン書房刊『覇道思想史概論』
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