【全話挿絵】婚約破棄された悪役令嬢、実は元覇王でした ~小僧、婚約を破棄し国外追放するだと? 作:よっちゃ
《 覇天軍軍歌 》
誓いを裂かれしその日より
涙は鋼の刃となれり
傲慢なる
軽薄の証は灰と散る
愛を侮る愚か者よ
貴様の
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
とある学園の卒業パーティー。
──
「子爵令嬢シンシアよ! 陰気な貴様との婚約を破棄し、俺はこの愛らしい男爵令嬢キャロラインと結ばれる!」
「そ、そんな……なぜ」
「ふふん」
膝から崩れ落ちる、すべてを失った令嬢シンシア。
大きな胸を張り、勝ち誇る泥棒猫の令嬢キャロライン。
周囲の冷たい
シンシアを見下ろし、
ここにまた一人、婚約破棄を宣告され、
未来を断たれ、地に伏す女が生まれる。
──と、思われた、その時。
「ヒャッハー! 婚約破棄野郎は消毒だ!」
扉が吹き飛び、嘲笑が凍りついた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
──ある日を境に、婚約破棄の現場には“太陽”が昇るようになった。
嘲笑が起これば、轟音が鳴り響き、
断罪が始まれば、扉が砕け散る。
銀髪を揺らし、美の覇気を
公爵令嬢──
かつて覇王(享年十八)であった記憶を取り戻し、今生でも覇道を往く
そしてその太陽に
かつて捨てられ、かつて
婚約破棄を狩って回る覇の軍勢──
──
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
真紅のドレスが大きく円を描き、覇姫エレクシアが悠然と姿を現す。
「立てい、むすめよ!
そのような
立ち上がり、見事そやつの
その言葉に、絶望に染まっていたシンシアが涙を拭い、悪鬼のように立ち上がる。
再び熱を
── ニヤリ、口元が歪む。
「ひいいい! は、覇姫エレクシア! 覇天軍!!
噂は、本当だったのか!」
無様な悲鳴をあげ、股間を押さえて
ここにまた一人、婚約破棄を宣告し、
まさに、その時。
「待てい」
静まり返る会場。
そこに立っていたのは一人の
鼻は低く、頬は張り、肌は荒れ、神に見放され、祝福されぬ造形。
選ばれぬ女。美の対極──
だが、その身に宿るは覇。
「令嬢よ、捨てた男の
今まさに、
「ふん、
覇姫エレクシアが、凍てつく
「名乗らせて頂こう! 我こそは……」
「
この
──我が名は、
一瞬の沈黙。
覇姫エレクシアの長き髪が、大きく揺れた。
「ハハハハハハ!」
それは覇に挑む“愚かさ”を
覇に挑む
「その容姿、貴様も男に捨てられたな。
そして修羅の道を往く
よかろう、その意気や良し!
ならばまずは、その生き様、試してやろう!」
エレクシアは、ただ一歩、踏み出した。
それだけで空気が裂ける。
「受けてみろ、このエレクシアの無敵の一撃」
『
それは、祝福され、選ばれし美の、絶対の一撃。
美しい光が醜を呑み込む。
赤き
「誇れ、そして眠れい、
身を
誰もが確信した。 終わった、と。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
光の中で、意識が沈む。
──ここまでか。
覇姫エレクシア……やはり、強すぎた。
闇が迫る、その時。
知らぬ記憶が、溢れ出す。
笑い、泣き、読み
でも最後まで心に残ったのは
── 祝福されぬ女、選ばれぬ女、
背を向けられても、
愛を捨てなかった、あの醜い女。
救いのない物語。
だけど私は──あの生き様に、惚れた。
迫るトラック……
「わたしの……なまえ……さ、と……み……?」
だが。
「否!」
闇を裂くように、頭に、魂に声が響く。
「オレは
続く
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
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