【全話挿絵】婚約破棄された悪役令嬢、実は元覇王でした ~小僧、婚約を破棄し国外追放するだと? 作:よっちゃ
続き
「馬鹿な……肉体は砕けたはず!」
「貴女は太陽だ。すべてを照らす。
だが、その輝きは強すぎる……」
立ち上がった醜姫ブスが、一歩、踏み出す。
「オレは背負う。
喰らい尽くす、すべての
「うぬごときが
ならば、貴様の
エレクシアの拳が、まるで小さな太陽の如く、赤く燃え上がる。
「愚か者めが。愛などと!
愛ゆえに人は苦しみ、
愛ゆえに人は
太陽は焦がすのみ、抱きはせぬ。
滅びよ──醜き愛と共に!」
『受けよ!
「愛ゆえに人は悲しみ、
愛ゆえに人は醜くもなる!
だが、その
『喰らい尽くせ──
黒き覇が広がり、太陽を呑まんとする。
光と闇が衝突した瞬間
── 世界が、白に染まる。
轟音が鳴り響き、床が裂け、天井のシャンデリアが砕け散る。
冥の覇は日輪に呑み込まれ、醜姫ブス・グロリアの身体が宙を舞った。
赤き絨毯を裂き、壁に叩きつけられる。
だが── 日輪の
エレクシアの赤きドレスが、衝撃に裂ける。
静寂だけがあった。
そして
だがその足元には、 わずかに焦げた
エレクシアはゆっくりと視線を上げる。
その瞳から、
「見事だ、
そして天に感謝せねばなるまい。
これほどの
フフフ、このエレクシアをここまで本気にさせるとはな。
もはや貴様を
血が石畳に落ちる。
それでも倒れぬ醜姫を前に、エレクシアはわずかに顎を引いた。
「次の一撃が貴様の最後になろう。
真の
我が最強の技にて貴様を
それが
エレクシアが静かに構える。
赤き覇気が収束し、その背後に、巨大な
「天を裂き、
地を断つ。
神殺しの一撃。
これぞ我が究極の奥義──」
一方、醜姫は膝を震わせながらも両腕を広げる。
闇が足元から広がり、会場の光を呑み始める。
「退かぬ、
折れぬ、
この無様な愛も
喰ろうてやる……すべてを!
世の
互いの矜持をかけ、両者が同時に踏み込んだ。
『滅せよ!
『纏う!
──その刹那。
天が裂けた!
ズガガガガガ──ン!!
二人の間に、雷光が落ちる。
光が、闇が掻き消え、衝撃波が吹き荒れる。
「……ば、馬鹿な!」
覇姫エレクシアが天を睨む。
「天よ、貴様、なぜ邪魔をする!」
ただ静寂だけが答える。
やがて。
「……ハハ」
紅き唇が弧を描く。
「ハハハハハ!」
それは
「天よ、この
よかろう、貴様が止めるというのなら
── この戦い、預けようではないか」
エレクシアは一歩退き、赤きドレスの裾をつまみ上げる。
完璧なる角度、完璧なる静止。
それは宮廷礼法の極致──
真の淑女にのみ許される優雅なるカーテシー。
「ならば次は、天すら裁いてみせよう」
覇姫の赤き背が闇に溶ける。
残された空間には、まだ熱を帯びた沈黙だけが横たわっていた。
誰も動けない、誰も息を整えられない。
「あの
震える声が、ようやく
「無敵無敗の美の覇者を……止めた……?」
地に伏した醜姫。
その唇に、確かに浮かんだのは
── 敗者の笑みではなかった。
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「ねえママ! どうして、あのおねえちゃんたちは、きゅうにケンカをはじめたの?」
「
目が合えば
そして
ただそれだけ。
あれが、生き様というものよ」
「へーそうなんだ。ちゅうにびょうなんだね♪」
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覇阿メルン書房刊「実在した! 世界滅殺拳法列伝」
──
太古、
両掌の間に
一度放てば大地は裂け、天井は崩れ、敵は血に染まる。
「達人と言えど二度は撃てぬ。
使えば、
──
その名の通り、太陽(日輪)の力を
その起源は、遠く古代──インド・ガンジス
伝説の武僧・バラモン=ドヴァが編み出したとされ、太陽礼拝の秘儀にその源流を見ることができる。
彼らは真昼の太陽を直視し、眼球を焼きながらも精神を鍛えたという。
やがてその修行法はシルクロードを経て西方へ伝播。中世ヨーロッパにおいては、
十字軍騎士団の中に密かに受け継がれた。
そして掌打へと昇華されたのが現在の形──日輪覇滅掌である。
「太陽は万人を照らすが、等しく救わぬ。
耐えられぬ者は焼かれ、立ち続ける者のみが天の覇に並び立つ」
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